【初心者卓】マジムンアビィリュンユル（蛇が叫ぶ夜）【初心者KP百】 後日談
最終更新：ID:dBmMAi8l1A 2016年05月30日(月) 17:57:16履歴
あらすじ 
シナリオのあらすじ
ある年の夏。数百年に一度見られる皆既日食のため、南西諸島にやってきた探索者達。しかしホテルのオーナーの手違いにより、予定がブッキングしてしまい部屋に入れない。
探索者達はオーナーの計らいで、予定していた島の隣の島である小さな「因果島」の民宿にタダで泊まることが出来ることになった。
しかし探索者達はそこで恐るべき怪異と出会うことになる……。
孤島に叫び声が響く。光亡き夜に蛇が蠢く。■■■■の悪夢から、君たちは逃げだせるか？
探索者達はオーナーの計らいで、予定していた島の隣の島である小さな「因果島」の民宿にタダで泊まることが出来ることになった。
しかし探索者達はそこで恐るべき怪異と出会うことになる……。
孤島に叫び声が響く。光亡き夜に蛇が蠢く。■■■■の悪夢から、君たちは逃げだせるか？
探索者の後日談
木島 翔(きじま しょう) / まさ様
PCより
[END]
PLより
ソウジ君との約束
因果島での出来事から数週間後、仕事が休みの日に親友のソウジ君の
家に出かける準備をしていた。因果島の時ソウジ君とエステラさんの様子が、
変だったからその時の事を教えてもらうおう。
「まあ、どうせソウジ君が何かしたんだろうな］
と言い少し笑いながら、自宅を後にした。
家に出かける準備をしていた。因果島の時ソウジ君とエステラさんの様子が、
変だったからその時の事を教えてもらうおう。
「まあ、どうせソウジ君が何かしたんだろうな］
と言い少し笑いながら、自宅を後にした。
PLより
皆さんお疲れ様でした。
初めてのオンセで緊張してましたが、優しいPLに寛大なKPに会えてとても楽しかったです。
かふぇもか様･クロ様･もっぷ様･KP百様･本当にありがとうございます
これからも時間が空いた時にオンセ続けていこうと思います。
かふぇもか様･クロ様･もっぷ様･KP百様･本当にありがとうございます
これからも時間が空いた時にオンセ続けていこうと思います。
湯本 かな(ゆもと かな) / かふぇもか様
PCより
PLより
「色々あったけど、なんとか帰ってこれてよかったです」
みなさまお疲れさまでした。
初めて参加するオンセでこの卓に巡り合えたのはとても幸運だったと感じております。
シナリオ、KPの采配、皆様のRP等非常に楽しませて頂きました。
クロ様、後日談もありがとうございます。こちらもまた楽しみつつ勉強させて頂きますね。
シナリオ、KPの采配、皆様のRP等非常に楽しませて頂きました。
クロ様、後日談もありがとうございます。こちらもまた楽しみつつ勉強させて頂きますね。
Estela Christina Dar(エステラ・クリスティーナ・ダル) / クロ様
PCより
PLより
ありえたかもしれない、とある養護教諭の未来
窓拭養護教諭活動報告書（Estela Christina Dar(エステラ・クリスティーナ・ダル)編）
「因果島」での出来事が起きてから早半年が経つ。私はその出来事から見事生還し、
今はこうして勤務している小学校の保健室で黙々と仕事を行っている。
銀髪のロングヘアーをたなびかせ、自前の白衣をズボラに着て、
私の信念に基づき今の日常を送っている。子供たちと一緒に授業をし、
保健室や生徒たちの管理をし、心身傷ついた子供たちの味方となって
助力をする。何でもない、ありふれた様な・・・、それでいてこの世界では
貴重だと思えるような時間を過ごしていた。これはそんな日常の中のとある冬の出来事である。
おや？ 今日もこの保健室に来た子供がいるようだ。全く、大人として相手にならなくちゃね・・・
そしておそらくまた私の名前を間違えるのだろう・・・、この子は・・・。
「栗栖先生！ さっき転んじゃってすごく痛いよー！ 早く治してー！」
「・・・、全くまた君か。あと、私は『栗栖』じゃなくて『窓拭』だ！」
「えー？ だってこの前まで栗栖先生って言っても何も言わなかったじゃん！」
「昔は昔、今は今だ。私は3か月も前に結婚したんだぞ？ もう両手で数えられ
なくなるくらい同じ話を君に話してるつもりだぞ？」
「えー？ でも栗栖先生は栗栖先生じゃん！」
「名前は変わってないんだから、私のことはエステラとでも呼べばいいじゃない？」
「やだー！ 難しくてすごく呼びにくいもん！」
「・・・ﾊｧ」
・・・全く。子供に論理的な説明をしろというのが無理があるか・・・
まあまだ社会を知らない子供に入籍したら名前が変わるなんて説明しても無駄か・・・
確かに昔は『栗栖 エステラ』としてここで勤務していたがそれも昔の話。
「因果島」での出来事を共に経験、そして共に解決に導いた私のかつての親友、
現在の私の夫である警察官の「窓拭 ソウジ」・・・。
私はその夫の妻である「窓拭 エステラ」である。
あの時の私は皆を守ることだけを考えていて必死になり何も見えなくなっていた。
もしかしたら自己陶酔して自己犠牲というつまらない手段も取っていたかもしれない。
けれど私のことを知ってくれた、私を受け入れてくれた、そして私のことを本気で
愛してくれた彼がいたから、私は生きて帰ろうと思い、あの島から生還した。
そのおかげで私はこうしてこの場で子供の相手が出来ているのかもしれない。
そう思うと、彼に対して感謝してもしきれない恩が出来てしまったことになる。前まで私が主導権を
握っていたと思っていたが、いつの間にか逆転されていたようだ・・・。まあ今はそれも悪くないと
思っている私がいるのも事実ではある。
子供の治療を行いながら、その事実を確認するように義腕である左腕の薬指に嵌っている指輪を私は見る。
そこには緑色の宝石がはめ込まれた指輪がある。そして目の前にいるこの子は
この指輪に関してまた同じ話を聞きたがるのだろう・・・。
「先生！ その綺麗な石ってエメラルドだっけ？ 緑色してるから合ってるでしょ！」
「うーん、残念。これはペリドットっていう宝石なの。これは私の好きな人からのプレゼントなのよ」
「えー、そうだっけ？ あ、あと先生はいつも何かほかにもなんか言ってるよね！ えーと・・・？」
多分あの事であろう。彼が、いつも自分の本心をなかなか話してくれないシャイな彼がこの宝石に込めた
言葉のことを言っているのであろう。黙って私にプレゼントしてうやむやにするつもりだったのだろうが、
そんな真意を見抜けないほど私は落ちぶれてはいない。私は彼のメッセージを確認するようにこう言った。
「ペリドットの石言葉は『夫婦の幸福』と『信じる心』
私を大事に思ってくれている彼なりの最高のプロポーズね」
今はこうして勤務している小学校の保健室で黙々と仕事を行っている。
銀髪のロングヘアーをたなびかせ、自前の白衣をズボラに着て、
私の信念に基づき今の日常を送っている。子供たちと一緒に授業をし、
保健室や生徒たちの管理をし、心身傷ついた子供たちの味方となって
助力をする。何でもない、ありふれた様な・・・、それでいてこの世界では
貴重だと思えるような時間を過ごしていた。これはそんな日常の中のとある冬の出来事である。
おや？ 今日もこの保健室に来た子供がいるようだ。全く、大人として相手にならなくちゃね・・・
そしておそらくまた私の名前を間違えるのだろう・・・、この子は・・・。
「栗栖先生！ さっき転んじゃってすごく痛いよー！ 早く治してー！」
「・・・、全くまた君か。あと、私は『栗栖』じゃなくて『窓拭』だ！」
「えー？ だってこの前まで栗栖先生って言っても何も言わなかったじゃん！」
「昔は昔、今は今だ。私は3か月も前に結婚したんだぞ？ もう両手で数えられ
なくなるくらい同じ話を君に話してるつもりだぞ？」
「えー？ でも栗栖先生は栗栖先生じゃん！」
「名前は変わってないんだから、私のことはエステラとでも呼べばいいじゃない？」
「やだー！ 難しくてすごく呼びにくいもん！」
「・・・ﾊｧ」
・・・全く。子供に論理的な説明をしろというのが無理があるか・・・
まあまだ社会を知らない子供に入籍したら名前が変わるなんて説明しても無駄か・・・
確かに昔は『栗栖 エステラ』としてここで勤務していたがそれも昔の話。
「因果島」での出来事を共に経験、そして共に解決に導いた私のかつての親友、
現在の私の夫である警察官の「窓拭 ソウジ」・・・。
私はその夫の妻である「窓拭 エステラ」である。
あの時の私は皆を守ることだけを考えていて必死になり何も見えなくなっていた。
もしかしたら自己陶酔して自己犠牲というつまらない手段も取っていたかもしれない。
けれど私のことを知ってくれた、私を受け入れてくれた、そして私のことを本気で
愛してくれた彼がいたから、私は生きて帰ろうと思い、あの島から生還した。
そのおかげで私はこうしてこの場で子供の相手が出来ているのかもしれない。
そう思うと、彼に対して感謝してもしきれない恩が出来てしまったことになる。前まで私が主導権を
握っていたと思っていたが、いつの間にか逆転されていたようだ・・・。まあ今はそれも悪くないと
思っている私がいるのも事実ではある。
子供の治療を行いながら、その事実を確認するように義腕である左腕の薬指に嵌っている指輪を私は見る。
そこには緑色の宝石がはめ込まれた指輪がある。そして目の前にいるこの子は
この指輪に関してまた同じ話を聞きたがるのだろう・・・。
「先生！ その綺麗な石ってエメラルドだっけ？ 緑色してるから合ってるでしょ！」
「うーん、残念。これはペリドットっていう宝石なの。これは私の好きな人からのプレゼントなのよ」
「えー、そうだっけ？ あ、あと先生はいつも何かほかにもなんか言ってるよね！ えーと・・・？」
多分あの事であろう。彼が、いつも自分の本心をなかなか話してくれないシャイな彼がこの宝石に込めた
言葉のことを言っているのであろう。黙って私にプレゼントしてうやむやにするつもりだったのだろうが、
そんな真意を見抜けないほど私は落ちぶれてはいない。私は彼のメッセージを確認するようにこう言った。
「ペリドットの石言葉は『夫婦の幸福』と『信じる心』
私を大事に思ってくれている彼なりの最高のプロポーズね」
「因果島」での親友への告白（湯本 かな(ゆもと かな)編）
「・・・いい加減にしてください！ 私達のことを、そんなに信用できないんですか！？」
「因果島」に来てから6日目の夜、彼女「湯本かな」が私の部屋に来て大事な話があると言って
現れた。私は旅行に同行していた彼女を部屋に招き入れたが、その後湯本かなに頬を叩かれ
叱咤された。多少混乱はしたが、どうやら私の過去、小さいころ私が誘拐されて左腕を切断されたことを
窓拭ソウジから全部聞いてしまったらしいということは理解できた。絶対に他言はしないと数日前に彼に
言われてたような気もするし、どういう経緯か全く不明ではあるが彼女に伝わってしまったらしい。
私からしてみれば一番過去のことを知られたくない相手に自分の過去がばれている状況である。
そんな私の気をつゆ知らずかさらに彼女は言葉を発する。
「おまけに岩子さんのときにも栗栖さんが全部責任負うとか！ 島から逃げたかったら
船をすぐに手配するとか！ 本当に私達のこと信用してなかったんですね！ 親友じゃなかったんですか！？
失望しました！ 一体どういうことか説明してくれませんか！」
私はどうにか彼女を落ち着かせようとしたが無駄だった。当たり前である。彼女からすればこちらの親切心による行動は
全て彼女達を信用していないことを前提として動いていたというようにとらえられても仕方ないことだからである。
だがしかし私は本当に他意は無く、親友達のことを思って最大限動いていたことを彼女に伝えた。
すると、彼女は何かを悟り両手を開いて自身の両腕を私の前に突き出してこう言った。
「だから、何で栗栖さんはいつも一人で全部背負いこもうとするんですか！ 何で私たちを頼ってくれないんですか！？
誰よりも一番辛いのは栗栖さん、貴女じゃないですか！ 栗栖さんにだって辛い時は泣いていい権利はあるんですよ！
私の恩人で親友の栗栖さんが私達に頼らずに一人で悲しんでいるのを私は見たくない！ だから、もっと私達を頼ってよ！」
そう言って彼女は私の体を抱きしめる。私より一回り小さく、力強く、しかしそれでいて私の冷えていた心を温めるような
優しい、まるで母のような抱擁だった。私は彼女に自分の体を預け、嗚咽を漏らしながら大粒の涙を流し始めた。
彼女もそれに呼応するかのように頬に涙を流す。私は本当に愚かだった。こんなにも頼りになる親友がいたにもかかわらず、
守ることだけしか考えていなかった。彼女の気持ちなど何も考えたことすらなかった愚か者だ。そのことを彼女に必死に
伝えながら、涙を流し自らの体を彼女を預ける。すると彼女は私の頭を撫で始めてこう言った。
「今まで本当に辛かったよね。私も今まで栗栖さんが辛かったことに気づかなくてごめんなさい。
もう一人で抱え込まなくていいんだよ。これからは今まで栗栖さんに対して出来なかったことを
私が少しでもやります。だから、今は私に全部任せて、ね？」
彼女なりの決意を私は聞きながら、子供のように今は彼女に泣きつきすがることにした。
「因果島」に来てから6日目の夜、彼女「湯本かな」が私の部屋に来て大事な話があると言って
現れた。私は旅行に同行していた彼女を部屋に招き入れたが、その後湯本かなに頬を叩かれ
叱咤された。多少混乱はしたが、どうやら私の過去、小さいころ私が誘拐されて左腕を切断されたことを
窓拭ソウジから全部聞いてしまったらしいということは理解できた。絶対に他言はしないと数日前に彼に
言われてたような気もするし、どういう経緯か全く不明ではあるが彼女に伝わってしまったらしい。
私からしてみれば一番過去のことを知られたくない相手に自分の過去がばれている状況である。
そんな私の気をつゆ知らずかさらに彼女は言葉を発する。
「おまけに岩子さんのときにも栗栖さんが全部責任負うとか！ 島から逃げたかったら
船をすぐに手配するとか！ 本当に私達のこと信用してなかったんですね！ 親友じゃなかったんですか！？
失望しました！ 一体どういうことか説明してくれませんか！」
私はどうにか彼女を落ち着かせようとしたが無駄だった。当たり前である。彼女からすればこちらの親切心による行動は
全て彼女達を信用していないことを前提として動いていたというようにとらえられても仕方ないことだからである。
だがしかし私は本当に他意は無く、親友達のことを思って最大限動いていたことを彼女に伝えた。
すると、彼女は何かを悟り両手を開いて自身の両腕を私の前に突き出してこう言った。
「だから、何で栗栖さんはいつも一人で全部背負いこもうとするんですか！ 何で私たちを頼ってくれないんですか！？
誰よりも一番辛いのは栗栖さん、貴女じゃないですか！ 栗栖さんにだって辛い時は泣いていい権利はあるんですよ！
私の恩人で親友の栗栖さんが私達に頼らずに一人で悲しんでいるのを私は見たくない！ だから、もっと私達を頼ってよ！」
そう言って彼女は私の体を抱きしめる。私より一回り小さく、力強く、しかしそれでいて私の冷えていた心を温めるような
優しい、まるで母のような抱擁だった。私は彼女に自分の体を預け、嗚咽を漏らしながら大粒の涙を流し始めた。
彼女もそれに呼応するかのように頬に涙を流す。私は本当に愚かだった。こんなにも頼りになる親友がいたにもかかわらず、
守ることだけしか考えていなかった。彼女の気持ちなど何も考えたことすらなかった愚か者だ。そのことを彼女に必死に
伝えながら、涙を流し自らの体を彼女を預ける。すると彼女は私の頭を撫で始めてこう言った。
「今まで本当に辛かったよね。私も今まで栗栖さんが辛かったことに気づかなくてごめんなさい。
もう一人で抱え込まなくていいんだよ。これからは今まで栗栖さんに対して出来なかったことを
私が少しでもやります。だから、今は私に全部任せて、ね？」
彼女なりの決意を私は聞きながら、子供のように今は彼女に泣きつきすがることにした。
とある守護者との契約儀式（窓拭 ソウジ（まどふき そうじ）編）
「・・・流石にこの服装は、恥ずかしいものだな」
私は今、純白のドレスを身にまとい、銀髪のロングを後ろに巻き上げて純白のグラジオラスの髪飾りで髪留めし、
メイクを万全に整えブライズルームで待機している。普段は仕事上白い服装である白衣は着慣れてはいるが、
今回は勝手が違う。そう、今日は私たちの結婚式なのだ。そして私は花嫁役ということだ。
数か月前までは全く想像もしていなかった現実がこうして今、私たちの手で実現されようとしている。
本当にこんな幸せを、左腕を欠損している私がもらってもいいのだろうか？
と思っていたりもするが、そんなこと悟られたら私は彼に嫌われてしまうだろう。だから今は少しでも気を
逸らすために今の私の姿をスタンドミラーで念入りに確認しているところであった。完璧な・・・はずである。
しかし、やはり気恥ずかしい。彼は今の私を気にしてくれるだろうか？
そんなことを考えていると、ブライズルームのドアからノックの音が鳴り響き、聞きなれた声が聞こえた。
私の夫である「窓拭 ソウジ」である。私は気持ちを切り替え、彼が部屋に入ることを了承した。
そして、部屋のドアが開かれダークスーツを身にまとった新郎様が入ってくる。
ふむ、やはり似合っているな。彼は体も大きく、筋肉もあり、顔立ちも悪くない。おまけに普段からスーツなどの
正装には着慣れているだろうから、身のこなしも私とは段違いだ。彼は私の姿をよく観察すると頬を少し赤らめて少し
顎を引いてしまった。彼は私に対して何を思っているのかと思い、私は少し彼の心を読むことにした。
ccb<=70 心理学 → 成功
どうやら私のことを花嫁としてかなり意識をしている・・・？ ちょっと待って！ そんなことわかっちゃったら私まで
恥ずかしいじゃない！ どうしてくれるのよ！？ きっと今の私をそこのスタンドミラーに映したらBoiled Octopus（茹蛸）
が映るに違いないわ！ 何か・・・何かすぐに言わなくちゃ！ そう思って、私は少し顎を下げて彼を刺激しないように
気を使いつつ言葉をかけることにした
「・・・何か、・・・言ったらどうなの？」
私何でこんなにぶっきらぼうなの！？ もっと他に良い言葉は見つからなかったの！？ こんなことなら普段から優しくて甘い
言葉遣いを覚えるべきだったわ！ ・・・何か彼が言いたそうだわ。もうここは彼に任せちゃいましょう！ そうしましょう！
「・・・いや、エステラの様子を確認しようと思ったら目の前に女神がいて呆気にとられてな・・・」
「・・・はう！ ・・・///」
お互いとんでもなく意識しちゃってるじゃない！ どうするのよこれ！？ 完全に私にご執心じゃない！？ お互い
落ち着かせないとこのままじゃ不味いわ！ そ、そうよ！ 時間を稼いでお互い落ち着くのに賭けてみましょう！
「・・・そういえばずっと聞きたかったのだけれど・・・、何で私を選んでくれたの？」
そう、ずっと気になっていたことだ。私には彼が好きな理由が明確にあるし、このまま生涯を共にするのに不満などない。
けれど彼は私のことを本当はどう思っているのか、私が彼の幸せを壊してしまっていないだろうかと気になっていたことである。
前からずっと聞いてはいたが、まだ答えは聞いていない。その私の問いを聞いた彼は顔を上げ、真剣な眼差しでこう答えた。
「前にも言わなかったか？ 俺はお前が俺を好いているころよりもずっと前からお前のことがずっと大好きで、
どんなにお前に理不尽と思われようとも、絶対にお前を一人にさせないって」
「・・・それ、答えになってないわよ？」
そうなのだ。彼には決定的に足りないものがある。それは『私を愛してくれる明確なターニングポイント』だ。彼は私を愛しているという
"結果"は存在するが、その"過程"を私は知らない。それだけが不安でたまらなく、疑いたくない彼に対して疑いを私に持たせてしまうのだ。
それに何か察したのか、彼は何時もの、子供らしい笑顔でこう言った。
「これも前に言ったよな？ お前相手に嘘がつけるほど俺は器用じゃない。俺はお前みたいに何にでも、どんな問題にも明確な
理由を求めれるような優れた男でもない。だけど、お前が不安ならこれだけはハッキリと断言しておくぞ。
『俺は、窓拭ソウジは貴女を、Estela Christina Dar(エステラ・クリスティーナ・ダル)を、1人の大切な女性として愛してる』」
「・・・貴方は、本当に。・・・本当に、大馬鹿が付くほどの真面目野郎ね」
これは彼なりの決意なのだろう。頭が金剛石のごとく固い、大馬鹿が付くほどの真面目な正直野郎の、だけど私を絶対に裏切らないという
彼なりの決意なのだろう。今後彼の真相を聞けるかは今の私ではまったくわからない。もしかしたら私を好いてくれる理由なんて最初からないのかもしれない。
だけど、今の私はそれでもいいのだと思ってしまう。何故なら今の私は彼の言葉を聞けただけで今までに感じたことのない幸福を味わえているからである。
彼は私の右手を取り、私を引っ張り出そうとする。けれどその手は優しく、まるで私をエスコートする王子様のようだった。
「さあ時間だ。行こう！ 俺達の幸せな未来に！」
私は彼の誘いに乗って歩みだす。もうこれからは逃げないという決意と、彼と一緒にこれからを歩んでいきたいという願いを携えて・・・
私は今、純白のドレスを身にまとい、銀髪のロングを後ろに巻き上げて純白のグラジオラスの髪飾りで髪留めし、
メイクを万全に整えブライズルームで待機している。普段は仕事上白い服装である白衣は着慣れてはいるが、
今回は勝手が違う。そう、今日は私たちの結婚式なのだ。そして私は花嫁役ということだ。
数か月前までは全く想像もしていなかった現実がこうして今、私たちの手で実現されようとしている。
本当にこんな幸せを、左腕を欠損している私がもらってもいいのだろうか？
と思っていたりもするが、そんなこと悟られたら私は彼に嫌われてしまうだろう。だから今は少しでも気を
逸らすために今の私の姿をスタンドミラーで念入りに確認しているところであった。完璧な・・・はずである。
しかし、やはり気恥ずかしい。彼は今の私を気にしてくれるだろうか？
そんなことを考えていると、ブライズルームのドアからノックの音が鳴り響き、聞きなれた声が聞こえた。
私の夫である「窓拭 ソウジ」である。私は気持ちを切り替え、彼が部屋に入ることを了承した。
そして、部屋のドアが開かれダークスーツを身にまとった新郎様が入ってくる。
ふむ、やはり似合っているな。彼は体も大きく、筋肉もあり、顔立ちも悪くない。おまけに普段からスーツなどの
正装には着慣れているだろうから、身のこなしも私とは段違いだ。彼は私の姿をよく観察すると頬を少し赤らめて少し
顎を引いてしまった。彼は私に対して何を思っているのかと思い、私は少し彼の心を読むことにした。
ccb<=70 心理学 → 成功
どうやら私のことを花嫁としてかなり意識をしている・・・？ ちょっと待って！ そんなことわかっちゃったら私まで
恥ずかしいじゃない！ どうしてくれるのよ！？ きっと今の私をそこのスタンドミラーに映したらBoiled Octopus（茹蛸）
が映るに違いないわ！ 何か・・・何かすぐに言わなくちゃ！ そう思って、私は少し顎を下げて彼を刺激しないように
気を使いつつ言葉をかけることにした
「・・・何か、・・・言ったらどうなの？」
私何でこんなにぶっきらぼうなの！？ もっと他に良い言葉は見つからなかったの！？ こんなことなら普段から優しくて甘い
言葉遣いを覚えるべきだったわ！ ・・・何か彼が言いたそうだわ。もうここは彼に任せちゃいましょう！ そうしましょう！
「・・・いや、エステラの様子を確認しようと思ったら目の前に女神がいて呆気にとられてな・・・」
「・・・はう！ ・・・///」
お互いとんでもなく意識しちゃってるじゃない！ どうするのよこれ！？ 完全に私にご執心じゃない！？ お互い
落ち着かせないとこのままじゃ不味いわ！ そ、そうよ！ 時間を稼いでお互い落ち着くのに賭けてみましょう！
「・・・そういえばずっと聞きたかったのだけれど・・・、何で私を選んでくれたの？」
そう、ずっと気になっていたことだ。私には彼が好きな理由が明確にあるし、このまま生涯を共にするのに不満などない。
けれど彼は私のことを本当はどう思っているのか、私が彼の幸せを壊してしまっていないだろうかと気になっていたことである。
前からずっと聞いてはいたが、まだ答えは聞いていない。その私の問いを聞いた彼は顔を上げ、真剣な眼差しでこう答えた。
「前にも言わなかったか？ 俺はお前が俺を好いているころよりもずっと前からお前のことがずっと大好きで、
どんなにお前に理不尽と思われようとも、絶対にお前を一人にさせないって」
「・・・それ、答えになってないわよ？」
そうなのだ。彼には決定的に足りないものがある。それは『私を愛してくれる明確なターニングポイント』だ。彼は私を愛しているという
"結果"は存在するが、その"過程"を私は知らない。それだけが不安でたまらなく、疑いたくない彼に対して疑いを私に持たせてしまうのだ。
それに何か察したのか、彼は何時もの、子供らしい笑顔でこう言った。
「これも前に言ったよな？ お前相手に嘘がつけるほど俺は器用じゃない。俺はお前みたいに何にでも、どんな問題にも明確な
理由を求めれるような優れた男でもない。だけど、お前が不安ならこれだけはハッキリと断言しておくぞ。
『俺は、窓拭ソウジは貴女を、Estela Christina Dar(エステラ・クリスティーナ・ダル)を、1人の大切な女性として愛してる』」
「・・・貴方は、本当に。・・・本当に、大馬鹿が付くほどの真面目野郎ね」
これは彼なりの決意なのだろう。頭が金剛石のごとく固い、大馬鹿が付くほどの真面目な正直野郎の、だけど私を絶対に裏切らないという
彼なりの決意なのだろう。今後彼の真相を聞けるかは今の私ではまったくわからない。もしかしたら私を好いてくれる理由なんて最初からないのかもしれない。
だけど、今の私はそれでもいいのだと思ってしまう。何故なら今の私は彼の言葉を聞けただけで今までに感じたことのない幸福を味わえているからである。
彼は私の右手を取り、私を引っ張り出そうとする。けれどその手は優しく、まるで私をエスコートする王子様のようだった。
「さあ時間だ。行こう！ 俺達の幸せな未来に！」
私は彼の誘いに乗って歩みだす。もうこれからは逃げないという決意と、彼と一緒にこれからを歩んでいきたいという願いを携えて・・・
英国の降誕祭（木島 翔(きじま しょう)編 ）
私達3人は本日、12月25日にイギリスのスウィンドンにある私の実家に来ている。理由は私のお母さま、Keira Christina Dar(ケイラ・クリスティーナ・ダル)
の私たちの結婚の承諾条件のせいである。内容は「毎年クリスマスにエステラの家族全員でイギリスにいる私に会いにきなさい」というよくわからない条件だ。
お母様が生粋のカトリックなのか、ただ単純に娘思いのあるお母様かはわからないが、そんな簡単な条件で結婚できるのであればということで私達・・・、
私と私の夫の窓拭ソウジ、そして親友兼私の義腕の調整役を買ってでてくれた木島翔、今は「翔君」と私は呼んでいる彼の3人でその条件のためにイギリスまで
小旅行をするために極東の日本から時間をかけてお母様に会った。
皆で軽い挨拶をし、お母様が用意してくれたランチを済ませた後、お母様は「窓拭ソウジさんだけと話をしたい。悪いようにはしないし、お金は用意するから
好きなところで遊ぶといい」と言って私と翔君に大金を預けて、私達2人は家から追い出されてしまった。いったい何の話をするのだろう・・・？
多分彼らなら大丈夫だと思う・・・。お互いに互いが使う言語は私が事前に徹底的に教えたから、多分意思疎通には問題はないと思う。もし何かあれば
どちらかからすぐに連絡が来るであろう。偶然なのか、これは絶好の機会だと思った。翔君が私に対してどう思っているか確かめるための・・・。
私は彼の手を無理やり握りしめ、
「せっかくイギリスに来たのよ！ 私達だけで思いっきり遊びましょう！」
と言って気の向くまま翔君と2人でイギリスを満喫することにした。しかし、ここはイギリスで今日は聖なる日クリスマス。またの名を「イエス・キリストの降誕祭」
である。この日、少なくともイギリス国民は決して外に出たがらないし、店を開けようとも思わないだろう。この日に外出する者は私たちのような訳ありの人間か、
余程の働き蜂か、余程の変質者しかいないだろう。私達は誰もいないと思わせるようなそんな土地で移動用に借りてきたレンタカーでドライブをすることにした。
しかし、時間がそれほど無いためグレート・ウェスタン鉄道を見たり、世界で有名なマジック・ラウンドアバウトを紹介したり、軽くショッピングしたりして私個
人としては彼も楽しめるように配慮しつつ自分の故郷を満喫したと思っている。
日も落ちかけた時、私は適当な公園に車を移動させるように翔君に指示をして大事な話があるから人のいないところで話したいと彼に頼んだ。彼は文句の1つも言わずに
それらを承諾した。Coate Water Country Parkの近くに車を止め、周りを確認して人がいないことを確認する。普段なら人がたくさんいる場所ではあるが、今日はその
心配がない。そして、私は彼に問いかけることにした。
「ねえ？ 私のこともっと知りたいと思う？ 本来の私の、ありのままの私を・・・」
彼がすぐにでも知りたいと言えば私は「因果島」で窓拭ソウジに話した内容をそのまま伝えようと思った。少なくとも彼には私の過去を聞く資格はあると私は思ったからだ。
しかし、彼は首を横に振りこう言った。
「いえ。知らなくていいですよ？ そんなこと思ったこともありません」
気になった。なぜ彼はここまで私に対して紳士的な行動をとり続けるのか？ もしかして何か裏があるんじゃないかと思って訳を聞いてみることにした。すると、予想もしていなかった
回答が返ってきた。
「貴女には自分から話そうという知性と決断力が備わっていると僕は考えています。そんな風に僕に問い詰めているってことはまだ何かを話す決心をしていないってことですよね？
だったら無理に聞く気はありません。僕は貴女の親友として、本来の貴女が何者なのか話してくれるのをずっと待ってます」
・・・恐ろしい男だ。何も考えていないわけじゃない。こちらのことをすべて分析して、信用しているうえでこう返してきたのだ。他人に無理に干渉しない、おそらくそれが彼の
信条なのだろう。私は少し残念そうな顔を無理にしつつ、
「そう、残念。けど優しいだけじゃいい女に逃げられちゃうわよ？ 狙うならもっと獣みたいになってもいい時もあるのよ？」
彼はそれに軽い笑顔を返す。何を考えているかわからない男だ。だけどこちらの事情を考えていて、尚且つ親友として接してくれていることだけはわかる。それがわかれば十分だ。
「ではそろそろ戻りましょうか。帰りが遅くなるとサンタクロースに逃げられちゃうわ」
そうからかいつつ、目の前にいるサンタクロースかもしれないと思わせられる彼と一緒に私はお母様の家に戻ることにした。
の私たちの結婚の承諾条件のせいである。内容は「毎年クリスマスにエステラの家族全員でイギリスにいる私に会いにきなさい」というよくわからない条件だ。
お母様が生粋のカトリックなのか、ただ単純に娘思いのあるお母様かはわからないが、そんな簡単な条件で結婚できるのであればということで私達・・・、
私と私の夫の窓拭ソウジ、そして親友兼私の義腕の調整役を買ってでてくれた木島翔、今は「翔君」と私は呼んでいる彼の3人でその条件のためにイギリスまで
小旅行をするために極東の日本から時間をかけてお母様に会った。
皆で軽い挨拶をし、お母様が用意してくれたランチを済ませた後、お母様は「窓拭ソウジさんだけと話をしたい。悪いようにはしないし、お金は用意するから
好きなところで遊ぶといい」と言って私と翔君に大金を預けて、私達2人は家から追い出されてしまった。いったい何の話をするのだろう・・・？
多分彼らなら大丈夫だと思う・・・。お互いに互いが使う言語は私が事前に徹底的に教えたから、多分意思疎通には問題はないと思う。もし何かあれば
どちらかからすぐに連絡が来るであろう。偶然なのか、これは絶好の機会だと思った。翔君が私に対してどう思っているか確かめるための・・・。
私は彼の手を無理やり握りしめ、
「せっかくイギリスに来たのよ！ 私達だけで思いっきり遊びましょう！」
と言って気の向くまま翔君と2人でイギリスを満喫することにした。しかし、ここはイギリスで今日は聖なる日クリスマス。またの名を「イエス・キリストの降誕祭」
である。この日、少なくともイギリス国民は決して外に出たがらないし、店を開けようとも思わないだろう。この日に外出する者は私たちのような訳ありの人間か、
余程の働き蜂か、余程の変質者しかいないだろう。私達は誰もいないと思わせるようなそんな土地で移動用に借りてきたレンタカーでドライブをすることにした。
しかし、時間がそれほど無いためグレート・ウェスタン鉄道を見たり、世界で有名なマジック・ラウンドアバウトを紹介したり、軽くショッピングしたりして私個
人としては彼も楽しめるように配慮しつつ自分の故郷を満喫したと思っている。
日も落ちかけた時、私は適当な公園に車を移動させるように翔君に指示をして大事な話があるから人のいないところで話したいと彼に頼んだ。彼は文句の1つも言わずに
それらを承諾した。Coate Water Country Parkの近くに車を止め、周りを確認して人がいないことを確認する。普段なら人がたくさんいる場所ではあるが、今日はその
心配がない。そして、私は彼に問いかけることにした。
「ねえ？ 私のこともっと知りたいと思う？ 本来の私の、ありのままの私を・・・」
彼がすぐにでも知りたいと言えば私は「因果島」で窓拭ソウジに話した内容をそのまま伝えようと思った。少なくとも彼には私の過去を聞く資格はあると私は思ったからだ。
しかし、彼は首を横に振りこう言った。
「いえ。知らなくていいですよ？ そんなこと思ったこともありません」
気になった。なぜ彼はここまで私に対して紳士的な行動をとり続けるのか？ もしかして何か裏があるんじゃないかと思って訳を聞いてみることにした。すると、予想もしていなかった
回答が返ってきた。
「貴女には自分から話そうという知性と決断力が備わっていると僕は考えています。そんな風に僕に問い詰めているってことはまだ何かを話す決心をしていないってことですよね？
だったら無理に聞く気はありません。僕は貴女の親友として、本来の貴女が何者なのか話してくれるのをずっと待ってます」
・・・恐ろしい男だ。何も考えていないわけじゃない。こちらのことをすべて分析して、信用しているうえでこう返してきたのだ。他人に無理に干渉しない、おそらくそれが彼の
信条なのだろう。私は少し残念そうな顔を無理にしつつ、
「そう、残念。けど優しいだけじゃいい女に逃げられちゃうわよ？ 狙うならもっと獣みたいになってもいい時もあるのよ？」
彼はそれに軽い笑顔を返す。何を考えているかわからない男だ。だけどこちらの事情を考えていて、尚且つ親友として接してくれていることだけはわかる。それがわかれば十分だ。
「ではそろそろ戻りましょうか。帰りが遅くなるとサンタクロースに逃げられちゃうわ」
そうからかいつつ、目の前にいるサンタクロースかもしれないと思わせられる彼と一緒に私はお母様の家に戻ることにした。
栗栖 エステラのアルバム（大いにネタバレ発生する可能性あり！ 閲覧要注意！）
私は「因果島」での旅行を満喫した後に、今回のことを忘れないように私のアルバムに今回のことを記録することにした。ここからは個人情報が関わるため、
特定の人間にしか見せないように私は努力する。さあ、今回の旅行でお世話になった方々をここに書こうかな・・・。
さて、この辺にしましょうか・・・。じゃあ後は旅の写真と各人のプロフィールのメモを私のアルバムに挟み込むだけだ。
・・・そういえば小さい時のまだ両腕があったころの写真は残っているけれど、それ以降の写真が特定の写真を除いて残ってないわね？
それに何故かお母様との写真はそこそこあるけれど、お父様との写真が1枚もないわ。どうしてかしら・・・？ まあいいわ。
これから楽しい思い出が増えるだろうし、きっと大した問題ではないでしょう。
・・・そういえば私の命の恩人にして私の初恋の相手、その頃刑事であった『Wayne William Kim（ウェイン ・ ウィリアム ・ キム）』
との写真も大量にあるわね・・・。彼もまたソウジさんみたいに馬鹿が付くほどの大真面目で、いつも人のために奮闘していた人だったっけ・・・。
恩人だから好きになってしまったというのもあるけど、真面目で、優しくて、他人行儀で、強くて、絶対約束は守ってくれる素敵な人だったな・・・。
私はおそらくそんな人間に弱いのだろう。それは「窓拭 ソウジ」に対しても同じことを言える。その押しつけを「窓拭 ソウジ」に対して行って
しまったことを最初は後悔していたが、今ではそれで良かったのだと心から思っている。
さて、この辺にしましょうか。色々思うことはあったが、私はアルバムに新たなる思い出を詰める作業を行うことにした。
特定の人間にしか見せないように私は努力する。さあ、今回の旅行でお世話になった方々をここに書こうかな・・・。
窓拭 ソウジ
今回の旅行で最初に私の過去を受け入れてくれた人間。私は彼に好意を持っていることは伝えたが、
これからどうなるのだろう？ 不安でもあるが、どういう答えが返ってくるか楽しみでもある。しかし、まさか
本土に帰国した次の日にはプロポーズされ、交際をしつつ1か月以内には結婚までの手続きと入籍までの手続きを済ませ、
その2か月後には彼と結婚しているとは、この時の私は予想もしていなかったことであろう。用意周到さが彼の得意分野
だったことをすっかり忘れていたわ。けれど私のためと考えれば悪くないと思った。
これからどうなるのだろう？ 不安でもあるが、どういう答えが返ってくるか楽しみでもある。しかし、まさか
本土に帰国した次の日にはプロポーズされ、交際をしつつ1か月以内には結婚までの手続きと入籍までの手続きを済ませ、
その2か月後には彼と結婚しているとは、この時の私は予想もしていなかったことであろう。用意周到さが彼の得意分野
だったことをすっかり忘れていたわ。けれど私のためと考えれば悪くないと思った。
湯本 かな
私の女の親友にして、私の過去を受け入れてくれた人間でもある。今まで見られなかったような
ドジッ子ぷりや食い気は愛らしく見える。私は彼女の優しさのおかげで正常でいられるかもしれない。
彼女は私の女性としての理想像の内の1人でもある。可愛らしく、友人思いで、しかし自分を抑圧しない
彼女のおかげで私は日常にいれるのだと思う。・・・そういえばウェディングブーケを受け取ったのも
確か彼女だったっけ？ 彼女にも私と同じような幸せがすぐに来るといいわね。
ドジッ子ぷりや食い気は愛らしく見える。私は彼女の優しさのおかげで正常でいられるかもしれない。
彼女は私の女性としての理想像の内の1人でもある。可愛らしく、友人思いで、しかし自分を抑圧しない
彼女のおかげで私は日常にいれるのだと思う。・・・そういえばウェディングブーケを受け取ったのも
確か彼女だったっけ？ 彼女にも私と同じような幸せがすぐに来るといいわね。
木島 翔
今回の旅の仲間ではかなり慎重な一面を多くみられた人間。しかし、大いなる脅威に立ち向かえる度胸が備わっている。
また密かに私は最悪の想定を考えて彼の腕に賭けていたこともある。結果として杞憂に終わってしまったことが否めないが・・・。
後日、彼に久しぶりに出会ったら「いい顔をされるようになりましたね」と言われた。本当にこの男は油断ならないと思った。
また密かに私は最悪の想定を考えて彼の腕に賭けていたこともある。結果として杞憂に終わってしまったことが否めないが・・・。
後日、彼に久しぶりに出会ったら「いい顔をされるようになりましたね」と言われた。本当にこの男は油断ならないと思った。
長氏 毅
旅行初日に私達にハブを含んだ生物に関しての知識を教えてくれた優しい学者さん。しかし、旅行初日夜に外出
していった後、次の日には亡き者として発見される。私があの時ちゃんと止めてればよかったと後悔しているとも思っている。
していった後、次の日には亡き者として発見される。私があの時ちゃんと止めてればよかったと後悔しているとも思っている。
化戸公平
民宿『《ケードゥ》』を経営している男性。私達においしいご飯の提供や観光をサポートしてくれた優しい男性。
3日目に私は親友達のために彼を騙してしまった。しかし、彼は私が詳しい事情を伝えなかったにも関わらず私達を許してくれた。
凄くありがたいと思った。そういえばどこかの有名レストランからのスカウトがあったらしいけど彼は碌な説明を聞かずに、
丁寧に断ったらしい。あの島を愛する彼らしい選択ね。その後少し宿泊客が増えたらしいけど、真面目な彼なら大丈夫でしょうね。
3日目に私は親友達のために彼を騙してしまった。しかし、彼は私が詳しい事情を伝えなかったにも関わらず私達を許してくれた。
凄くありがたいと思った。そういえばどこかの有名レストランからのスカウトがあったらしいけど彼は碌な説明を聞かずに、
丁寧に断ったらしい。あの島を愛する彼らしい選択ね。その後少し宿泊客が増えたらしいけど、真面目な彼なら大丈夫でしょうね。
八津替 岩子&尚 加奈
八津替のおばあさまは島口がきつく、最初は頑固な方だと思っていたけれどそれは全く違っていた。
あの方は最初から私たちを心配して警告してくれていたのね。貴女が居なかったら私たちは生還できなかったと言っていい。
本当に感謝しているわ、おばあさま。そして、そのおばあさまの通訳を嫌な顔を1つせずにやってくれた加奈ちゃんにもお礼を
言わなければならないわね。本当にありがとう。そして、矢悲し岩で出会った彼女から聞いたことを葉書で加奈ちゃんを通して
八津替のおばあさまに伝えたら、葉書の上では怒られてしまったわ。けれど、私の知り合いの作家曰く、
「これはきっとツンデレってやつだよ！」って語ってたわね。彼女が言ったように照れ屋なのは健在みたいね。
それと、後日旅行の話のついでに夫から欲しいものがあるかというようなことを聞かれたから、
「加奈ちゃんみたいな可愛い女の子が欲しいわ」と真面目に言ったら夫はしどろもどろになっていたわね。
これに関しては冗談ではなく本気で言ったつもりだったのだけれど・・・。
あの方は最初から私たちを心配して警告してくれていたのね。貴女が居なかったら私たちは生還できなかったと言っていい。
本当に感謝しているわ、おばあさま。そして、そのおばあさまの通訳を嫌な顔を1つせずにやってくれた加奈ちゃんにもお礼を
言わなければならないわね。本当にありがとう。そして、矢悲し岩で出会った彼女から聞いたことを葉書で加奈ちゃんを通して
八津替のおばあさまに伝えたら、葉書の上では怒られてしまったわ。けれど、私の知り合いの作家曰く、
「これはきっとツンデレってやつだよ！」って語ってたわね。彼女が言ったように照れ屋なのは健在みたいね。
それと、後日旅行の話のついでに夫から欲しいものがあるかというようなことを聞かれたから、
「加奈ちゃんみたいな可愛い女の子が欲しいわ」と真面目に言ったら夫はしどろもどろになっていたわね。
これに関しては冗談ではなく本気で言ったつもりだったのだけれど・・・。
その他
あと今回の件に関わっていた2人の詳細はよくわかっていない。まああの人なら何とかやっていけているだろうとは思っている。
さらに、あそこで夫に近づいてきた彼女は多分心配ないでしょう。何故なら私達とは全く違う存在なのだから・・・。
さらに、あそこで夫に近づいてきた彼女は多分心配ないでしょう。何故なら私達とは全く違う存在なのだから・・・。
・・・そういえば小さい時のまだ両腕があったころの写真は残っているけれど、それ以降の写真が特定の写真を除いて残ってないわね？
それに何故かお母様との写真はそこそこあるけれど、お父様との写真が1枚もないわ。どうしてかしら・・・？ まあいいわ。
これから楽しい思い出が増えるだろうし、きっと大した問題ではないでしょう。
・・・そういえば私の命の恩人にして私の初恋の相手、その頃刑事であった『Wayne William Kim（ウェイン ・ ウィリアム ・ キム）』
との写真も大量にあるわね・・・。彼もまたソウジさんみたいに馬鹿が付くほどの大真面目で、いつも人のために奮闘していた人だったっけ・・・。
恩人だから好きになってしまったというのもあるけど、真面目で、優しくて、他人行儀で、強くて、絶対約束は守ってくれる素敵な人だったな・・・。
私はおそらくそんな人間に弱いのだろう。それは「窓拭 ソウジ」に対しても同じことを言える。その押しつけを「窓拭 ソウジ」に対して行って
しまったことを最初は後悔していたが、今ではそれで良かったのだと心から思っている。
さて、この辺にしましょうか。色々思うことはあったが、私はアルバムに新たなる思い出を詰める作業を行うことにした。
20年前の新聞の1面を覗くもの（エステラの隠しプロフィール？）
「受付のお嬢さん、よろしければ『スウィンドン誘拐事件』の記事を閲覧させてもらえないだろうか？」
イギリス国立図書館で女性にそのように問いかけたのは、全身を赤い洋服と赤いシルクハット、そして黒い杖をついている
美しい男性だった。背も高く、彼が今いるイギリスの町中を歩けばスカウトがかかることが間違いと言わんばかりの風貌である。
受付の女性は少し彼に見とれた後、あとで受付に資料を返すことを条件に20年前の新聞記事『スウィンドン誘拐事件』
の1面が載った新聞を渡す。彼はそれを了承し、貰った新聞を適当な机を借りて読むことにした。そこにはこのように書かれ、
彼はそれを小さい声で朗読していた。
「何々・・・、20年前にイギリスのスウィンドン近辺で美女だけを狙う誘拐事件が発生する。その行方不明者の人数なんと18人
にもなった。容疑者は30代の中肉中背の銀髪の男性。犯行の詳細は誘拐した美女に監禁、暴行、調教などを行った後に体をバラバラにして
川に投げ捨てるという悪質極まりないものだった。地元警察の捜査により、残虐な犯行を行っていた現行犯はその場で逮捕、その後死刑を受ける。
一方、誘拐事件の唯一の生き残りであった18人目の被害者の少女は左腕を切断され非常に危険な状態だったが何とか一命を取り留める・・・か。
・・・なるほどね」
それを確認し終えると、彼は受付に資料を返して図書館を後にする。そして彼はこんなことを思いふける。
「（そういえばあの話には続きがあったなー。その現行犯の名前はThomas Christina Dar(トーマス・クリスティーナ・ダル)、
その時の生き残りって確かその犯人の娘のEstela Christina Dar(エステラ・クリスティーナ・ダル)だったかな？ そうか、
もう20年経ってしまっていたのか・・・。いやいや、遊んでいると時間が経つもの早いね・・・）」
そしてその男は胸元から1枚の少女の写真を取り出す。まだ幼い、しかし銀髪のロングが目立つ可憐な少女である。その男は
その写真を見ながら、その時のことを思い出す。
「（その時に彼女に接触して何か面白いことをしようかなーって思ってたけど、彼女は最初から面白かったな・・・。だって
その事件を担当していた刑事から聞いた話だけど左腕を切断された後、彼女は自分の都合のいいように『自分の記憶を改変』
しちゃったんだもん。直接干渉して色々遊んでも良かったんだけど、それじゃきっとツマラナイ。それよりも彼女が本当の自分
の記憶を思い出したら、希望に満ちた今の彼女はどうなるだろうね？ これからが楽しみだ・・・）」
その男は風貌に似合わない嘲り笑いを取りつつ、イギリスのどこかに消えていった・・・。
イギリス国立図書館で女性にそのように問いかけたのは、全身を赤い洋服と赤いシルクハット、そして黒い杖をついている
美しい男性だった。背も高く、彼が今いるイギリスの町中を歩けばスカウトがかかることが間違いと言わんばかりの風貌である。
受付の女性は少し彼に見とれた後、あとで受付に資料を返すことを条件に20年前の新聞記事『スウィンドン誘拐事件』
の1面が載った新聞を渡す。彼はそれを了承し、貰った新聞を適当な机を借りて読むことにした。そこにはこのように書かれ、
彼はそれを小さい声で朗読していた。
「何々・・・、20年前にイギリスのスウィンドン近辺で美女だけを狙う誘拐事件が発生する。その行方不明者の人数なんと18人
にもなった。容疑者は30代の中肉中背の銀髪の男性。犯行の詳細は誘拐した美女に監禁、暴行、調教などを行った後に体をバラバラにして
川に投げ捨てるという悪質極まりないものだった。地元警察の捜査により、残虐な犯行を行っていた現行犯はその場で逮捕、その後死刑を受ける。
一方、誘拐事件の唯一の生き残りであった18人目の被害者の少女は左腕を切断され非常に危険な状態だったが何とか一命を取り留める・・・か。
・・・なるほどね」
それを確認し終えると、彼は受付に資料を返して図書館を後にする。そして彼はこんなことを思いふける。
「（そういえばあの話には続きがあったなー。その現行犯の名前はThomas Christina Dar(トーマス・クリスティーナ・ダル)、
その時の生き残りって確かその犯人の娘のEstela Christina Dar(エステラ・クリスティーナ・ダル)だったかな？ そうか、
もう20年経ってしまっていたのか・・・。いやいや、遊んでいると時間が経つもの早いね・・・）」
そしてその男は胸元から1枚の少女の写真を取り出す。まだ幼い、しかし銀髪のロングが目立つ可憐な少女である。その男は
その写真を見ながら、その時のことを思い出す。
「（その時に彼女に接触して何か面白いことをしようかなーって思ってたけど、彼女は最初から面白かったな・・・。だって
その事件を担当していた刑事から聞いた話だけど左腕を切断された後、彼女は自分の都合のいいように『自分の記憶を改変』
しちゃったんだもん。直接干渉して色々遊んでも良かったんだけど、それじゃきっとツマラナイ。それよりも彼女が本当の自分
の記憶を思い出したら、希望に満ちた今の彼女はどうなるだろうね？ これからが楽しみだ・・・）」
その男は風貌に似合わない嘲り笑いを取りつつ、イギリスのどこかに消えていった・・・。
皆々様お疲れ様でした！ PCやシナリオの後日談に問題ありましたら遠慮なくご連絡を！（ネタバレあるのでご注意！）
まさ様、もっぷ様、かふぇもか様、そして素敵な卓や私たちの無茶ぶりを許容していただいたKPの百様！
本当にありがとうございました！ 私はPLの皆さんの中で一番経験があったみたいなので、慣れない性別と
職業にあたふたしながらも皆さんと一緒に頑張らさせていただきました！ まあもう少し初心者の方々の
ために無能プレイに走るのも考えていましたが、最低限皆さんLostしないように微力ながら色々対策はやらせていただきました！
流石に接待しすぎたかな？ っと思ったりもしますが、何事も始めが肝心だと思いましたので、丁寧にやらさせていただきました。
そういえばKP、私たち確か『Aエンド』到達じゃありませんでしたっけ？ 何故に『ラブコメAエンド』に・・・？
はい、私が完全に戦犯ですよね！ 信じられないかもしれないけど、あそこまでやる予定はなかったよ！？
ど う し て こ う な っ た ？
・・・まあ皆さん楽しんでいただいたようだし、いろんな意味で見本になったから幸いでしたが、普段からあんなことはやってないと
言い訳させていただきます。普段はクール系の参謀役なんです！ てか今回はミステリアス＆毒舌キャラで行こうと思っていたのに
半分以上初心者の方々だったから、優しいお姉さん系→設定生え過ぎた○ンデレ系お姉さんにジョブチェンジしてる！？ って私自身
混乱してましたね・・・。
今回は私自身自分のPCを気に入ったということと、今後色々使いたいということと、今後の初心者PLの方々の後日談や継続キャラ使用時の
プロフィール作成の参考のために後日談をかなり多めに書かせていただきました。少しでも参考になれば幸いです。まあ私立ち絵とかよりも
PCのプロフィールとかバックストーリー考えたり、たまに参加したシナリオ読んだりしてる方が面白く感じる性分のせいなのかもしれません
がね・・・。また、シナリオ進行上やPCの設定的にこれは無いとかありましたら1から書かせていただきますので、
よろしければコメントにでもご連絡ください。対応できれば修正させていただきます。出来る限りログを読んで人物像考えて美化させたつもり
・・・と私自身は思っておりますが・・・。もっと人間らしい臭い感じでもいいかもしれませんね・・・。主観の話になるので何とも言えませんが。
さて、この辺にしましょうかね。皆さんに邪神の加護がありますように心から祈っております。
本当にありがとうございました！ 私はPLの皆さんの中で一番経験があったみたいなので、慣れない性別と
職業にあたふたしながらも皆さんと一緒に頑張らさせていただきました！ まあもう少し初心者の方々の
ために無能プレイに走るのも考えていましたが、最低限皆さんLostしないように微力ながら色々対策はやらせていただきました！
シナリオクリアに関わるから注意な例だよー
（例：効かないかもなーって思いながら○○対策アイテムを買う。○○懐柔して○○と交渉する。いつでも○○できるように3日目に○の準備をさせるetc・・・）
そういえばKP、私たち確か『Aエンド』到達じゃありませんでしたっけ？ 何故に『ラブコメAエンド』に・・・？
はい、私が完全に戦犯ですよね！ 信じられないかもしれないけど、あそこまでやる予定はなかったよ！？
ど う し て こ う な っ た ？
・・・まあ皆さん楽しんでいただいたようだし、いろんな意味で見本になったから幸いでしたが、普段からあんなことはやってないと
言い訳させていただきます。普段はクール系の参謀役なんです！ てか今回はミステリアス＆毒舌キャラで行こうと思っていたのに
半分以上初心者の方々だったから、優しいお姉さん系→設定生え過ぎた○ンデレ系お姉さんにジョブチェンジしてる！？ って私自身
混乱してましたね・・・。
今回は私自身自分のPCを気に入ったということと、今後色々使いたいということと、今後の初心者PLの方々の後日談や継続キャラ使用時の
プロフィール作成の参考のために後日談をかなり多めに書かせていただきました。少しでも参考になれば幸いです。まあ私立ち絵とかよりも
PCのプロフィールとかバックストーリー考えたり、たまに参加したシナリオ読んだりしてる方が面白く感じる性分のせいなのかもしれません
がね・・・。また、シナリオ進行上やPCの設定的にこれは無いとかありましたら1から書かせていただきますので、
よろしければコメントにでもご連絡ください。対応できれば修正させていただきます。出来る限りログを読んで人物像考えて美化させたつもり
・・・と私自身は思っておりますが・・・。もっと人間らしい臭い感じでもいいかもしれませんね・・・。主観の話になるので何とも言えませんが。
さて、この辺にしましょうかね。皆さんに邪神の加護がありますように心から祈っております。
窓拭 ソウジ（まどふき そうじ） / もっぷ様
PCより
PLより
まずは皆様お疲れ様です！
オンセは基本、初対面の方々と宅を囲むことになるので、今回も例に漏れず
ドキドキのスタートでした。めでたくハッピーエンドを迎えられた時は、「あ
あ…このメンバーで良かったな…」とじわり来てしまいました。長氏さんアー
メン。
さて、コメントというか今回の反省を。
小っ恥ずかしいRPすいません(恥
もうちょっとサクサク台詞が出てこればよかったのですが、なにぶんPLのリア
ル技能(恋愛)が初期値なもので…。そのため予想外に尺をとってしまった部分
もあると思います。反省。
同時に、秀逸な演出(ｴﾝﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｲﾔｧｧｧｧｧｧｧｧ)と、私のモタモタをスマー
トに帳尻合わせしてくださったKP様、大人の魅力でリードしてくださったクロ様、
そして茶々を入れつつ温かく見守ってくださったまさ様、ひたすら可愛いカフェ
モカ様には感謝の気持ちを伝えきれません…！本当にありがとうございました。
そして、戦闘もたついてごめんなさい…。アホのもっぷに丁寧に説明して下さっ
た方々には感謝です。なぜ組み付きに窒息までしようとしたんだ、自分は。
最後になりましたが、後日談にて、皆様のPCを登場させております。こんなのウ
チの〇〇じゃないよ！というような表現がありましたら、申し訳ないです。特に
PC木島さんがガッツリ出てますぞ…！
では、またどこかで一緒に卓を囲みましょう！
ソウジ「…木島のやつ…むぅ」（2016.5.22）
窓拭ソウジの補足
〇月□日
今日は皆で皆既日食を見た。
何でも、数百年に一度あるとかないとかの超現象らしいが、それを一生のうちに拝
める俺は幸せなのかどうか、今ひとつわからなかった。だが少なくとも、今日旅行
に来た全員で空を見上げることが出来た…これがどれだけ幸運なことかは、言われず
ともわかっている。
なんとも、怒涛の四日間だった。
実際、生きた心地がしなかったり、逆に生きがいを得たりと、色々な出来事に振り
回された。そうだな…。一日目、二日目の日記の空白を補完する意味でも、今晩は今
回の事件について振り返ってみようと思う。
一連の出来事の全貌を知ったのは、つい先程だ。四人が各々得た情報を繋ぎ合わせ
て浮き上がったそれは、にわかに信じ難いものだった。昨日までは冗談と一蹴出来た
いくつもの伝承が、現実として俺達や島民の命を脅かしていたのだ。そして誰かが最
後にこう言ったのを、俺ははっきり覚えている。『我々の知る全貌など、全体にとっ
ては氷山の一角にも満たないのだ』と。
一日目の夜、なぜか俺だけが見たハブの群れ…。混乱した俺は、皆の姿を見るなり、
醜態をさらし、あろうことかその冒涜的な体験を包み隠さず伝えてしまった。結果
として冗談半分に聞き流されるにとどまったが、もし三人の頭にあの時の光景が
鮮明に浮かんでしまっていたら…と思うと、ぞっとする。あれをして氷山の一角と
するなら、この世には俺たちの知らなくてもいいことが多すぎる。
さて、今日はもう解散…という流れで、俺が皆に言えずにいる真実がひとつある。江
色姉弟、その弟・風尋についてだ。
結論から言おう。仮面の男ケンムンの正体は彼だ。
勘の良い者ならもう気づいているだろう。彼は約束通り、第三の鏡を運んできた。
儀式の場で風尋を辛うじて組み敷いた時、俺を突き飛ばしたのは、彼の鍛え抜かれた
体であり、同時に掛けられた言葉のせいでもあった。「落ち着いてください、まれび
とさん」偶然聞き取れたその声色は、精霊の名を名乗った男のものだったのだ。
俺はその瞬間まで…いや、その瞬間にすら、風尋の真意を察することが出来なかった。
結果、俺達は風尋の計画通り二枚の鏡を手に入れるため駆け回り、誘われるがままに
儀式の場へ赴いた、という訳だ。彼は姉の前ではヤーガナシに忠誠を示しつつも、内
心ではハブ共に唾を吐いていた…いや、それすらどうでもよかったのかもしれない。
ケンムンの名も、姿を消す奇術も、全てはほんの少しでも姉・海尋の気を引くための
手段に過ぎなかったのだ。
狂ってる？
…俺はそうは思わない。
愛する者が自分から離れていこうとするなら、足に絡み付いてでも引き止め、手元に
置こうとする。そのためには蛇のように狡猾にもなろう。結果、自ら毒に溺れようと
もだ。
風尋は、そうせざるを得なかったのだということが、今の俺には我が身の事ように
理解できる。おそらくその行動に関して、彼に一切の罪悪感はなかっただろう。姉ほ
どではないにせよ、風尋は海尋を崇拝していた。姉の愛を、心を。…強さと儚さを。
だから、俺が風尋を忌避、あるいは哀れに思うことは無かった。 思えばこの常人な
らぬ思考こそ、邪神ウンガナシ＝エーロが今際の際に俺に残した置き『土産』なのか
もしれない。
…旅行だけに。
暗い話題はそろそろやめよう。この四日間で得たものは、何も不幸なものばか
りではない。
長氏氏とは、もう少し話ができれば良かった、と思う。彼の死は悔やみきれ
ないが、それゆえに彼の専門家としての知識や経験が損なわれたことは惜しい。
エステラがああまで食いついていた島の生態や環境について、少しばかり知恵を
つけてもらって…いや、そういう訳では無い。違う違う、やましい気持ちなど
微塵もない、純粋な知識欲である。俺が寝ほうけていた夜、長氏氏を止めること
が出来ていれば、せめて行動を共にしていれば。いや、過ぎたことだ。それに、
彼の熱意から察するに、引き止めることは出来なかっただろう。
化戸氏含め、島の住民は皆、心の底から俺達を歓迎してくれているようだった。
マレビト信仰は、元々は大陸のような別集団から技術や文化がもたらされること
に由来する。来客のもたらしたものは少なからず島の暮らしを豊かにしたことだ
ろう。しかし、外なるものが必ずしも福を運んでくるとは限らないことを、彼ら
は知らない。きっと、この先も。
八津替媼には、改めて礼を言いに行かなければならない。少なからず世話にな
ったせめての恩返しに、媼には真相のすべてを話そうと思う。もちろん、ヤーガ
ナシについてもだ。
間
某日、社宅の一画にて。
珍しく休みが取れたというので遊びに来てみたら、友人はあっという間に酒に呑
まれて机に突っ伏してしまった。警官という職業柄、ストレスが溜まりやすいのだ
ろうか？いや、堅物な彼のことだ。単に飲み慣れていないだけだろう。それだけ自
分が信用されているのかと思うと、木島は少し嬉しかった。
さて、手持ち無沙汰になった木島は、なんとなくテレビのあたりをあさり始める。
窓拭に映画鑑賞の趣味があると聞いた時は驚いたが、なんということは無い。本棚
にずらりと並ぶタイトルはどれも刑事モノだ。
新しいシリーズの最新作を引き出すと、はずみで隣の本が落ちてきた。それは背
表紙で着地し、城島は意図せず、開いたページを見てしまう。
夏。
日記だった。
珍しく休みが取れたというので遊びに来てみたら、友人はあっという間に酒に呑
まれて机に突っ伏してしまった。警官という職業柄、ストレスが溜まりやすいのだ
ろうか？いや、堅物な彼のことだ。単に飲み慣れていないだけだろう。それだけ自
分が信用されているのかと思うと、木島は少し嬉しかった。
さて、手持ち無沙汰になった木島は、なんとなくテレビのあたりをあさり始める。
窓拭に映画鑑賞の趣味があると聞いた時は驚いたが、なんということは無い。本棚
にずらりと並ぶタイトルはどれも刑事モノだ。
新しいシリーズの最新作を引き出すと、はずみで隣の本が落ちてきた。それは背
表紙で着地し、城島は意図せず、開いたページを見てしまう。
夏。
日記だった。
1.シークレットダイスの結果など
〇月□日
今日は皆で皆既日食を見た。
何でも、数百年に一度あるとかないとかの超現象らしいが、それを一生のうちに拝
める俺は幸せなのかどうか、今ひとつわからなかった。だが少なくとも、今日旅行
に来た全員で空を見上げることが出来た…これがどれだけ幸運なことかは、言われず
ともわかっている。
なんとも、怒涛の四日間だった。
実際、生きた心地がしなかったり、逆に生きがいを得たりと、色々な出来事に振り
回された。そうだな…。一日目、二日目の日記の空白を補完する意味でも、今晩は今
回の事件について振り返ってみようと思う。
一連の出来事の全貌を知ったのは、つい先程だ。四人が各々得た情報を繋ぎ合わせ
て浮き上がったそれは、にわかに信じ難いものだった。昨日までは冗談と一蹴出来た
いくつもの伝承が、現実として俺達や島民の命を脅かしていたのだ。そして誰かが最
後にこう言ったのを、俺ははっきり覚えている。『我々の知る全貌など、全体にとっ
ては氷山の一角にも満たないのだ』と。
一日目の夜、なぜか俺だけが見たハブの群れ…。混乱した俺は、皆の姿を見るなり、
醜態をさらし、あろうことかその冒涜的な体験を包み隠さず伝えてしまった。結果
として冗談半分に聞き流されるにとどまったが、もし三人の頭にあの時の光景が
鮮明に浮かんでしまっていたら…と思うと、ぞっとする。あれをして氷山の一角と
するなら、この世には俺たちの知らなくてもいいことが多すぎる。
さて、今日はもう解散…という流れで、俺が皆に言えずにいる真実がひとつある。江
色姉弟、その弟・風尋についてだ。
結論から言おう。仮面の男ケンムンの正体は彼だ。
勘の良い者ならもう気づいているだろう。彼は約束通り、第三の鏡を運んできた。
儀式の場で風尋を辛うじて組み敷いた時、俺を突き飛ばしたのは、彼の鍛え抜かれた
体であり、同時に掛けられた言葉のせいでもあった。「落ち着いてください、まれび
とさん」偶然聞き取れたその声色は、精霊の名を名乗った男のものだったのだ。
俺はその瞬間まで…いや、その瞬間にすら、風尋の真意を察することが出来なかった。
結果、俺達は風尋の計画通り二枚の鏡を手に入れるため駆け回り、誘われるがままに
儀式の場へ赴いた、という訳だ。彼は姉の前ではヤーガナシに忠誠を示しつつも、内
心ではハブ共に唾を吐いていた…いや、それすらどうでもよかったのかもしれない。
ケンムンの名も、姿を消す奇術も、全てはほんの少しでも姉・海尋の気を引くための
手段に過ぎなかったのだ。
狂ってる？
…俺はそうは思わない。
愛する者が自分から離れていこうとするなら、足に絡み付いてでも引き止め、手元に
置こうとする。そのためには蛇のように狡猾にもなろう。結果、自ら毒に溺れようと
もだ。
風尋は、そうせざるを得なかったのだということが、今の俺には我が身の事ように
理解できる。おそらくその行動に関して、彼に一切の罪悪感はなかっただろう。姉ほ
どではないにせよ、風尋は海尋を崇拝していた。姉の愛を、心を。…強さと儚さを。
だから、俺が風尋を忌避、あるいは哀れに思うことは無かった。 思えばこの常人な
らぬ思考こそ、邪神ウンガナシ＝エーロが今際の際に俺に残した置き『土産』なのか
もしれない。
…旅行だけに。
間
「…相変わらず、ギャグのセンスはお察しなんだね」
ひとの日記を勝手に読むなんていけないと思いつつも、ついじっくりと読み込ん
でしまった。因果島での出来事は、まだ記憶に新しい。そうでなくとも、人が死ん
でいるのだ。忘れたくとも忘れようがない。
しかしそれ以上に、窓拭が綴る、風尋への異常な共感に違和感を覚えた。『せい
ぎのみかた』の模範のような彼こそ、歪んだ姉弟愛を一番に否定するものと思っ
ていたのだが、それについては、普段の彼からは想像出来ない、感情的な文章がま
まりなく並んでいる。
湯本はなにか部分的に察しているようだったが、やはり旅行中に何かあったのだ
ろうか？栗栖もそのあたりに関わっているらしく、自分だけ蚊帳の外で少し寂しい。
直接聞くことも出来るが、本人が黙っているのなら無理に問いただすこともない
だろう。
そう日記を閉じようとしたところ、
「おや、この日記…」
ずいぶん長い日記だが、まだ続きがあるらしい。
ソウジの方をうかがうと、彼はまだすやすやと寝息を立てていた。当分起きそうに
ない。今の木島の中では、ほんの少しの罪悪感よりも、ムクムク広がり続ける好
奇心の方が圧倒していた。
続きには、こう書かれていた。
ひとの日記を勝手に読むなんていけないと思いつつも、ついじっくりと読み込ん
でしまった。因果島での出来事は、まだ記憶に新しい。そうでなくとも、人が死ん
でいるのだ。忘れたくとも忘れようがない。
しかしそれ以上に、窓拭が綴る、風尋への異常な共感に違和感を覚えた。『せい
ぎのみかた』の模範のような彼こそ、歪んだ姉弟愛を一番に否定するものと思っ
ていたのだが、それについては、普段の彼からは想像出来ない、感情的な文章がま
まりなく並んでいる。
湯本はなにか部分的に察しているようだったが、やはり旅行中に何かあったのだ
ろうか？栗栖もそのあたりに関わっているらしく、自分だけ蚊帳の外で少し寂しい。
直接聞くことも出来るが、本人が黙っているのなら無理に問いただすこともない
だろう。
そう日記を閉じようとしたところ、
「おや、この日記…」
ずいぶん長い日記だが、まだ続きがあるらしい。
ソウジの方をうかがうと、彼はまだすやすやと寝息を立てていた。当分起きそうに
ない。今の木島の中では、ほんの少しの罪悪感よりも、ムクムク広がり続ける好
奇心の方が圧倒していた。
続きには、こう書かれていた。
2.ＮＰＣたちへ
暗い話題はそろそろやめよう。この四日間で得たものは、何も不幸なものばか
りではない。
長氏氏とは、もう少し話ができれば良かった、と思う。彼の死は悔やみきれ
ないが、それゆえに彼の専門家としての知識や経験が損なわれたことは惜しい。
エステラがああまで食いついていた島の生態や環境について、少しばかり知恵を
つけてもらって…いや、そういう訳では無い。違う違う、やましい気持ちなど
微塵もない、純粋な知識欲である。俺が寝ほうけていた夜、長氏氏を止めること
が出来ていれば、せめて行動を共にしていれば。いや、過ぎたことだ。それに、
彼の熱意から察するに、引き止めることは出来なかっただろう。
化戸氏含め、島の住民は皆、心の底から俺達を歓迎してくれているようだった。
マレビト信仰は、元々は大陸のような別集団から技術や文化がもたらされること
に由来する。来客のもたらしたものは少なからず島の暮らしを豊かにしたことだ
ろう。しかし、外なるものが必ずしも福を運んでくるとは限らないことを、彼ら
は知らない。きっと、この先も。
八津替媼には、改めて礼を言いに行かなければならない。少なからず世話にな
ったせめての恩返しに、媼には真相のすべてを話そうと思う。もちろん、ヤーガ
ナシについてもだ。
3.探索者さまへ
さて、ここからが本題だ。エステラの件についてである。自分で言うのもなん
だが、まさか俺がここまで不器用な男だとは思わなかった。情けなさも相当だが、
何より彼女に恥をかかせてしまった。
「ん？」
あの夜、初めて彼女が心の内を打ち明けてくれた時、俺は驚くと同時に、これ
以上とない喜びを感じた。おそらく人生で至上であろう幸福の味をを早々に覚え
てしまった俺は、むしろ不幸なのではないかとすら思えた程だ。
「ん、ああ…。うん？！」
混乱する俺の頭には、今まで彼女のが見せた様々な表情や言葉が、濁流のよう
に押し寄せてきた。自信とプライドに釣り合う深い知識、逆境に屈しない信念、
すべて見据えた上で優しく微笑む瞳、それから…(中略)…というのは明らかなのだ。
エステラは「返事を待っている」と言った。ならば俺は誠意を持ってその優しさに
応えようと思う。だが、女性を喜ばせる方法など、俺が知っているはずがない。
湯本には相談できそうにない。二日目の夜を境に俺を乾いた目で見るようにな
ったのは、俺とエステラの関係について多少察しているからだろう。日食につい
て熱心に語る最中ですら、とりつく島も無かった。彼女らは元々姉妹のように
仲が良かったから、本当は心配で仕方が無いのだろう。湯本にエステラの抱える
過去について問いただされたら、正直、隠し切れる自信が無い。それにしても、
たまたまエステラと二人きりになって、俺の心に邪念がよぎった時、絶妙なタイ
ミングで俺の腕時計から謎の火花が飛んだあの騒動は、もしや…。いや、考えす
ぎか。とにかく、とても俺から切り出せる内容ではない。
かといって、木島を渦中に巻き込むこともないだろう。あいつは真面目で信頼
できるが、対人関係に関しては疎いところがあるし……ああ、「君にだけは言われ
たくないですよ！」というあいつの叫びが聞こえそうだ…。とにかく、うまく言
えないが、木島には、あえて明かす必要は感じないのだ。世の恋仲を全て不埒と切
り捨てるつもりはないが、木島と俺との友情は、水で水を洗うような清々しいもの
でありたいと思う。真実がまわりまわって彼に伝わることがあっても、それはそれ
でいいと思う。木島はあえて俺を問い詰めることはしないだろうし、そんな木島
だからこそ、俺は言いにくい色々なことを遠慮なく後回しにすることができる。
お互い口数は少ない方だが、木島は器用で、俺は不器用だ。
俺は嘘がつけないし、世事も不得意で、気の利いた言葉一つかけてやれない。エス
テラはそんな俺を笑うだろう。笑って許すだろう。俺の知りうる限り、彼女ほど
出来た女性はいない。エステラと出会ったとき、不言実行の実物を初めて目にして、
自分のようにうるさいだけの正義を深く恥じた。以来、自信に満ち溢れた立ち振る
舞いを真似しようと、俺は彼女をひたすら観察していたのだ。するとどうだろう、
彼女も人の子、けちのつけられるところなどいくらでも出るではないか。しかし、
それでは足らなかった。その時にはもう、俺にとって彼女の『欠点』は『魅力』
でしかなく、相変わらずエステラは俺に付け入る隙を与えてくれなかった。
はあ、なんだか夜な夜な悩んでいるのが馬鹿らしく思えてきた。だいいち、いきなり
呼び止められて、身の上話を聞かされて、挙句潤んだ上目遣いで赤面…げふんげふん。
いやしかし、もう一度あの表情を拝みたいと思ってしまうのは男として仕方のないこと
だろう。ああ、仕方がないな。俺も男だからな。
しかし、悩んでいても浮かばないものは仕方ない。今日は寝るとしよう。今日が
４日目だとしても、あと１週間以上は考える時間があるのだ。もし返事の内容が
うまくまとまらなかったら、いっそプロポーズでもすればいい。…何をバカな
ことを言っているんだ、俺は。朴念仁で名の通った俺でも、さすがにそこまで
落ちぶれてはいない。そうだな、万が一そうなってしまったら…とりあえず、
酒でも飲むか。祝杯になるか、それともやけ酒になるか…。
だが、まさか俺がここまで不器用な男だとは思わなかった。情けなさも相当だが、
何より彼女に恥をかかせてしまった。
「ん？」
あの夜、初めて彼女が心の内を打ち明けてくれた時、俺は驚くと同時に、これ
以上とない喜びを感じた。おそらく人生で至上であろう幸福の味をを早々に覚え
てしまった俺は、むしろ不幸なのではないかとすら思えた程だ。
「ん、ああ…。うん？！」
混乱する俺の頭には、今まで彼女のが見せた様々な表情や言葉が、濁流のよう
に押し寄せてきた。自信とプライドに釣り合う深い知識、逆境に屈しない信念、
すべて見据えた上で優しく微笑む瞳、それから…(中略)…というのは明らかなのだ。
エステラは「返事を待っている」と言った。ならば俺は誠意を持ってその優しさに
応えようと思う。だが、女性を喜ばせる方法など、俺が知っているはずがない。
湯本には相談できそうにない。二日目の夜を境に俺を乾いた目で見るようにな
ったのは、俺とエステラの関係について多少察しているからだろう。日食につい
て熱心に語る最中ですら、とりつく島も無かった。彼女らは元々姉妹のように
仲が良かったから、本当は心配で仕方が無いのだろう。湯本にエステラの抱える
過去について問いただされたら、正直、隠し切れる自信が無い。それにしても、
たまたまエステラと二人きりになって、俺の心に邪念がよぎった時、絶妙なタイ
ミングで俺の腕時計から謎の火花が飛んだあの騒動は、もしや…。いや、考えす
ぎか。とにかく、とても俺から切り出せる内容ではない。
かといって、木島を渦中に巻き込むこともないだろう。あいつは真面目で信頼
できるが、対人関係に関しては疎いところがあるし……ああ、「君にだけは言われ
たくないですよ！」というあいつの叫びが聞こえそうだ…。とにかく、うまく言
えないが、木島には、あえて明かす必要は感じないのだ。世の恋仲を全て不埒と切
り捨てるつもりはないが、木島と俺との友情は、水で水を洗うような清々しいもの
でありたいと思う。真実がまわりまわって彼に伝わることがあっても、それはそれ
でいいと思う。木島はあえて俺を問い詰めることはしないだろうし、そんな木島
だからこそ、俺は言いにくい色々なことを遠慮なく後回しにすることができる。
お互い口数は少ない方だが、木島は器用で、俺は不器用だ。
俺は嘘がつけないし、世事も不得意で、気の利いた言葉一つかけてやれない。エス
テラはそんな俺を笑うだろう。笑って許すだろう。俺の知りうる限り、彼女ほど
出来た女性はいない。エステラと出会ったとき、不言実行の実物を初めて目にして、
自分のようにうるさいだけの正義を深く恥じた。以来、自信に満ち溢れた立ち振る
舞いを真似しようと、俺は彼女をひたすら観察していたのだ。するとどうだろう、
彼女も人の子、けちのつけられるところなどいくらでも出るではないか。しかし、
それでは足らなかった。その時にはもう、俺にとって彼女の『欠点』は『魅力』
でしかなく、相変わらずエステラは俺に付け入る隙を与えてくれなかった。
はあ、なんだか夜な夜な悩んでいるのが馬鹿らしく思えてきた。だいいち、いきなり
呼び止められて、身の上話を聞かされて、挙句潤んだ上目遣いで赤面…げふんげふん。
いやしかし、もう一度あの表情を拝みたいと思ってしまうのは男として仕方のないこと
だろう。ああ、仕方がないな。俺も男だからな。
しかし、悩んでいても浮かばないものは仕方ない。今日は寝るとしよう。今日が
４日目だとしても、あと１週間以上は考える時間があるのだ。もし返事の内容が
うまくまとまらなかったら、いっそプロポーズでもすればいい。…何をバカな
ことを言っているんだ、俺は。朴念仁で名の通った俺でも、さすがにそこまで
落ちぶれてはいない。そうだな、万が一そうなってしまったら…とりあえず、
酒でも飲むか。祝杯になるか、それともやけ酒になるか…。
オチ
「き、木島…」
「あ」
声に振り向くと、目を覚ましたソウジが、完全に酔いのさめた目でこちらを凝視
していた。いや、穴が開くほど見ていたのは、手元の日記か。
「…で、エステラさんには何と言ったんだい？」
「…」
「プロポーズしたんですか。へえ」
「…」
「…で、結果はどうだったんだい？」
「…」
「すえながくばくはつしろねむい」
木島が本気で毛布にくるまろうとすると、引きちぎる勢いでソウジがそれを引っ
張った。
「なんだい。おやすみのキスならハニーにしてもらってはいかがかな？」
「うおおおおおやめろ！や め ろ ！」
悶絶するソウジがあまりにも不憫だったので、そろそろからかうのは止めてやる
ことにした。そもそも日記を覗き見てしまったという点において、無礼を犯して
しまったのはこちらなのだ。とはいえ、まさか自分の気づかないうちにこんな一大事
があったとは。いや、それでなくてもあの事件は十分に一大事だったのだが。
そういえば、皆既日食を見に行こうと初めに言い出したのは、天文に詳しい
湯本だった。彼女がエステラを旅行に誘ったことは不自然ではない。だが、
仲がいいとはいえ、ソウジに声をかけたというのは、今考えると、二人をくっつけ
ようという彼女の計画だったのではないかと思う。もっとも、旅行中の不機嫌そうな
様子から察するに、複雑な心境ではあったようだ。となると、自分の役割は湯本の
ストレス発散か。あるいは、湯本も二人を直接フォローするのは気恥ずかしかったの
かもしれない。そんな意図もつゆ知らず、自分は南国の風土を満喫していたというの
だから、人間関係とはわからないものである。
そう。人間関係なんてわからないものだ。
「まあ、とりあえず、結婚おめでとう」
木島は、赤くなったり青くなったりと忙しい友人に向けて、ひとまず祝いの言葉を
贈る。エステラもソウジもまじめな人間だ。きっと喧嘩しながらも末永く付き合って
いくに違いない。みたところ、ソウジがエステラにぞっこんすぎる気がしないでも
ないが、気の強い彼女の尻にしかれないことを願うばかりだ。
未明のころ、空が白み始め、夜は鳴りを潜める。
会ったこともない辺境の太陽の神が、人の世を、自分たちを、人知れず見守っている
ような、そんな気がした。
「あ」
声に振り向くと、目を覚ましたソウジが、完全に酔いのさめた目でこちらを凝視
していた。いや、穴が開くほど見ていたのは、手元の日記か。
「…で、エステラさんには何と言ったんだい？」
「…」
「プロポーズしたんですか。へえ」
「…」
「…で、結果はどうだったんだい？」
「…」
「すえながくばくはつしろねむい」
木島が本気で毛布にくるまろうとすると、引きちぎる勢いでソウジがそれを引っ
張った。
「なんだい。おやすみのキスならハニーにしてもらってはいかがかな？」
「うおおおおおやめろ！や め ろ ！」
悶絶するソウジがあまりにも不憫だったので、そろそろからかうのは止めてやる
ことにした。そもそも日記を覗き見てしまったという点において、無礼を犯して
しまったのはこちらなのだ。とはいえ、まさか自分の気づかないうちにこんな一大事
があったとは。いや、それでなくてもあの事件は十分に一大事だったのだが。
そういえば、皆既日食を見に行こうと初めに言い出したのは、天文に詳しい
湯本だった。彼女がエステラを旅行に誘ったことは不自然ではない。だが、
仲がいいとはいえ、ソウジに声をかけたというのは、今考えると、二人をくっつけ
ようという彼女の計画だったのではないかと思う。もっとも、旅行中の不機嫌そうな
様子から察するに、複雑な心境ではあったようだ。となると、自分の役割は湯本の
ストレス発散か。あるいは、湯本も二人を直接フォローするのは気恥ずかしかったの
かもしれない。そんな意図もつゆ知らず、自分は南国の風土を満喫していたというの
だから、人間関係とはわからないものである。
そう。人間関係なんてわからないものだ。
「まあ、とりあえず、結婚おめでとう」
木島は、赤くなったり青くなったりと忙しい友人に向けて、ひとまず祝いの言葉を
贈る。エステラもソウジもまじめな人間だ。きっと喧嘩しながらも末永く付き合って
いくに違いない。みたところ、ソウジがエステラにぞっこんすぎる気がしないでも
ないが、気の強い彼女の尻にしかれないことを願うばかりだ。
未明のころ、空が白み始め、夜は鳴りを潜める。
会ったこともない辺境の太陽の神が、人の世を、自分たちを、人知れず見守っている
ような、そんな気がした。
お疲れ様です！（2016.5.22）
まずは皆様お疲れ様です！
オンセは基本、初対面の方々と宅を囲むことになるので、今回も例に漏れず
ドキドキのスタートでした。めでたくハッピーエンドを迎えられた時は、「あ
あ…このメンバーで良かったな…」とじわり来てしまいました。長氏さんアー
メン。
さて、コメントというか今回の反省を。
小っ恥ずかしいRPすいません(恥
もうちょっとサクサク台詞が出てこればよかったのですが、なにぶんPLのリア
ル技能(恋愛)が初期値なもので…。そのため予想外に尺をとってしまった部分
もあると思います。反省。
同時に、秀逸な演出(ｴﾝﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｲﾔｧｧｧｧｧｧｧｧ)と、私のモタモタをスマー
トに帳尻合わせしてくださったKP様、大人の魅力でリードしてくださったクロ様、
そして茶々を入れつつ温かく見守ってくださったまさ様、ひたすら可愛いカフェ
モカ様には感謝の気持ちを伝えきれません…！本当にありがとうございました。
そして、戦闘もたついてごめんなさい…。アホのもっぷに丁寧に説明して下さっ
た方々には感謝です。なぜ組み付きに窒息までしようとしたんだ、自分は。
最後になりましたが、後日談にて、皆様のPCを登場させております。こんなのウ
チの〇〇じゃないよ！というような表現がありましたら、申し訳ないです。特に
PC木島さんがガッツリ出てますぞ…！
では、またどこかで一緒に卓を囲みましょう！
お☆ね☆が☆い
あの、あの…(/ω・＼)ﾁﾗﾁﾗ
今回の素晴らしいシナリオとＰＣたちに影響されてですね、
自分のオリジナルシナリオに、皆さんのＰＣをＮＰＣとして出演させてもよろしいでしょうか？？
ＣｏＣシナリオということで、以下の展開が予想されます
�“�狂の可能性←ダイジ
��黒幕かな・・・？と探索者たちに思わせるような、あやしいセリフ・行動
��シナリオを公開した場合に、第三者によるキーパリングのための性格改変
�だ鐺�メンバーに加入します
�セ猖瓦呂靴泙擦�
よろしければ、あるいは「それはちょっと・・・」ということであれば、お返事いただければ嬉しいです。
今回の素晴らしいシナリオとＰＣたちに影響されてですね、
自分のオリジナルシナリオに、皆さんのＰＣをＮＰＣとして出演させてもよろしいでしょうか？？
ＣｏＣシナリオということで、以下の展開が予想されます
�“�狂の可能性←ダイジ
��黒幕かな・・・？と探索者たちに思わせるような、あやしいセリフ・行動
��シナリオを公開した場合に、第三者によるキーパリングのための性格改変
�だ鐺�メンバーに加入します
�セ猖瓦呂靴泙擦�
よろしければ、あるいは「それはちょっと・・・」ということであれば、お返事いただければ嬉しいです。
まさ様 返事書きました。
大丈夫ですよ！好きに使ってくださいな。
もっぷ様が、書きたい事書いてくれたぜ！
もっぷ様が、書きたい事書いてくれたぜ！
カフェモカ様 お返事書きました。
後日談ありがとうございました。クロ様のときもそうでしたが、皆さまの中でかなはこんな感じの子に見えたんだ、というのが分かって非常に楽しいです。
ソウジさんの時計に何をしたんだ、かなは。
NPC使用の件大丈夫ですよ！ お好きにお使いください。シナリオできた際にはぜひぜひ拝見させて頂きますね。
ソウジさんの時計に何をしたんだ、かなは。
NPC使用の件大丈夫ですよ！ お好きにお使いください。シナリオできた際にはぜひぜひ拝見させて頂きますね。
クロ様 返事書きましたよー！
この時は誠にありがとうございました！ エステラでしたらいくらでも使っていただいて構いませんよ！
黒幕からヒロインまでなんでもござれだ！ 持ってけ泥棒！
黒幕からヒロインまでなんでもござれだ！ 持ってけ泥棒！
KPより
私事
有言実行でクロ様を始めとして皆さまが後日談を書いてくださったようですね
しかしあのラブコメ展開は予想外でしたね。PL次第で物語がいくらでも変わるTRPGの面白さの一端を垣間見た気がします
他PL様も思い出に何か書き綴っていってはいかがでしょうか？
私からは、私事で申し訳ないのですが一つだけ
実は本島のホテル→因果島までは長氏さんとの会話が少しあるだけでシナリオ上は全く情報が置いてありませんでした
出した情報は全てアドリブでしたので少々失敗してミスリード的な情報を渡してしまったかもしれません、反省しています
結果としてアドリブ力は少し上がったかのように感じられましたので感謝していますが
初心者卓では次回からも本島までの道のりをチュートリアル的な扱いで進行するのも面白いかもしれませんね
しかしあのラブコメ展開は予想外でしたね。PL次第で物語がいくらでも変わるTRPGの面白さの一端を垣間見た気がします
他PL様も思い出に何か書き綴っていってはいかがでしょうか？
私からは、私事で申し訳ないのですが一つだけ
実は本島のホテル→因果島までは長氏さんとの会話が少しあるだけでシナリオ上は全く情報が置いてありませんでした
出した情報は全てアドリブでしたので少々失敗してミスリード的な情報を渡してしまったかもしれません、反省しています
結果としてアドリブ力は少し上がったかのように感じられましたので感謝していますが
初心者卓では次回からも本島までの道のりをチュートリアル的な扱いで進行するのも面白いかもしれませんね
皆様、大変お疲れ様でした
窓拭さんは大変な女性を伴侶に選びましたね。彼ならば支え切れるでしょうが今後の展開が気になるところです
それにしても彼女をNPCにしてシナリオが一つ書けそうな勢い。これでTRPG歴一ヵ月とは末恐ろしい方だ...
それにしても彼女をNPCにしてシナリオが一つ書けそうな勢い。これでTRPG歴一ヵ月とは末恐ろしい方だ...
このページへのコメント
はい、是非またいらして下さい
後日談の執筆本当にお疲れ様でした、ではでは〜
早期のご返信誠にありがとうございます。
・・・なるほど。そこまで考慮しているのでしたら私から言うことは何もありませんね。何かPLの方々が少し文句を言ってもKPさまとこの考えがあれば大丈夫そうですね。ダイスの女神さまの賽の目に運命を託すのも一考ではありますね。
さて、お暇な時間があれば当日見学させていただきますね。また体力に余裕があれば、シナリオ終了後にも参加するかもしれませんのでよろしくお願いいたします。
えー、精神分析に関してはですね、特に救済案を設けてはいません（）回復ポイントも黒糖アイスくらいですかね
といいますのも、発狂はクトゥルフの楽しさの一つでもあり、発狂RPの練習にもなればいいかなという感じですね
とはいえ発狂が原因で死んでは面白くないでしょうから何かしら屁理屈並べて生かしていく方針ではありますが
私が初めて参加したシナリオもマジムンでして、私のＰＣは最後のSANcで不定の狂気を発症して非常に楽しいことになってしまいましてね。危うく全滅するところでしたが何とか全員生還Ａエンドでした
そんなことも今では良い思い出ですよ