テスト? de 公社 7 (全担当官) //ヘンリエッタ,リコ,トリエラ,クラエス,アンジェリカ,エルザ,ペトラ,ジョゼ,ジャン,ヒルシャー,マルコー,ラウーロ,アマデオ,オリガ,ジョルジョ,フェッロ,プリシッラ
 //名無しさん@専用色 //テスト de 公社 //,Snippet/,Humor/ 10781Byte /Text //2006-04-08



 ------ テスト? de 公社 7 (全担当官) ------



 或る昼下がり、ロレンツォは窓際で煙草をふかしていた。相変わらず

存在感のない顔をしている。担当する義体がいない分、気楽なものだ。



 ところでロレンツォは、2課では生活指導主任も兼務している。

生活指導と言っても「生活は規則正しく!」「好き嫌いはいけません!」

みたい事を、義体に偉そうに話せばよいだけなので、楽な仕事だ。

それでもそこは組織の長、講義中に得た情報を担当官へと伝え、義体の運用が

スムーズに進むようにしなければいけない。

簡単に見えて実は難しい、まさに中間管理職の仕事といえるだろう。



 今日は2課の定例会議の日



ロレンツ 「あ〜ー、それでは定例会議を始める。早速だが、用意した資料を見てくれ」



ヒルシャ 「……これは、、一体なんです?」

フェッロ 「アンケートの調査結果、、ですか?これは」

ロレンツ 「うむ、その通りだ。皆も知ってのとおり、先週は2課の読書週間だった訳だが、

      その後、各義体に私が個人的なアンケート調査を行った。これはその結果だ」

プリシッ 「へ?読書週間?そんなのありましたっけ?」

ジョゼ  「オリガ、知ってたかい?」

オリガ  「……いや、初耳ですね」

ラウーロ 「ったく、うちの上司はヒマ人なんだから、、」



ジャン  「……で、課長、これを我々に公表する理由は?」

ヒルシャ 「そうですよ、個人的なアンケートを公表するなんて、、」

プリシッ 「プライバシーの侵害じゃないですか?」

ロレンツ 「うむ、、、私も相当迷ったんだがな、2課の責任者として

      担当官達にも公表すべきだと判断した」

ヒルシャ 「はぁ?」

ジョゼ  「……何か問題でも?」

ロレンツ 「あーー、まぁそんなとこだ。とりあえず目を通してくれ」

課員一同 「はぁ、、、」

 課員はロレンツォの用意した資料に目を走らせた。

 そのアンケートは、読書週間中に読んだ本について聞くものだった。



アンケート:読書週間中に読んだ本を、最低3冊答えなさい。



アンジェの解答:パスタの国の王子様 vol9

          パスタの国の王子様 vol10

          パスタの国の王子様 vol11



リコの解答  :アンパンマンとばいきんまん

          アンパンマンとおにぎりまん

          アンパンマンとぱしぱしぱしーん



ジャン  「……問題ないじゃありませんか、課長」

ラウーロ 「そおかぁ〜〜?大ありじゃねーのか?こりゃ」

マルコー 「………………。」

プリシッ 「アンジェはともかく、リコったら、、、」

ヒルシャ 「なぁオリガ、“ぱしぱしぱしーん”って何のことだ?」

オリガ  「何であんたはいつも私に聞くのさ、自分で考えな」

ジョゼ  「しかし、パスタの絵本って何巻まで出てるんだ?マルコー」

マルコー 「……知らん。著作権とっておけばよかったよ、、、」



ロレンツ 「あー〜、まあとりあえずこの二人は置いておこう。キリがないからな。

      とりあえずジャン、腹をすかして他の義体にかじりつかない様、リコに言っておけ」

ジャン  「……分かりました」

ロレンツ 「それじゃあみんな、次のページに進んでくれ」


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アンケート:読書週間中に読んだ本を、最低3冊答えなさい。



トリエラの解答:赤毛のアン

          小公女セーラ

          母をたずねて三千里

          アルプスの少女ハイジ

          トム・ソーヤーの冒険



ヒルシャ 「はっはっは。さすが私のトリエラ、三ヵ国語を操って名作ばかりを……」



オリガ  「……確かに」

ジョゼ  「……名作ぞろいではあるが、、」

マルコー 「……しかし、、、この違和感はなんだ?」

フェッロ 「……何でしょう、なにか引っかかりますね、、、」



ジャン  「……ハウス名作劇場、か?」

ジョゼ  「それだよ兄さん!!間違いない!!!」

課員一同 「まったく、この兄弟はよー〜〜、、(ノД`)」



ロレンツ 「あー〜、つまりだなヒルシャー、トリエラがこういう趣向である事を

      頭に入れた上で、今後は行動するように」

ヒルシャ 「はぁ……で、具体的にどうすれば?」

ジョゼ  「ヒルシャー、アニマックスを毎日欠かさず見ればいいんだよ」

ヒルシャ 「アニ? 何ですって?」

ジャン  「おいジョゼ、キッズステーションを忘れてはいかんぞ、馬鹿者め」

ジョゼ  「ああそうだな、すまない兄さん」

ヒルシャ 「???」



ロレンツ 「こいつらは放っていて、次、」


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アンケート:読書週間中に読んだ本を、最低3冊答えなさい。



クラエスの解答:失楽園

          シャトウルージュ

          かくも美しきエロス



ジャン  「ほお、クラエスはニッポン文学か」

フェッロ 「……と言うか、渡辺淳一ですね」

ラウーロ 「けどよ、コドモが読む本じゃねーだろ〜、こりゃあ」

ヒルシャ 「そソソそうですよ、こここコんなにせセセ、性描写ばかりで、まるでポポポポルノ…」

プリシッ 「はいはい、興奮しないの」

ラウーロ 「きっとあれだぜ、クラエスの奴は欲求不満なんだぜ、ウヒヒヒっ!」

オリガ  「やめな、ラウーロ」



ロレンツ 「あ〜〜、まああれだ、ラパロの書庫を一度整理しておけ、ジャン」

ジャン  「……分かりました」

ロレンツ 「それじゃ、次」


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アンケート:読書週間中に読んだ本を、最低3冊答えなさい。



エッタの解答:ヤングアダルト情報源【異性編】       

         ティーンのからだ・こころ・愛 上

         ティーンのからだ・こころ・愛 下

         ふたりのH講座―「はじめて」から「ちょっと上級」まで



ラウーロ 「ギャhahahahaHAHAHAHAHA! ヒーッヒッヒッヒ! は、ハラが痛え!!」

オリガ  「ラウーロ、あんた笑いすぎ」



ジョゼ  「あ〜〜ー…、、えーっと、、、まいったなこれは、、」

プリシッ 「いいじゃないですかジョゼさん。エッタだって女の子なんですから、

      エッチに興味ぐらい持ちますよー。思春期なら誰だってそうです」

オリガ  「そうね、これくらいなら健全でいいんじゃないかしら」

ヒルシャ 「そそそうなのか? そそソ、そしたらととトリエラにも……」

ジョゼ  「や、ヒルシャー、それはやめといた方が……」

マルコー 「……というより、お前が読むべきじゃないか?ヒルシャー」

ヒルシャ 「はぁ? 」

課員一同 「…………。」



ロレンツ 「あ〜〜、ジョゼ、マルコーの言うとおりだ。読み終わったら

       ヒルシャーに貸してやる様に、ヘンリエッタに伝えてくれ」

ジョゼ  「はぁ……分かりました」

ロレンツ 「次、最後だ」


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アンケート:読書週間中に読んだ本を、最低3冊答えなさい。



エルザの解答 :斜陽

          人間失格

          或る阿呆の一生



フェッロ 「エルザも日本文学ですか、、」

プリシッ 「なんだかすごいタイトルばっかり、、」

ジョゼ  「えーっとこれは、、芥川龍之介と、大宰治だね」

ラウーロ 「チッ、陰気臭えもんばっかり読みやがって、、、」



プリシッ 「あの、、ジョゼさん、アクタガワにダザイって、、、」

ジョゼ  「ああ、両方とも自殺してるんだよね」

フェッロ 「大丈夫でしょうか、エルザは」

オリガ  「心中でもしなけりゃいいですけど、、」

ジョゼ  「さあ、、、」



 会議室に漂う微妙な沈黙。一方で、、



ラウーロ 「ったく、相変わらず場の雰囲気が読めない奴だぜ。

     ドカンと笑いを取ろうとか思わねーのかよ、あいつは、、」

     あ? 何みんな暗い顔してるんだ? なんかあったか?」

課員一同 「……………」



 こうして公社の或る阿呆は、斜陽の人生を送った挙句、

 最後には人間失格扱いされてしまったのであった。



                          おしまい

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