関連:Dies irae 〜Acta est Fabula〜Dies irae Also sprach Zarathustra -die Wiederkunft-

197 名前:神咒神威神楽 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/11/19(土) 02:39:18.25 ID:JkkdO5wY0
舞台は淡海によって東西が引き裂かれた幕末の神州日本。
黒船来港から始まる外圧に苦慮する朝廷は国難を打開するため東征軍を結成。
化外達が支配する東の地を取り戻し神州統一によって外夷に対抗すべく画策する。
その先駆けとなるべく開かれた御前試合。
東征軍の総大将を決めるべく貴族達の代理として集められたのは東の地から流れ出る障気によって「歪み」と呼ばれる異能を宿した強者達。
彼らは神州一の益荒男と呼ぶに相応しい超人的な技量によって血の雨を降らしその実力を誇示するが
武家の頂点に立つ久雅家の姫君である竜胆はそんな彼らに苛立っていた。
それだけの力がありながらどうして自分の事しか考えられない。なぜ自分のためだけに生きようとする。
苛立ちは暴発し、竜胆は戦場を血で染める戦鬼どもに弓を引く。
しかしその行動は嘲笑を以って迎えられる。自らを至上とするのは世界の必然。
そこにあっては竜胆の考えこそ異端にして異常。それでもと我を通したいならば力によって証明してみよ。
殺到する魔人の凶刃。それを受け止めたのはこの御前試合を眺めていた一人の益荒男、坂上覇吐だった。
世界の理に反逆するような竜胆の異常な思想。しかし覇吐はそこに今まで見たことがない光と熱を感じ取っていた。
覇吐は自らを輝かせるためではなく、久雅竜胆のために彼女と主従を結び、一騎当千の強者共を制して彼女を東征軍の将へと引き上げた。

198 名前:神咒神威神楽 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/11/19(土) 02:41:18.84 ID:JkkdO5wY0
3ヶ月後、東征軍は海を越え化外達が支配する東の地へと降り立っていた。
全ての時間が停止したような不可思議な世界。そこで覇吐達は天魔と呼ばれる化外の王と遭遇する。
その力は絶望的なほど絶大で神州最強の益荒男たる東征軍は為す術もなく敗北し、からくも全滅を免れる。
今のままでは天魔達に勝つことは出来ない。それを悟った竜胆は彼らに対抗する力を得るべく霊峰不二へとむかい
その地に眠る黄金の槍を手にしたことで世界の真実を知る。
天魔と呼ばれる化外の正体は旧世界の英雄達だった(前作Dies Iraeの主人公達)
Dies Iraeエンディング後、座には黄昏の女神が座り美しい世界を作っていた。座とは世界の在り方を支配する天地創造の領域。
彼女は「全てのものを抱きしめる」という慈愛によってあらゆる存在を許容し愛する寛容の世界を形作った。
しかし全てを許すということは「許されてはならない存在」をも許すということ。
その愛ゆえに彼女は汚濁によって砕かれた。砕いた者の名は波旬。抱く願いはただ一つ。「我だけが全て」
極限まで高められた自己愛は他者の存在を許さない。彼が支配する世界には彼しかなく、それは世界の終わりを意味していた。
天魔達の長である夜刀は世界に残された唯一の到達者として「刹那」の力でかろうじて世界の一部を波旬から守る。
世界が現在も存在し続けるのは化外と蔑まれた彼らが必死に波旬の影響を堰き止めていてくれたからなのだ。
全てを知った竜胆達はそれでも天魔達を倒す道を選ぶ。
どんな理由があろうとも彼らの存在は神州に歪みを生み出す化外で、放置すれば自分達の世界は壊れてしまうから。
だがそれは波旬の傀儡として戦うということではない。彼らの思いを受け継ぎ、越えていく。それが答え。
後は俺達に任せてくれ。絶対に波旬の好きになどさせないから。
導びかれるような戦いの果てに東征軍は遂に天魔達を倒し、神州から化外を駆逐した。

202 名前:神咒神威神楽 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/11/19(土) 02:44:10.63 ID:JkkdO5wY0
勝利の凱旋。しかしそれは破滅の始まりに過ぎなかった。
夜刀が倒れることで波旬を抑えていた最後の鎖は外れ天狗道は完成する。
全ての人々が自分だけが存在することを望み、隣の他者と殺し合う世界。
それは竜胆の下で絆という形を知った東征軍の面々には醜悪極まる地獄絵図だった。
彼らは波旬を倒すため最後の戦いへと赴く。
運命を超え一人の人間として生きる意思を手に入れた凶月兄弟の強さは波旬の存在にヒビを入れ
共に在り、共に競い合うことで境地へと辿り着いた宗次郎と紫織の一撃が次元の壁を打ち砕く。
夜行と龍水により導きにより、覇吐達は遂に夜刀ですら辿り着けなかった波旬の座へと到達する。
待ち受けるは黄金も水銀も刹那ですら勝てなかった最大最強の神。無敵の波旬を倒せる者は存在しない。そうただ一人を除いては。
坂上覇吐。波旬の内部に存在していた「最初の他人」我一人だけ存在する世界を望む波旬の渇望の原因たる存在。
彼と相対した時のみ、無敵の波旬は無欠の存在ではなくなる。そしてならば、波旬は坂上覇吐に敵わない。
全てを否定し、黄昏の女神の抱擁すらも害として拒絶した波旬と最愛を知り、無二の戦友を得た覇吐。
その差が勝敗を分かつ決定打となり絆の力が身勝手で悲しすぎる世界を滅ぼした。
神域へと至った覇吐と竜胆は一つになり、座から世界を導く存在となる。
願った形は他者の尊重。かつて世界を愛した神々の在り方を肯定し、人それぞれが好きな道を選ぶ世界。
桜咲き誇る大地の下で覇吐達は見守っていく。旧世界の英雄達が守った優しい日常のある日々を。

207 名前:神咒神威神楽 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/11/19(土) 02:55:27.93 ID:JkkdO5wY0

補足事項

全体的にかなりご都合主義となっているが(絶対に勝てない相手に勝つ、全滅するはずの場面で死なない)
それは世界の神である波旬が目障りな天魔達を滅ぼさせるために主人公サイドに力を与えていたというメタ的な理由がある。
当然波旬は天魔が滅んだ後は主人公達も皆殺しにする予定だったが
天魔達が主人公達の力を引き上げ覚醒を促すように戦ったことで逆に倒れてしまったというオチ。
世界の歴史はPARADISE LOST→Dies irae→神咒神威神楽と展開されている。
前述の通り、Dies iraeの世界は波旬によって滅ぼされているが
エンディングでDies iraeのヒロインである香純が手紙の相手として登場しており彼らが輪廻転生していることが分かる。

以上です。支援ありがとうございました。
一応複数ルートに分岐する作りになってますが「この時に○○はこうしていた」という見せ方なので本筋はこれ一本です。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

編集にはIDが必要です