最終更新:ID:FIG5Wm1RGQ 2019年11月22日(金) 19:51:50履歴
正しいか、悪かと云う事ではない。其は、人が物事を押並べて測る為に定めた、小さな物差しに過ぎぬのだから。
唯、在る事を在る様に見定める。何故、然う成るに至ったのかを繙き、業を「其も良し」と愛しむ。
其が如何様に歪み、欲に溺れ、後戻りの出来ぬ事で有っても。業を祓い、物の怪を祓い、前へ進む道を拓く。
哲学や倫理観に訴える噺ではなく、然うで在る事を選んだ者の道筋を辿り、静かに祓うだけの内容。既に選ばれた選択肢を覆す事は出来ぬのならば、何故、何が、如何して然う成ったのかを知り、其れを取り去るのみ。諸君に許された干渉は、其だけの事である。
全体的に抑揚は抑え気味な流れでは有るが、突然の緩急が付く場面も。
回数 | 日付 | 時間 | 備考 |
初 回 | 11/22 | 21:30〜25:00 | 最大25:30 |
二 回 | 11/23 | 10:30〜26:00 | 最大26:30 |
三 回 | 11/24 | 11:00〜24:30 | 最大25:00 |
予備日 | × |
適宜壱〇分〜壱五分休憩、時間応相談で長時休憩も挟む。
終わり方次第では、早く終わる可能性も有り。
降り頻る霧雨は、色鮮やかな帝都をモノクロームに染め上げていた。春に入った許りだと云う事も有ってか天候が安定せず、常に外套と傘が手放せない。身を斬る寒さこそ無けれど、粒子が細かく濃密な幕の中で佇むには未だ暖かさが幾許か足りぬと云った所か。
ほぼ鈍色の霧に隠れ、曖昧な輪郭が辛うじて浮かび上がる許りの建造物が辺りに立ち並んでいる。一度は大きく潰えた街並みだが、踏まれても尚立ち上がる稲穂の如く、以前よりも人の強かさを主張している様であった。未だ復興の最中に有る為か、被害が比較的軽度で済んだ地域から上って行くと、建物の密度と高さは次第に薄まって、音も無く空から落ちる霧雨が周辺一帯を覆い尽くす駄々広い瓦礫の山に行き当たる。
雨が瓦礫を濡らす湿気た匂いに加え、未だ真新しい焦げ臭さと土埃、加えて濃雨でも隠し切れぬ死臭が仄かに鼻腔を衝く。後に関東大震災と名付けられる大地震は、帝都の日本橋や浅草と云った町を一掃し、塵芥に変えて仕舞った。
洋物の外套を羽織った男は、湿気と相俟って薄らと張り付く額の汗をフェルト生地の袖口で拭い、視線を周囲へ動かした。
男の歳は三十代半ば頃、口髭を短く整え黒髪をポマードで撫で付けた小奇麗な身形をしている。草臥れ切り、人の気配すら無い塵の山には似つかわしくない装なのは、傍目から見ても明らかであった。右手には紺色の洋傘を掲げ、左手には大きな革の鞄を引っ提げている。コートとシャツの袖口から僅かに覗く銀色の腕時計は、日本製の物ではないらしく、ローマ数字が文字盤に刻まれており、規則正しく秒針を刻んでいた。
「……薄気味悪い場所だ」
舌打ち混じりに、男は低い声で吐き捨てた。薄ら灰色に濁った瞳は、霧雨で覆われた周囲を落ち着かない様子で行き来し、何かの気配を探っている様子である。
男が其の場に佇んでから、凡そ壱拾分は経っただろうか。忙しなく縦横無尽に泳ぐ男の視線とは裏腹に、細かな飛沫が静かに足元を濡らす以外の気配も音も無く、唯時間のみが刻々と過ぎ去って行く。男の吐息が、鉛色の虚空に白く煙る。傘の表面に張り付いた雫は、雪達磨の如く互いを引き合って縺れ合い、傘の縁から滑り落ちて男の外套の肩口を黒く濡らした。
未だ油断ならないのか、張り詰めた表情で顔の筋肉を強張らせ乍ら、男は鈍い動作で傘と鞄を己の足元へ置く。今一度、素早く周囲を見回した後、男は鞄を開けて錆止めに赤い塗装は施された園芸用の鏝と、布袋を広げた。両手に薄汚れた軍手を嵌め、一心不乱に足元の瓦礫を掘り起こす。熱や重圧で拉げて仕舞った物品の幾つかを己の左右へ放り投げ、時折掘り当てた損傷の少ない懐中時計やカメオのブローチの表面を丁寧に指先で磨き、其を布袋の中へ突っ込む動作を繰り返している。謂わば、男は火事場泥棒と云う者らしい。
震源地の神奈川に近い地域の被害は尋常ではなく、建物の殆どは焼け落ち、崩れ果てて仕舞っていた。何れ、放置して居れば、日本軍を始めとする組織が遺体の掘り起こしと復興の為に足を伸ばすで有ろう。其の時に見付かった貴重品は、国の為にと押収される可能性が高い。日本は鉱山の少ない島国であるのも手伝い、再び戦争ともなれば金属品は片っ端から戦争の為の道具へと流されて行く。其の前に、回収出来る物を回収し、市に流して金にするのが荒らし屋の稼業であった。
無我夢中で品物を掘り進めて居ると、しとどに濡れる大気に混じって、甲高く潰れた何かの鳴き声が男の鼓膜を打った。
「……猫……? いや、……違う。是は……子供?」
盛りの付いた獣の鳴き声かという疑いは、直ぐに覆った。声が途切れる間隔や、息継ぎをしながら声を吸い込んだ時に喉が締まる様な響きは、人間の幼子が泣きじゃくる時の其に酷く似ている。
男の蟀谷から、汗とも雨とも付かぬ雫が緩やかに伝って、黒い髭が伸び始めた顎先にと溜まり、軍手に吸い込まれて行く。
男は、此の場所を何度か下見に来た事が有る。復興から若干月日が経ったとはいえ、未だ手の着けられていない場所は、バラック小屋や難民の影すら見当たらない更地と化していた。雨風を凌ぐ小屋を作るには打撃が大き過ぎた事、そして数少ない乾パンや缶詰といった政府から配給される食料に加え、世界大戦から継続して野菜を作り貯蓄し続けていた農家が力を合わせて炊き出しの様な事を行っている地域を求めて、避難民が一時的に逃げて行った事が主な原因である。こんな場所で見掛けるのは、それこそ飢えた野良犬か、瓦礫から突き出した腐乱死体の一部位でしかない。
男の頸椎が軋んだ。呼吸をする内に、嫌という程に雨を吸い込んだのか、肺の底が水を含んだ様に重い。
鳴き声の方向へ視線を向けるが、視線の先は雨に遮られている。水の粒子が余りにも細かい為、雨音が響かない空間で断続的に響く泣き声は、動きを止めている男を除けば唯一の音源であった。
男が我に返ると、何時の間にか声は跡形も無く消え去っていた。急いで視線を腕時計へ向ける。此処に来てから二時間半近く経過していた事を示す文字盤に、薄らと灰色掛かった男の眼は大きく見開かれた。
如何見積もっても、体感と実時間の計算が合わない。男は品物回収の最中、声を聞いてから一時間半以上も傘を差さず、瓦礫の中に突っ立っていたと云う事になる。
再度、視線を声がしていた方向へ向ける。相変わらず、何の影も形も浮かばない。
男は覚束ない所作で雨を吸って色が変わり始めている布袋を手早く畳み、言う事を聞かない体に苛立ってか舌打ちを交えつつ、鞄の中へと無理矢理押し込んだ。
「おっとう」
男の左真後ろから、無感情で舌足らずな嗄れ声が囁く。
今度こそ、男は口端が張り裂ける程の悲鳴を上げた。
■新規探索者の場合、技能の最大上限は80。継続探索者の場合は上限90でロール
■振り直しは、全能力値で合計3回まで(3つの能力値を1回ずつ振り直す or 1つの能力値を3回振り直す)
■全能力値を破棄しての作成し直しは最大で3回まで。それ以上遣りたい場合は応相談
■ポイントの移し替えや交換、正気度を除いた能力値を合算後再分配は可能。ルールブックP45参照
■<回避>技能を職業技能で取る場合は上限が80。個人技能の場合は、上限が"初期<回避>*2" (継続も同様処理)
■職業例に縛られなくて構わない。自由作成の場合は、その旨を記載する事
■特殊な技能を取りたい場合は応相談。<芸術>技能は万能技能ではない事に注意
■「らせん綺想譚」卓に限り、ガスライトの特徴表を適用する(未所持者は開始前に部屋内で決定)
軽犯罪者(軽微の窃盗・侠客・極道に生きる者)〇、人外は応相談。
他探索者と協力が取れる、尚且つ無理のない適度な社会性の有る探索者に限る。
中国の秘密結社である哥老会に所属しているか、雇われの腕利き。多くは大陸からの移民であり、同時に侠客でもある。日本語が30%以上なければ、日本人と会話が成立しない。表上の身分は低く、平民や浮浪者等の裏に潜む職業に絞られる。特高の目が厳しい為、普段は仮初の職を装う事も。
哥老会所属の場合、仮初の職業は身分に相応しい物である事(平民が華族に成る事は出来ないが、付き人に扮する事は出来る)。
特徴表とは別に、人の死体を見た時の正気度を1点軽減する特徴を持つ。
【確認時使用記号一覧】
◇×:間違い
◇?:疑問点、相談点
◇!:要確認箇所
◇★:修正点と云う程ではない箇所、提案点
◇PL名前横に☑:確認完了
哥老会所属の場合、仮初の職業は身分に相応しい物である事(平民が華族に成る事は出来ないが、付き人に扮する事は出来る)。
特徴表とは別に、人の死体を見た時の正気度を1点軽減する特徴を持つ。
【確認時使用記号一覧】
◇×:間違い
◇?:疑問点、相談点
◇!:要確認箇所
◇★:修正点と云う程ではない箇所、提案点
◇PL名前横に☑:確認完了
目星聞き耳類は、大方RPによって自動成功します。確かに御三家として広く必要とされて居ますが、職業技能なら未だしも趣味技能を割り振るのはポイントが勿体無い気がしているのと、RPで判る程度の情報に一々ロールを振らなくても良いだろうという考えを基にしているので。
街中での調査が主体となります。対人的技能は有用になってくるかもしれません。人種や階級という認識が色濃い時代なので、そういった出自の探索者は特に。
また、生物や宗教知識が有ると少し楽しいかもしれない。避けられない戦闘も有ります。避けられる戦闘も有りますし、それは御好みで。リドル要素は申し訳程度ですが、プロフィールや技能次第では有利に働く可能性も有ります。
以上を踏まえて、御好きな技能を御取りください。オリジナル技能を取りたいという場合は、相談して頂ければ初期値の提案を致します。
以下に眼を通して頂けると、どどんとふ使用や探索者の彼是がスムーズ。
1.参加方法・諸注意
2.探索者の心得
3.未経験者・初心者の方へ
4.どどんとふ指南
5.キャラシチェックシート
どどんとふ等、詳細は直接御教え致しますので、粗方の設定と操作が可能ならば問題有りません。
初心者の方のみならず、経験者の方も2の心得、特に『ちゃんとロールプレイをする』『継続探索者(またはベテランPL)について』『キャラクターとしての探索者』は最低限目を通して置いてくださると有難い限り。
経験者だからこそ、忘れていらっしゃる事も多いかと存じますので。
確り読んでくださった前提で卓を回す心算なので、御了承を。
1.参加方法・諸注意
2.探索者の心得
3.未経験者・初心者の方へ
4.どどんとふ指南
5.キャラシチェックシート
どどんとふ等、詳細は直接御教え致しますので、粗方の設定と操作が可能ならば問題有りません。
初心者の方のみならず、経験者の方も2の心得、特に『ちゃんとロールプレイをする』『継続探索者(またはベテランPL)について』『キャラクターとしての探索者』は最低限目を通して置いてくださると有難い限り。
経験者だからこそ、忘れていらっしゃる事も多いかと存じますので。
確り読んでくださった前提で卓を回す心算なので、御了承を。
・ルールブックを手元に置いて、分らない事が有れば随時確認する事
・ハウスルール(部屋の共有メモ参照)を確認する事
・分らない事は気楽に尋ねる事
・シナリオに相応しい"社会性"、設定を持ち合わせたキャラクターを演じ、作る事
・強いキャラクタープレイはしない事
・気楽に、気軽に、緩く楽しく
・可能な限り、積極的な提案や、発言をする事
御機嫌よう、或いは初めまして。
ルールブック第七版の発売が迫っている中、第六版で遊び倒して仕舞いたい。第七版の(戦闘・チェイス・狂気周りの)ルールが気になりながら、ちょこちょこやって行きたい所。
大正の探偵物が遣りたい、という単純な欲求に従って御用意した粗品シナリオ。
基本的に一話完結で、妖怪や都市伝説や洒落怖をネタにしながら、一部の設定(舞台背景やNPC)のみ使い回して行きます。雰囲気としては、数年前にノイタミナ枠だったモノノ怪の最終話に近い感覚でやって行けたら。飽く迄も理想の範疇ですが。異形探偵物、というジャンルで表すと、大体雰囲気を察せるかもしれません。
人外探索者も可能ですので、ヤバい物(海坊主だとかデイダラボッチ等)でなければ、(可燃性の有る)一反木綿でも構いませんし、付喪神でも仔狐でも。人外を作成したい場合は、その旨を参加希望時に記載して頂ければ、それらしいステータス等を御用意致しますので、擦り合わせて決めて行けたらと思います。
また、宣言や相談の円滑化の為に専用のDiscord鯖を御用意致します。謂わば、セミボイスセッションという形式を想像して頂ければ分かり易いかと。勿論、入退室は自由なので強制は致しません。聞き専のみも可。相談事は特に口頭の方が早いので。
そこそこ真面目そうな事を言っている風を装ってはいますが、持病の様に茶番が残像を挟んで行くので、全くそんな事はないです。ないです。
全く何年遊んでも成長のせの字も無い御覧の通りでは有りますが、貴方の興を惹けたのなら僥倖。
尚、問題を起こした経歴が有るPL、KPのプレイスタイルに合わないと判断したPLに関しては、参加を御断りさせて頂く可能性が有る。
募集要項を読めていないPLも同上の処理。
御縁が叶うのであれば、どうぞよしなに:]
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