クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

「――医大?」

僕の『お願い』に、僕の師である闇医者は驚いたようにそう返すと、
やがて破顔しました。

「何々?　秋は本気で本物の医者を目指すの?　闇医者じゃなくて?　カタギに戻りたい?」
「いいえ、僕の居場所はここですドクター。例え医師免許を取ったって、僕はこの診療所の
闇医者見習いで、草次組の組員です」
「ふむ?」
「……でも、ここにいる限り、磨かれるのは外科治療の腕と、錯乱した者達のメンタルケア
のみ。より専門的な知識も、最先端の技術も学ぶことはできません」
「ふむふむ」
「――ドクター。僕は本物の医者になって、より深い医療知識を手に入れたいんです。
――僕は、絶対に元の身体に治してあげたい人がいるんですっ」
「……なるほどねぇ?」

わざと察しの悪い風を装って僕の目標を聞いたドクターは、いつも通り整った顔貌に
飄々とした笑みを浮かべ、そして小さく首を振りました。

「井沢の兄さんかい?」
「はいっ」

その問いに、僕は頷きました。
僕にとってそれは、何より大事な事でした。

あの忌まわしい事件の後、桜浪会、そしてその下部組織である草次組も大きな打撃を受け、
しばらくは大変な時期が続きました。
そんな中、怪我をしてしまった組長代行、それを支える鈴麗さん、そして井沢さんは、
特に多忙を極めながらも組をまとめ、そして再建に向けて奔走していました。

その中でも特に大変だったのは、きっと僕の兄貴分である井沢さんでしょう。
彼はあの事件のせいで、人としての真っ当な姿を失い、そして事件が終わった後も、
その姿に苦しめられ続けなければいけないんですから。

井沢さんは、何も気にしてないように振る舞い、今も組長代行を支えています。
でも、誰にもそんな様子は見せないけれど、あのおぞましい事件の黒幕と『同種』に
なりかけてしまったショックと苦痛は、彼をずっと苛んでいると思います。

井沢さん。僕の兄さん。――僕がこの世で一番大事な、僕の恩人。

あの人のため、僕は最善を尽くさなければいけない。
そして、今僕にできる事は、より深い、肉体に関する知識を得る事だ。
……もしかしたらそれは、科学では解明できない分野に及ぶのかもしれないけれど。

「……受験勉強、大変だよー?」

そんな僕の内心を知ってか知らずか、ドクターはのんびりと言葉をくれる。

「わ、判ってます」
「お金も半端なくかかるしー」
「そ、それも。大丈夫です、いざとなったらこの身体は需要があると思いますしっ」
「サラッと怖い事言うよね君。まぁ、確かにあるとは思うけど。……それに、本物の
医者になると細かい事がすっごく面倒になるよ。今やってる事がばれても即逮捕。
医療法違反。そして医師免許はく奪。君の努力は、何一つ実を結ばずに泡と化す
かもしれない。判ってる?」
「は……はい。……それでも……それでも僕は、自分ができる事を、やりたいんです!!」

身の程知らずだって事は判っています。
それでも、僕は可能性を諦めたくない。諦めて、後悔したくない。


「……It always seems impossible until it’s done.」
「……え?」


――何事も成功するまでは、不可能に思えるものである……?

「ネルソン・マンデラの名言だよ〜。……まぁねぇ。秋みたいなチビッ子が極道とか、
最初冗談かと思ったし。……そのくせ今、なんとかしてるし。チャカまで扱えるように
なってるし、ぶっちゃけ合法ゲスショタだし」

酷い評価だなぁ。ちょっと計算高いだけの、かわいいを売りにしてるだけなのに。

「……君なら、がんばれるんじゃない?　まぁ、挫折しても今更失う物も無いでしょ?
やるだけやったら?」

……。

「あーあ、じゃあ新しい助手がいるよねぇ。助手は癒し重視だから、ごっつい親父はいらないなぁ。
あの美人な外人組員さんとか、医学の心得ないかなぁ?　好みなんだよねぇ」
「鈴麗さんですか?　彼女は代行以外の為に働かないと思うので、無理だと思いますよ」
「うぇーっ。女同士とか不毛だよぉっ」
「そういう意味でも無いと思いますけどね。……そういうわけで、暫くご迷惑おかけします。
ドクター」
「はいはい」

ご迷惑。ドクターだけじゃなく、代行にも井沢さんにもかけるだろうな。
……それでも、僕は挑戦したい。あの事件を、井沢さんと僕が、本当の意味で終わらせるために。

「……消えろ怪物。お前の世界なんかに、僕達は屈したりしない」

おぞましい虫を撒き散らし死んだ黒幕が脳裏に浮かび、僕は小さく呟く。
その決意を胸に、僕はやがて、この日常から逸脱するだろう。

二日間のセッションお疲れ様でした。そして終盤のとんでもないミス、大変失礼しました。
最大の敵は半分寝ぼけた頭でのクリックミスだと痛感しつつも、合法ヤンデレゲスショタを
楽しくプレイさせていただきました。また機会があったら、是非お邪魔させてくださいませ。
ラッキーマウスさんの現代卓は初めてで、新鮮でした。

朝
「ーーもう会うことはないでしょう。ほな、さいなら。」
と、別れて数日後、あっしは普通に組の所に顔を出す。
とりあえず、代行にはなるべく会わず話さないようにしている。
別れを言った手前、こちらがどう接するかわからないから。
代行は普通に何事もなく業務的に接してくれるのでありがてぇ。
ともあれ、代行のことは紫雲に任せておけばいいだろう、大丈夫。

昼
街中を歩く井沢さんと藤田さんを見かける。これから昼食か何かだろう。
井沢さんはあの一件後に代行と話を付けて去る…こともなく、
組に残っているようだ。それが誰の意見が通ったことかはあっしのあずかり知らぬことだ。
藤田坊…いや、藤田さんは医大を目指すらしい。
彼らは彼らで勝手に救われるだろう、大丈夫。

夕方
夜中の見回りに備えて昼寝をしに雑貨屋に戻る。
その途中で後輩？だろうか、若い男達を連れて飲み屋に向かう星噛嬢さんを見かける。
代行と彼女が話しているのを偶然聞いてしまったが、先代のことは吹っ切れた…のだろうか
だが、彼女の帰る場所が組にあり、過去と折り合いをつけていた。
あっしには羨ましいとすら思う。
彼女は彼女で前に歩けるだろう、大丈夫。

夜
雑貨屋を開き、時折酔いつぶれたホームレスやチンピラの介抱をしたり、世間話をしている。
幼い男の子はいいぞぉ…とか良く分からん言葉を適当にいなし、
組のある方角を見る。夜襲などはなさそうだ。。。
組は安全だ、大丈夫。


大丈夫、大丈夫、大丈夫。


呪いめいた言葉があっしの心を縛る。
あっしが本当にほしいのは、そんなものではない。
人を斬る理由、正当性がほしかった。
錆びついた闘争心、戦う意味、理由、仁義。
揺らいで揺らいで、あっしの日常は溶けていく。

ーー救われぬ者に、救いを。
老兵に救いは届かない

「…擁護施設、か。」

ふと、立ち寄ったボロボロの養護施設に足を踏み入れる、
気の迷いから、あるいは何か求めて、あっしはそういった

「…この子を引き取りやしょう。」

そして連れ帰った子供。
養子、家族。今更そんなものが居ても老兵は救われない。
だが…それでも、何かが変わることを信じて、
老兵は生きる…否、
歩く死人は歩き続ける。

二日間のセッション、お疲れ様でした。
最大の敵はファンブル、はっきりわかりますね。
おっさんファンブル多すぎ。
特に目立った活躍はできずに申し訳ない。皆様と同じ卓を囲めたこととても楽しかったです、
ありがとうございました。

PC 藤田 秋 / PL ミヤ様
お疲れ様でしたー。合法ヤンデレゲスショタ…どうしてこうなった。
愛はPCを狂わせるのか…（白目）
絡んでいて、
気が付けばキャラ濃くなるな…と他人事のように眺めていました。
（良いぞもっとやれ）
機会があればその時はよろしくお願いします。その時は私も病んでれ全開で黒幕に告白とかします。
（違うそういうゲームじゃない）
ありがとうございました。

PC 紫雲 / PL ココウ様
お疲れ様でした。色々…格好良かったです。
最初はエンジニア……うん…とそこまで印象を持たなかったですが、代行と絡み始めてからキャラが経ち始め、
代行がピンチになり始めた辺りから”漢”といった感じで、とにかく格好良かったです。
男キャラのRPが苦手なので、とても参考になりました。ありがとうございました。
また機会があればその時はよろしくお願いします。

星噛 奈義 / PL スリなう様
お疲れ様でした。さすが姉御…さす姉！
結構さばさばしたキャラかな？と最初は思いましたが、絡んでいくうちに乙女ちっくな描写や
熱血あふれるところ、人間臭く語るところなど、見惚れるRPになりました。
また機会があれば、その時はよろしくお願いします
ありがとうございました。

KPラッキーマウス 様
二日間のセッション、お疲れ様でした。
下っ端ヤクザは強敵でしたね・・・（白目）
ファンブルを出してしまい、申し訳ない。
説得ファンブルは思わず笑った。どうしてこうなった。
あまりHOを活用できずにRPをしていたため、どこかキャラが薄くなってしまいました
（ショタに井沢は任せた結果）
反省点や得られる経験、今後の課題など多くを気づかされたよきセッションでした。
また、それ以上に、楽しいセッションありがとうございました。とてもたのしかったです。
別卓で会う機会があればその時はよろしくお願いします。

「−−お嬢、お話したいことがあるので、少しよろしいでしょうか？」
「…あぁ、構わねぇよ」
あの事件から数日後の草次組事務所の一室、俺は、お嬢と二人きりで話をした。…とても大事な
「それで、話って何だ？紫雲」
「…俺、店をやめて、完全に組に戻ります」
その言葉を聞いて、お嬢は、驚きを隠せずにいた。
「…店をやめるって、お前、自分の夢はいいのか？もう、後に戻れなくなるぞ」
「いいんです。店を始めてからも、本当にこのままでいいのか？って思っていました。
そして、この間の事件で、お嬢や、皆が傷ついた姿をみて、やっと、自分の中で決心がついたのです。
＜もう、誰も傷つけさせない、この組は、お嬢は、俺が守る＞って。皆を守れるのならば、夢も捨てる覚悟です！」
お嬢は、最初、何か言いたげだったが、俺の覚悟が伝わったのか、しばらく考え込み、そして聞いた。
「…それが、お前の選んだ道なんだな？」
「はい、俺の選んだ道です。後悔なんてしません」
「そうか…わかった、そんじゃ、これからも、よろしくな、紫雲」
「えぇ、これからも、よろしくお願いします、お嬢。…それでは、さっそくですが、お嬢、何か手伝うことはありますか？」
「…、それじゃ、お茶を淹れてきてくれ、お前の淹れるお茶は一番うまいからな」
「かしこまりました、お嬢」
「あぁ、それと、頼みがあるんだが…」
「なんでしょうか？お嬢」
「私に、武術を教えてくれないか？私も、皆を守りたい、その為には強さが必要だ。」
「お嬢…」
だから、これから、空いてる時間には、私に稽古をつけてくれないか？」
「わかりました…先に言っておきますが、相手がお嬢と言えど、厳しく教えますからね」
「あぁ、むしろ、そうでなくちゃ。それじゃ、これから、よろしくな、先生」
「…先生、か」
「だ、ダメか？」
「いえ、稽古の時は、それで構いません、それじゃ、稽古の時はお嬢のことは、呼び捨てで構いませんね？」
「あぁ、そのくらいだったら、構わないぞ」
「では、稽古になったら、覚悟しておいてください、桃花」
「あ、あぁ、こちらこそ、お願いします、先生」
こうして、俺は、この組に戻った、そして、これからも、お嬢や皆を守っていく、いつまでも…

二日間、お疲れ様でしたぁぁ！
最初の方は、あまり目立つような活躍や、ＲＰができていなかったと自分は感じていました。
しかし、話が進むにつれて、特にＲＰ面、頑張ったと確信しています。
多分、今まで囲んだ卓の中で一番ＲＰを頑張ったんじゃないですかね？
こんな、楽しい卓を作ってくださった皆さん、本当にありがとうございました！
また、一緒に遊ぶ機会があったら、その時は、よろしくお願いします

「…なあ親父。今度ばっかりは戯言じゃなかったよな？」

一人突っ走って兄弟たちに迷惑をかけた井沢。独り善がりで狂った扇のじじぃ。
どちらの考えも納得でき、どちらにも正義があった。
だが気に入らなかった、腹が立った。全てが悪くて、全てが悪くなかった。
利益だけを見ない世界。それが極道。腐った世界だと思っていたものに正義があると教えてくれた。
俺が、じじぃが、紫が、秋坊が、仙が、桃が、井沢が、扇が、鈴娘が、みんなが守った世界
互いを支え、互いを陥れ、家族にためにと思ったことが間違いだったあの事件。
...もし多部の計画が成功していたら、俺は正気で入られただろうか。
蟲で作られた人形を、殺すことができただろうか。

「なに言ってんだい奈義姐、あんたは本気でやったじゃないか。それに私はまだ生きてる。それだけで十分だろ？」
「てめえの命をそれだけって言うな馬鹿。ま、確かに良かったがな。」

結果的にはHappyendだったが、残った傷は大きすぎた。

「で、なんでサイズが合わねえ巫女服なんて着てんだ」
「暇だしだいぶ血で服が汚れたからな。どうだ？似合ってるか？」
「いやうん…似合ってがいるが…」
「そうか！まぁスタイルも顔もばっちしだからなー俺」
「あとは性格さえどうにかすれば完璧なんだがな…」
「これを変える気はねえよ。じゃなんだ？俺がはわわ〜とか言ってりゃいいのか？」
「…うん…ごめん」
「さ、馬鹿みてえな話はやめだ。そろそろ署に戻らなくちゃいけねえしな」
「辞めるんじゃなかったのか？」
「バレなきゃいいんだよ。それに肩書きは便利だし、バレてもここに来れるしな」
「そうか、何時でも来いよ。姐さんだったら何時でも歓迎だ」
「まぁちょくちょく会いに来るさ。ただ非常時は絶対呼べよ？お前は俺の妹みたいなもんなんだから」
「同い年だろ？ま、さん付けは自分でも気持ち悪いって思ったしな。」
「…なぁ…キスしていいか？」
「はぁ！？」
「…ダメか？」
「だ、ダメに決まってんだろ。」
「そうか、つまらんな。ま、お前には紫雲と鈴娘と井沢いるしな。俺の出る幕はねえか」
「お、おいなに言ってんだよ。」
「なに、魔が差しただけだ。安静にしろよ。じゃあな！」
「な、なにがしたかったんだ…」

「…プッ、ククククッ、はははははははははは！」
「うるせえ、ここは病院だぞ。」
「なんだよ扇じじぃ。くッふふふ。いいじゃねえか、じじぃだって元気な孫の姿覗き見してたろ。」
「手前が変な格好で入ったからだ。」
「お、これか。桃にも聞いたんだが似合ってるか？」
「手前を女と見たことなんてねえよ。それに俺が世辞など言う奴に見えるか？」
「ま、確かにそうだな。で、どうだ調子は。あの考えはなくなったか？」
「…もうあても力もなくなったからな。」
「そりゃよかった。…桃とは話せたのか？」
「あぁ。…結局、今の桃花には仙は必要なかったな…俺はもう桃花を守ることはできないが」
「…あぁそうだ。桃だって理解してるって言っただろ。…桃にとってはじじぃが最後の肉親なんだ。もう無駄なこと考えず長く生きてやれ。」
「ふっ、手前十年で変わったな。気に入らねえことがあったら全部殴ってたお前が。」
「仙の所為さ。…十年かかっちまったがな。ただ結局捨てられなかった。じじぃの所為だぜ今度は、 たく 親子揃って俺の生き方揺さぶりやがって。」
「過去を捨てるとか言ってなかったか？女々しいぞ。」
「どの口が言うじじぃ。じゃあな、痴呆が入らねえように気をつけろよ。」

結局前も後ろもわかってなかったのかもな。
世界は生ぬるく残酷。人生を捨てようが生きていけてしまう地獄。正義は偽善と呼ばれ、悪が牛耳る人の世。
どこを突けば世界は崩れるのだろう。どこを終わらせれば始まるのだろう。

「戯言を抜かすな。世界は言葉で全てを表現できるほど単純じゃねぇ。悪も正義もこの世にはねえ。お前が見える範囲を世界と呼ぶな。」

「…幻覚のくせに、長え捨台詞なんて吐きやがって。ホント、ふざけた親父だぜクソが。」

何も変わらん、変えることもできない。だったら付き合うしかねえじゃねえか。
いつも通り強がって生きてきゃいい。世界なんて見ないで、仲間と駄弁って、酒を飲んで…

二日間お疲れ様でした！
RPばっかやってて探索とか全然できずにすみませんでしたm(_ _)m 生意気なRPもすみませんでした… ヤクザRPが楽しすぎた…
口調に特徴ありすぎて後日談大変だぁ…
戦闘重視のPCにしたはずなのに…あれ？心理学やって壁にしかなってなかった…？ただ無事に全員生還できてよかったです！