過去に書いた小説のまとめと新しく書ければ書いてみたいなと。

「銅鑼えも〜ん!」
やれやれ。またのび太君苛められたな。
いい加減漏れも未来に帰りたいヨ。
銅鑼えもんはドアの外から聞こえるのび太の声に
うんざりしながら読んでいた漫画を閉じた。
「銅鑼えもん!聞いてよ。スネ夫とジャイアンが!」
「わかった、わかった。つーか落ち着け。」
「スネ夫がね新しいパソコンを買ったんだ!」
「人の話聞いてるか?つーか何言ってんの?」
「ひどいんだよ〜うわ〜ん。」
やれやれ。

落ち着いたのび太に話を聞いてみるとこういう次第だ。
「今日の帰り僕のニューマシーンを見に来ない?」
放課後の教室でスネ夫がのび太とジャイアンに声をかけた。
「僕の従兄弟の大学生が自作してくれたんだよ。
 最新構成だぜ。フォトショップなんて一秒で開くよ!」
「おう!見に行くぞ!」
「僕も僕も!」
毎回イヤな思いをするのは分かり切っているのに
なぜそこで見に行くのだろう?バカだからか。
スネ夫の家に着くとスネ夫ご自慢のプラモデルアトリエの
一角にそのマシンは置いてあった。
モニタは液晶17インチと21インチ。
マシン本体はフルタワーケースだ。
見ただけで金がかかっているのがわかる。

「マシン構成はpentium4、1.7GHz
 アスロンも早いらしいけど動画いじるんなら
 ペンチだよね〜。
 メモリは積めるだけ積んで4GB
 HDDはRAID0+1で100GB
 フルSCSIも考えたけど意味がないからやめたよ。
 ビデオカード、キャプチャボードはカノープス。
 Power DVD Producer/DVRex-RT Professionalだからね。
 サウンドカードは無難にSound Blaster Live! Platinum
 ケースはもちろん銅製だよ。」
「何がなんだかわからねぇけどとにかく凄いんだろ?」
「IEEEで僕のジオラマをキャプチャしてね。
 来年はオスカー像を狙うつもりさ!
 もちろんジャイアンも手伝ってよ。」
「おう!任せとけ。」
「ぼ、僕にも手伝わせてよ〜!」
「え〜?のび太に?」
「のび太はやめておけよ。」
「なんで?どうして!?」
「だってのび太はヘマばかりするからな。
 僕の大作を邪魔してほしくないし。」
「そうだそうだ。のび太は帰れ。」

「と言う訳なんだ〜。」
銅鑼えもんはスネ夫の言う事にも一理あると思った。
と言うかスネ夫の意見に賛成だった。
こいつにPCが扱えるわけはないし、
他の事でも役に立ちそうもない。
「銅鑼えも〜んパソコン出してよ〜」
ほらきやがった。ウゼ〜
だいたいこんなやつ教育し直しても無理なんだよ。
以前セワシ君と話し合ったけど
たとえ非合法だとしても
ヒトゲノムいじった方が早いんじゃないだろうか?
ただセワシ君は
「さすがにそれは俺が生まれなくなるかも知れないから。」
と拒んでいたな。

関係ねぇよ。

やって見なきゃわかんないジャン。
夜寝ている時にいじっちゃえば良いんだし。
ただ見つかると時間懲役刑だ。
TPが急行してきて遠い昔に放置されてしまう。
持っていける物はナイフ一本。
さすがにきついよな〜。死刑になった方がマダマシ。
しかしロボットに死刑は適用されない。

「ねぇ!聞いてるの!?」
「え?何だっけ?」
「パソコンだよパソコン!出せるの出せないの?」
「あ、そうかそうか。」
「まったくー。耳がないからって
 聞こえないふりしないでよ!」
コノヤロウ。机の引き出しあけて今すぐタイムホールから
ディラックの海に投げ込んでやろうか?アン?
「ごめんごめん。でもパソコンはないなぁ。」
「え〜?未来のパソコンとかないの?」
「未来ではパソコンなんて使ってないんだよ。」
「へ?」
「みんなPDAを持ってる。
 それに携帯電話、テレビ何でも付いてる。
 だからパソコンなんて使わないんだよ。」
「仕事とかでも?」
「仕事で使うのは端末だけど今のパソコンとは違うな。
 ゴーグルみたいのか対話型かだよ。」
「じゃあゲームもしないの?」
「ゲームもゴーグルタイプだね。」
「それじゃあパソコンは?ないの?ダメなの?」

「いや、何とかなりそうだよ。」
「え?ホントに!?」

ああ、こいつはホントにウゼェ。
アシモフのロボット三原則なんて未だに守らされてなければ
今すぐにでもこいつぶっ殺して死体を
虚数空間に投げ込みたい。
しかし俺たちロボットには査定って物がある。
人間が閻魔様に裁かれて地獄行きになるように
俺たちも良い事をすればステージがあがって
新しいハードにプログラムを組み込んでもらえる。
うまくいけば中央生体CPUの一部分になって
人間世界を操れるようにだってなる。
普段ごろ寝ばかりしているように見えるけど
電気羊の夢ばかり見ているわけには行かないのだ。
「のび太君貯金はどれぐらいあるの?」
「ええ!?パソコン買うつもり?
 貯金なんて300円しかないよ。
 今月の小遣いは使っちゃったし。」
「300円か。仕方がない僕もへそくりを出そう。」
しょうがねぇな。俺の取って置きのペリカを出すか。
どらやき買おうと思ってたのに。
それだけが楽しみなのに。
「2300円。これだけあれば何とかなるかな?」
「え〜?64メモリも買えないよぅ」
「まぁ黙ってついておいで。」

俺たちはタイムマシンに乗って5年後へ急いだ。
「そんな所へ行ってどうするの?」
「5年後の秋葉へGO!」
「5年後にはパソコンが2300円で買えるの?」
んなわきゃあない。

秋葉についたらジャンク屋へ向かった。
「あれ〜?銅鑼えもん。ここ秋葉じゃなくて
 虎ノ門じゃない?東京タワーがあるよ?」
「ああ、今計画中のやつだろ。秋葉タワー。」
秋葉原周辺はすっかり再開発が進んで
小綺麗なビルが建ち始めている。
「ジャンク屋なんか行ったってパーツも買えないよ!」
「パーツなんか買わないさ。本体とモニタ買うの。」
「ええ!?2300円で?」
ジャンク屋に入ると2001年現行機種が型落ちとして
所狭しと並べてある。
「おじさん!動作無保証で良いから
 組んである一式ない?」
「ああ、この間余ったパーツかき集めて作ったけど
 動かないやつがあるよ。CPUが逝ってるな。
 たぶん無理なクロックアップしたんだろ。
 メモリも怪しい。HDDは音はするけど動かない。」
「それ頂戴!1000円で。」
「う〜ん。まあ良いか。」
「ついでにモニタも頂戴。出来れば液晶で。」
「壊れてるので良いのかい?」

モニタとPC併せて1500円で手に入れた。
「さあ、帰ろう。」
「こんな古いの動かないじゃないか。」
「おいおい。pentium4、2GHzだぞ。
 おまけにGeForce5、HDDも150Gある。
 メモリだってPC2100 DDR SDRAM 1Gだ。」
「だけど壊れてるんだろ〜?」
「君はタイムふろしきを忘れたの?」
「あ!そっか!」
こいつは家から出ないで引きこもってた方が
世の中のためかも知れないな。
ああ、未来に帰りてぇ。

「でもこんなパソコンが壊れているとはいえ
 1500円で買えちゃうんだね。」
「ムーアの法則って知ってるかい?」
「うん。人差し指がサインで親指がコサイン
 中指がタンジェントだろ。」
「???・・・なんだそれ?
 まぁ良いや。ムーアの法則ってのは
 CPUの進化速度の話なんだけど
 ここ数年崩壊したって言われてたんだ。
 それが日本企業のバクテリアによる
 集積回路敷設技術開発によって
 さらに加速化したのさ。」

「さっぱりわからないけど?」
「とにかく現行のPCは電気ばっかり食って
 熱ばかり発散する電熱器みたいな物だから
 安くなってるのさ。家電リサイクル法も
 それに拍車をかけてただ同然。
 むしろ売る時は金を払う事の方が多いよ。」
「ふ〜ん。」
こいつに教育を施している間にタイムマシンは
2001年についた。机から出て早速ポケットから
ジャンクPCを取り出した。
「銅鑼えもん。タイムふろしき!早く早く〜」
全くウゼェな。
「あんまり時間を戻すと石油とゲルマニウムの
固まりになっちゃうぞ。」
「わかってるって。」

風呂敷をはぐとPCは新品同様、真っ白になった。
「さて電源を入れてみるか。」
配線を繋いでやって電源を入れてみた。
やった。案の定AWARD BIOSの画面が現れた。
モニタもPCも正常に動いているようだ。
だが、OSが入っていないらしくそこで止まってしまった。

「これは困った。」
「どうしたの?」
「OSが入っていないんだよ。」
「ええ?じゃあこのままじゃ動かせないの?」
「ソフトが入っていないとただの箱だからねぇ。」
「そうだ!タイムふろしきで
 ちょっとだけ先に進めれば良いんじゃない?」
「!! 君、頭良いね。」
早速タイムふろしきを裏返しにしてかぶせて
すぐにはずした。すると今度はOSが入った状態になり
すんなりとWin2kのロゴが現れた。
「よしよし。」
だがマシンが起動して驚いた。
壁紙が何か美少女ゲームのキャラクターになっている。
こ、これは…もしかして。
スタートメニューを見てみて驚いた。
18禁ゲームが山のように入っている。
このPCの前のユーザって一体?
OSインスト−ルとともにこの状態か?
ヲタ専用リカバリCD?
「どうしたの?」後ろからのび太がのぞき込む。
「い、いやダメみたいだよこのOS。」
さすがにこれは教育上まずい。
ちょっと惜しい気もするがタイムふろしきをまたかけた。

「う〜ん。どうしようか?」
「スネ夫の家へ行ってOS借りてくるよ。」
「そ、そりゃまずいだろ。」
「なんで?」
「違法コピーって言ってね…君、著作権って知ってる?」
「ナニソレ?強いの?」
「とにかくソフトはコピーしちゃダメなの!
 ん?待てよ。そうか。良し。
 スネ夫にOS借りてきてくれ。」
「わかった〜」

スネ夫の家に行くとなぜかスネ夫は
OSをすんなり貸してくれたらしい。
変だな。いつもはあんなにケチなのに。
まぁ良いさ。
「ふえるミラ〜!!
 これでOSを増やせば良いのさ。」
「でも銅鑼えもん、それはコピーじゃないの?」
「これはコピーじゃない。正規品だよ。
 ほらマイクロソフトのロゴも入ってるし
 認定証もシリアルもついてるだろ。」
「確かに。」
「ゲイツだってこれは正規品だって言うよ。」

コピー…ではなく『増やした』OSを早速
インストールする事にした。
だがCDはOSを認識してくれない。
おかしいなぁ。ちゃんとCDbootに設定したし
win2kだからこれで良いはずなんだけど。
「ああ!銅鑼えもん。このCD逆なんじゃ?」
「ちゃんと表にして入れたよ。君じゃあるまいし。」
「そうじゃなくて鏡だから逆になってるよ!」
「!! 君頭良いね。」

『増やしたOS』から更にふえるミラ〜で
コピー…ではなくOSを取り出した。
これで元に戻っているはずだ。
「コピーにコピーを重ねてるね。」
「コピーじゃないって言ってるだろ。」
「最初からCD-Rで焼いてもらった方が早かったんじゃ?」
「それは違法コピーだからダメ!」

『増やしたOS』はきちんとインストールできた。
さすがは最新鋭機種。セットアップも早い早い。
「スネ夫にOS返してきて良いよ。」

スネ夫にOSを返しに行くと玄関でスネ夫は玄関で
待ちかまえていたらしい。
「のび太。ずいぶん早かったな〜。
 おまえこのOSインストールしたんだろ。」
「ううん。このOSは使ってないよ。」
「じゃあコピーしたのか?」
「ううん。増やしただけだよ。」
「それをコピーって言うんだよ!」
「コピーじゃないって。」
「ACCSにチクってやるからな〜」
「 良いよ。家には正規品しかないから。」
「はぁ(゚д゚)?」

帰ってきたのび太にその話を聞いて
スネ夫が意地悪目的でOSを貸してくれた事がわかった。
危ない危ない。
「さあ、パソコン使ってみようか!」
「うん!」
「のび太君は何がしたいの?」
「え?」
「何かしたい事があってパソコンねだったんでしょ?」
「う、うん。」
「じゃあ、何しようか。このスペックなら何でも出来るぞ!」
「な、何が出来るのかな?」
漏れ未来に帰りたい(;´Д`)

そうか。こいつはスネ夫に勝ちたかっただけなんだな。
俺はげんなりした。

だがこれもいい機会だ。
のび太君にパソコンの事を教えてやろう。
あやとりと射撃だけじゃ世の中渡って行けない。
「じゃあとりあえず、インターネットが出来るようにしよう。」
「そう!それやりたいな!後メールも。」
「わかったわかった。」
「でもいろいろ契約とかしないといけないんでしょ?」
「任せとけって〜」
俺は腹の四次元ポケットを探った。
「ブロ〜ドバンド〜!!」
「なんだい?このベルト。」
「これは『ブロードバンド』と言ってね。
 これをPCに巻き付けておけば超高速回線が使えるんだ。
 契約も要らない。IPはその辺の開いてるのを借りてくる。
 上り下り500Mbpsだぞ!。しかも無線。
 メールはその辺でフリーのを探して来な。
 じゃ、漏れ出かけるから。」
「そんなー!もっと教えてよ。」
「困ったなぁ。これから近所の猫とデートの約束があるし。
 それに聞いてばかり居たらいつまでも覚えないぞ。」
「でもどこに行ったら良いのかさえもわからないよ〜。」
クソこいつ。ヲタみたいな容貌のくせにヲタにはなれないのか?
しょうがない。あれを落として来るか。

「タイムプロキシ〜!!
 このプロキシは未来や過去とインターネットが出来る
 プロキシサーバなんだ。これをインストールして…」
「プロキシって何?」
「串だよ串!」
「ふ〜ん」
さて、あのソフトをダウンロードしよう。
確かあのソフトは本家に睨まれて潜っていたはずだけど
どこにあるかな?…あったあった。
「謎春菜〜!!
 このソフトはデスクトップに寄生して
 いろいろ教えてくれるから後は自分で色々聞いて。
 じゃ、漏れ出かけるから。」
「ああ!待ってよ銅鑼えもん〜…あ〜あ行っちゃった。」
「あたしじゃダメですかぁ?」
「わ!びっくりした。なんだなんだ?」
「あたしじゃダメですか?色々役に立ちますよ。」
「き、君は?」
「謎春奈です。こっちは相方の『う゛にゅう』です。」
「何だまたメガネヲタか。俺らのユーザこんなんばっかだ。」
「す、すいません。こら!う゛にゅう!」
「君がパソコンを教えてくれるの?へ〜。
 じゃあとりあえずメールソフトを。」
「その前にダウンロードソフトを落としておきましょう。
 幸いタイムプロキシが作動している様ですから
 Iria4.02βを…これ以降は開発がストップしていますが。」

のび太は謎春奈との会話を楽しみつつ
PCの基本について習い始めた。
「ふーん。じゃあHDDって所にダウンロードした物や
 自分で作ったデータが置いてあるんだね。」
「はいそうです〜。のび太さん賢いですね♪」
「えへへ。そうかな〜。」
「じゃあ、そのダウンロードしたデータに
 アクセスしてみましょうか。
 まずエクスプローラを開いてください。」
「わかった。はい。開いたよ。」
「あの…IEではなくエクスプローラを…」
「え〜これエクスプローラじゃないの?」
「それはインターネットエクスプローラです(;´Д`)」
「なんだかややこしいね。」
「…じゃあマイコンピュータをダブルクリックしてください。」
「う〜んとぉ、わかったこれだね。」
「はい。良くできました〜。」
「猿じゃねぇんだからそのぐらい出来るダロ!」
「こ、こら、う゛にゅう!」
「ハイハイ。そいつが一人で
 ショートカットぐらい作れるようになったら
 起こしてくれよ。俺もう寝るから。」
「のび太さん気にしないでくださいね。」
「平気平気。いつもスネ夫の嫌みで慣れてるから。」
「打たれ強さだけは人一倍だナ。ハジメノイッポ?(ワラワラ」
「う゛にゅう!早く寝なさい!」

「じゃあとりあえずメールをやりたいな。」
「それではアウトルックも良いですが
 使いやすいフリーのソフトを探してみましょう。」
「未来のメールソフトだね!」
「いえ、タイムプロキシは試用期限を過ぎたようですね。」
「ええ?もう使えないの?」
「はい。どうやらこれは雑誌の付録のソフトだったようですね。
 レジストしないと使えないようです。」
「お金がかかるの?」
「はい。5000円ですね。」
「そんなお金ないよ〜。」
「では諦めましょう。この時代にも良質なフリーウェアは
 沢山あるようですからそれを探しましょう。」
「銅鑼えもんもケチだな。まぁしょうがないか。」
「サイズも小さくて軌道も早い設定も簡単なソフトがありました。
 これをインストールしましょう。」
のび太は教えられた通りインストールした。
「ついでにフリーのメールサービスを見つけてきたので
 設定もしちゃいましょうね。」
「これで静ちゃんとメールが出来るね?」
「はい。試しに送ってみましょうか。」
「うん。じゃあ僕書くね。」
のび太は辿々しい手つきでkeyを叩きメールを書いた。
そして早速送ってみたがメールは帰ってきてしまった。

「あれれ?メールアドレスとか間違ってないよね?」
sizuka8@so-net.ne.jp…間違っていませんね。」
 どうやらあちらの設定ミスのようですね。」
「じゃあ僕電話してみる。」

「静ちゃん?のび太だけど。
 メール送れないんだけど設定が間違ってない?」
「あらのび太さん。メール始めたの?
 実はメーラーをポストペットにしたんだけど
 設定が悪いらしくてペットが帰ってこないのよ。
 どうしたらいいのかしら。」
「そうなんだ。ちょっと待っててね。」

「…と言う事らしいよ。」
のび太は謎春奈にその事を説明した。
すると謎春奈はちょっと姿を消すとすぐに戻ってきた。
「SMTPの設定が間違っている様ですね。
 直して来ちゃう事も出来ましたが
 今から直し方を教えるので、メモして教えてあげてください。」
のび太はそれをメモって静ちゃんに教えてあげた。
「これで良いのかしら?」
「ちょっと待ってて試しにメール出してみるから。」

のび太は部屋に戻ってメールを出した。
「どう?」
「あ、届いたわ。ありがとうのび太さん!」
「いやいや、それほどの事でも〜」
「でもペットのウサコが帰ってこないわ。
 どうしちゃったのかしら?
 きっとあたしのミスで迷子になって居るんだわ。
 あたしひどい事しちゃった。」
静ちゃんは泣きそうな声を上げた。
「泣かないで。ちょっと待っててね。」

「…と言う事らしいよ!」
「ハイわかりました。」
そう言うと謎春奈はまた姿を消した。そして現れ
「すぐに帰ると思いますよ。」

「静ちゃん。メールチェックしてみて〜」
「あ!帰ってきたわ!ゴメンねウサコ!」
「良かった良かった。」
「凄いわ!のび太さん。尊敬しちゃうわ!
 いつの間にパソコンに詳しくなったの?」
「え?あはは。それ程でもないよ〜
 じゃあ返事待ってるからね。」

「いや〜すっかり感謝されちゃったよ。」
「良かったですね。」
「でも静ちゃん誰にメール出したんだろ?」
「誰でしょうね?」
「謎春奈さんわかるんでしょ?」
「で、でもそれは…」
「お願いだよ。ネ。一回だけだから。」
「しょうがないですね。じゃあ一回だけですよ。
 え〜と、出来杉英才さんって方ですね。」
「え!何だって!くそ〜出来杉の奴。」
「ポスペにする前は
 何度もメールのやりとりしていたようですねぇ。」
「偽春奈さん!そのメールの内容見せて!」
「ええ!?だめですぅ。」
「じゃ、じゃあもう二人がメール出来ない様にして!」
「な、何言ってるんですか?」
「お願いだよ〜」
「ダメです。」
「ちぇ!まあ良いや。
 それよりもっとパソコンに詳しくなって
 静ちゃんに尊敬されるぞ!」
「立派です〜。」
「えへへ。じゃあ他にも何かインストロールしようよ!」
「…インストールです。」

ドラえもんがデートから帰ると、
のび太はまだ謎春奈にPCの操作について習っていた。
「ずいぶんはまってるみたいだね。」
「銅鑼えもん!謎春奈さんのおかげで
 大夫自信がついたよ。」
銅鑼えもんが謎春奈の顔を見ると
ずいぶんと疲れ切った顔をしている。
こいつ。プログラムを疲れさせるとは大した奴だ。
しかし俺だってAIとはいえ立派なプログラム。
その俺が疲れるんだから謎春奈だって例外じゃないな。
「そろそろご飯だし一休みしなよ。
 パソコンだって色々ソフト入れたんでしょ。
 再起動した方がいいよ。」
「そっか。わかった。」
銅鑼えもんは謎春奈のほっとした顔を見逃さなかった。
だが謎春奈の方でもその顔を見られた事に気がついた様だ。
銅鑼えもんはこっそりウインクをして見せた。
謎春奈はにっこりと微笑んで
「ではスタートメニューからwindowsの終了を…わー!
 いきなり電源切っちゃダメですぅ(;´Д`)」
「君この数時間何してたの?」
「失敬な。まだ電源落とした事がなかっただけだよ。」
のび太は電源の落とし方を習い、無事電源を落として
階下に食事を摂りに行った。

食事が終わると自室に戻り早速PCの電源を入れようとした。
「ダメだよ。今日はもうやめときな。」
「何でだよ?」
「そんなに一遍に覚えられないだろ。
 それに君宿題終わったの?」
「あー!忘れてた。今日は大量の宿題が。」
「僕知らないからね。お休み。」
「そ、そんなぁ手伝ってよ。」
「ダ・メ。その代わり明日起こしてあげるから
 今日中にがんばって終わらせな。お休み。」
宿題の面倒まで見てられるか!
でも今の対応は間違っていないはずだ。教育だからネ。
のび太はしばらく押入の外でわめいていたが
諦めて宿題を始めたらしい。これで良しと。


銅鑼-2-

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