「…ねえ、ナーシア」
遠慮がちなアンソンの声に、ナーシアは振り向いた。
「…………なに?」
「ナーシアのスカート、ずいぶん短いよな。…気にならない?」
「――別に。動きやすいから」
エクスプローラーとして、密偵として、素早さを信条にする彼女にとっては動きやすさは最大の利点だ。
それを割り引いてもあまりに短いスカート丈が、アンソンには心配らしい。
「逆に、動くから気になるんじゃないか?」
「見えたところで、任務に支障はない。――ショートパンツも履いているし」
「……あ、履いてるんだ…」
わかりやすくガックリと項垂れるアンソンに、ナーシアは肩をすくめる。
「……日によっては」
「イヤ、日によるってどういうこと?」
アンソンが起き上がってすかさず突っ込みを入れる。ナーシアは面倒そうな顔をしながらも、律儀に答えた。
「任務の時は、ということ。――大体、下着だって履いているし」
「まあ、そりゃあ………そうだけど」
まだ複雑な顔のアンソンに――涼しい顔で爆弾を落とす。
「………日によっては」
「―――日によるんかいっ!!」
真っ赤な顔で慌てるアンソンを、その場に置き去りにして――ナーシアはすたすたと歩き出した。

「…って、ホントに日によるの?」
「そんなわけないでしょ。馬鹿」



〜後記〜
これが初のアンソン君でした。今より、突っ込み属性が高いな。
ナーシア様はこのときからあんまり変わりません(笑)

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