ファイト・クラブ

この映画はもう4,5回は見ていますが、正直言ってあまり好きな映画ではありません。その理由は映画なのに言葉としての説明が多いこと…? うまくいえませんが、エドワート・ノートン演じる主人公の「ぼく」のナレーションが最初から最後まで入っていて、その調子がまるで小説。しかも、自分が崩れていく様を人間の臓器にたとえるという意味不明な比喩。

わたしは映画も小説も大好きなのですが、映画には映画の良さ、小説には小説の良さってものがあると思うのです。セリフが少なく目に見えるものすべてが物語っているような作品を見ると感動します。小説は、地味な文字ばかりの世界にいつの間にか引き込まれて、こんなわたしでも想像力がたくましかったんだと思わせてくれるところに快感してしまいます。

べつにナレーションが悪いとかいうのではありません。その作品に沿ったもの、それが効果的であれば自然と受け入れられるものです。「ファイト・クラブ」の語りはまったくむやみやたらと言っていいくらいだと思います。映像が(もともとデヴィッド・フィンチャー監督は映像が売りのはずだったのですが)そこそこ凝った創りなのでなおさらです。
2005年12月21日(水) 07:00:53 Modified by miu511




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