2017年9月28日放映の「とんねるずのみなさんのおかげでした」を見た。今回は番組の30周年記念スペシャルだった。
�‐个辰討いい箸發離僖蹈妊�
お台場にいいとものスタジオを完全再現し、タモリ・鶴瓶と絡んでいた。タモリは相変わらず全力でやってはいないのだが、鶴瓶を3人でイジるのはそれなりにおもしろかったんじゃないかな。
�△箸鵑佑襪困鯒颪瓩茲�
みやぞんの自宅に突撃していた。もっと、ムチャクチャにしていいと思う。色々やってはいたが、酒をこぼしたり鯛を落としたりといった地味な内容が中心だったので、絵面のインパクトが足りなかった。もっとカラフルでモクモクでパチパチした分かりやすい感じの方がいいと思う。みやぞんの家がそんなに広くなかったので、あんまり派手なことはできなかったということだろう。
あと後半の歌ネタ芸人が出てくるクダリではとんねるずの芸人イジリが活きていたので、なかなか良かった。
��たけしと銀座ブラリ
前半はたけしととんねるずの3人で銀座での食い物屋のロケをやっていた。ボケの主役はたけしであり、銀座なのに富士そばに入ったり、全然回らないルーレットで石橋を何度も撮影交渉に行かせたりしていた。
たけし相手だととんねるずがあまりムチャクチャしない（特に石橋が大人しい）のでとんねるずの良さも消えていたし、たけしの振る舞いにはもっとツッコミを入れてやった方がいいのにそれもなかった。あんまり、相性が良くないと思う。
後半は「スナックお約束」というお店で色々なコントをやっていた。ボケの主役は今度はスナックのホステス達（おそらく、何らかの演者）になっていた。それなりには、おもしろかった。最後にはたけしととんねるずが揃って熱湯風呂に入っていた。
�ち輊�
とんねるずの芸風の問題点は、とんねるず自身が戦場に降りて泥まみれになることなく、櫓の上から後輩芸人たちに矢を射ているだけなので、ともすればイジメのように見えてしまうところである。彼らは、「全落」でも頑なに落ちようとしない。「買うシリーズ」でも何も買おうとしない。
たけしやタモリみたいな先輩と絡ませるととんねるずを戦場に引きずり下ろすことができるのでそれはいいのだが、生意気にグイグイいくとんねるずの良さも消えてしまう。それは結局、とんねるずの実力の限界でもある。鶴瓶みたいなとんねるずがグイグイ行ける先輩であればしっかりおもしろくなるのだから、先輩と絡む時はそこを肝に銘じておいて欲しい。
別に、生意気にグイグイいくのはダウンタウンもできることだし、松本にはとんねるずにないワードセンスと瞬発力がある。やっぱり、ダウンタウンの方がいいんじゃないかなあ。
＜2017.9.30追記＞
��のたけし企画で石橋が扮していたキャラクター「保毛尾田保毛男」について、LGBTの関連団体が男性同性愛者を差別する表現として抗議し、フジテレビの社長が「不快な面をお持ちになった方がいたことは、テレビ局としては大変遺憾なこと。謝罪をしないといけない」という趣旨のことを述べたというニュースが伝わってきました。
筆者がオンエアで「保毛尾田保毛男」を見た時の感想は、「今これやると問題になるんじゃないかな」ぐらいのものでしたが、案の定、という感じです。設定的には「保毛尾田保毛男がゲイかどうかはあくまで噂」ということのようですが、それで言い逃れできるもんではありません。保毛尾田保毛男なんて名前で、あの風貌と衣装なんだから、普通の人が見れば、ゲイを笑うために作られたキャラクターなんだなというのは容易に分かります。
で、ここからは私の意見です。
そもそも笑いというのは、ズレから生じるものです。チビ・デブ・ハゲ・ブスみたいな「多数派」とは異なる特徴はこのズレの一つであって、どうしても笑いが生まれる種になります。笑われる方は嫌かもしれませんが、そういう「少数派」を排斥し、多数派みんなでこれを笑いあうことによって多数派の連帯を高めるのが笑いという感情の作用だと思っています。生贄を使って元気になる、っていう醜い感情なんです。笑いっていうものは。そうやって他人をバカにすることで快を得る醜い動物なんです。人間っていうものは。
まあ、それを「醜い」と評価するかどうかは意見の分かれるところかとは思いますが。
笑われる方には、笑われてもいい人と、笑われたくない人がいます。チビやハゲやデブやブスにも、そのことを笑われたくない人がいるでしょう。LGBTも一緒です。そして、笑われたくない人が笑われたことに文句を言うのは自由です。そういう意味で、それを笑われることを不快に感じた人がフジテレビに抗議するのは全くもって自由であります。ただ、それが行き過ぎて社会にそれを笑ってはいけない空気が生まれてしまうと、逆に窮屈だと感じる人もいることでしょう。この国には障害者の障害を笑うのは良くないことだという空気がまだまだ存在します。そのために、障害者への接し方はどこかぎこちなく、他人行儀でよそよそしい状態になってしまっており、それに嫌気がさしている方々もいます。NHKのバリバラという番組は、そういう空気を打破しようという試みで番組作りがされています。
ただ、だから笑われることを全面的に許容せよと言うつもりは毛頭ありません。前述のように笑われたくない人が笑われたことに文句を言うのは自由です。それを止めるつもりはありません。ただ逆に、笑われてもいい人たちが笑われることも、また止められるものではありません。そして笑われる方が笑われることを許容して初めて、社会に市民権を得たと言えるのではないでしょうか。「笑うな」ということを言い過ぎると、LGBTも今の障害者のような「腫れ物」になってしまうかもしれません。それは、不健全でしょう。
とはいえフジテレビも、今の時代に「保毛尾田保毛男」を出すからには、なんとなく出すのではなくて、バリバラのようなメッセージ性をもっと分かりやすく持たせるべきではなかったかという意見もあり得ると思います。しかし、私はそうは思いません。そういうメッセージ性があると、それはそれで笑いを阻害します。真面目な感じが出てしまって、見る方も身構えてしまうからです。
本来、なんとなく出して自然体で笑えるというのが一番社会に受け容れられた状態なんです。フジテレビも、そこまで考えて敢えてなんとなく出したのかもしれません。筆者もそこまで考えてのことだと思ったからこそ、本稿の初稿段階では保毛尾田保毛男に全く触れなかったわけですが、社長が謝罪をしてしまったことで何も考えてなかったんだなという感が強くなってきました。そこまで考えていたのであれば、すぐ頭を下げるのではなくて説明をするべきでしょう。
一つだけ確かなことは、今回の「保毛尾田保毛男」はそれほどキャラクターに沿った言動もなく、そんなにおもしろくなってはいなかったということです。これは最悪なので、反省しましょう。そもそも同性愛者を笑うというのは大昔から行われている古臭い手法であるため、何も考えずにポンと出しただけではさほどの笑いが生まれないということは肝に銘じておくべきです。保毛尾田保毛男をやるべきではなかったとしたら、それを見て不快に思う人がいるからではなく、おもしろくないからです。
保毛尾田保毛男というキャラクターは、七三分けで青髭、スーツ姿で片手に扇子を持っており、異性愛者が考えるようなステレオタイプのゲイの恰好をしています。そして、ゲイはあんな人ばっかりではありません。それはその通りです。ただ、そういう特徴の誇張や間違った特徴の上乗せは笑いでよく使われる手法です。チビをギャグ漫画に出す時も、必要以上に小さく描きます。現実にそんなに小さい人はいません。早口の人のモノマネをするときも、必要以上に早口にします。だから、そういう誇張や間違いが「差別や誤解を助長する」などといった理由で禁止されるべきものだとは思いません。その誇張や間違いを「やりすぎだ」「おかしい」ツッコむことで、また笑いが生まれるんです。そして、それが間違いだとツッコめるようになった時が、真に社会で市民権を得られた時だと思います。
�‐个辰討いい箸發離僖蹈妊�
お台場にいいとものスタジオを完全再現し、タモリ・鶴瓶と絡んでいた。タモリは相変わらず全力でやってはいないのだが、鶴瓶を3人でイジるのはそれなりにおもしろかったんじゃないかな。
�△箸鵑佑襪困鯒颪瓩茲�
みやぞんの自宅に突撃していた。もっと、ムチャクチャにしていいと思う。色々やってはいたが、酒をこぼしたり鯛を落としたりといった地味な内容が中心だったので、絵面のインパクトが足りなかった。もっとカラフルでモクモクでパチパチした分かりやすい感じの方がいいと思う。みやぞんの家がそんなに広くなかったので、あんまり派手なことはできなかったということだろう。
あと後半の歌ネタ芸人が出てくるクダリではとんねるずの芸人イジリが活きていたので、なかなか良かった。
��たけしと銀座ブラリ
前半はたけしととんねるずの3人で銀座での食い物屋のロケをやっていた。ボケの主役はたけしであり、銀座なのに富士そばに入ったり、全然回らないルーレットで石橋を何度も撮影交渉に行かせたりしていた。
たけし相手だととんねるずがあまりムチャクチャしない（特に石橋が大人しい）のでとんねるずの良さも消えていたし、たけしの振る舞いにはもっとツッコミを入れてやった方がいいのにそれもなかった。あんまり、相性が良くないと思う。
後半は「スナックお約束」というお店で色々なコントをやっていた。ボケの主役は今度はスナックのホステス達（おそらく、何らかの演者）になっていた。それなりには、おもしろかった。最後にはたけしととんねるずが揃って熱湯風呂に入っていた。
�ち輊�
とんねるずの芸風の問題点は、とんねるず自身が戦場に降りて泥まみれになることなく、櫓の上から後輩芸人たちに矢を射ているだけなので、ともすればイジメのように見えてしまうところである。彼らは、「全落」でも頑なに落ちようとしない。「買うシリーズ」でも何も買おうとしない。
たけしやタモリみたいな先輩と絡ませるととんねるずを戦場に引きずり下ろすことができるのでそれはいいのだが、生意気にグイグイいくとんねるずの良さも消えてしまう。それは結局、とんねるずの実力の限界でもある。鶴瓶みたいなとんねるずがグイグイ行ける先輩であればしっかりおもしろくなるのだから、先輩と絡む時はそこを肝に銘じておいて欲しい。
別に、生意気にグイグイいくのはダウンタウンもできることだし、松本にはとんねるずにないワードセンスと瞬発力がある。やっぱり、ダウンタウンの方がいいんじゃないかなあ。
＜2017.9.30追記＞
��のたけし企画で石橋が扮していたキャラクター「保毛尾田保毛男」について、LGBTの関連団体が男性同性愛者を差別する表現として抗議し、フジテレビの社長が「不快な面をお持ちになった方がいたことは、テレビ局としては大変遺憾なこと。謝罪をしないといけない」という趣旨のことを述べたというニュースが伝わってきました。
筆者がオンエアで「保毛尾田保毛男」を見た時の感想は、「今これやると問題になるんじゃないかな」ぐらいのものでしたが、案の定、という感じです。設定的には「保毛尾田保毛男がゲイかどうかはあくまで噂」ということのようですが、それで言い逃れできるもんではありません。保毛尾田保毛男なんて名前で、あの風貌と衣装なんだから、普通の人が見れば、ゲイを笑うために作られたキャラクターなんだなというのは容易に分かります。
で、ここからは私の意見です。
そもそも笑いというのは、ズレから生じるものです。チビ・デブ・ハゲ・ブスみたいな「多数派」とは異なる特徴はこのズレの一つであって、どうしても笑いが生まれる種になります。笑われる方は嫌かもしれませんが、そういう「少数派」を排斥し、多数派みんなでこれを笑いあうことによって多数派の連帯を高めるのが笑いという感情の作用だと思っています。生贄を使って元気になる、っていう醜い感情なんです。笑いっていうものは。そうやって他人をバカにすることで快を得る醜い動物なんです。人間っていうものは。
まあ、それを「醜い」と評価するかどうかは意見の分かれるところかとは思いますが。
笑われる方には、笑われてもいい人と、笑われたくない人がいます。チビやハゲやデブやブスにも、そのことを笑われたくない人がいるでしょう。LGBTも一緒です。そして、笑われたくない人が笑われたことに文句を言うのは自由です。そういう意味で、それを笑われることを不快に感じた人がフジテレビに抗議するのは全くもって自由であります。ただ、それが行き過ぎて社会にそれを笑ってはいけない空気が生まれてしまうと、逆に窮屈だと感じる人もいることでしょう。この国には障害者の障害を笑うのは良くないことだという空気がまだまだ存在します。そのために、障害者への接し方はどこかぎこちなく、他人行儀でよそよそしい状態になってしまっており、それに嫌気がさしている方々もいます。NHKのバリバラという番組は、そういう空気を打破しようという試みで番組作りがされています。
ただ、だから笑われることを全面的に許容せよと言うつもりは毛頭ありません。前述のように笑われたくない人が笑われたことに文句を言うのは自由です。それを止めるつもりはありません。ただ逆に、笑われてもいい人たちが笑われることも、また止められるものではありません。そして笑われる方が笑われることを許容して初めて、社会に市民権を得たと言えるのではないでしょうか。「笑うな」ということを言い過ぎると、LGBTも今の障害者のような「腫れ物」になってしまうかもしれません。それは、不健全でしょう。
とはいえフジテレビも、今の時代に「保毛尾田保毛男」を出すからには、なんとなく出すのではなくて、バリバラのようなメッセージ性をもっと分かりやすく持たせるべきではなかったかという意見もあり得ると思います。しかし、私はそうは思いません。そういうメッセージ性があると、それはそれで笑いを阻害します。真面目な感じが出てしまって、見る方も身構えてしまうからです。
本来、なんとなく出して自然体で笑えるというのが一番社会に受け容れられた状態なんです。フジテレビも、そこまで考えて敢えてなんとなく出したのかもしれません。筆者もそこまで考えてのことだと思ったからこそ、本稿の初稿段階では保毛尾田保毛男に全く触れなかったわけですが、社長が謝罪をしてしまったことで何も考えてなかったんだなという感が強くなってきました。そこまで考えていたのであれば、すぐ頭を下げるのではなくて説明をするべきでしょう。
一つだけ確かなことは、今回の「保毛尾田保毛男」はそれほどキャラクターに沿った言動もなく、そんなにおもしろくなってはいなかったということです。これは最悪なので、反省しましょう。そもそも同性愛者を笑うというのは大昔から行われている古臭い手法であるため、何も考えずにポンと出しただけではさほどの笑いが生まれないということは肝に銘じておくべきです。保毛尾田保毛男をやるべきではなかったとしたら、それを見て不快に思う人がいるからではなく、おもしろくないからです。
保毛尾田保毛男というキャラクターは、七三分けで青髭、スーツ姿で片手に扇子を持っており、異性愛者が考えるようなステレオタイプのゲイの恰好をしています。そして、ゲイはあんな人ばっかりではありません。それはその通りです。ただ、そういう特徴の誇張や間違った特徴の上乗せは笑いでよく使われる手法です。チビをギャグ漫画に出す時も、必要以上に小さく描きます。現実にそんなに小さい人はいません。早口の人のモノマネをするときも、必要以上に早口にします。だから、そういう誇張や間違いが「差別や誤解を助長する」などといった理由で禁止されるべきものだとは思いません。その誇張や間違いを「やりすぎだ」「おかしい」ツッコむことで、また笑いが生まれるんです。そして、それが間違いだとツッコめるようになった時が、真に社会で市民権を得られた時だと思います。
最新コメント