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プリンセスピーチ Showtime!

 ピーチ姫が主人公のアクションゲームです。ゲームは基本サイドビューの2Dアクションですが、奥や手前にも若干移動できるタイプです。
 ステージクリア形式であり、ピーチはステージごとに色々な職業に「変身」することになります。この変身はマリオの変身のようなものであり、それぞれ固有の衣装と能力を持っています。「能力の異なる色々な衣装」というキーワードだけ聞くと『バランワンダーワールド』みたいですが、本作のクオリティはそれなりにちゃんとしているので心配は無用です。「変身」の中には、お菓子作りのミニゲームが主になる「パティシエ」や、ポイント&クリック形式の謎解きが主になる「探偵」といった変化球もあり、これがいい塩梅でプレイヤーの飽きを防止してくれます。
 ボリュームは短く(ラスボス撃破までなら10時間程度、その他諸々の要素をコンプリートしても15時間〜20時間程度でしょう)、全体的な難易度も低めなので、ピーチ姫ファンのお子様がメインターゲットのゲームのような気がしました。ピーチが変身時に見せる衣装はどれも凝っており、彼女の「コスプレ」を愛でるゲームという側面もあるので、「全年齢対象になったStellar Blade」という言い方もできるかもしれません。あっちが男性ファン向けの深夜アニメなら、こちらは女児向けのプリキュアといった感じでしょう。
 問題点は、各ステージにムービー的な演出(=プレイヤーが動かせない時間)や、先に進むためにクリアしなければならないミニゲームやらQTEやらが多く、そのスキップもほとんどできないことでしょう。そのくせ各ステージの集め物はステージを最後までクリアしないと獲得した扱いにならないうえに、意地悪な隠され方をされている場合やそれなりに難易度の高いミニゲームを完全クリアしなければ獲得できない場合が結構あり、何の攻略情報もなしにコンプリートを目指す場合は、十中八九同じステージを何周もする必要が生じます。そのたびに飛ばせないこれらの演出を見せられたり、一度クリアしたミニゲームを再びクリアしなければならなかったりするので、退屈なのです。しかも集め物の中にはラスボスを撃破することで初めて各ステージに配置されるものまで存在します。制作側としては、やり込み要素として入れ込んだのでしょうが、コンプリートは結構な苦行になります。

 まあ、そんな感じです。Metacriticのメタスコアは2024年5月4日時点で74点でしたが、ど真ん中それぐらいのゲームです。「任天堂だから」という理由だけでわざわざ手を出すほどのものではありません。

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