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 2018年1月2日放映のめちゃイケを見た。

 今年の3月に終了するめちゃイケは、終了の発表後まず人気企画のテストと数取団を視聴者にぶつけてきたが、その次に来たのが「中居くんの日本一周」だった。これもこの番組恒例の大型企画であり、今回も3時間半のスペシャルだった。

 中居くんの日本一周は、台本ありきのコントである。「中居くんを楽しませる」(=フリ)ために始まったはずの日本一周旅行で、中居くんがひどい目ばかりに遭う(=ズレであり、ボケ)というコントである。番組の最後に「この番組はフィクションです」と出た通り、ドキュメンタリーではない。今回のオンエアも、設定上は大晦日から元日にかけて撮影をしたということのようだったが、それも本当かどうかははっきりしないものである(1月2日の放映に向けて編集をするとなると、相当タイトなスケジュールになるだろう)。あくまでドキュメンタリー風味に撮っているコントに過ぎず、別々の日に撮った映像を連続して撮ったように編集でつなげた可能性も大いにある。そして、ドキュメンタリー風味に撮るのは、そうすると中居くんが遭うひどい目がマジで起きているハプニングに見えて、視聴者のハードルが下がったままの状態で意表を突けるからである。これが、めちゃイケのお家芸の「ドキュメンタリーコント」という手法である。

 そして今回もこの「コント」はほぼこちらの予想通り進んでいった。中居くんは、「今回は日本一周もファイナルなので本当にやりたいことをかなえてあげる」という触れ込みでアンケートに答えさせられていたのだが、オンエアではケチャップ風の塗料を浴びせられたり、私物のバッグを海に沈められたり、ゲームをさせられてローションまみれになったりと散々な目に遭い、アンケートに書いた希望は不十分な形でしか叶っていなかった。ただ、日本一周ももう11回目なので、中居が最終的にひどい目に遭うということや、その内容は予想がついてしまう。見ている方としても乾いた笑いしか起きない。
 更に今回はめちゃイケが終了するに当たり、最後に中居との関係にも決着をつけておこうという意識が強かったのか、内輪感が半端ない内容に仕上がっていた。博多華丸・大吉とナイナイ及び中居とのトークも5人の若い頃の思い出話に終始しており笑いどころはなかったし、最後に中居のプロデュースでめちゃイケメンバーに披露したミニ演劇(ナイナイの少年時代からとぶくすりの開始時までの再現ドラマであった)も、内輪であるめちゃイケメンバーは楽しく見られるのだろうが、こちらにそれを見せられても苦痛でしかなく、「本物の打ち上げでやれよ」と思ったほどである。オンエアして視聴者を付き合わせるようなものではない。
 最後の最後に中居がウォータースライダーに落とされ、山本も登場したからまだ救いがあったが、このミニ演劇はチャンネルを変えたくなるほどに長かった。むしろ長かったからこそフリとしては利いており、「このまま感動路線で終わっちゃうのかな。まためちゃイケの悪い癖が出たな」と思っていたところで意表を突かれ、少し笑ってしまった。ただ、少ししか笑いは起きなかったので、尺の割にもらいが少ない。むしろ、そこまで長い尺でフリをやらないと視聴者の意表を突くことができないほどこのシリーズがマンネリ化しているということだと思うので、手放しでは喜べない。

 トータルで一番おもしろかったのは、男性メンバーが全員でお気に入りのキャラクターに扮装するクダリで、有野のキダ・タローというチョイスが意味不明だったところになってしまう。寂寥が、止め処ない。

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