真・ガンスリンガー・ばばあ 04 // ジャン
 //ジャソさんの日本語口座 // 真・ガンスリンガー・ばばあ//,OC,Vignette,/Humor/ 8610Byte / Text// 2004-08-24


真・ガンスリンガー・ばばあ 04  ジャソさんの日本語口座


前回からのあらすじ
初代ヘンリエッタのボディを使い、義体化されたばばあとそれに指揮された

二人の義体化少女を日本に送り込み、コミッックマーケット666会場にて

相田というパダーニャ協力者を暗殺、富樫という人気アーティストの拉致を

成功させるべく、特訓が行われていた。



ばばあことヘンリエッタはジョゼによるマンツーマン指導によって担当官と

なるべく実習を行っていた。二人の義体化少女にはジャンが日本語教育を担

当していた。 しかし上手くいってなかった。 

(公社内の学習室)
ジャン 「コンニチハ ワタシハ オンナノコ デス」



少女A 「コンイチハ ワタチィハ オンナノォク デス」



少女B 「クォンチハ ワラシハ オナンコ デス」



ハァー、とため息をついてジャンが教壇から下りて二人に歩み寄った。バン!

と机をたたいて、声を荒げる



ジャン「二人とも昨日から全く進歩が無いぞ、自室で復習を必ず行うように言ったはずだ!」



少女A「はぁ・・・」



少女B「だってさぁ、はっきり言ってうっぜんだもん。ジャポネ語って字が3種類もあるんだぜ。

    2日や3日や覚えきれるわけ無いよぅ」

ジャンは義体に口答えされたのがひどく癇にさわったらしく、少女Bの胸倉を

つかんで教壇まで引っ張り引きずり出して黒板を指差す。ひらがなで書かれた

例文の下にイタリア字とローマ字が併記してある。



ジャン「レプリカ、私は発音について教えているんだ。お前らに漢字がどうこう

    など命令した覚えは無い!さあ、ワタシハ オンナノコ デス と言って

    みろ、ジーナはまだお前よりは進歩しているぞ」



レプリカ「ワ、ワラ、ワタシィ、ハ オンナンコ デス」



ジャン 「まだ違う、オンナンコ ではなく、オンナノコ と言ってみろ!」



レプリカ「オオオ、オンマン、オンムァン、コ?」 ジャンは左手を振り上げた



ジャン 「キサマァァァッ! ・・・くっ」 振り下ろした手を止めるジャン



彼の平手打ちはレプリカの頬を打つ寸前で行き場を失い、ダラリと下にさがる



ジャンは最初に担当した義体のことを想いだしてしまった。耐用限度に迫り

ミスを頻発するようになった義体に、ジャンは何度も平手打ちや殴打を繰り返し

ていたが、その義体はまっすぐにこちらを見つめるばかりで何も反応を返さない。

やがて寝たきりになり、息を引き取るきわにその義体はジャンに問うた。笑顔で



リコ 「  なぜ ぶたないんですか 」



それ以降、ジャンはめったなことでは義体を殴らなくなった。

ジャンはテキストをまとめて出入り口に向かう



ジャン 「視聴覚室へ移動する。発生練習を3時間みっちりやらせてやろう」

公社内 視聴覚室 ジャンはアニメのDVDをプレーヤーに入れている



ジャン 「練習方法はいつもと同じだ。最初に日本語音声とイタリア語字幕で一話見たら、

     次に同じ話を日本語音声に日本語字幕で観賞する。登場人物やナレーションまで

     全ての日本語を口に出して真似してゆくんだ。ヘッドフォンにマイクを忘れるな」



ジャンがリモコンを操作してアニメが再生される 二人の義体化少女がヘッドフォンを付け、

マイクがつながる録音装置のスイッチをオンに切り替えた 



(溶ーけぇたこーおーりーのなーかにー 恐竜がいーたらー たーまのりしーこみたーいねー)



ジャン 「ターまノリしーこみターイねーぇぇぇぇえああああ!!!」絶叫するジャン



(ちゃーらーへっちゃらー あたまからーっぽぉのほうーがー ゆぅめつめこめーるぅー)



ジャン 「ゆーめつめこめーるーぅぅぅぅヴああファウォ!」興奮に拍車をかけるジャン



レプリカ「(こいつやっぱりうぜぇよ、ぜってぇ自分が楽しむためにやってるんだぜ)」



ジーナ 「(はぁ・・・アニメ以外にもDVDあるけど・・・ジャンさんてアニメしか見せてくれないよね)」



ジャン 「ファンキュッ!!!シュエッ!」 汗だくになりながらも歌いきるジャン 



レプリカ「あのー、ジャンさん、もう少し声を小さくしてもらえると、うちらもやりやすいんですけど」



ジャン 「この回はクリリンがフリーザに殺されてしまうんだ、それをきっかけにゴクウが真の力に目覚め(ry」



レプリカ「いやもうジャンさんの講義はすっごくためにはなるんですが、ジャンさんの声が大きすぎてどうにもやりにくくて」



ジーナ 「ニゲロー、ゴクー  びしゅっ ・・・ユッ、ユウサンゾ、ゼッテイブコロシテヤウー」

日がとっぷりと暮れるまで、ジャンは日本製アニメを楽しみ、



二人の少女はぐったりとうなだれて、一日も早く日本語を覚えようと誓ったという



ジャン 「今日の練習はここまでだ。渡しておいたDVDで必ず復習をしておけ、今度なまけたら

     半永久的に外出は禁止にするぞ」



そう言うとジャンはDVDのケースを5つほど持って視聴覚室を出て行ってしまった



残された二人は電気を消して、トボトボと義体棟に帰り始める 義体棟に入って二人はまず屋上に

向かう。 8月も終わらぬのに冷たい風が吹くなか、二人は人がいないことを確認すると

ポケットから紙煙草の箱を取り出し、風に邪魔されながらもタバコに火を付けて吸い始めた



レプリカ「(はぁ〜)・・・ウッゼ!毎日毎日、ジャンさんもよくやるよなぁ」



ジーナ 「はぁ・・・(ふーっ)まぁ・・・それが仕事だから・・・(ふはーっ)」



二人の義体化少女は縁に背をもたれて地べたに座りこむ 寒空に天の川がよく映えて綺麗だ



レプリカ「もう一本吸ったら、部屋帰ってサザエさん見るべ」 アッシュケースをフトコロから取り出す



ジーナ 「そぉ・・・ねぇ」 内心は嫌でも、ジーナは決して口に出さない、そんな少女だった



公社の屋上に、二人が灯した星がまた二つ、闇夜に浮びあがった



次話に続く

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