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ピクミン3 デラックス

 Wii Uで出たピクミン3に若干の追加要素を足してSwitch用ソフトとしてリリースした作品です。

 リアルタイムでやったピクミンは1だけでしたねえ。2をやった記憶はありません。2をやっていなかったから、Wii U版の3もやっていなかったんだと思います。

 ピクミンは、一言で言えばリアルタイムストラテジーゲームです。主人公はピクミンという動く植物のような生き物を何十体と引き連れて未知の惑星を冒険することになるのですが、このピクミンたちに指示を出して、敵を倒したり物を運んだり障害を除去したりしながら、期するところの目的を遂げるゲームです(「目的」の内容は作品ごとに違います)。主人公には戦闘力も運搬力もほとんどなく、ゲームの要である「戦闘」も「アイテム回収」もピクミンに指示を出す形でしか行えないわけです。後発の作品に例えるのも変ですが、私のやったことのあるゲームの中だと「あつめて!カービィ」や「三国志12」に似ています。リアルタイムストラテジーは多分世の中にたくさんあるのですが、そのジャンルにかわいくてファンシーな雰囲気を持ち込んだのが本シリーズの特徴なのでしょう。
 3の特徴は、主人公が3人になって分業と複数作業の同時進行の重要性が増していることと、岩ピクミン(体が硬く、脆いものを体当たりで壊せる+敵から踏まれても死なない)と羽根ピクミン(飛行可能)という新ピクミンが加わっていることでしょうか。2で新たに加わった白ピクミンと紫ピクミンはメインストーリーでは使えなくっているので、2をやった人はこの点を残念に思う場合もあるようです。
 メインストーリーのボリュームは少なめ(初心者がやってもEDに到達するだけであれば10時間くらいで終わると思います)ですが、サブ要素は充実していますし、ピクミンの楽しさはそのままなので、シリーズが好きな人はやってみましょう。

※私はリアルタイムストラテジーが苦手です。
 特に複数の作業を同時進行するとなるとワチャワチャになってワケが分からなくなります。前述の通り本作は主人公が3人に増えており、違う場所で複数の作業を同時進行させる必要のある局面は多いです。実はメインストーリーではそこまで意識しなくても大丈夫なんですが、サブ要素等で高評価を得るには、かなり意識して分業をしないといけません(それでもタイムはカツカツです)。
 苦手な理由はもうひとつあります。私はピクミンが死ぬのが嫌なのです。ピクミンシリーズでは、完璧にやれば犠牲ゼロでクリアをすることは十分可能なのでまだいいのですが、他のシリーズ(特にリアルな戦争を志向したタイプのストラテジーゲーム)では、犠牲者が不可避的に発生するものも多いと思われます。私は、犠牲者が発生するのが嫌なのです。特に三国志シリーズをやっている時なんか、この傾向が顕著に出ます。私が一番楽しいのは完璧な陣容の軍隊を作り上げている時間なのです。その「完璧な陣容の軍隊」ができ上がってしまえば、楽しい時間は終わってしまうのです。軍隊を作っているのは本来戦争をするためでしょうが、その本来の目的である戦争はやりたくはないのです。戦争をすると、どんなにうまく立ち回っても、最終的に勝利ができたとしても、犠牲者が出るからです。犠牲者が出ると、私が作り上げた軍隊の完全無欠性に疵がつけられてしまうのです。それがたまらなく嫌なのです。だからピクミンをやっている時も、一番楽しいのはペレットや敵の死骸を運んでピクミンを増やしている時なのです。
 ゆえに私は、指揮官や経営者には全く向いていないと思います。指揮官や経営者に求められる資質の一つに、最終的な勝利のために小さな(局地的な)敗北や犠牲に目をつぶるある意味での「無神経さ」があります。私にはこれが全くありません。全く何の犠牲も出したくないので、小さな部分にもこだわり抜き、その結果大局で負けてしまうのです。こういう人をトップに立たせてはいけません。向いているのは、蕭何みたいな調達係でしょうな。まあ、私が調達したものを他の人が無神経に使ってすり減らしてくるのも本当は嫌なんですけどね。

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