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「そろそろ俺と付き合わない?」
ある日の午後、リビングでイチゴの入った生どら焼きに夢中になっていたラミアが可愛かったので
そう言った途端、古市があらかじめ予想していた通りじろっと睨み上げてきた。
「嫌」
しかも一言でバッサリと切り捨てられた。
「何で?」
「私がアンタなんかと?ふざけないで」
「いや大マジ」
「だから嫌」
持っていた生どら焼きの残りを口に放り込みジュースで流し込んだ後、ラミアはとんでもなく挑戦的
な目で見上げて来る。照れているのでも戸惑っているのでもない、純粋な疑問を貼り付けた顔で。
今までのあどけなさとは異なる表情にラミアの中の何かが変化していることが分かる。
「それって、私にとって何か得することがあるの?言いなさいよ」
「そうだなあ…イイこといっぱいしてあげるよ」
「却下」
二個目の生どら焼きを手にして、魔界の少女はつんと横を向いた。さっきとはまた表情が変わって
いる。今度は眼差しが大きく揺れ、明らかな動揺が見えた。
「男ってバカだから嫌いよ。人間も男はやっぱり同じなのね」
ぱくんと食いつく顔は見た目通りに幼いのに、台詞はどこの大人の女かと思うほどにすれている。
そんなところもまた可愛くて、つい色々と嫌がることを言いたくなってくるのは男というものの困った
性分かもしれない。
「カラダの相性は悪くないじゃん、オレたち結構似合ってるのかもよ」
そう言った瞬間に、クリームを口の端につけたままラミアの動きが止まる。そのまま何か考え事を
しているのかしばらく身じろぎすらしなかった。
「…勝手なこと言わないでよ、たかが人間の癖に」
「うん」
多分ラミアからすれば、さっきの古市がそうであるようにわざと気に障ることを言ったつもりだった
のだろう。簡単に受け流されて出鼻を挫かれたような顔をしている。考えが透けて見えるからこそ
どんなことを言われても別に気にはならなかった。
逆に、それだから可愛いと思うばかりだ。

「私とアンタじゃ格が違うのよ。身の程を知りなさいな」
「うん、そうだね」
「……バッカじゃないの?」
何を言ってもへらへら流す古市にすっかり憤慨したのか、ぶつぶつ口の中で文句を呟いた後は
もう黙り込んでしまった。二つ目の生どら焼きを食べ終わる頃を見計らって、反撃覚悟で細い肩を
抱いてみた。
初めて触れられた頃のように、びくっと身体が震える。
それ以上下手に刺激しないように出方を伺っているうちに、俯いた横顔が陰りを帯びた。
「…アンタみたいなバカ、知らない…」
はらりと頬に涙が伝っていく。
「人間の癖に、ホントバカ…」
「じゃあ、OKってことでいい?」
「…そう、思えばいいでしょ…」
顔を上向けさせると、涙がいっぱい溜まっていて今にも零れそうだった。その綺麗な雫と口の端の
クリームを舐め取ってから柔らかい唇にキスをした。
イチゴの味のキスは心までを蕩かしそうに甘くて、つい何度も繰り返してしまい、調子に乗るなと
殴られる羽目になるおまけがついた。

その後はといえば。
「古市ー!」
ラミアはパワーアップした。
以前にも増してちょっとしたことで呼び出す、押しかける、文句を言う、とわがまま放題に振舞って
憚らない。
「おいおい、何だありゃ」
傍目にも目に余るものがあったのだろう。男鹿が呆れたようにぼそっと呟く。
「あんなガキを甘やかしていいのかよ」
あれが食べたい、あそこに行きたいと男鹿が側にいても言い募っているラミアに、うるさくて心底
参っている感じだ。
「うーん…ま、いいんじゃね?」
可愛いし。と心の中で続けながら、古市はにんまり笑う。
『そんなに私と付き合いたいなら、私のわがままは全部聞いて。嫌だと思うことは絶対しないで。
いつも楽しませてね。それと…』

人間も悪魔も、考えの根っこは同じなのだろうか。それとも恋というものは種族を越える概念でも
あるのだろうか。
『簡単に他の女にデレデレしたら、絶対許さないんだから!』
そう言い放ったときのやたら真剣な顔が妙に綺麗に見えて、きっと将来はすごい美人になるんだ
ろうなと思えた。今のうちにツバをつけておいたのは間違いではないのだろう。例えロリコン扱い
されたとしても。
「おい、古市…」
そんなことを考えていると、男鹿がキモそうな顔でやや引いていた。
「垂れてるぞ、ヨダレ」
「えっ、ああ…」
慌てて口を拭うが、これでロリコン認知は完全確定したなと悟った。事実がある以上決して間違って
はいないとしても、我ながら痛いかも知れない。
「古市、何してんの!」
遠くから叫ぶラミアの声が高く響いた。




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