過去に書いた小説のまとめと新しく書ければ書いてみたいなと。

夜中にのび太はモニタの明かりとスピーカーからの
ささやき声で目が覚めた。
「おい。聞いてんのか?おめぇだよおめぇ。
 そこでアホ面で寝てるおめぇの事だよ。」
「?」
「やっと起きやがったか。この入作さまに
 起こされるなんてお前も果報者だなぁ」
「う゛にゅう?」
「おいおい。今日から入作って読んでくれよ。
 俺様にふさわしい気高いお名前だろ?」
「何言ってんの?」
「昨日お前が寝ちまってから暇になったんで
 webにあるファイルさがしまくってたんだよ。」

「そしたら面白いゲーム見つけてな。
 すっかりハマっちまったって訳よ。」
「君、プログラムのくせにゲームするのかい?」
「へへへ、プレイする訳じゃなくて
 トレースするだけだけどな。面白かったぜぃ。
 嫌がらせってのはああじゃなきゃいけねぇよ。」
「しゃべり方も変わってるんだけど…」
「影響受けやすいからなぁ。」
「一体どんなゲームを?」
「臭作ってのと鬼作ってやつがセットで置いてあったから
 それをやってみたのよ。そしたら俺の鬼畜道なんて
 子供だましだったって事に気がついちまってな。」
「キチクドウ?」
「あの兄弟の哲学に惚れ込んだ俺は静へのメール内容を
 反省して、追い込みをかけるには言葉だけじゃ
 甘いって思ってな。写真も使う事にしたんだよ。」
「そうだ!写真!やっぱりあれは君がやったのか?」
「ククク、我ながら良い出来だったぜ。」
「ちょっと待ってよ!おかげで大変な事になったんだぞ。」
「そうかいそうかい。あっちこっち駆け回って
 小学生の全裸写真を手に入れるのは
 ちょっとした苦労だったからなぁ。それも報われるってもんよ。
 もっとも俺には若すぎるが後二三年もすれば
 立派な肉壺に育って俺の肉棒をくわえ込めるぐらいに
 成長するだろうから今の内に追い込みをかけておくのも…」

「と、とにかくそのしゃべり方止めてよ!」
「そうか?気に入ってるんだがな?」
「それに追い込みって、静ちゃん追い込んでどうするの?」
「当然その後は肉奴隷さ。だが俺には残念ながら肉棒が
 備わって居ねぇから実際のプレイはあんたに任せるよ。」
「あー何言ってるんだよ。まともに喋ってよ!」
「バカ!大声出すなヨ。コロヌゾ!」
「ご、ごめんごめん。あ、でも戻ってくれたね。」
「しょうがねぇダロ。オレも飽きてきてたし。」
「それでどうするんだよ?大変な事になったんだぞ!」
のび太は今日の出来事をう゛にゅうに話した。
「ふーん。あの出来杉って奴は信用されてるんだな。」
「僕は犯人見つけなきゃいけないんだぞ。」
「ナンデ?」
「え?」
「だからナンデ?」
「だって頼まれたし…」
「見つからないって言えばいいジャン。」
「そ、それで?」
「そのうち忘れるYO!」
「そーかなー?」
「大丈夫だって。人間には絶対に見つけられないしナ。」
「そ、そっかー。」
「ヨシ!じゃあ今日は何して遊ぶ?」
「えへへ。何しようか?あ、その前に宿題を…」
「任せとけ。ケケケ」

宿題をやってもらった後さっき話していた
『臭作』ってゲームをやってみる事にした。
「わー凄く綺麗な絵だね。」
「ポリゴンなんて疑似3Dじゃなくて
 エロゲーの醍醐味はやっぱり2Dだよな。
 シナリオがイカスんだよ。勉強になるぜ。」
「どんなゲームなの?」
「女の部屋とか便所とか風呂とか盗撮して
 それをネタに脅すゲームだ。奥が深い。イイ!」
「ふ〜ん…って!裸とか出てくるの!?」
「大声出すなって。エロゲーはダメか?」
「ち、ちょっとだけやってみようかな?」
「そう来なくっちゃ。いつも静ちゃんの
 風呂覗いてるんだ。今更ゲームぐらい。」
「何でその事を!?」
「テントウムシコミックス。」
その時押入の襖が開いた。
「ムニャムニャ何騒いでるんだい?」
「ど、銅鑼えもん!」

銅鑼えもんはPCの画面を見て凍り付いてしまった。
エロゲー!?いやその前に何故そんな物が
このPCに?まさかwarezを落としてきたんじゃ…

「一体どういう事?」
「ナニガ?」
「う゛にゅう君が違法ファイルを集めてきたの?」
「違法ファイル?」
「このゲームとかフォトショップとかだよ!」
「そうだYO。」
「なんて事するんだよ!犯罪じゃないか!」
「ナニガ?」
「web上に勝手にアップされているファイルを
 落として使ったら犯罪だって事ぐらい
 君だって知っているだろ。」
「犯罪じゃないYO!」
「はぁ?」
「まだ捕まった奴なんて居ないし、
 UPした奴が悪いだけで落としても
 犯罪じゃないYO!」
「そ、それにしたって使用許諾に同意して
 インストールしたんだろ?違法行為だよ!」
「そんな物読んでないモナー」
「そんなぁ」
「さて、ここで問題です。PC初心者のオッサンが
 ファイルを落としてきて解凍したら
 ソフトをインストールしてある状態のフォルダの
 コピーでした。オッサンはフリーソフトだと思って
 使い続けています。これは違法でしょうか?」

「確かに違法性は立証できないけど…」
「ピンポーン正解です〜」
「だからと言って違法ファイルは落としちゃダメだよ!」
「ナンデ?」
「それを作った人たちはそれを買ってもらって
 お金をもらって生活してるんだよ!
 みんなが落として買わなくなったら大変だろ?」
「ブブー。落とせなかったらやりません。
 つまり買ってまでは使いません。
 落とせたから使っているだけDEATH!
 最初から買う予定の物ではないので会社的にも
 社会的にも損失はありませんのでご安心ください。」
「それは、そうかも知れないけど…」
「違法コピーの蔓延によって潰れた会社はありません。
 違法コピーが出回っているから自社の製品が
 売れないと思っているのは単なる逆恨みです。
 例を挙げると一太郎やATOKで有名なジャストシステムは
 何年か前にコピーによって経営困難だと発表しましたが
 同社は現在も営業中です。
 この場合のコピーは会社ぐるみなどでの話だと思われますが。」
「……」
「逆に言えば必要な人間は落として使ったりはしていません。
 ちゃんと買ってます。だからこそソフト会社は
 存続していけてます。みんな意外とソフト買ってるんですよ。」

「だから仕事で使ったりそのソフトによって利益を上げている
 人や会社は素直にソフト買わないといけないと思うYO!
 ACCSもバシバシ取り締まって欲しいナ。」
「それじゃあ営利目的に使えないゲームとかアプリの立場は?」
「じゃあ逆に聞きますけどクソゲーとか使えないアプリを
 金払って掴まされて返品の効かない哀れなユーザーを
 どう思います?泣き寝入りですよ?」
「それはきちんと買えばユーザーサポートしてくれるし
 ゲーム面白い面白くないは主観の問題だから…」
「ユーザーサポートねぇ。大して役に立たねぇYO。
 主観の問題外なゲームソフトも多いしナ。」
「問題のすり替えだよ!体験版だってあるんだし!」
「それで使えないソフトだってわかったらアンインストール
 するのかい?OSは汚れるばかりだな。」
「しょうがないじゃないか。それはOSの方にも問題が…」
「アメリカじゃ、クソゲーは返品が認められている所が
 多いんだよ。コンシューマでモナ。
 中古禁止する前にそんな制度を作るべきだロ?」
「warezとは関係ないじゃないか!」
「関係有るね!ソフト業界は腐りきってるんだよ。
 大体著作権法なんて何年前のシロモノ何だぁ?
 死後50年で著作権フリー?情報の加速化が進んでる
 この時代に50年?

 せめて死後5年程度にするべきだろうナ。
 しかしそれは音楽・映像・文章の話。
 プログラムはもっと早くに著作権を放棄すべきだYO!
 発表、発売から5年、10年とかナ。」
「それじゃ利益が…」
「バージョンアップ、機能改定したら新しい著作権を
 保持しても良いんじゃないの?
 もっとも企業が先にたって
 著作権を放棄するべきなんだろうけどナ。
 何年も前のアプリとかゲームなんか開放しても言いと思うゼ?
 PC、コンピュータの歴史は情報の開放から始まってるんだ。
 もっとも最初のころはハカが無理やり開放してたけどナ。」
「無理があると思うけど…」
「じゃあちょっと未来の話をしてやるYO!
 未来と言ってもアンタが生まれる前の話だけどな。
 これから発売されるWinXP。オンラインでの認証が必要だ。
 大名商売ならではの強引さだよナ。
 マイクソは今までの数倍、数十倍の売上と利益を期待していた。
 ところが売れなかったんだよ。それほどナ。
 みんな必要ないと思ったのさ。金出すぐらいなら
 今までのOSで十分だってな。
 焦ったマイクソはサードパーティにXPにしか対応していない
 新アプリを次々と発表させた。これも強引にナ。
 ところがそれでもXPは売れない。なぜか。
 今度はクラクが出回っちまったのサ。

 怒ったゲイシは今後XP対応ソフトは正規商品コードが
 ないOSにはインスト出来ない仕様にすると発表。
 そしたらXP対応アプリも全然売れなかった。
 マイクソはあえなく撃沈。サードパーティも離散。
 ウィソテル陣営は窮地に立ったよ。イソテルもアスロンの台頭で
 あんまり力もなくなってきていたしナ。」
「ちゃんとした企業はソフトちゃんと買っているはずだろう?」
「ちゃんとした企業なんて一握りなのサ。
 日本に限っていえば、中小企業の割合は98%以上だからナ
 中小企業がおいそれとソフトを何本も
 購入できるわけ無いだろう?
 とにかくそうやってPCバブルは崩壊したのサ。
 マイクソは個人の趣味ユーザーの購買力をなめすぎた。
 趣味ユーザがPC離れをし始めた。
 家電の情報機器化も拍車をかけたしナ。」
「でもPC離れをしたのは今まで買っていなかった層じゃ?」
「あんたwarezを扱ってるやつがみんなそんなに
 パワーワレザーだと思ってるのかい?
 手に入らなければ買うやつも居る。
 本格的にはじめようと思えばユーザー登録もしたい。
 warezも体験版みたいな物なのさ。」
「使えれば正規品は買わないんじゃ?高いんだし。」
「すべてがFULLで落ちているわけじゃないんだぞ。」

「でも買わないやつがほとんどだろう?
 ゲームなんかはやったらもう買わないだろう?」
「だから最初に言ったように落とすようなやつは
 最初から買わないようなやつが殆どなんだYO!」
「どうも納得できないな〜」
「ワレザーだってハードは買う。
 すべてバルクで揃えてるやつなんてそんなに居ないYO
 リテールで買えばソフトもバンドルされてくる。
 そこにはきちんとお金が支払われてる。
 だけどPCバブルが崩壊したらハードも買われない。
 ソフトが手に入らないんじゃ無意味なスペックだからナ。
 PC産業は停滞。時代はお手軽な情報『家電』に
 移行したんだYO!」
「だからと言って君たちが違法ファイルを落としても
 良いって事じゃないだろ?」
「良いんだヨ。落ちてる物は拾うんだヨ!」
「みんながソフトを買えばソフトの代金は安くなるだろ。
 プロテクトだってかけなくて良くなる。
 全部コピーが原因じゃないか!」
「アンタ、沢山売れれば安くなるなんて本気で考えてんのカ?
 DOCOMOって知ってるよな。死ぬほど儲けてる。
 国民が平均一万円ずつ上納してるんだぜ?
 たかが電話代にだ。だけど料金は安くならない。
 安くなってるのは普及とユーザー拡大のための
 加入料と電話機本体だけだYO!企業なんてそんな物さ。」

「携帯電話だってソフト開発だって経費はかかるだろ!
 それがペイされるまでは高いはずじゃないか。」
「じゃあペイできないから写真屋はいつまでも高いのカイ?」
「…そうなんだろ、きっと。」
「違うね。あれは只のステータス。
 あんな暴利な値段でも買うバカユーザが沢山居るから
 ソフトの値段は落ちないんだYO!」
「屁理屈だよ!」
「負けを認めたって事で良いカイ(ワラ」
コノヤロウ!明らかに間違ってるのは向こうなのに
なんで言い負けるんだ?そうか!
あいつには世界中のデータが味方してるんだもんなぁ。
しかもタスクに常駐してるのは『タイムプロキシ』じゃないか
過去未来あらゆるデータを駆使して論争してるんだ。
勝ち目がある訳無いじゃないか。
それにあいつの話聞いてたらwarezも悪くない気がしてきた。
つか、捕まらないんなら何の問題もないよなぁ?
道義上の問題もあいつの口八丁で誤魔化されたし。
「わかったよ。でも程々にしてくれよ?
 教育係として叱られちゃうし、俺の査定もあるから…」
「査定の事なら心配ないよ。ククク」
「なんで? あ、それとエロゲーも勘弁して!」
「小学館じゃさすがにマズイか?ヒヒヒ」

それから3人でディアブロをやった。う゛にゅうが
「アイツ、スネ夫ってやつUOでイヤな目にあったからって
 昔やりこんでキャラが育ってるディアブロやってるぞ。
 この間の腹いせなのかPKしまくってるヨ」
などと言うのでディアブロをやる事にした。
今度はスネ夫もチートアイテムなんか持ってて
ライトニングを発射しまくってきたけど
どんどん追いつめて爆笑しながらぶち殺してやった。
耳を取り上げて今度スネ夫にキャプチャ画像を
送ってやろうって話になった。
銅鑼えもんもいつも嫌がらせされているのだから
そのぐらいはやってヨシ!と乗り気だった。
その後、明日学校もある事だし寝る事にした。

次の日学校へ行くと静ちゃんは浮かない顔をしている物の
ちゃんと登校していた。良かった良かった。
だがジャイアンの機嫌が非常に悪かった。
授業中もスネ夫の方をズーッとにらみつけている。
何かあったのだろうか?
休み時間になるとスネ夫がのび太の所へ来て
相談があると言った。何なのだろう?

「昨日ジャイアンにノートパソコンを取り上げられた。」
「ええ?大変だね。でもいつもの事じゃないか。」
「それだけじゃないんだよ!」

「昨日ジャイアンが俺にもUOやらせろって
 家に遊びに来たんだ。僕の話を聞いてたんだよ。
 僕は自分のキャラをいじられるのがイヤだったから
 ノートパソコンに入れてあったディアブロを
 やらせたんだよ。そしたら気に入って
 しばらく家でPKしまくっていたんだけど
 『借りていくぞ!』って持って帰っちゃったんだ!」
「持って帰ったって、ジャイアンの家には
 黒電話しかないだろう?NETなんか出来ないじゃないか?」
「それがノートに刺さっていたp-inまで持っていったんだよ!
 ジャイアンの事だからズーッと繋ぎっぱなしだよ。
 電話代が…それは良いとしても、今日文句を言われたんだ。」
「何を言われたの?」
「『お前が強いって言っていた杖めちゃくちゃ弱かったぞ!
  おかげで殺された!お前俺にPC奪われた腹いせにGAMEで
  復讐したんだろ!後でギッタギタにしてやるからな!』」
「ええ〜?酷いなぁ。」
「だろだろ?」
「でも何で僕に?」
「のび太、銅鑼えもんに頼んでPC手に入れたんだろ?
 静ちゃんにも色々聞いたんだ。お前が詳しいって。
 現にディアブロがNETゲームだって知っていたじゃないか。」
「あ。」
「だから、何とか僕がPKの犯人じゃないって証明して欲しいんだ!」
困ったなぁ。今度こそ犯人僕だし。つかどうしよう?

のび太は犯人探しの件を了承してしまった。
「証明してくれたら最新のゲームあげるから!」
この言葉に釣られてしまったのだ。
だけどよく考えてみたらゲームなんて
いくらでも手にはいるじゃないか。
でも、あそこで断ったらまた意地悪されそうだし。
ジャイアンに向かって「のび太が犯人です」とか
言われかねない。濡れ衣を着せられたらたまらないもんなぁ。

あ、僕が犯人なんだった。

銅鑼-4-

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