PINKちゃんねる-エロパロ&文章創作板「依存スレッド」まとめページです since2009/05/10

作者:6-665氏


 学校からの帰り道、優香は久しぶりに楽しそうに色々な話をしていた。 部活のこと、授業のこと、テレビのこと。 それら全てを明るく話すその姿はかつての優香のように見えて美しかった。 
それら一つ一つに丁寧に俺は受け答えていく。
 やがて話が部活時の東田の話になった。 慎重に東田の話を出しながら優香が俺の様子を伺っているのを感じる。
「全く本当に東田は凄い奴だね」
 正直な感想を口にする。 実際に彼は有能で、他人から好かれ、そして苦労して作り上げた優香と俺の関係にあっさりとヒビを入れることまでしてくれたのだから…。
 もちろん東田がそう仕向けたわけでもなく、ましてや俺は自分の卑怯さと汚さ、ゲスであることを十分に理解しているし、それが最低な人間であることを認識している。
 だがそれでも、ああそれでも! 失敗したら全てを失うほどのリスクを犯して作り上げた砂の城をあいつはあっさりとしかもごっそりと失敗することなく確実に崩し始めている。
「…うん、そうだね。面白かったね、東田君」
 肯定する優香の瞳を見つめるが、いまいちどう思っているのかわからない。
「うん?どうしたの?」
 その大きな瞳をパチクリと動かして小首をかしげる。 媚びと愛くるしさの混ざった可愛い仕草だった。 だがやはり確実に優香の態度というか様子に
わずかながら怯えが消えていっているように感じる。 不快な気持が胸の中で踊った。
「そういえば部活来た時に、なんでこっちに手を振ったの?」
「えっ?あっ…恭君が…遅かったから…その…うれしくて」
「それはわかったけどさ、学校内ではああいうことはしないようにしようって約束しただろ?特に優香はいま微妙な位置にいる……ごめん」
 言いかけてあえて謝る。 それだけで優香はトラウマが刺激されたようで落ち込んで視線を下げて、
「ごめん…なさい、今度から気をつけ…ます」
やや震えた声で謝ってくる。 
 よし、これで少しは持ち直しただろうか? まあ気休めだろうが、少しは優香が自信を回復させない為の役に立っただろう。 しかし油断も隙もあったもんじゃない!
 早急に何とかしなければ俺と優香の関係は瓦解してしまうだろう。 
 まあ、優香にとってはその方がいいかもしれないけどな。 
それにしても……ん?
 左腕に重みを感じて振り向くと、優香が泣きそうな顔で俺の左の袖口をちょこんと掴んでじっとこちらを見上げていた。 
 しまった、考え込んでフォローするのが遅れてしまったか。
 俺は遅ればせながらそっと優香の頭の上に手を置き、残った片手で身体を引き寄せる。
「あっ…」
 声を上げて俺に身体を預ける優香の耳元で、
「大丈夫、俺の方こそ言い過ぎてごめん」
「ううん、いいの…私ってほら、そういうこと気がつけないから…なんというか…無神経っていうのかな?はは…ごめんね、恭君…んんっ!」
 尚もネガティブな言葉を吐き出そうとする優香の口を強引にキスで塞ぐ。 優香は急なことで一瞬身体を強張らせたが
すぐにそれは緩んで、自らも俺の身体に腕を回してキスを返してくる。 誰かに見られていたら問題だったが、周りには誰もいないことはすでに確認済みだ。 
それにしても優香もそうだが、俺自身もかなり東田にやられているようだ。
 普段なら、あえて落ち込ませたところですぐに優しく抱きしめて言葉をかければ効果は抜群だったはずなんだが、考えこんで遅れてしまった。 
 優香の自信を回復させないことも大事なんだが、あまり落ち込ませてしまうと関係に悪影響が出てしまうのでその辺の調整もしっかりしておかないと、上手く彼女を騙せない。
 唇を離すと、少し上気した顔の優香が恥ずかしそうに俯きながら、でもトロンとした瞳をしていた。 何とか機嫌は取れたようだ。 念のため、袖口を掴む手はそのままにさせておいた。 
せっかく心地よく騙されてくれているんだから駄目押しをしておくのも保険として悪くないだろう。
 やがて俺の家の前に到着した。 優香は相変わらず俺の袖口から手を離さない、むしろぎゅっとさらに力を込めて掴んでいるのがわかる。 
このまま俺と離れたくないようだ。 本当は東田対策を考えたかったんだが仕方が無い、袖口を掴んでる手を解いて彼女の手首を掴む、そして強引にでも優しく玄関に向かった。
 チラリと見た優香は嬉しそうな、思惑が当たったような、そんな顔をしていた。 

「エヘヘ、久しぶりだね恭君の部屋来るの」
「この間来たばかりじゃないか」
 ベッドに座り込んで、リモコンでテレビをつける。 昔やってたドラマの再放送がやっていたが、つまらないので適当にチャンネルを変えていく。
「…なんかひさしぶりに来た…気がするんだもん」
 俺と少し距離を開けてちょこんと優香が隣に座る。 何度も俺の部屋に来て、何度もこのベッドで抱かれているのに変に気を使うところがある。
 でもいきなりすぐに密着するように座ってきたらそれはそれで問題か……それは調子に乗ってきているということだからな。
「……テレビ、面白いの…ないね」
 押し黙るように優香が話しかけてくる。 
「そうだね、つまらないから消すかな」
 ポチリとリモコンでテレビの電源を消し、体勢を動かしてテーブルの上に置く。 
優香もなぜか…というよりわかりきっているが、同調するように体勢を動かして密着するように俺の隣に座りなおし、そして服の袖口をちょこんと掴む。

つまりはそういうことなのだ。 遠まわしな言い方や行動が優香の自信の無さと怯えを表しているようで何とも可愛らしいと思う。
 俺はあえて無表情を作って、
「うん?どうしたの?」
あえて気づかないふりをする。 自分からは中々言い出せないようで
、優香は真っ赤な顔をしてモジモジと身体を密着させてアピールするが、それでも俺は気づかないふりをし続ける。 
「だからどうしたのさ、優香?」
「……………」
 さらに顔を赤くして俯いてるが、やがて覚悟を決めたように、俺の片腕に自身の腕を絡ませてさらに頭を俺の肩に乗せて身体を預ける。
 顔だけではなく胸元も袖口から見える手もスカートから出ている魅力的な足、それら全てを真っ赤に染め上げて
優香は目をつぶって必死にアピールし続けている。
 いい加減可愛そうになってきたので俺は目をぎゅっと閉じたままの優香の口元に優しくキスをして少し体重をかけてやると、
そのまま優香は人形のように後ろに倒れこんで…俺のなすがままに成っていった。

始める前までは恥ずかしがっていたが、いざ始まってしまえば存分に楽しもうとする本能とやらが楽しい。
 それは俺も一緒なのだけれど、優香の変わり方はそれ以上に面白い。
他の女の子もこんな感じなんだろうか?
 まあわざわざこんなどうしようもない奴を好きになる奴なんかいないだろうからする機会なんかないだろうが……。
「ふっ、はあっ…はあはあはあ…ふぁっ…あ、ああ…ん」
 彼女の色々なところにキスをするとその度に反応が違う。
 そして酸欠になりそうな程に息を荒げていてもキスをすれば、自分からは決して離れようとはしない。 
 何度体験してもセックスという行為は興味深い。
 性行為自体に性欲処理という以上のことを見出せない俺でも優香の身体や反応はとても楽しく夢中にさせるものだった。
 少し汗ばんだ優香の胸元に軽くキスして舐め上げる。 ビクリと電気を流されたような反応をするが、そのまま続けているとやがて悩めかしい声が出す。

 続いて彼女の背中に手を回してブラのホックを外してやると 白い肌とピンク色をした乳房が出てきた。 それを優しくさするように触って口に含み、弱くかじる。
「はっ、あっ!」
 一際甘い声を挙げて、手の平からじんわりと熱が伝わってくる。 刺激が性的興奮を高まらせ続け、彼女の性器はじっとりと準備をとっくに終わらせていた。

指を優しく秘所に侵入させ内壁の形を確かめるようになぞらせると背中を仰け反らせて溺れる人のようにしがみつく。 
何度も確かめ合った結果、優香が弱いところもどういう風にされるのかが好きなのもわかっている。
 熱く締め付ける秘部に指を暴れる蜘蛛のように縦横無尽に蠢かせ弱点を重点的に何度も攻め立てて強烈な快楽を与え続けていくと
、恥ずかしさも嫌われるのではないかという怯えもすっかり忘れて大きな声であえぎ声を上げる。
「ああああっ!い、いいよ〜…そ…そ…こ…気持……いい…んんっ!」
 あまりに大きいため近所に聞こえる可能性があるので右手で口を塞ぐ。

それすらも何かが刺激されるのかトロンとした目をして押え込まれた口から嬌声を出し続けている。
 優香がシャツを強く握って引っ張ったのを頃合に俺自身を優香の身体に重ねる。
 熱く柔らかい感触が俺自身を包む。 シャツを掴んでいる手と同じかそれ以上の力で強くそこは俺を掴み、締め付けてくる。 
あまりにも強く包まれたので思わず俺の口からも声が漏れる。 
しまったと思ったときに身体の下にいる優香と目が合った。
 いやらしく濡れそぼった瞳の中にじりじりと燃えるような何かを宿らせて
本能のままに快楽を貪る優香はとても淫らで男の嗜虐心を焚きつけるような姿をしているんだろう。
 だが俺はその優香の姿を見た瞬間、急激に頭のどこかが冷めていくのを感じた。
 本能はその姿に激しく興奮している…間違いなく。 ドロドロと冷たい何かが広がってくるのを忘れようと俺は激しく彼女に腰を打ち付ける。
 何度も。何度も。何かに追い立てられるかのように激しく優香の中を攻め続けた。
「えっ…ああっだ、駄目!そっ…れ…激し…すぎ…る…イ、ク…イクイクイク!ああああああ!」
 押え込んだ右手を超えて大きく叫んだ声は部屋中をに響き渡った。 それでも俺は動くのをやめず、壊れた機械のように動き続ける。
 その間、優香は同じように声を挙げ続け結局それは俺が達するまで叫び続けていたのだった。

な、なんか…その…凄かったね…きょ、今日は…」
 照れて、シーツで顔半分隠しながらはにかむように優香が俺を見ている。
「ああ、そうだね…嫌だった?」
「う、ううん…その…嫌じゃなかったよ…き…気持…よかった…し…ね」
 それだけ言うと恥ずかしそうにシーツを頭の上にして隠れてしまった。
 俺は正直楽しくなかったけどね。 心の中でつぶやいた。
 あんな夢なんか見るんじゃなかった。 俺はゴロリと仰向けに転がって天井を見上げる。
 そう、俺は気づいてしまった。 俺の『悪夢』の中で優香が見せたあの幸せそうな顔、
あんな顔を俺は見たことが無い。 身体を何度も重ね続けた結果、優香を絶頂までに導くことは出来るよう
になったけれど、俺とのセックスの時にはあんな表情を見せたこともさせたことも無い。 あんな愛される幸せに満ちた優香の顔を。
 我ながら何てあほなことを気にしているんだろう。
 無理に笑い飛ばそうとするが、上手く笑えない。
 あくまで『悪夢』の中で見た姿じゃないか。 
実際の優香はまだ俺としかセックスをしていないし、あの表情だっていつか見せてくれる可能性だってある。 表情? あの『愛し愛される喜びの顔』を? 
「はははっ」
 空々しい笑いがこみ上げた。 

……自分で言って空しくなる。 そんな表情を見れるはずが無いじゃないか。
 だって俺はあくまで醜い蜘蛛で、優香を罠に嵌めて、騙しているに過ぎない。 
どうしようもない俺が愛されるはずも無く、ただ優香は他に誰もいないから俺といるに過ぎない。
そんなことは判っていることじゃないか……それに、まず第一にというより
前提として俺が果たして優香を愛しているのかという事が自分のことだって言うのにわからないということだ。 
 優香は俺の横で小さく寝息を立てて寝ている。 そっと顔までかかったシーツをどかして寝顔を見る。 
安らかに寝ているように見える。
 寝ているときにしか安らかな時は無いのだろう。 そしてそういう風にしたのは他ならぬ俺だということを知ったときに優香はどうするんだろうか? 
分かりきっている事を考えてもしょうがないな。
 俺は寝ている優香の唇に優しく自分の唇を重ねる。 「う…うん」 という寝言を発した優香はさらに気持よく寝息を立てる。 
 眠り姫にキスをというロマンチックなキスをしているように見えるが、実際は寝ている相手に無理やりキスをしたというクズな情景にしか思えない。 
 触れた唇は柔らかく暖かかったはずなのに俺の心の中を寒々とした何かが強く吹き突くのだった。



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