アクセス規制を受けた方のための本スレ転載用スレッド

0gunslingergirl_ss - 10/01/09 22:51:57 - ID:gunslingergirl_s

規制を受けた方のための転載用スレッドです。
現在の本スレはCCさくら@2ch掲示板の
「社会福祉公社技術部さくら板支所 第2分室」です。

社会福祉公社技術部さくら板支所 第2分室
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1231771865/

  • 107gunsringergirl_ss2 - 11/07/19 23:55:30 - ID:gunsringergirl_s

    転載しました。
    トリエラ…(つд`。)

  • 108名無し - 11/08/26 23:09:51 - ID:5IWVyso7tA

    332 :CC名無したん:2011/08/26(金) 15:38:35.44 ID:GdVNPn2e0
    サーバーが落とされたのか、移転したのか閲覧できない状態が続いているな

    ↑さくら板支所に書き込まれてたんだけど、書き込めるけど読めないってことなのかな?
    自分はIEで普通に閲覧できるけどなあ。移転もしてないと思うんだけど。
    それとも他のスレとかサイトの話なのかな。一応SSスレのURL貼っておくよ。

    社会福祉公社技術部さくら板支所 第3分室
    ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1289669136/l50

  • 109名無し - 11/11/08 00:20:21 - ID:XecKxTOUbw

    サーセン、規制やられたんでどなたか以下2篇だけ転載お願いします

  • 110In Vino Veritas 8/9 - 11/11/08 00:22:01 - ID:XecKxTOUbw



     窓を締め切り、ガスの元栓を全開にして管を抜き、俺は屋敷を後にした。殊更ゆっくり歩き、前庭を抜けた
    ところで振り返り、台所のあたりを狙って9 パラを一発ぶち込む。すると、凄まじい轟音をあげて紅蓮の炎が
    満天の星空を突き、木屑やら石屑やらガラスの破片やらを飛散させて、貧乏庶民の夢の館は跡形もなく
    吹っ飛んだ。
     外門を出たところにヒルシャーがいた。奴は自前のメルセデスに寄りかかって、暇そうに燃え盛る屋敷の
    残骸を見ていたが、俺が出てきたのに気付くと、俺が普段吸わないお高めの煙草の箱を投げ寄越してきた。
    「一箱全部吸っておけ。ガス臭い」
     箱を開けて早速最初の一本を頂戴する。一口目で分かったがワインと一緒で好みに合わない。いつもの
    俺の安煙草の方がいい。
    「おいおい、飲酒運転で俺のストークかよ。執行猶予つき保護観察2年プラス俺への接近禁止命令は硬いぞ」
    「僕のストーカー行為から逃げ回ってたってことにするか? それとも、金が足りなくてあの黒髪の彼女を逃し、
    不貞腐れて僕の家で飲み明かしたってことにするか?」
     趣味は合わないが気は利く野郎だ。ヒルシャーのことはまだよくは知らないが、どうやら生真面目一辺倒
    ってわけでもないらしい。トリエラとたびたびギスつくのはあれだ、ティーン少女の扱いが分かってないだけ
    ってことなんだろう。大人のことなら分かってる。俺のことも。同じ野郎同士遠慮はいらねえってことなら、
    俺だって遠慮なく奴の家に転がり込むくらいのことはやらせてもらったっていい。
    「ワインはもういい。テキーラあるか? ショットガンやっても悪酔いしない上物、できればパトロン」
    「あるわけないだろ。ライムもない。途中で買っていけばいい。塩ならある」
    「カードは?」
    「僕に勝てると思ってるなら甘いぞ」
    「女は?」
    「連れ込みたいなら自宅まで送る」
     俺は笑いながらメルセデスの助手席へ滑り込んだ。俺が乗ってきた車は適当にギってきた盗難車だから
    当然ここへ乗り捨てて行く事にする。明日は不運な誰かが手柄を急く警察にたっぷりこってり搾られ、
    やってもいない罪を白状させられるだろう。今回ばかりは獲物が巨大だ。すべての人間の目が眩む。
    ある意味俺の目も。

  • 111In Vino Veritas 9/9 - 11/11/08 00:24:23 - ID:XecKxTOUbw

     ヒルシャーが素早くイグニションのキーを回し、発車させつつ、笑ってる俺を横目で見た。
    「何か可笑しいことでも?」
    「いや、おまえって、見かけによらず付き合いいいなと思ってさ」
     溜息。「自分でも信じられない。呑みに付き合うだけの予定だったのに。明日は早出で今日できなかった
    仕事を片付けなければいけないんだ」
    「多分、その調子でおまえは、地獄の果てまで付き合ってくれるんだろうな。女の子を義体になんか改造して
    汚れ仕事をやらせるような俺たちのこった、行き着く先は皆一緒だろうさ」
     奴は正面に向き直り、本人は全然そのつもりはないんだろうが、俺から見たら十分キザったらしく見える
    笑いを漏らした。「道連れができて何よりだよ」
     ヒルシャーがお上品バーで言ってた言葉が脳裏に蘇る。ベアトリーチェ、高貴な女性に多い名前、ダンテを
    助ける永遠の淑女。呑み直すには十分な肴、なかなか上等な名前に思える。それに夢中になるために、
    これから大量に酒を買い込むとするか。サイコ野郎の言葉を洗いざらいヒルシャーにぶちまけても笑って
    いられるくらいの量が欲しい。そんなもんでヘコんでる暇はないほどフラテッロってのは大変なんだぞって
    いう先輩の言葉を真摯に受け止められるくらいの量が欲しい。


    -initium-

  • 112名無し - 11/11/08 00:29:50 - ID:XecKxTOUbw

    すいません!よろしくお願いします

  • 113名無し - 11/11/08 22:00:04 - ID:XecKxTOUbw

    >>110-111
    規制解除されました!
    今から投下してきます
    お騒がせしてすみませんorz

  • 114gunsringergirl_ss2 - 11/11/09 00:14:50 - ID:gunsringergirl_s

    スミマセン今気付きましたorz
    お役に立てず申し訳ない。自力投下乙です。

  • 115名無し - 11/11/10 00:31:19 - ID:XecKxTOUbw

    >>114
    いやはや本当にお騒がせして申し訳ないです
    おかげさまで無事投下できました!ありがとうございます

  • 116【】 - 11/12/05 00:50:38 - ID:sJj66hZGcw

    (サーバが復帰しましたらお手数ですがどなたか以下の転載をお願いいたします)


    シュトレン祭りの日なので小ネタをと思ったらアク禁と鯖落ちとかorz
    日曜毎に食べることにした近所のパン屋さんのシュトレン美味いww
    無印のはパネトーネとパンドーロ一緒に24日まで熟成させてみようかな。

    【流儀】


    昼「アドベントの第二主日(2回目の日曜日)にはドレスデンでシュトレン祭りが催される。
      巨大なシュトレンを山車に乗せて街を練り歩くパレードで、1730年に強王アウグストが
      園遊会に招いた24,000人の客に振舞うために、1.8トンにもなる巨大なシュトレンを
      ドレスデンのパン屋組合に注文したことから始まったものなんだ」
    鳥「え、第二?第一主日(1回目の日曜日)から日曜日ごとに切り分けて食べるものなのでは?」
    昼「各地域や家庭で習慣は異なるようだな。今君が言ったように日曜のミサの後毎に食べる家もあれば、
      充分熟成させたシュトレンをクリスマスケーキのように24日に切り分ける家庭もあるそうだ」
    鳥「ヒルシャーさんはどうやって召し上がるんですか」
    昼「僕は毎日薄く切って食べるよ。シュトレンを乗せた台紙に28等分の目盛りをふっておいて」
    鳥「……あなたらしいですね」


    << だすえんで >>

  • 117名無し - 11/12/05 22:32:06 - ID:T7NG/dPUWA

    >>116
    転載しましたよ〜

  • 118名無し - 11/12/05 23:34:29 - ID:sJj66hZGcw

    >>117
    ありがとうございました!

  • 119蘇芳 - 11/12/24 02:48:06 - ID:RHCT30NYZw

    あの子は最期に、俺を忘れた。
    あの子が最後に忘れたのは、俺だった。
    同じようで全く違う、2つの事実。
    だが、導き出される真実は1つ。

    あの子に最後に残ったのは、王子様とお姫様の物語。
    きっと、それが「夢」ってやつなんだろう。
    一番始めの実験体だったからこそ生まれた、義体化と条件付けのタイムラグ。
    それが生み出した、うたかたの夢。

    俺はアンジェリカに何を伝えたかったのか。
    俺も何もわかっていなかったというのに。
    努力、そんなものは無駄だった。
    お前は俺から去っていく、お前の意思とは無関係に。

    でも、知識も思い出も忘れても、物語が残るなら。
    俺にも何か残せるかもしれない。
    俺には御伽話を作る才能はなかった。
    結局のところ、話の冒頭以外は俺が考えたわけじゃないんだ、あの物語は。
    だから、今度こそ俺は自分の物語を綴る。

    それは夢に溢れた絵本ではないだろう。
    苦い、重苦しい物語だ。
    きっと、文字にするには重過ぎる物語になるだろう。
    だから俺は歌おう。

    お前の中にはきっと、残ってたんだ、何もかも。
    閉じ込めただけだったんだ。
    薬なんて、条件付けなんて。
    そんな大したもんじゃなかった筈なんだ。
    鍵さえあれば、きっと扉は開けた。
    嫌な記憶すら思い出せるんだ、嬉しい記憶が思い出せないわけないだろう?

  • 120蘇芳 - 11/12/24 02:49:47 - ID:RHCT30NYZw


    そして。
    俺は鍵を持っていなかったが、ペロは少しだけ鍵を開けてくれた。

    今までは時計の針を見ても人生が削られていくなんて思わなかった。
    それだけ人生は膨大だった。
    今は違う。
    お前の命は一瞬一瞬削られていたんだ。
    だから、俺はもっと鍵を探すのに努力すべきだったんだ。

    アンジェリカ。
    俺は歌おう。
    苦い歌を、怒りを込めて。
    お前の好きだった第九は、しばらく歌えそうにない。
    歓びは今の俺には遠すぎる。
    俺がお前のところに行くその日まで。
    喜ぶべきことに、俺はまだまだ忘れない。
    だから、その日まで歌い続ける。


    スレの612様の歌より作りました。
    ナタレだというのに、「人大杉」表示で書き込めません…
    セッション期待してたのですが、これでは無理ですかねえ…

  • 121名無し - 11/12/24 14:06:32 - ID:/s2CW/8jPw

    >>119-120
    転載しました
    乙です

  • 122名無し - 11/12/29 18:43:59 - ID:Jx8Z6WQYvw

    >>119-120
    本スレに転載されてない気がするんだが大丈夫?
    自分が見れないだけでしょうか?

  • 123名無し - 11/12/29 21:26:37 - ID:7Ja7lob3jA

    >>122
    もしかして鯖移動する前のスレを見てるんじゃないかな?
    こっち見てみて。
    http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1289669136/l50

  • 124名無し - 11/12/29 23:07:09 - ID:Jx8Z6WQYvw

    >>123
    そのとおりで前のスレ見てた。
    ごめん&ありがとう!

  • 125【】 - 12/04/03 23:26:10 - ID:Q1EDdJq51A

    (久々に規制くらいましたorz
    申し訳ありませんがどなたか以下3レス転載をお願いします)


    >>722
    今年の復活祭っていつだっけ……

    14巻のダメージから未だに回復できずにリハビリ中ですが、
    桜の時期がきたので久々にジョゼッタ組でちょいシリアスを投下します。
    イタリアだし桜でも桃でも杏でもアーモンドでもお好きなイメージでと丸投げしてみる。

  • 126【花びら】 - 12/04/03 23:27:15 - ID:Q1EDdJq51A

    【花びら】


     満開の花の下で妹が笑う。
    『ジョゼ兄様、知ってる? 花びらが地面に落ちる前につかまえることができると、
    願い事がかなうのよ』
     春の風に薄紅色の果樹の花が舞い散る中、どこで覚えてきたのか少女はそんなことを言う。
    妹は小さな手のひらを空に伸ばした。勢いよく掴んだ手から、花びらがふわりと逃げ出す。
    『あっ』
     不満そうに声を上げて妹はまた花びらを追いかける。
    くるくると回るようなその姿を目の端に止めながら、兄は片手を上げた。
    浮遊する花びらの動きも少し落ち着いて観察すれば、それを掴むことは
    兄にとってそれほど難しいことではない。
    手の中に納まった花びらを見せれば、すごいわ、さすが兄様!と嬉しそうに妹が歓声を上げる。
    『ジョゼ兄様、どんなお願いごとをしたの?』
    『え?……そういえば、何も考えずに掴んでしまったな』
    『もう、兄様ったら』
     苦笑する兄に、それじゃあ意味がないじゃないと楽しげに妹は言う。


  • 127【花びら】 - 12/04/03 23:28:03 - ID:Q1EDdJq51A


     満開の花の下、男はあの頃の妹と同じ年頃の少女を伴い佇んでいた。
    「ヘンリエッタ、知ってるかい? 花びらが地面に落ちる前につかまえることができると、
    願い事がかなうんだよ」
    「そうなんですか?」
     すてきです。ジョゼさんは、何でもご存知なんですね。尊敬と幼い恋慕の視線が男を見上げた。
    そうとも。と応え、男はやわらかな春の風に手をかざす。
     男に倣って花を見上げていた少女は、やがてあの時の妹と同じように手のひらを空に伸ばし、
    花びらを追いかけ始めた。
     今の自分の願いは妹を奪った者達への復讐。
    この少女の存在もその願いを成就するための手段の一つだ。
    だがそんな血なまぐさい願いはこのはかなげな花に託すには似つかわしくない。
    今も昔も、自分には花に願うような望みはない。
    それならせめて、この少女の望みがかなうようにと願ってやるべきだろうか。
    漠然とそんな思惟を巡らせつつ、男は目の前に舞い降りてきた花びらを捉える。
    「――ジョゼさん、つかまえられました!」
     駆け寄ってきた少女はすぼめた両の手のひらにちいさな花びらを大事そうに捧げ持ち、
    嬉しそうに報告する。
    「そう、よかったねヘンリエッタ。どんなお願い事をしたんだい?」
     問いかけた男に、少女ははにかみながら答える。
    「あの…ジョゼさんとずっと一緒にいられますように…って……」
     一瞬眉を上げた男は微笑を浮かべた。
    「――大丈夫、願い事はかなうよ」
     幼い望みを口にする彼女は、長くは生きられない運命を背負っている。
    しかしだからこそ、彼女の短い一生の間、共に過ごしてやることくらいは自分にもできるだろう。
     男の言葉に少女は幸せそうにほほを染めた。


    << la fine >>

  • 128名無し - 12/04/05 23:32:06 - ID:Q1EDdJq51A

    >>125-127
    転載していただきました。
    ありがとうございます。

  • 129第4分室 テンプレ案 - 12/09/26 19:11:21 - ID:a1O6wJwQlg

    次スレ

    社会福祉公社技術部さくら板支所 第4分室

    のテンプレ案を貼っておきます。

  • 130第4分室 テンプレ案 - 12/09/26 19:12:41 - ID:a1O6wJwQlg

    1
    さくらちゃんに何となく似ているリコが大活躍したり
    知世ちゃんに何となく似ているアンジェが大変な事になる
    GUNSLINGER GIRL のスレです

    ◇前スレ◇
    社会福祉公社技術部さくら板支所 第3分室
    ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1289669136/l50

    ◇保管庫、サブ掲示板◇
    社会福祉公社技術部保管庫
    ttp://wiki.livedoor.jp/gunslingergirl_ss/
    アクセス規制を受けた方のための本スレ転載用スレッド
    ttp://wiki.livedoor.jp/gunslingergirl_ss/bbs/911/l50

    * 1レスは30行、2048バイトまで書き込めます
    * sage進行でお願いします

    以下テンプレは>>2-7

  • 131第4分室 テンプレ案 - 12/09/26 19:13:33 - ID:a1O6wJwQlg

    2
    >ガンスリンガー・ガール達に(;´Д`)ハァハァするスレです。
    >(;´Д`)ハァハァと言いながら実質のSSスレ
    だったらいいな

    2chスレで投稿された名無しさんの作品で
    「無断転載倉庫」に掲載されていないSSを”発掘”して保全も。
    他サイトからの転載は執筆者の許可を貰いましょう。

  • 132第4分室 テンプレ案 - 12/09/26 19:14:25 - ID:a1O6wJwQlg

    3
    今は亡きこんなスレをリスペクトしてるみたいです

    「ガンスリンガー・ガール」ハァハァスレ @+1(漫画キャラクター板)
    ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1099215397/
    「ガンスリンガー・ガール」ハァハァスレ @+2(漫画キャラクター板)
    ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1145293079/
    「ガンスリンガー・ガール」ハァハァスレ @+3(漫画キャラクター板)
    ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1170134431/

    ガンスリンガーガールスレ(エロパロ&文章創作板)
    ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1063912806
    ガンスリンガーガール 2人目の義体(エロパロ&文章創作板)
    ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1099669994
    ガンスリンガーガール 3人目の義体(エロパロ&文章創作板)
    ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1115286133
    ガンスリンガーガール 4人目の義体(エロパロ&文章創作板)
    ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1178375722/
    ガンスリンガーガール 5人目の義体(エロパロ&文章創作板)
    ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191260180/

    社会福祉公社技術部さくら板支所 (CCさくら板)
    ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1198349410/l50
    社会福祉公社技術部さくら板支所 第2分室 (CCさくら板)
    ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1231771865/l50
    社会福祉公社技術部さくら板支所 第3分室(CCさくら板)
    ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1289669136/l50

  • 133第4分室 テンプレ案 - 12/09/26 19:15:37 - ID:a1O6wJwQlg

    4
    ◇関連スレ◇
    相田裕「GUNSLINGER GIRL」#98(漫画板)
    ttp://kohada.2ch.net/test/read.cgi/comic/13478015...
    GUNSLINGER GIRL ガンスリンガー・ガール 58挺目(懐アニ平成板)
    ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/ranimeh/132974...
    GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- part41(アニメ2板)
    ttp://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anime2/12954053...
    GUNSLINGER GIRL inサバゲ板 陸挺目(サバゲー板)
    ttp://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gun/1251748690/
    ▼ ガンスリンガー・ガールでエロパロ 3 ▼ (エロパロ板) *21歳以上*
    ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1278604450/l50

  • 134gunsringergirl_ss2 - 12/09/26 19:17:29 - ID:gunsringergirl_s

    5
    ◇関連サイト◇
    JEWEL BOX (相田裕公式サイト)
    ttp://www.remus.dti.ne.jp/~jewelbox/
    電撃大王
    ttp://daioh.dengeki.com/
    TVA「GUNSLINGER GIRL」公式サイト
    ttp://www.gunslingergirl.com/
    北米版アニメ(1期)公式サイト
    ttp://www.gunslingergirl.tv/index.htm
    ゲーム公式サイト
    ttp://www.dimps.co.jp/gunslingergirl/index.html

    GUNSLINGER GIRL DB
    ttp://tunes.sakura.ne.jp/gsg/
    MEDIA GUN DATA BASE
    ttp://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/?MEDIAGUN%20DATABASE
    ONE MORE DAY
    ttp://page.freett.com/onemoreday/index.htm
    ガンスリ板@萌えBBS
    ttp://moebbs.net/test/subject.cgi?next=gunslingergirl&page=2
    雑談inガンスリ板
    ttp://moebbs.net/test/read.cgi/gunslingergirl/1066456383/l50
    GunslingerGirl ガンスリンガー・ガールSS書きの控え室 2
    ttp://moebbs.net/test/read.cgi/gunslingergirl/1095225218/l50

  • 135第4分室 テンプレ案 - 12/09/26 19:18:15 - ID:aZCFTySSIw

    6
    監督の浅香守生つながりであるとも言えるわけですが
    二期の監督の真野玲もカードキャプターさくらの演出スタッフだしね

  • 136第4分室 テンプレ案 - 12/09/26 19:19:28 - ID:aZCFTySSIw

    7
    ◇海外SSサイト◇
    fanfiction.net
    ttp://www.fanfiction.net/
    fanfiction.net・GunslingerGirl作品検索ページ
    ttp://www.fanfiction.net/anime/Gunslinger_Girl/
    *和訳職人絶賛募集中。
     訳文を投稿する際は作者さんの許可を貰いましょう。

  • 137gunsringergirl_ss2 - 12/10/01 00:46:32 - ID:gunsringergirl_s

    新スレ立ちました

    社会福祉公社技術部さくら板支所 第4分室
    http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1349018493/l50

  • 138【】 - 12/12/19 15:08:53 - ID:o7LXxaCN3Q

    PC規制に巻き込まれました。
    申し訳ありませんが以下3レスほど転載をお願いいたします。

  • 139【】 - 12/12/19 15:11:49 - ID:o7LXxaCN3Q

    最終巻発売おめでとうございます。クラエスのエピソードは良かった。

    双子座の流星群がきれいだったので
    全然最終巻と関係ない鳥昼親子ップル話を投下。

  • 140【コート】 - 12/12/19 15:18:31 - ID:o7LXxaCN3Q

       【コート】


     軍施設での訓練の帰り。広い駐車場を少女は担当官と並んで歩いていた。
    すっかり暗くなった冬の舗装路に靴音を響かせながら、男は傍らの少女に話しかける。
    「今夜は流星群の極大期だそうだな」
    「そうなんですか」
    「ああ。夜中にかけて西の空を中心に見られるらしい」
     言いながら足を止め、男は夜空を振り仰ぐ。少女も担当官に倣って視線を上げる。
    駐車場の周囲には照明が灯っているが、それでも見上げた空にはぽつぽつと星明かりが見て取れた。
    「   やはり公社の演習場の方が良く見えたな」
    「そうですね」
     少し前、少女は彼に引率を頼んで仲間と共に流星雨の観測をしたことがあった。
    担当官は彼女が天文に興味を持ったとみたのだろう。これまで彼がそんなことを言い出したことはなかったのだから。
    実際のところ、観測会を提案したのは彼女の仲間であり、彼女自身が特に強く星に興味を持っているわけではない。
    だから以前の彼女ならば、物事の表面を見ただけの儀礼的で浅はかな御機嫌取りだと
    担当官のそんな言動には苛立ちを覚えたものだった。
    「トリエラ」
    「はい?」
     名を呼ばれ振り返った少女の肩がぬくもりを伴った布地で覆われた。
    かすかな煙草の匂いと共にそれが担当官の着ていたコートであることに気付き、少女はまばたきする。

  • 141【コート】 - 12/12/19 15:23:43 - ID:o7LXxaCN3Q

    「冷えるから着ていなさい。流れ星はすぐに見られるものじゃない」
    「大丈夫です、私もコートは着ているんですから。あなたこそ、マフラーだけでは風邪をひきますよ」
    「僕はいい。風邪をひいたら薬を飲めばそれですむ」
     だが君は、と男が続けることはなかった。けれども男が言外に危惧している内容を、少女もまた理解していた。
    義体である彼女は条件付けにも身体の調整にも多くの薬物を使用されている。
    男の行動は少女に不要な薬物を摂取させないための不器用な気遣いだ。
    ――もっとも、彼女がそんな風に考えられるようになったのは比較的最近のことだが。
     男は視線をそらすようにまた上空を見やった。
    スーツの上に大き目のマフラーを巻いただけのその姿はナポリで目にしたものと同じだ。
    一年に一度くらい、男の御機嫌取りに腹の立たない日があってもいいだろう。
    あの時はそんなことを考えた。
    それが、次第に腹の立たない回数が増えてきている。むしろ嬉しくさえ感じている。
    そんな自身の変化を少女は自覚していた。
     少女は男の視線の先を追い澄んだ冬の夜空を見上げた。またたく星々の光はまばらだが美しい。
    黒い闇間をすっ、と一条の光が通り過ぎた。あ、と同時に声が上がる。
    「今、流れたな」
    「ええ」
     空を見上げたまま言葉を交わす。二人の人影は白い吐息をけぶらせながら、しばし冬の静寂に佇む。
     流れ星に願いを掛けるほどロマンチストではない、と少女は思う。
    それでも男の傍らに並び立ち同じ光景を見つめているこの時間は、仲間との流星雨観測とどこか違う感じがする。
    冷たく静かな夜気の中、コートの暖かさだけではないぬくもりが少女の胸を心地よく満たしていた。


    << Das Ende >>

  • 142名無し - 12/12/20 23:42:25 - ID:o7LXxaCN3Q

    >>139-141
    転載していただきました。ありがとうございます!

  • 143【】 - 13/04/26 00:16:34 - ID:RA9NTAFNBQ

    規制中につき申し訳ありませんがどなたか転載をお願いいたします。
    連投規制除けのため2回に分けて投下させていただきます。
    一回目は>>144->>145の2レスです。

  • 144【】1/9 - 13/04/26 00:20:06 - ID:RA9NTAFNBQ

    【ロシアンルーレット】


     午後の作戦二課に淹れたてのエスプレッソの香りが広がった。
    イタリア人にしては忙しすぎる職場に所属している社会福祉公社の面々だが、
    人生を豊かにする三大要素を放棄するつもりは無く、
    たちまち大容量のエスプレッソメーカーの周りに手の空いた人間が集まる。
    「あ、お茶請けにこれどーぞ」
     チョコレートやビスケットが並ぶ小さなテーブルに、愛の堕天使が大きめの菓子箱を載せた。
    「なんだこれ?」
    「ふっふっふ。新商品の“ロシアンルーレット・タルト”だよ〜んっ」
    「はあ? ロシアンルーレットぉ?」
     明るいプリシッラの声にわらわらと物見高い課員たちが集まってくる。
    「20個の内1つだけが激辛タルトなのさ。一個ずつ取っていって」
    「なんでそういうキワモノを買ってくるんだよ」
    「いーじゃないの。確率は20分の1なんだから大したことないでしょ。
    誰が一番運が悪いか、さあさ運試し、運試し!」
     うえ〜っと嫌そうな顔をしながらも手を伸ばす同僚たちに、
    あらら意外と付き合い良いなあとプリシッラは内心驚く。
    元々、作戦2課はあちらこちらの組織から貧乏くじを引かされて弾き出された
    あぶれ者の集団である。運の悪さには誰もが心当たりがあるわけで、
    イタリア人の国民性であるオーバーアクションを差し引いても、
    嫌そうな顔には結構本気が混じっているだろうことは想像に難くない。
    それでも皆が菓子箱に手を伸ばすのは、まあプリシッラの人徳と言うものであろう。
     もっとも参加者たちにも多少の計算はあった。
    彼女が言うように確率はそれほど高いものではないし、
    それになんと言っても運無し者ぞろいの作戦2課でも極めつけに運の悪そうな人間が
    その場にいたからである。

  • 145【】1/9 - 13/04/26 00:21:03 - ID:RA9NTAFNBQ

    【ロシアンルーレット】


     午後の作戦二課に淹れたてのエスプレッソの香りが広がった。
    イタリア人にしては忙しすぎる職場に所属している社会福祉公社の面々だが、
    人生を豊かにする三大要素を放棄するつもりは無く、
    たちまち大容量のエスプレッソメーカーの周りに手の空いた人間が集まる。
    「あ、お茶請けにこれどーぞ」
     チョコレートやビスケットが並ぶ小さなテーブルに、愛の堕天使が大きめの菓子箱を載せた。
    「なんだこれ?」
    「ふっふっふ。新商品の“ロシアンルーレット・タルト”だよ〜んっ」
    「はあ? ロシアンルーレットぉ?」
     明るいプリシッラの声にわらわらと物見高い課員たちが集まってくる。
    「20個の内1つだけが激辛タルトなのさ。一個ずつ取っていって」
    「なんでそういうキワモノを買ってくるんだよ」
    「いーじゃないの。確率は20分の1なんだから大したことないでしょ。
    誰が一番運が悪いか、さあさ運試し、運試し!」
     うえ〜っと嫌そうな顔をしながらも手を伸ばす同僚たちに、
    あらら意外と付き合い良いなあとプリシッラは内心驚く。
    元々、作戦2課はあちらこちらの組織から貧乏くじを引かされて弾き出された
    あぶれ者の集団である。運の悪さには誰もが心当たりがあるわけで、
    イタリア人の国民性であるオーバーアクションを差し引いても、
    嫌そうな顔には結構本気が混じっているだろうことは想像に難くない。
    それでも皆が菓子箱に手を伸ばすのは、まあプリシッラの人徳と言うものであろう。
     もっとも参加者たちにも多少の計算はあった。
    彼女が言うように確率はそれほど高いものではないし、
    それになんと言っても運無し者ぞろいの作戦2課でも極めつけに運の悪そうな人間が
    その場にいたからである。

  • 146【】2/9 - 13/04/26 00:23:13 - ID:RA9NTAFNBQ

    それぞれが手にしたタルトを口に放り込めば、果たせるかな課室の一角から鈍い悲鳴が上がる。
    「うぐっ!?」
     振り返った皆の視線の先には、口元を押さえ長身を折り曲げて悶絶するドイツ人の姿。
     ――あ、やっぱり。
    気の毒にと苦笑する者、遠慮なく爆笑する者。
    反応は様々だったが、抱いた感想は薄情なことに概ね同じである。
    お約束な人だなあと半ば呆れながらも、菓子を用意した人間は責任上笑ってばかりもいられない。
    「大丈夫ですかぁ、ヒルシャーさん?」
    「Danke...!」
     愛の堕天使が差し出した水を受け取ったドイツ人が、咳き込みながら思わず母国語で礼を言う。
    普段ほとんど訛のないイタリア語で話すヒルシャーだが、さすがにその余裕はないらしい。
    手渡されたグラスの水を一気に飲み干し、男はいささか情ない表情で溜め息をつく。
    どうやら辛いものは得意ではないようだ。
    「………すごい味だな」
    「いやあ、期待通りのいいリアクションでしたねえ」
     あははーと悪気のない笑いで答えるプリシッラに、男は苦笑いである。
    「次回があるなら、今度は当たり外れの無いものの方がありがたいんだが」
    「それじゃあ、今度はお詫びに『ジオリッティ』で一番人気のチョコラータをご馳走しますよ」
     100年以上の歴史を持つジェラテリア(アイスクリーム屋)の名前を出され、
    ヒルシャーは顔をしかめた。
    「それは僕よりもトリエラに食べさせてやってくれ。甘いものは苦手なんだ」
    「担当官が好き嫌いしてちゃ駄目じゃないですか〜」
     生真面目なドイツ人をからかいながらも次の休みには義体の少女たちに
    アイスクリームを買ってくることを約束し、
    その日の小休憩は大変和やかな雰囲気でお開きとなった。
    ――しかし、このささやかなレクリエーションが後日阿鼻叫喚を巻き起こそうとは、
    この時は誰も予想しなかったのである。

  • 147【】 - 13/04/26 00:27:30 - ID:RA9NTAFNBQ

    >>143
    すみません!ミスりました
    >>145-146の2レスを転載でお願いいたします。

  • 148【】 - 13/04/26 22:37:54 - ID:RA9NTAFNBQ

    転載ありがとうございました。
    お手数をおかけしますが後半もお願いいたしします。
    >>149-155 の7レスになります。

  • 149【】 3/9 - 13/04/26 22:41:16 - ID:RA9NTAFNBQ



    「こんにちは、プリシッラさん」
    「あ、トリエラ。ヒルシャーさんだったら今資料室に行ってるよ〜。呼んできてあげようか?」
     明るく軽く元気よく。いつもの調子で応えた愛の堕天使に、
    ツインテールの優等生は礼儀正しくそれを遮る。
    「いえ、いいんです。今日はプリシッラさんと二課の皆さんに差し入れを持ってきたんですから」
    「へ?差し入れ?」
    「どうぞ。クラエス特製の “ロシアンルーレット・クッキー” です」
    「――はい?」
     妙に既視感を覚える少女の台詞にプリシッラの本能が黄色信号を点滅させた。
    少女が差し出した小さなバスケットには直径4センチ程のきっちりと積み上げた赤いクッキーが20枚。
     ―――なんだかステキにヤバイ予感がするんですけど?
    「あの、なんかスゴイ赤いんだけど…これ、ナニが入ってるのか…な…?」
    「唐辛子ですよ。ハバネロとかいう種類だそうです」
     ――ハバネロ。東洋の島国では『暴君ハバネロ』の異名を取る、激辛の誉れ高き唐辛子。
    「昨日は随分と楽しいお茶会だったと担当官に聞きましたから、私たちも真似してみようかと。
    でも全く同じパターンでは芸がないですから、ひとひねりしてみました。
    20枚のうち19枚がハバネロクッキーで、一枚だけ辛くないパプリカクッキーが入っています。
    どうぞ一個ずつ取っていってください。誰が一番運がいいのか、運試しですよ」 
     ひねらなくていい、ひねらなくていい。
    自分がタルトを勧めた時のセリフを変化球で返されて、愛の堕天使は引きつった笑いを浮かべる。
     勿論、義体は公社の人間に危害を加えないように条件付けされているのだから、
    この真っ赤なクッキーも生命の危機に立たされるようなシロモノではないだろう。――そのはずだ。
     しかし相手は義体一条件付けの緩いトリエラである。
    『クラエス特製』と言ってもおそらくトリエラ自身も手伝ったであろうし、
    その際このクッキーの肝であるところのハバネロの量が彼女によって決められたとすれば、
    結構スゴイ事になっている可能性は高い。

  • 150【】4/9 - 13/04/26 22:43:15 - ID:RA9NTAFNBQ

     なんとかして危険を回避しようと、愛の堕天使はお愛想笑いのまま人差し指を立てて優等生に指摘する。
    「ええと、でもトリエラ、そしたらヒルシャーさんにもその激辛クッキーが当たる可能性があるじゃん?
    昨日に続けて辛いお菓子って、ヒルシャーさんが気の毒じゃないかなあ」
    「大丈夫です。ヒルシャーさんの分は私が代わりに食べますから」
     きっぱりと答えるトリエラ。
    担当官の身代わりは義体の本領。とは言え、担当官に反抗的なことで有名だった彼女が、
    わざわざこんな手間ひまかけてヒルシャーの仇を討ちにくるとは。
    乙女心って変わるものよねとからかってやりたい所だが、
    ちょっとこの場でそれを口にするのは命が惜しい。
    「自分にだけ分かるように目印がつけてあるんじゃねぇの?」
     度胸の使い所を間違えているジョルジョが疑わしげにそう言えば、
    少女はにこりともせずに生真面目に答える。
    「そんな卑怯な真似はしませんよ。私は皆さんが選んだ後で、最後の一個をいただきます。
    それなら公平でしょう」
     相打ち上等。少女の背後に立ち昇る不穏なオーラに課員たちは思わずたじろぐ。
    「えーと俺は課長に報告に行くから……」
    「オレも資料取りに行かなくちゃ……」
    「ではどうぞ最初に選んでください」
    「う……」
     下手な言い訳で逃げ出そうとしたアマデオとアルフォンソは、
    目の前に突き出されたバスケットに進路を塞がれる。
    助けを求めて周囲を見回すが、無論援軍はない。
     何で俺らがこんな目に。
    昨日彼女の担当官の有様にひとかけらの同情もなく笑い転げていた己の行動を棚に上げ、
    二人は哀れっぽく真っ赤なクッキーを見やる。天を仰いで十字を切ると
    それぞれ一枚を手に取り思い切って口の中に放り込んだ。
    ぼりぼりぼり…不気味に静まり返った課室にクッキーを噛み砕く音が響く。

  • 151【】5/9 - 13/04/26 22:44:24 - ID:RA9NTAFNBQ

    「……なんだこれ、以外と辛くな―――」
     陽気なイタリア男たちがほっとしたように言いかけた、その途端。 
    「辛ッ!!? つか痛ェっ!!」
    「水!水、水っっ!!!」
     たちまち響く阿鼻叫喚。周囲の課員はいっそう青ざめる。
    「これもらうぞプリシッラ!」
    「あっ、まだそれ熱い……」
    「〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
     近場にあった熱いコーヒーをあおったアマデオは声にならない悲鳴を上げて廊下に飛び出し、
    給湯室へ向かって瞬く間に走り去る。
    アルフォンソが手にした自分のマグカップのコーヒーは幸いそれほど熱いものではなかったが、
    口内の消火活動には到底不十分な量であり、こちらもやはり同僚の後を追って課室から駆け出す。
    「……………」
    「……………」
     己の未来予想図を目の当たりにした課員たちの沈黙に、トリエラは挑戦的な笑みを浮かべた。
    「―――さあ、皆さんもどうぞ」


     その後の光景はおおむね先行の二人に倣うものだった。
    青い顔をした課員が一人また一人と恐怖の焼き菓子におそれおののく手を伸ばし
    ――冷静になってみればこんなゲームに付き合う義務はないはずなのだが、
    なんだかんだ言っても皆彼女の担当官に対する多少の罪悪感は持ち合わせているため、
    有無を言わさぬ義体の迫力に呑まれてつい手を出してしまうのである――
    口に入れた途端に真っ赤になると給湯室に向かってすばらしい俊足を披露する。
    辛い物は好物だと豪語していた連中はさすがに踏みとどまったものの、
    発汗量と水分摂取量が増加しているのは明白だ。

  • 152【】6/9 - 13/04/26 22:45:59 - ID:RA9NTAFNBQ

     そんな次々に課員が飛び出していくオフィスの出入り口から、ドスの効いた低い声が聞こえた。
    「何の騒ぎだ」
    「!ジャンさん!」
     鬼のリーダーの登場に、トリエラも含めた全員に緊張がはしる。
    「ジャンさんも一つどうすか、トリエラの差し入れです!」
     すかさずクッキーを勧めるジョルジョ。
    一枚でも枚数を減らして自分の分担を回避しようという思惑か、
    冷厳冷徹なリーダーのポーカーフェイスを崩してやろうという危険な遊び心か、
    はたまたやんちゃの過ぎる義体に対する教育的指導を誘発しようという計算か。
    どれにせよ傍迷惑なこの行動に『やめろこの馬鹿!』と同僚たちの声なき絶叫が上がる。
     じろりと赤いクッキーを一瞥したジャンは、しかしこれに対して予想外の対応をみせた。
    担当官の後ろから興味深々でバスケットを覗き込んでいるショートカットの少女に顎をしゃくり、一言。
    「いらん。リコ、俺の分を食べておけ」
    「はい」
     嬉しそうに返事をする純真無垢なフラテッロ。
    無関係な友人に被害が及ぶことに危機を覚えたトリエラが止める暇も有らばこそ。
    ひょいと一番上に乗っていたクッキーを取り上げて口に入れ、ぽりぽりと健康的な咀嚼音が響く。
     ―――が。
     その後は何事も起らない。
    周囲の大人たちが無言で見つめる中、ごくんと口の中のものを飲み込んで
    ごちそうさまでしたと礼儀正しく挨拶をした年下の友人に、トリエラがおそるおそる問いかけた。 
    「……辛くない?リコ」
    「うん、ぜんぜん。でもなんだか変わった味だね」
    「あー、うん…多分パプリカの味……」
    「そうなんだ」
     野菜のクッキーって身体に良さそうだね、と幸運の女神に愛された少女は無邪気に笑う。
    どうやら通りすがり様子を見に来ただけだったらしいリーダーは、自分のデスクには向かわず
    リコが食べ終わると「行くぞ」と短く声を掛けてまたオフィスを出て行った。

  • 153【】7/9 - 13/04/26 22:47:16 - ID:RA9NTAFNBQ

     あとに残されたのはハズレ確定のクッキー数枚と呆然とした表情の課員たち。
    「…………さあ。どうぞ、残りを召し上がってください」
     相打ちを覚悟したトリエラの目はすわっている。
    背筋につつーっと流れる冷たい汗を自覚しながら愛の堕天使は必死の抵抗を試みる。
    「い、いやぁ、今ので一番運がいいのか分かったじゃん。あとはもう食べなくてもさ――」
    「たまたまリコが辛いものが得意なだけだったのかもしれませんし、
    本当に当たりのクッキーが一枚だけなのか、全員食べてみないと確証は得られないでしょう」
     それにここで食べずに済ませたらすでに食べ終わった方から後々恨まれますよ、と言われ
    ついにプリシッラは観念した。なにしろこの騒動の発端であるジョーク菓子を買ってきた本人なのだ。
    トリエラの言うとおり、食べなければ後が怖い。
    「……あんたも同罪でしょ」
    「……分かったよ」
     唯一の希望をリーダーとそのフラテッロに振ってしまったジョルジョを堕天使が睨んで促せば、
    自分だけが泣きを見てたまるかと傍迷惑男は残りの課員に強制的に赤いクッキーを配布する。
    ほどなく危険物が全員に行き渡り、一同は情けなさそうに顔を見合わせると
    せーのでそれを口に放り込んで一気に咀嚼し嚥下した。
    「〜〜〜〜〜〜っっっ!!!」
     涙目になって口元を抑える大人たちの様子に、恐怖のゲームの企画者である二つ髪の少女は
    担当官の仇を討ち果たしたことを満足げに確認すると、もはや厳かともいえる仕草で
    宣言どおり最後にひとつ残った赤い暴君の潜む焼き菓子に手を伸ばした。

  • 154【】8/9 - 13/04/26 22:48:34 - ID:RA9NTAFNBQ

    ――と、突然背後からスーツ姿の腕が現れ、褐色の指がクッキーをつまむ前にそれをさらい上げる。
    驚いて振り返った少女の鼻先には見慣れたダブルのスーツ。
    あわてた少女が警告の叫びを上げようとしたその瞬間。
    「――げほごほっっ!!?」
     盛大にむせ込んだ担当官の姿に少女が悲鳴を上げた。
    「ヒルシャーさんっ!?」
    「……だ、大丈夫だ。ほとんど噛まずに飲み込んだから」
     昨日の経験を生かして最小限のダメージでやりすごしたらしいドイツ人は、
    持参していた水のペットボトルを一気にあおる。
    「どうしてあなたがそれを食べるんですか!?」
    「君の健康管理は担当官である僕の役目だ。“たとえ実害はないにしても”
    無用な刺激物を摂取しようとするのを見過ごすわけにはいかないだろう」
     年下のパートナーをかばってのセリフだろうが、辛味成分の刺激でガラガラになっている声で
    言っても説得力がない。案の定、それを聞いた少女の悲鳴が怒声に変わる。
    「それを言うなら担当官の安全を図るのは義体の役目でしょう!
    これでは何のために自由時間を削りリスクを負ったのか…まるっきり無意味です!」
    担当官の身に危険が及ぶほど唐辛子を盛ったのかよ!と声に出さずに突っ込んでいる
    激辛クッキーの被害者に対する牽制も含め、げほげほむせながらもヒルシャーは果敢に
    義体の説得を試みる。
    「だから実害はないと言っているだろう!僕が危険な目にあったわけでもないのだから、
    君が役目を果たせなかった事にはならない!」
     しかしながら相手は優秀なくせに一度感情的になると判断力が低下しまくる不器用娘である。
    今回もヒートアップした彼女に担当官の意図は伝わらず、スーツの裾をぎゅぎゅっと握りしめ
    青い瞳の縁に涙を一粒盛り上がらせる。
    「あなたはいつもそうやって……もういいです!!」
    「トリエラ!待ちなさい!!」
     暴風のごとく走り去る少女と後を追う担当官。
    派手な痴話喧嘩、もとい兄妹喧嘩を繰り広げたお騒がせフラテッロが課室を去れば、
    後には取り残された課員が唖然として立ち尽くすばかり。

  • 155【】9/9 - 13/04/26 22:50:22 - ID:RA9NTAFNBQ

    「…………」
    「…………」
    「………あ〜…えーと……おつかれ?」
     あははーと乾いた笑いで周囲を見回した愛の堕天使に、恨みがましい目つきの面々がうなる。
    「……後でおごれよプリシッラ」
    「……は〜い」
     ジョーク菓子なんか買うんじゃなかった。三日後に振り込まれる予定の今月の給料が
    瞬く間に消えてゆく様を想像し、プリシッラはため息をつく。
    「あ〜、でもまさかあそこでリコに持っていかれるとは思わなかったな〜〜。
    まぁおかげでジャンさんの雷が落ちずにすんで助かったけどさ」
    「結局一番運がいいのは、強運のフラテッロを持ってるジャンさんってことか」
     ジョルジョの言葉に納得しかけたプリシッラだったが、そこではたと首をひねる。
    「あれ?でもさ、昨日参加してなかったジャンさんの分をリコが食べたって事は、
    誰か一人食べないですんだって事だよね?」
    「ああ?……そう言やそうだな。けど今課室にいる人間は全員食ったぜ。誰が食わなかったんだ?」
     辺りを見回した視線の先に、タイミングよろしくオフィスのドアをくぐった大柄な女性の姿が。
    「ただいま。ああもう、トリノまで列車で往復とか勘弁してほしいわ」
    「オリガ!!」
     

     その後、自分のあずかり知らぬところで同僚の恨みを買ってしまったロシア人は、プリシッラとともに、
    しばらくの間これをネタに呑み代をせびり倒されることになるのであった。


    << だすえんで >>

  • 156名無し - 13/04/27 23:34:19 - ID:RA9NTAFNBQ

    >>144-155 転載していただきました。
    転載職人様ありがとうございます!

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