無題(いつもと同じなのに、いつもとは違った感じ) // リコ,ジャン
 // // //,Snippet,General/ 3977Byte /Text //2004-03-01


無題(いつもと同じなのに、いつもとは違った感じ)


今日のアンジェは少し変だった。

せっかくお出かけしたのに倒れちゃったし、私は約束を破って敵をやっつけちゃったのに、ニコニコしていた。

話を聞いたら、マルコーさんに優しくしてもらったり、ほめられたりしたらしい。

うん。それは分かる。

分かるけど、よく分からない。

大きな機関銃を片付けながら、ジャンさんを見上げる。

今日の仕事は上手くいった。敵もちゃんとやっつけたし、言われたとおりに、建物に弾も当てなかった。

だけどジャンさんはなにも言わない。いつものことだ。

「――どうした?」

「いえ」

いつものことだから、別に何とも思わない。

「よし、引き上げるぞ」

ジャンさんが、無意識にかもしれないけど、私の頭を軽く叩いた。

前にも同じ事をされたことがあったけど、あの時はちょっと恐かった。

不思議だ。

今日のは少し、なんだろう――暖かい。どうしてだろう。

「なにをしている」

「すみません」

小走りで、ジャンさんの隣りに追いつき、並んで歩く。

いつもと同じなのに、いつもとは違った感じがした。

どうしてなのか、帰ったらヘンリエッタに聞いてみよう。

きっと知っている予感がする。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

編集にはIDが必要です