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○痛くなかった歯を治療したら痛くなったのは<詰めた>。

○痛くなかった歯を治療したら痛くなったのは<根の治療をした>。

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○EBM どんな論文を調べるのか
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○EBM システィマテックレビューとは
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○testEBM RCTの助成金をチェック
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○testEBM RCTの批判的吟味どこから
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○testEBM RCTの脱落ITT
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○testEBM RCTのマスキング
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○testEBM RCTのベースラインの差
http://www.youtube.com/watch?v=xygp9e_n1P4

○testEBM RCTの結果の大きさ
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手元にある論文を読んでみよう


○抜歯後の穴に薬剤を入れてドライソケットの予防になる?TCコーンは、エビデンスないと思っていたけど、調べる必要があるのかな〜。
http://zoome.jp/ebm/diary/1
http://zoome.jp/ebm/diary/2




論文を探して読んでみよう

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研究デザインの概論

研究デザインの概論

1:なぜ研究デザインを知らなければならないのか?

研究デザインを知ると、その研究の問題点などが簡単に理解できるため、論文を理解するのが簡単になります。研究デザインを理解するまでに、チョッと苦痛ですが、その壁を乗越えないといつまでも論文を読むのが苦痛になってしまいます。研究デザインは、ほとんどの臨床研究が守っているルールであります。すなわち交通標識みないなものです。いったん理解すれば、ほとんどの論文に役立ちます。ここでは、その概論として簡単に説明します。

もう一つの利点があります。すなわち現在、情報は過剰にあります。そこで情報の重要度がわかれば良いと思いませんか?それを客観的・簡便に評価することに研究デザインを使うという発想です。当然、研究デザインが立派でも実際の内容は不十分ってこともありますが、とりあえずの読む順番程度の目安にしてしまおう、ということだと思ってください。

そこで、論文を読むときに最重要のサンプリングの問題を後回しにして、まず研究デザイン(コントロールを中心として)の問題を取り上げます。

研究デザインを学ぶことが、EBMのステップ3の中心になります。また、ステップ2にも利用されます。EBMは、決してステップ3だけではありませんが、皆さまの苦手がステップ3である場合が多いです。よって、この総論で研究デザインの流れを掴んでしまいましょう。重要な点は、何度も繰り返しますね。

はっきり言って、これまでコホート研究ってなに?と思われている方や聞いただけで頭が痛くなる方が、以下の文章を読んでもツライです。でも、何かしら始めなければ始まりません。以下の文章は、極めて簡単にしてあるわけではありません。簡単にすると、今後の理解の妨げになる理解をしてしまうからです。そこで、今後、いろいろな研究デザインを理解していけるように記載しました。ともかく、一度トライしてみてください。
2:どのような研究デザインがあるのか?

ランダム化比較試験、コホート研究、ケースコントロール研究などが上げられます。これまでにも、目にしたことがあると思いますが、用語が統一されていませんので注意する必要があります。

うっ!さっそく、コホート研究なる文字で頭が痛くなった方はいませんか?実は、それほど難しくないですよ。まあ、気軽に考えて次へ行きましょう!
3:そもそも臨床研究とは、どのようなものか?

臨床研究は、単なる症例報告ではなく実験であることを、しっかりと認識してください。実験ですから、何かの行為を患者に行うわけです。この行為を「介入」とか「暴露」と言います。これを「治療」と言わないところがミソで、使い慣れない「介入」・「暴露」を使うのです。「介入」・「暴露」って聞くと、いや〜気持ちになる方も、簡単に考えると良いと思います。

さて、この実験を以下のように述べますね。

「ある状態(不良のことが多い)(O1)患者に対して、医療判断に従ってある行為(X1)を行った場合、違う状況(良好であることが望ましい)(O2)になる」

すなわち、X1の原因に対してO2の結果を与える因果関係の問題として、「介入」・「暴露」を行い、医療判断の決定に役立つ根拠を得るための臨床研究を論じるわけであります(図1、1)。このように書くと、高尚な感じがするでしょ。

さて、これだけだと幼稚な実験なのです。おっと、僕はこれまで、実験というとこれだと思っていたという方も多いでしょう。でもそれは、大学まで、卒業後はもう少しレベルがアップされます。

繰り返します、このようなX1の実験・介入を行った場合にO2の状態になる研究を、いわゆる実験とよぶわけです。でも、X1を行う前の状態(O1)が判っていた方が良いと思いませんか(図1,2)。

また、時間的経過を考えると、X1なる行為を行わなくても、自然にO1なる状態からO2の状態へ移行した可能性も否定できませんよね。よって、X1によって行ったO2を正しく測定するためには、図1,3のように、「O1→X1→O2」(実験群)と「O'1→O'2」(対照群)を比較することが、必要な気がしませんか(これを内部妥当性の確保という)(もしくは、「O'1→X2→O'2」との比較)。

この対照(コントロール)群を作ることが、医学研究で極めて重要なことです。これがなければ、金のお財布の宣伝と変わらなくなってしまいます。単なる症例報告では、コントロール群はありません。しかし、稀な疾患の場合、症例報告も重要です。しかし、コントロールがあればより正確となります(たとえば、過去の文献をコントロールとして考える)。

すなわち、臨床研究の文献(基礎研究でも同じ)を読む場合、必ずコントロール群に注目してください。コントロール群とのどのような方法で比較しているかで研究デザインの大枠が決まりますし、比較を気にしながら読むのが臨床研究の文献の読み方の2番目に重要な点だと思ってください(一番は、サンプリング法)。

うーん、チョッと難しくなってきましたけど、あと一息!

次に、O1とO'1の実験前の状態に差があってはならないことは当然でありますね。そして、ただ単にO1とO'1とを現在判明している範囲で同じ状態にするだけならば、実験群と対照群を、いろいろな項目(たとえばね年齢・性など)が同じになるように割付けていけばよいですね。しかし、この方法だと、未知のバイアス(違い)までを均等に割付けることはできません。

そこで、2群をランダムに割付ける手法が用いられるのです。すなわち、実験者の意図が入らないように、くじ引きで実験群と対照群を割振ってしまうのです。これを難しく言うと「O1=O'1」とすることより内部妥当性がよりいっそう高まるというわけです。

すなわち、図1、4の如くランダムに割付けた一方の対象に実験X1を行って得たO2と実験X1を行わすに得たO'2を比較し差があれば、それはもとよりX1の行為そのものによるものであると、因果関係が推論(あくまでも推論でありますよ)されるわけなのですが、わかりますか?


図1 因果関係の推論のための研究デザイン


1.     X1→O1      (1群事後テストデザイン:原因→結果)

2.  O1→X1→O2     (1群事前テスト事後テストデザイン:前実験)

3.  O1→X1→O2 
            比較 (不等対照群事前テスト事後テストデザイン:準実験)
   O'1――→O'2 
  (O'1→X2→O'2)

4.           O1→X1→O2
  ランダム割付け         比較 (事前テスト事後テストデザイン:ランダム化比較試験)
            O1――→O'2
           (O'1→X2→O'2)


O:観察または測定、X:実験、暴露または介入

さて、この図1の4のランダム化比較試験のみを実験とよぶ科学者も多いので、それ以外は実験ではなくなってしまいます。しかし、医学研究の世界では、どれも実験であります。また、実験というと基礎研究を指し、臨床実験は臨床研究って呼ぶことが多いようですね。
4:臨床研究は、実験のみか?

ところが・・・・・、非常に稀で一年間に数人しか集まらないような疾患に対して、ランダム化比較試験ができるでしょうか?数人では、実験できないので数十人集めるため十年頑張りますか?そりゃ不可能ですよね。そこで、ケースコントロール研究なる研究があります。すなわち、現在その疾患である人を頑張って探してきます。そして、その対照としてその疾患でない人を集めます(こちらは簡単ですね)。そして、その人たちが過去にどのような行為を受けたかを調べるのです。

これだと、新しい治療法のことは調べれませんよね。たとえば、肺がんの患者に、過去にタバコを吸ったことがあるかを聞くなどの研究になります。このタバコを吸う行為を「暴露」と言います。


もう一つの角度から、ケースコントロール研究の必要性を述べます。先の肺がんの患者に、過去にタバコを吸ったことがあるかを聞くなどの研究は、ケースコントロール研究ですね。逆に考えると、先のランダム化比較試験は、健康な人にタバコを吸ってもらって肺がんになるかを調べることですね。

わかりましたか、健康な人に、肺がんになるまでタバコを吸ってもらうより、肺がんの患者にタバコを吸ったかどうかを質問するほうが倫理的じゃありませんか。すなわち、理論的に健康な人に、肺がんになるまでタバコを吸ってもらうなどの研究が考えられても、実際は倫理的に不可能なことが、医学研究では多いということです。

ですから、いろいろな研究デザインが開発され、より効率的に倫理的に、医学の発展と真実の追究のために、臨床研究がなされてきました。戻りますと、研究者もただ単に思いつきで研究するより、このような先人の知恵で開発された研究デザインを利用したほうが、より臨床研究が効率的ですね。

それは、臨床研究の論文を読む私たちにもつながります。ですから、研究デザインを知っておくと、お得なのですV(^^)V。
5:各研究デザインの利欠点は?

これは、各論で述べられることです。ただ、研究デザインからのみ言えば、因果関係の推論が行いやすい研究が、ランダム化比較試験といえます。しかし、ランダム化比較試験の研究デザインであっても、実際の研究がいいかげんでは意味がない研究と言えるでしょう。
6:各研究デザインの用語とは?

最も理解してもらいたいのが、ランダム化比較試ですが、「ランダム化比較研究(ランダム化比較実験と言っても良いのですが、試験と表現する事が多いので、あえて試験としました」、「無作為割付臨床試験」、「無作為化比較試験」、「確率化比較試験」、「random allocation study, randomized controlled trial, randomized clinical trial(RCT)」などとも呼ばれていますが、最近ではランダム化比較試験が一般的です。

その他の研究デザインを少しながめてみましょう。

図2 各種研究デザイン


実験experimental design、準実験 quasi-experimental design
観察的研究、実験的研究、
量的研究、質的研究
横断研究、縦断研究
前向き研究(プロスペティグ研究、コホート研究)、後ろ向き研究(レトロスペクティブ研究)、
一次研究、二次研究(デスクアナリシス)
探索的データ解析(exploratory data analysis)、検証的/確証的(confirmatory)
ランダム化比較試験、ネステッド・ケースコントロール研究、ケースコントロール研究、
クロスオーバ研究…

図2の各種研究デザインでは、できるだけ分類方法に合せて並べたのですが、若干疑問に思われた方もみえると思います。それは、用語に混乱があるからで、本章では混乱を説明しながら解説いたします。まず、これらの研究デザインを考える場合は、必ず時間軸と対照の設定を考えてください。すなわち、「過去⇒現在⇒未来」であります。

簡単に説明しますと、現在ある集団を決めておき、未来に向かって経過観察をしていくのが前向き研究で(現在⇒未来)、過去の状態を調べるのが後ろ向き研究(過去←現在)です。すなわち、前向き研究では、経過観察が3年行うならば、今より3年後にしか結果はでませんし、発表もできません。しかし、後ろ向き研究では、患者から過去の状態を問診したり、過去のカルテを調べるなどにより直ぐにでも結論が得られ発表できるわけです。

このなかで前向き研究を特に、ある集団(コホートと言います)を決めて経過観察を行うので、前向きコホート研究(ただ単にコホート研究とよぶこともある)と呼ぶことが多いです。前向きコホート研究とだけ言うのでしたら、別に対照がなくてもかまいません。この前向きコホート研究の中で決めたある集団(コホート)をランダムに2群(2つのアームarm)に分けて(片方の群が対照になる)、片方の群または療法の群に異なる介入(治療、実験)を行うのを特にランダム化比較試験と言います(これは、上で説明したことと同じですね)。

たとえば、喫煙の有無と口腔癌の関係を調べる場合を考えてみます。現在、ある健康な喫煙・非喫煙者の混じった集団(コホート)を集め、将来口腔癌になるかを調査すれば、前向きコホート研究で、現在から未来へ進みます。一方、喫煙の有無など既にわかっていることを現在の時点で分けても、ランダムに分けているのではないので、ランダム化比較試験とは呼ばずに単なる前向きコホート研究の中の一つとなります。しかし、もし喫煙者のみの集団を選び、ランダムに禁煙指導を行った群(介入群、治療群、実験群)と行っていない群(対照群)という介入を行って経過観察をする場合は、前向きコホート研究ですが、特にランダム化比較試験と呼ぶわけです。

次に、後ろ向き研究の中で、特に重要なケースコントロール研究について説明します。これは現在、口腔癌集団(ケース)と正常者集団(コントロール、対照)をそれぞれ集め、過去に喫煙していたかどうかを調べる方法です。口腔癌か正常かは現在すでに決まっていますのでケース群とコントロール群をランダムに振り分けることは明らかに不可能ですね。

 ここで問題となるのは、先に述べた研究を行う時間軸とは別の時間の進み方が生じることがあります。それは、症例(標本)を集積する場合に、現在までの過去に来院した症例を集積するのか、これから未来に向かって症例を集積していく2通りがあるからです。たとえば、過去に診断した口腔癌の患者を調べ(症例の集積は、過去←現在)、その人達のそれより過去の喫煙の有無を調べれば(研究の時間軸は、過去←現在)、問題はありません。しかし、後ろ向き研究でもこれから来院する初診患者のなかで口腔癌の人に過去の喫煙の有無を調べるのならば、観察の時間軸は過去に進む(研究の時間軸は、過去←現在)にもかかわらず集積は未来に進みます(症例の集積は、現在⇒未来)。よって、前向き研究と誤解することがあります。

また、コホート研究の中に後ろ向きコホート研究と呼ぶ後ろ向き研究があったり、コホート研究とランダム化比較試験を別の研究としたり混乱はつきません。とりあえず、ランダム化比較試験とケースコントロール研究をしっかりと身に付けておけば、自然と理解できてきますのでがんばってください。
2005年12月27日(火) 21:57:20 Modified by mxe05064




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