過去に書いた小説のまとめと新しく書ければ書いてみたいなと。

のび太は泣く泣く宿題を始めた物のいつも通り
なかなか進まない。
イライラしていると突然PCの電源がついた。
「?」
OSが起動すると
スタートアップに登録してある謎春奈が起動した。
謎春奈はスヤスヤと寝ている。
のび太が見ているとスピーカーから小声で呼びかけられた。

「おい。大声は出すなよ。」
う゛にゅうだった。
「お前、未来のソフトほしいんだろ?
 タイムプロキシの尻拾ってきてやったぞ。」
「尻?」
「レジストして使える様にするんだよ!
 それから、静チャンと出来杉のメール。
 盗んできてやったぞ。ヒヒヒ」
「ほ、ホントに?」
「これから色々面白い物落としてきてやるから
 一緒に遊ぼうゼ」
「でも、宿題が…」
「そんな物俺がやってやるヨ!スキャナは無いんだったな。
 良し、問題読み上げろ。答え教えてやるから書き写せ。」
「うん!」
宿題は5分ほどで終わった。
「じゃあ早速二人のメール読んじゃおうゼ!」
「うん。で、でもなんか悪い気もするなぁ。」
「バカヤロ。今更何言ってんだヨ。氏ね!」
「わ、わかったよ。読むよ。」
「ヘヘヘ。二人は仲良いゼ。最近の消防は進んでるからナ
 ひょっとしたらそのうちにあんな事やこんな事。」
「や、止めてよ!」
「大声出すなよ!」

メールを読むと中身はたわいもない物だった。
学校で起こった事や、勉強の事について毎日交わされていた。
どうやらメールというコミュニケーションそのものに
興味があるだけで、二人でやっている事に
何ら意味はない様であった。
「なーんだ。」
「チッ。つまんねぇメールだな。」
のび太は悪い事をしてしまった様な気がした。
「お前まさか罪の意識が芽生えてる訳じゃねぇよな?
 ほら、この一文見ろよ。
『のび太君今日も宿題忘れたね。困ったもんだ』
 お前バカにされてんだぞ。良いのかヨ」
「そ、そうだよね。そんな事書かなくても良いよね。」
「だったら二人のメールに悪戯してやろうぜ。
 そうだな。静あてのメールに『オマソコ』って
 かいとくか。ギコギコ」
「そ、それはまずいんじゃ…」
「大丈夫だよ。お前だって事はばれないから。」
「そ、そう?」
「俺に任せておけって。この件はこれで終了〜。
 さ、ゲームでもして遊ぼうゼ。何が良い?」
「ど、どんなのがあるの〜?」
「何でもそろってるゼ。UOなんてどうよ。
 俺がID盗んできてやるから、チートして
 PKしまくろうゼ!」

のび太はUOのプレイのやり方を教えてもらい
う゛にゅうも一緒にプレイする事になった。
「おい、あそこにいる奴お前の知り合いの奴じゃねぇか?」
「え?誰?」
「OS貸してくれた奴だよ。」
「スネ夫か!そういえばあいつ
 ウルティマがどうとか言ってたな。」
「早速殺してやろうゼ」
「そんな事出来るの?」
「あいつのそばに行って険振り回すだけでイイヨ」
「良し!日頃の恨み〜」
スネ夫は最初抵抗する素振りを見せたが
すぐにかなわないと感じたのか逃げ始めた。
「あはは〜逃げろ逃げろ〜」
「お前やるじゃねぇか〜。そこだ追いつめろ。」
「あ〜スッキリした!」
「面白かったか?他にも色々あるゾ」
「うんうん。次は何にしようか〜?」

のび太はすっかり明け方近くまで遊んだ。
布団に入ってからすぐに銅鑼えもんに起こされてしまった。
「う〜ん。後五分。」
「偉い!宿題全部やったんだね。」

眠い目をこすりながらのび太がギリギリに登校すると
静ちゃんは休んでいた。
昨日のメールのことを思い出したが
まさか悪戯メールごときで休むことはあるまい
風邪でも引いたに違いないと思った。
休み時間にスネ夫がUOについて自慢話を始めた。
「昨日は僕にPKしようとしたやつがいたから
 返り討ちにしてやったよ。逃げ回ったけどムダだね。
 二度とそんな気を起こさないように追いつめて
 殺してやったよ、アハハハ。」
「スゴイなー。僕もネットゲームやりたいよ。」
「俺も俺も。」
みんな感心したようにスネ夫の話を聞いている。
のび太は腹が立ったので
「何言ってんだい。追いつめられて殺されたのは
 君の方だろ!」
と、つい言ってしまった。
すね夫は最初ビックリした顔をしていたが
すぐに青い顔になってわめき始めた。
「な、何言ってるんだよ
 おまえUOってなんだか知ってるのか?」

のび太は昨日の事がばれるとマズイと思い
必死に弁解した。
「あ、あはは、夢見たのかな?勘違いしちゃった。
 UOってウルトラオイスターだっけ?あはは
 違う?そっかそっか。」
スネ夫は怪しんでいる様であったが
それ以上何も言わないので安心した。

HRに先生が静ちゃんに誰かプリントを届けてくれないか
みんなに聞いた。
昨日の事がちょっと気になっていたので
のび太は届けてあげることにした。
帰り道出来杉が声を掛けてきた。
「静ちゃん、どうしたのかな?
 心配だから僕も一緒に行って良いかな?」
こいつ邪魔なやつだと思ったけど「良いよ」と
言って置いた。

静ちゃんの家へ行くと、お母さんが出迎えた。
「静、寝込んじゃってるのよ。
 熱はないみたいなんだけど…」
「風邪じゃないんですか?」
「何聞いても、あんまり答えてくれないのよねぇ。
 良かったら二人で上がっていかない?」
「良いんですか?」
「何か心配事があるようだから元気づけてあげて欲しいの。」
「わかりました。」

「野比くんと出来杉君が来てくれたわよ。」
「………」
「入るわよ。」
「イヤ!会いたくない!」
「どうしたのよ?」
「………」
すると出来杉が
「何があったか話してくれないかな?
 出来れば力になってあげたいんだけど。」
くそ、出来杉のヤツめ。巧い事言うなぁ。
「ぼ、僕も僕も!」
のび太は急いで言った。

「メールが来たの…」
静ちゃんの部屋にはいると涙声で語り始めた。
「添付ファイルが付いていて、簡単に開けちゃいけないって
 教えられていたんだけど出来杉君からのメールだったから
 開けちゃったのよ。そしたら…」
「ちょっと待って。僕はそんな添付ファイル送ってないよ?」
「やっぱり出来杉君じゃなかったのね。
 あなたがあんなメール送る訳無いもの!」
そう言うと静ちゃんはポロポロと涙を流した。
あああ、やはりう゛にゅうが送ったメールが原因だったか。
だからやめておこうって言ったのに。
それにしても一言『オマソコ』って書いてあるだけなのに
こんなにショックを受けるとは…女の子だなぁ。
あれ?テンプファイル?テンプファイルって何だ?
「そのメール開けても良いかい?」
出来杉が聞いた。
「……ダメ。」
「どうして?」
「嫌なの!」
「ひょっとしたら犯人を突き止められるかもしれない。
 名前をかたられた以上僕としても絶対に
 犯人を捕まえたいんだ。」

「恥ずかしいの!嫌なの!」
「でも静ちゃん!」
「どうしても見るのならあたし
 この部屋を出てる。」
「わかった。そうしてくれていて良いよ。」
のび太は二人のやり取りを聞きながら
かなり鬱になって来た。
犯人て僕なのかなぁ?でも僕メールなんて出してないし。
最初の目的は二人の仲を引き裂くためだったのに
これで僕が犯人だと思われたらまるっきり逆効果だ。
でもう゛にゅうはばれる心配は無いって言っていたし。
それよりもさっきからテンプテンプ言ってるけど
何の話なんだろう?オマソコ=テンプ?そうなの?
静ちゃんが部屋を出ると出来杉はiMacをいじり始めた。
ポストペットを開いて受信ボタンを押す。
しかしまだ使い始めたばかりなので
数えるほどのメールしか置いてなかった。
出来杉はその中で一番下にあるメールをクリックした。
「酷いな。一体誰が!」
メールにはオマソコと書いてある。差出人は出来杉だ。
「ヘッダを書き換えるぐらいなら出来るはずだけど
 このメールは何かおかしいな?」
出来杉も優等生のくせにオマソコなんて言葉知ってるんだなぁ。
などと変な感心をするのび太であった。

「問題は添付ファイルだ。」
さっきから言ってるけど何なんだろう?
「メール本文にリンクが貼ってあるな。
 たぶんこのパスがそうだろう。」
出来杉がパスをクリックするとブラウザが起動した。
「!!」
二人とも息をのんでしまった。そこには静ちゃんの
全裸写真、いや全裸と言うより大股開きの写真が
最大化されたブラウザのウィンドウいっぱいに
映し出されたのだ。
「こ、こ、こ、な、な、何これぇ!」
出来杉は素早くブラウザを閉じた。
「なんて酷い事を!」
「あ、あれ静ちゃんだよね?」
すると出来杉は首を振った。
「良くできているけど合成写真だよ。
 画像が拡大表示されたからわかったけど
 首の所のディザに違和感があった。」
「合成写真!?」
「おそらくパソコンで作られた物だろうね。
 のび太君。この事は誰にも言っちゃダメだ。
 それから静ちゃんの前では写真の話はしない方がいい。」
「う、うん」

「どんな事をしても犯人を捕まえてやるぞ!
 僕のメアドを使って卑怯な事をした奴を
 僕は許せない!」
出来杉は正義に燃えた目をしていた。
犯人?…犯人!
そう。のび太には犯人の心当たりがあった。
と言うより十中八九間違いないだろう。
あの合成写真を作って送ったのは『う゛にゅう』だ。
しばらく経つと静ちゃんが部屋に戻ってきた。
「静ちゃん。犯人は僕が絶対捕まえてみせる。
 だから心配要らないよ。」
「でも、でも。」
「犯人は限られているからすぐ見つかるさ。」
え?どうして?のび太は吃驚した。
そしてそのままの言葉をを口に出してしまっていた。
「え!?どうしてー?」
「僕のこのメールアドレスはね、静ちゃんしか知らないんだ。
 知らないはずなんだ。それを知っていると言う事は…」
そう言って出来杉はのび太の方を見た。
のび太はギクリとしてしまい、
思わずあらぬ事を口走ってしまった。
「だ、だってその知らないはずのメアドを
 誰かがどこからか探り出して来て
 あたかもそのメールアドレスから出された様に
 細工して悪戯したぐらいの奴だろ?
 そんな奴簡単に見つかるわけないよ!」

静と出来杉はキョトンとした顔をしてのび太を見ている。
まずい。何か疑われるような事言っちゃったかな?
「そう言えばのび太さん昨日の電話で
 やたらパソコンに詳しかったわね。」
「え?そうなのかい?」
二人はのび太の方を見ている。
疑われてる!やばいヤバイヤバイ〜
すると出来杉が言った
「だったらのび太君が…」
ち!違う〜
「のび太君が犯人を捜してくれよ!」
犯人じゃな…え?捜す?
「そうよ!昨日あたしのウサコ見つけてくれたじゃない。
 あんな風にこの犯人も見つけてよ!」

妙な事になってしまった。
とりあえずその場を逃れるために
犯人探しの件を承諾してしまったが
これから一体どうすればいいのだろう?
しかし…
あそこまで状況証拠が整っていて
出来杉が疑われないのは何故だ?
人間一事が万事か。僕だったら真っ先に犯人扱いだ。

家に帰ると銅鑼えもんがPCをいじっていた。
と言うより謎春奈と話をしていた。
人工知能同士気が合うのか凄く楽しそうだ。
あ〜あ。気楽なもんだ。
画面を見るとう゛にゅうは寝ている。
また夜にならないと起きないのだろうか?
のび太の視線に気がついた謎春奈が言った。
「私たちは、ユーザーの健康を考えて
 私たち自身も休息・睡眠をとるように設計されています。
 だから急用がある時は起こしてくださいね。
 クリックすれば起きますから〜」
「あ、うんうん。わかりました。」
「のび太君パソコン使うかい?」
「今日は眠いから昼寝しておくよ。」
「そっか。昨日は宿題で寝不足なんだね。
 今日は宿題無いの?」
「うん。今日はないんだ。」
のび太は嘘をついた。
夜になればう゛にゅうにやってもらえる。
それよりも今は寝て置いて、夜はう゛にゅうを
問いつめなければならない。
その上で今後の行動を決めよう。
しかし宿題をやってもらう事で
すでにう゛にゅうに依存してしまっている自分である事に
まだのび太は気がついていなかった。

夕ご飯を食べて部屋に帰ると早速布団を敷いた。
「もう寝るの?」
「うん、明日遅刻するといけないから。」
「珍しい事もあるもんだね。
 じゃあ僕パソコンいじって良いかい?」
「良いよー」
「もう飽きちゃったの?」
「今日は眠いから。」
そのうち銅鑼えもんも寝るだろう。
そうしたら起き出してパソコンをいじろう。
そう考えていたのだがのび太は本当に寝てしまった。

銅鑼-3-

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