キュトスの姉妹・結界の六十二妹
34番目。バランサー。アーキテクスボハルチャーやエミリニェロギッポロネーシャより前の代の姉妹。キュトスの三半規管。
累卵の記述項
1-34シュトラールStrahl
「均衡維持者バランサー」 「レイ」 「噴き出す希望」 「千里眼」
空間を司る姉妹。
空間を伝播する電磁波や放射線などに干渉し、操作できる。
紫外線やX線、果てはガンマ線まで見えているので、基本的に何を隠しても透視される。
姉妹が存在することによって生じるゆらぎを調整し、均衡状態にするという重要な役割を果たしている。
初代バランサーであり、九姉に匹敵する強大な魔力と能力を誇っていた為に内外から危険視された。
姉であるイングロールに恋焦がれていたが、自分を慕ってくる55番ナタリエルを無碍にできず、内心の想いを押し隠したまま生活していた。
しかしある日その鬱屈を見破った15番毒花は彼女を言葉巧みに惑わし、イングロールへの想いを暴走させるようにしむける。
星を見上げるイングロールに想いを告げようとするが、イングロールの想いがトルニチェライカに向けられていると知り、慟哭するシュトラール。せめてひと時の思い出をと優しく抱きしめるイングロールの腕をそっと払い、
シュトラールは星見の塔を出奔する。
時はまさにチャカ大陸での動乱記であり、シャクニティエが民を扇動し姉妹への反逆を行い、
神々と精霊、アヴロノとティリビナ?が争う戦いが佳境となった時期であった。
シュトラールはアヴロノのスーリウムと駆け落ちをしようとしていたトルニチェライカを追い、
その魔力でスーリウムを焼き殺した。
イングロールが自分を見てくれないのなら、せめてトルニチェライカが愛するイングロールの物になるようにしてやりたかった。 トルニチェライカは恋人の死に嘆き悲しんだが、遠くから放たれた閃光を思い出し、激しい憎悪に駆られた。
シュトラールの目論見は外れてしまっていた。トルニチェライカは、イングロールの想いに気づいていた。
スーリウムの死は、彼女の仕業であり、スーリウムを焼いた閃光はイングロールのものだと確信してしまったのだ。
見に覚えの無いイングロールは激しく狼狽し、それを否定したが、聞く耳を持たないトルニチェライカ。
割って入り、すべてを打ち明けたシュトラールを見て、二人で共謀して自分を陥れたと絶叫するトルニチェライカ。
その真なる力を暴走させたトルニチェライカはシュトラールとイングロールを共に殺そうとするが、
咄嗟にシュトラールはイングロールの前に立ち塞がり、彼女を庇った。
倒れ伏すシュトラールと、呆然としたイングロールを見て、ようやくシュトラールの想いがイングロールのそれと
噛み合っていない事を理解したトルニチェライカは、こちらもまた呆然となり矛を収めた。
事態を察知した長姉ヘリステラと九姉アーザノエルが駆けつけたとき、事態は収束していた。
今際の時、イングロールにその想いを告げ、滅びるシュトラール。
イングロールは愛するトルニチェライカを庇うため、この時の事を他言無用とし、
シュトラールは敵対勢力によって暗殺されたという発表がなされた。
トルニチェライカはやり場の無い憎しみと悲しみを抱えたまま、塔の中で呆けた様に座っていることが多くなった。
イングロールはどこか空虚な感情を胸に抑え込み、妹たちへの罪悪感に苦しむようになった。
星見の塔の敷地の外れに、小さな墓標が置かれている。
毎年ある日になると、二輪の花が添えられているという話だ。
余談だが、シュトラールを慕っていたナタリエルはシュトラールがチャカ大陸へ赴いた際に襲撃を受けて死亡、
記憶と感情をすべて失い人間の集落で生活していた。
その後姉妹に復帰して感情も取り戻したが、失われた記憶はついに戻らなかったという。
1-34シュトラールStrahl
「均衡維持者バランサー」 「レイ」 「噴き出す希望」 「千里眼」
空間を司る姉妹。
空間を伝播する電磁波や放射線などに干渉し、操作できる。
紫外線やX線、果てはガンマ線まで見えているので、基本的に何を隠しても透視される。
姉妹が存在することによって生じるゆらぎを調整し、均衡状態にするという重要な役割を果たしている。
初代バランサーであり、九姉に匹敵する強大な魔力と能力を誇っていた為に内外から危険視された。
姉であるイングロールに恋焦がれていたが、自分を慕ってくる55番ナタリエルを無碍にできず、内心の想いを押し隠したまま生活していた。
しかしある日その鬱屈を見破った15番毒花は彼女を言葉巧みに惑わし、イングロールへの想いを暴走させるようにしむける。
星を見上げるイングロールに想いを告げようとするが、イングロールの想いがトルニチェライカに向けられていると知り、慟哭するシュトラール。せめてひと時の思い出をと優しく抱きしめるイングロールの腕をそっと払い、
シュトラールは星見の塔を出奔する。
時はまさにチャカ大陸での動乱記であり、シャクニティエが民を扇動し姉妹への反逆を行い、
神々と精霊、アヴロノとティリビナ?が争う戦いが佳境となった時期であった。
シュトラールはアヴロノのスーリウムと駆け落ちをしようとしていたトルニチェライカを追い、
その魔力でスーリウムを焼き殺した。
イングロールが自分を見てくれないのなら、せめてトルニチェライカが愛するイングロールの物になるようにしてやりたかった。 トルニチェライカは恋人の死に嘆き悲しんだが、遠くから放たれた閃光を思い出し、激しい憎悪に駆られた。
シュトラールの目論見は外れてしまっていた。トルニチェライカは、イングロールの想いに気づいていた。
スーリウムの死は、彼女の仕業であり、スーリウムを焼いた閃光はイングロールのものだと確信してしまったのだ。
見に覚えの無いイングロールは激しく狼狽し、それを否定したが、聞く耳を持たないトルニチェライカ。
割って入り、すべてを打ち明けたシュトラールを見て、二人で共謀して自分を陥れたと絶叫するトルニチェライカ。
その真なる力を暴走させたトルニチェライカはシュトラールとイングロールを共に殺そうとするが、
咄嗟にシュトラールはイングロールの前に立ち塞がり、彼女を庇った。
倒れ伏すシュトラールと、呆然としたイングロールを見て、ようやくシュトラールの想いがイングロールのそれと
噛み合っていない事を理解したトルニチェライカは、こちらもまた呆然となり矛を収めた。
事態を察知した長姉ヘリステラと九姉アーザノエルが駆けつけたとき、事態は収束していた。
今際の時、イングロールにその想いを告げ、滅びるシュトラール。
イングロールは愛するトルニチェライカを庇うため、この時の事を他言無用とし、
シュトラールは敵対勢力によって暗殺されたという発表がなされた。
トルニチェライカはやり場の無い憎しみと悲しみを抱えたまま、塔の中で呆けた様に座っていることが多くなった。
イングロールはどこか空虚な感情を胸に抑え込み、妹たちへの罪悪感に苦しむようになった。
星見の塔の敷地の外れに、小さな墓標が置かれている。
毎年ある日になると、二輪の花が添えられているという話だ。
余談だが、シュトラールを慕っていたナタリエルはシュトラールがチャカ大陸へ赴いた際に襲撃を受けて死亡、
記憶と感情をすべて失い人間の集落で生活していた。
その後姉妹に復帰して感情も取り戻したが、失われた記憶はついに戻らなかったという。
2-34アーキテクスボハルチャー
2-34タマラ