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予防歯科ガイドライン


ゆーちゃん歯科が、予防歯科を動画で説明


○歯ブラシで、何をとるの。
http://www.youtube.com/watch?v=JkEg1CnGMck

○なぜ、虫歯になるの。
http://www.youtube.com/watch?v=hDroKmncErM

○なぜ、歯周病になるの。
http://www.youtube.com/watch?v=JRVOdOmRzVU

○歯石は、取らないの。
http://www.youtube.com/watch?v=3Kjr6GvZUWs

○歯ブラシの、動かし方は。
http://www.youtube.com/watch?v=E2s4wvubSDs

○歯間ブラシの重要性。
http://www.youtube.com/watch?v=TYMDC99C1sg

○痛くなかった歯を治療したら痛くなったのは<詰めた>。

○痛くなかった歯を治療したら痛くなったのは<根の治療をした>。

EBMセミナー

EBMを理解しよう


○EBMの理解のために
患者になると理解できるよ(5分で理解できるEBM)
 http://www.youtube.com/watch?v=f5vEvcNbhzY

○EBM どんな論文を調べるのか
患者さんと私の冒険の紙芝居
http://www.youtube.com/watch?v=tN1SNdtjCOA

○EBM システィマテックレビューとは
http://www.youtube.com/watch?v=3gd3-V03Pu8


論文を使って批判的吟味の一部


○testEBM検索
http://www.youtube.com/watch?v=8GCa1inwMm8

○testEBM RCTの論文の流れ
http://www.youtube.com/watch?v=c_JzL0lHhV8

○testEBM RCTのPECO
http://www.youtube.com/watch?v=8bsUl5ms520

○testEBM RCTの助成金をチェック
http://www.youtube.com/watch?v=jv6WEpvJReA

○testEBM RCTの批判的吟味どこから
http://www.youtube.com/watch?v=QFzpgqdtOes

○testEBM RCTのサンプルサイズ
http://www.youtube.com/watch?v=XPpWKsqEmmU

○testEBM RCTの脱落ITT
http://www.youtube.com/watch?v=XBg85akKqIc

○testEBM RCTのマスキング
http://www.youtube.com/watch?v=-aklFTwy_fg

○testEBM RCTのベースラインの差
http://www.youtube.com/watch?v=xygp9e_n1P4

○testEBM RCTの結果の大きさ
http://www.youtube.com/watch?v=g1mDAAjLweI

手元にある論文を読んでみよう


○抜歯後の穴に薬剤を入れてドライソケットの予防になる?TCコーンは、エビデンスないと思っていたけど、調べる必要があるのかな〜。
http://zoome.jp/ebm/diary/1
http://zoome.jp/ebm/diary/2




論文を探して読んでみよう

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予防歯科情報検索の基礎

はじめに


 これまでに、医療情報とか検索方法とかに関する解説は、エビデンスレベル(研究デザインのによって論文の読む順番を決めたもの)のことやPubMed(インターネットで無料でアブストラクトが検索できるデーターベース)の使い方がほとんどであった。しかし、それらが身についたという話を、著者の回りで聞いたことがなかった。読者の中にも、PubMedの使い方は、教わり家でコンピュータの前に座ったけれど、疑問やキーワードが浮かばずに断念したという方も多いと思う。その理由として、「検索方法は解ったけれど、いったい「何」を調べれば良いのか分からない」、というものであった。そこで、これまでの検索の手順などのハードの使い方でなく、「何」を調べるのか、明日からの実践に役立つ検索を具体的に提示したい。PubMedの使用方法などは、各検索サイトに「PubMed AND 使い方」などのキーワードで調べて読んで欲しい。

A:理論編


1:インターネットで予防歯科の「何」を検索したいのか?

 本稿は、予防歯科が、歯科医療の中心となるべきであると考えている方が読まれている。そこで、その予防歯科を継続的に学習するための資料をインターネットを使って検索できるかどうかを述べることとする。

2:「誰」に予防歯科を教えてほしいのか?

 まず、あなたが誰から予防歯科を教わるかについて考えてみたい。ある経営コンサルタント会社のホームページに、開催する歯科経営セミナーの内容が書かれていた。そこに関連する経営研究所チーフの方が、「これだけは知っておきたい予防歯科の実践手法」を講義するように書かれていた。有料だが、そのようなセミナーの資料を購入することもできる。しかし、ちょっと待ってほしい。あなたは、経営コンサルタントに予防歯科を学びたいはずではない。

3:「誰」向きの論文を読みたいのか?

 多くの予防歯科に関する患者向け解説が記載されているサイトも多い。しかし、あなたは患者に説明するべき専門医だから、これらの資料では役立たない。すると、専門医向けの論文・統計資料・ガイドラインなどが必要なはずだ。それらが、インターネットで検索すことができるかが、本稿で求められるポイントであろう。

4:「何時」の論文を、「何時」必要なのか?

4ー1:検索における「時」とは?

 次にインターネットでの資料検索のポイントである「時」へ話を進める。この「時」の視点は、2つの意味に別れる。「何時」の論文を、「何時」欲しいのかである。

4ー2:「何時」の論文が必要なのか?

4ー2ー1:基礎研究の論文は必要か?

 まず、「何時」の論文が必要なのかを考えてみる。それは、検索方法が、検索する人の職業(検索目的)によって変わるということである。たとえば、あなたが研究者であれば、基礎研究までを検索する必要がある。しかし、臨床医として読む場合は、よほどのことがない限り、基礎研究は読まなくて良い。

4ー2ー2:どのような質の論文が必要なのか?

 臨床医の検索であっても、治療上必要となり数日の間に緊急的に調べる検索がある。これなら、いろいろなEvidence-Based Medicine(EBM:根拠を利用する医療)の教科書に記載してあるように、質の高い論文のみを検索し、質の低い論文は読まない(質という面で特異度が高いという)。しかし、今回検索するテーマ「予防歯科」は、あなたが診療の中心に考えている。よって、EBMの基本的な戦略と若干異なり、ステップ5を中心とした、系統的・包括的に調べる検索戦略となる(質の低い論文も多く検索され、感度が高いという)。

4ー2ー3:多量の論文が必要か?

 感度を高くすると、数多くの論文が検索される。それでは、このような多量の論文を毎日読まなければならないかというと、そんなことはない。本稿のテーマは、「いろいろな歯科臨床に役立つインターネット検索」ではなく、「予防歯科」に限定されている。このような予防歯科の基本的な考えは、系統的でないものの、学生時代に多くのことを学んでいる。また、この本で多くの知識を手にいれた。さらに、多くの参考文献を知ることもできたはずだ。

4ー2ー4:結局、最新の論文だけが必要

 すなわち、あなたがインターネットで予防歯科の専門医向けの論文・統計資料・ガイドラインなどを検索する場合、既存の資料を検索する必要が少ないということである。よって、数少ない最新の論文だけにターゲットを絞れば良いからである。

4ー3:「何時」必要なのか?

 最新の「時」の予防歯科に関する資料を手に入れるのは、「何時」なのか。もちろん継続という「時」で自分の知識を増やしていくのが目的となる。その場合、1年毎だと、論文が多くなってしまう。かといって、毎日検索していれば、飽きてしまう。そこで、根拠はないが良い方法として、予防歯科のメインテナンスとして3カ月ごとに読むのはどうであろうか?もちろん、Dental recall - Recall interval between routine dental examinations(NICE guideline)のように、読者のあなたと議論して決めなければならない。

4ー4:結局、「何時」の論文を、「何時」必要なのか?

 実際に、3カ月ごとに80前後の論文のタイトルをチェックすれば、おおよそ読まなければならないのは、6編ぐらいの論文になるはずである。それを3カ月で読むというのはどうであろうか。もっとも、今後予防歯科の研究が飛躍的に多くなり、さらに多くの論文を読む必要があるかもしれない。そのためにも、今のうちに、メインテナンスをする習慣を、患者だけでなく自分もつけておこう。



Q:「誰」による「何」を、検索するのか?
A:専門家による、予防歯科を継続的に学習するための資料・論文を検索する。

Q:そして、「何時」の論文を、「何時」必要なのか?
A:そして、最新の論文を3ヶ月に1度の間隔で検索し、自分の知識をメインテナンスする。

図:「予防歯科」検索の目的

B:実践編


1:「誰」が「どこ」で調べるのか?

 本YEAR BOOKでも、多くの開業歯科医が執筆しているように、地域医療において予防歯科の主体は開業医にある(もちろん研究の面では大学の予防歯科講座である)。すなわち、地域医療を頑張る開業医歯科医が、自分の診療所で、自分のコンピューターを使ってインターネットで検索する場面とする。

2:有料か無料か?

 本稿執筆時点(2008年)において、予防歯科の分野で継続して使用料を払い続けるに値する有料のサイトは存在しない。しかし、無料の検索サイトで検索した結果、その論文の全文を読みたいということになった場合は、有料となる。また自分が、毎回同じ歯周病の雑誌に掲載された論文を読みたいと思ったなら、その雑誌そのものを年間購読した方が良いであろう。

3:無料の検索サイトとは?

 今回は、3つのサイトを紹介する。Google(グーグル株式会社)とPubMed(米国立医学図書館(National Library of Medicine))とSUMSearchである。本稿では、特にGoogleとPubMedを具体的に検証する。EBMの実践の場面では、PubMedの使用頻度は下がっている。しかし、今回は自分の専門分野である予防歯科の検索であるため、PubMedが必要となる。SUMSearchに関しては、GoogleとPubMedを合わせたような感じと考えて、ぜひチャレンジしてもらいたい。



図 SUMSearchでの検索(SUMSearch:http://sumsearch.uthscsa.edu/  )<ブラウザ:Firefox 1.5.0.1 有限責任中間法人 Mozilla Japan>


4:Google vs PubMed、どちらが良いの?

 これまで、医学論文・情報の検索と言えばPubMedであった。しかし、インターネットの普及と、いろいろなガイドライン・レコメンデーション・システィマテックレビュー・コンセンサスレポートなどが電子媒体でインターネット上に充実してくると、PubMedより、とりあえずGoogleで検索(一応、Medlineの中まで検索できる)ということが多くなってきている1,2)。そのため、本稿でも、まずGoogleより検索していきたい。


5:予防歯科のキーワード

 予防歯科学は、診断・カリオロジー・歯周病・患者教育・定期検診システムなどの幅広い知識が必要とされる。すなわち予防歯科は、単に「PMTCコースは40分4000円です」とか「歯磨きクラブでシールを集めて予防グッズをゲットしよう」、という経営的なシステム・技術ではなく、医療の本質にかかわる重要な医療行為である。よって、患者への解説だけでなく、経営的な側面から記載されている資料は必要ない。詳しくは、C:キーワード編を参照して欲しい。


6:日本語のサイトを検索


6ー1:Google

 まず、日本語のキーワードである「予防歯科」・「虫歯予防」・「歯周病」・「口腔ケア」で検索を試みる(図 )。その結果、専門医による歯科医師向けの解説は、検索されなかった。


Google:2008年3月7日検索

              「予防歯科」 「虫歯予防」 「歯周病」 「口腔ケア」
歯科医院紹介リンク集      2
開業医の患者向け解説      1      2      5
開業医の患者向け紹介      7      1      2
学会・研究会による
    患者向け紹介             3(重複あり)2
健康食品など紹介サイト            2
健康食品など紹介サイト                   1
個人による介護関係の解説                         4
研究助成費による介護関係の解説                      1
歯科医師会による介護関係の解説                      1
企業による介護関係の解説                         1
企業による口腔ケア商品紹介                        1
リンク切れ                  1
サイト内のリンクで重複            1             2

図 Googl(日本語)による「予防歯科」関連の単語のみの検索結果



図 Googl(日本語)で「予防歯科」の用語を検索(Google:http://www.google.co.jp/ ])<ブラウザ:Internet Explorer マイクロソフト株式会社>


6−2:Google以外での検索

 以上のように、Googleでは、日本語の論文そのものはほとんど検索されない。その理由は2つある。まず第1に、この本の参考文献をみても、日本の原著論文は、少ないことに気がつかれたかもしれない。実際、本邦による予防歯科に直接関係ある原著論文は、新潟大学、九州大学など複数存在するが、他の分野に比較して少ない。さらに、これらは英語での報告であり、日本語の原著論文は、ほとんどないのが現状である。第2に、日本語で出版された論文の抄録などのデーターベースのほとんどが有料サイトであり、Googleが、その有料データーベース内まで検索することがないからである。
 実際には、医学中央雑誌(医学中央雑誌刊行会 http://www.jamas.gr.jp/ :有料)による検索が必要となる場面は少ない。本稿では、裏技の2つのサイトを紹介するが、著者は、予防歯科に関して、日本語論文は今後も少ないと考えており、利用していない(他の分野の検索時には利用している)(図)。


医学文献検索メディカルオンライン
株式会社メテオインターゲート
http://www.meteo-intergate.com/index.html 
無料でタイトルのみ検索できる。

JDreamPetit
独立行政法人 科学技術振興機構
http://pr.jst.go.jp/jdreampetit/index.html 
医学中央雑誌と比較すると収録雑誌は少ないものの、お試し利用のログインを行こなえば無料で、アブストラクトまで回覧できる。

図 日本語の原著論文を無料で検索できるサイト


7:英語のサイトを検索

7−1:Google

7−1−1:キーワードによる検索

 まず、簡単な検索として、「Preventive Dentistry」・「dental prevention」で検索を試みた。しかし、専門的な解説サイトは、1つしか検索できなかった。すなわち、Googleでも一つのキーワードによる検索では、英語のサイトでも専門医のための検索は困難である。そのため、複数のキーワードを組み合わせた検索式を著者が作成したので、C:キーワード編で紹介する。



Google:2008年3月7日検索

                   「Preventive Dentistry」 「dental prevention」

学会・研究会による患者向け紹介         1           2
学術雑誌のサイト                1
健康関連企業によるリンク集           1
開業医の患者向け解説              3           1
開業医の患者向け紹介                          1
大学予防歯科講座                3(いずれも日本)   1
専門的な解説サイト                           1
PubMedの原著論文                            1
動物の予防歯科について                         1
ニュースサイトのニュース                        1
サイト内のリンクで重複                         1           

図 Googl(英語)による「予防歯科」関連の単語のみの検索結果




図 Googl(英語)で「予防歯科」の用語を検索(Google:http://www.google.com/ )<ブラウザ:ListBrowser ListBrowser.com>

7−1−2:Google Scholarでは

 Googleには、通常の検索以外の特殊な検索が行えるサービスがある。その一つとしてGoogl(英語)のみであるが、引用論文の多い順に医学論文を検索可能な、Google Scholarというサイトが存在する(http://scholar.google.com/ )。これは、今後普及すると予測されているが、2008年時点では、多くがMedlineのデータベースを検索結果としており、履歴検索での組み合わせが不可能なため使い勝手がよいとはいえず、有用でなかった(図)。

7−2:ヘルスライン・ネットワークでは

 海外には、医学情報を専門的に検索するサービスが存在する。その中でも、今後日本にも進出するとされている有名なサイトの一つとして、ヘルスライン・ネットワークがある(http://www.healthline.com )。そこで、このサイトでの検索も試みたが、患者向けの結果がほとんどであった。特に、民間保険会社に関するサイトが検索されたのは、本邦の現状との違いを表している(図)。


2008年3月7日検索:「Preventive Dentistry」 

               Google Scholar  ヘルスライン・ネットワーク
教科書              3
PubMedの原著論文         4
出版社による論文         3
学会・研究会のサイト                   2
学会・研究会による患者向け紹介              1
アメリカの民間保険会社検索サイト             1
開業医の患者向け解説                   3
開業医の患者向け紹介                   2
健康関連企業によるリンク集                1

図 Google Scholarとヘルスライン・ネットワークによる検索結果


7−3:PubMed

 今回の予防歯科に関する専門医が生涯教育として検索する場合、もっとも有用だと考えられるのがPubMedでの検索である(図)。PubMedを利用する場合に、必須となるのがMeSH用語によるキーワードの選択である。これも、著者が作成したものをC:キーワード編で紹介する。


類似引用文献を含む文献検索への論文構成の摘要:MEDLINEデジタルライブラリーにおける関連文献検索の向上における研究
などの抄録が日本語で紹介されています。
http://homepage3.nifty.com/sisoken/shouyaku.htm  



図PubMedで「予防歯科」を検索した結果をブラウザのRSSフィードで表示させているところ(PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi )<ブラウザ:Firefox 1.5.0.1 有限責任中間法人 Mozilla Japan>

7−4:自動的に検索結果を手に入れる

 近年、Web 2.0という、インターネット上の仕組みを進める技術が紹介されている。その中に、Rich Site Summary(RSS)などのサービスが存在する。これらの技術を利用すれば、検索をするものが、いちいち検索サイトで検索しなくても自動的に結果を配信してくれる。まさに、生涯教育にうってつけのサービスといえる。
 PubMedのRSSフィードサービスに関しては、近年普及しつつあるブラウザのFirefox(有限責任中間法人 Mozilla Japan)にても簡単に使用できる。設定方法については、Ishikawa( http://www.nih.go.jp/~jun/doc/pubmedrss/ :2006年3月16日アクセス)が日本語で解説しているので参考にして欲しい(図)。また、Googleにおいては、Google アラート (ベータ版)( http://www.google.co.jp/alerts?hl=ja  :2006年3月16日アクセス)という、指定したトピックに一致するウエブサイト・ニュース記事がオンラインで配信されたときに、メールに自動的に送信するサービスがある。

C:キーワード編


1:予防歯科を効率良く検索するための戦略

  文献検索には、感度(データベース中に収録されている特定主題に適合するすべてのデータのうちで実際に検索できたデータの割合)と陽性適中率(検索することができた全データのうち、検索主題に合致しているデータの割合)のバランスを考慮しながら、自分の利用目的にあった検索が必要である7,8)。EBMの実践において、緊急性を要する検索なら陽性適中率を高くするが、予防歯科のようにライフワークとして漏れなく検索する場合は、感度を高くする必要がある。
 しかし、予防歯科のキーとなる論文のコンセンサスが得られないと、戦略を立てることすらできない。それでは、予防歯科のキー論文は何であろうか。残念ながら、予防歯科は分野が多岐に渡るため、この疑問の回答は現時点では得られていない。そのため、著者の独断と偏見でPubMedにおいて3論文5−7)と、Googleにおいては2ガイドライン8,9)を設定し、現時点で著者がお薦めする検索式を作成することとした(欄外 注)。

欄外 注:本稿で示す検索式についてのお願い。本検索式は、日々進化しつつあるものです。著者のホームページに最新バージョンを公開しております。また、ご意見・ご批判などのコメントをいただけると幸いです。( 予防歯科の検索:予防歯科室・親知らず口腔外科室.http://wiki.livedoor.jp/mxe05064/d/FrontPage:2006年3月16日アクセス)

2:PubMedのための検索式

 まず、表のように予防歯科のキーワードを一覧とした。次に、フッ素など歯科以外でも使用する用語の特異度を上げるため、歯科関連の用語(dentistry [mh] OR "Mouth Diseases"[mh] OR "tooth diseases"[mh] OR Oral Health[mh])を掛け合わせたところ感度が低下したため中止した。次に、この予防歯科の分野では、質の低い解説論文が多いため、研究デザイン(表)を掛け合わせることで特異度を上げた。いまだ膨大な論文数となっており、当然のことながらキー論文は含まれている。しかし、今回の検索戦略の目的が、すでに予防歯科の勉強を始めていて、自分の生涯にわたるメインテーマとして予防歯科の論文を継続的に検索していく方へのため、最新90日以内の論文のみを読めばよい。よって、「Limits: 90 Days」にて減らすろ80ぐらいの論文のタイトルとなる。英語のため、これをTextで表示して、ライフサイエンス辞書(http://lsd.pharm.kyoto-u.ac.jp/ja/service/etoj_v/i... 2006年3月16日アクセス)にコピーペーストして翻訳すると便利であろう。 一方で、たとえば、カリエスのX写真などによるスクリーニング検査などの情報は、この検索式(P)で検索されない可能性が残されている。




表 予防歯科のキーワードの一覧

MeSH用語

Preventive Dentistry 予防歯科
Dental Prophylaxis 歯科予防
tooth remineralization 再石灰化 
Toothpaste 歯磨剤
Toothbrushing 歯磨き
Fluorides フッ素
Fluorosis, Dental フッ素 
Chlorhexidine クロルヘキシジン
Mouthwashes 洗口
diet, cariogenic  齲蝕原因食
Pit and Fissure Sealants シーラント 
dental plaque 歯垢
cariostatic agents  齲蝕抑制剤
Oral Hygiene 口腔衛生
Dental Care 歯科ケア
Health Education, Dental 歯科健康教育 
Insurance, Dental 歯科保険
Comprehensive Dental Care 包括的歯科治療
Dentist's Practice Patterns 歯科診断治療様式

MeSH用語とSubstance Name(Dental Cariesで制限)

food habits 食物
diet 食事
dietary carbohydrates 炭水化物
sorbitol ソルビトール
mannitol マンニトール
maltitol マルチトール
Lycasin マルチトール液
isomaltulose パラチノース 
xylitol キシリトール

All Fieldsとしての用語(予防歯科は重要用語のため、他はMeSHにないため)

Preventive Dentistry 予防歯科
Caries management 齲蝕マネージメント
dental recall 歯科定期健診
routine dental care 歯科定期健診
routine dental visits 歯科定期健診
routine dental checks 歯科定期健診
routine dental examinations 歯科定期健診
routine dental check-up 歯科定期健診



表 研究デザイン

予防に多い研究デザイン

"prevention and control"[Subheading] OR "follow-up studies"[mh])

メタ分析

"meta-analysis"[pt] OR "meta-analysis"[mh] OR "meta-analysis"[tw] OR systematic[sb] OR "systematic review"[tw]

臨床試験
clinical trial[pt]

人間実験

NOT (animals [mh] NOT human [mh])




(("prevention and control"[Subheading] OR "follow-up studies"[mh]) OR ("meta-analysis"[pt] OR "meta-analysis"[mh] OR "meta-analysis"[tw] OR systematic[sb] OR "systematic review"[tw]) OR (clinical trial[pt])) AND ("Preventive Dentistry"[mh] OR "Dental Prophylaxis"[mh] OR "tooth remineralization"[mh] OR "Toothpaste"[mh] OR "Toothbrushing"[mh] OR "Fluorosis, Dental"[mh] OR "Fluorides"[mh] OR "Chlorhexidine"[mh] OR "Mouthwashes"[mh] OR "diet, cariogenic"[mh] OR "Pit and Fissure Sealants"[mh] OR "dental plaque"[mh] OR "cariostatic agents"[mh] OR "Oral Hygiene"[mh] OR "Dental Care"[mh] OR "Health Education, Dental"[mh] OR "Insurance, Dental"[mh] OR "Comprehensive Dental Care"[mh] OR "Dentist's Practice Patterns"[mh] OR (("food habits"[mh] OR "diet"[mh] OR "dietary carbohydrates"[mh] OR "sorbitol"[mh] OR "mannitol"[mh] OR "maltitol"[Substance Name] OR "Lycasin"[Substance Name] OR "isomaltulose"[Substance Name] OR "xylitol"[mh]) AND "Dental Caries"[mh]) OR "Preventive Dentistry"[All Fields] OR "Caries management"[All Fields] OR "dental recall"[All Fields] OR "routine dental care"[All Fields] OR "routine dental visits"[All Fields] OR "routine dental checks"[All Fields] OR "routine dental examinations"[All Fields] OR "routine dental check-up"[All Fields]) NOT ("animals" [mh] NOT "human" [mh])

図 PubMedを使用するときの検索式:式(P)


3:Googleのための検索式

 まず、予防歯科のキーワードを選択したが、Googleでは、32語に限定されることや、Toothpasteなどを入れると歯磨剤の商品などが検索されることより、PubMedより大幅に減らした。これであってもキー論文8、9)は含まれていた。しかし、重要なSIGN論文が上位にこない。そこで、研究デザインを考えることとしたが、PubMedと異なりGoogleでは、これまでのEBMの手法と若干異なり、レコメンデーション、ガイドライン、WHO、NICEなどの機関の刊行物などを検索しなければ、PubMedと変わりなくなる。そのため、研究デザインを表のように設定して、組み合わせたところ、式(1)式 (2)の順だと、SIGN論文が、まだデフォルトの10件づつの表示では2ページ目になる。次に、式 (2)式(1)の順だと、SIGN論文が1ページ目となったため、この順番で検索式を決定した。
 また、Googleの検索の場合、PubMedと異なり出版日順でないため、最初の検索時には、図の補助キーワードを一つずつ式(G)の前に掛け合わせて順番の後の方にも必要な論文が含まれていないかを確認することを推奨する。



予防歯科

"Preventive Dentistry" OR "Dental Prophylaxis" OR "Preventing Dental Caries" OR "Caries management" OR "dental recall" OR "routine dental care" OR "routine dental checks" OR "routine dental examinations" OR "routine dental check-up" OR "routine dental examinations"

図 予防歯科のキーワードの一覧:式(1)



研究デザイン

Guideline OR meta-analysis OR "systematic review" OR recommendation

図 研究デザイン一覧:式(2)


(Guideline OR meta-analysis OR "systematic review" OR recommendation) ("Preventive Dentistry" OR "Dental Prophylaxis" OR "Preventing Dental Caries" OR "Caries management" OR "dental recall" OR "routine dental care" OR "routine dental checks" OR "routine dental check-up" OR "routine dental examinations")

図 Googleを使用するときの検索式:式(G)



diagnosis 診断
"Risk Assessment" リスク評価
radiography 放射線画像
management 管理
"Throughout Life" 生涯を通じて
"Oral Care" 口腔衛生
"Oral Health" 口腔衛生

図 Googleで最初に検索するときの補助キーワード

D:評価編


1:評価の必要性について

 現在、インターネット上に多くの情報があるが、有用な情報から悪意を持った害となる情報まで含まれている。米国の国家予算を使ってデーターベースへの登録を管理しているMedlineを利用するPubMedと、すべてのインターネット上の情報を集めているGoogleとでは、評価方法の戦略が異なる。特にPubMedにおいては、批判的吟味を行うか、研究デザイン別に読む順番を決めるという従来のEBMの手法に従って評価すればよい。本稿では、Googleによって得られた情報の評価について述べることとする。

2:Googleで得られた情報の評価

2−1:検索した者が予防歯科のプロなのか、予防歯科を受ける患者なのか?

 インターネット上の情報は、信頼性の問題が常に存在する。近年では、信頼性の評価を行う技術がしのぎを削られている。その代表的なものが、Googleによる、PageRank(ページAからページBへのリンクをページAによるページBへの支持投票とみなし、Googleはこの投票数によりそのページの重要性を判断)であることは言うまでもない。その他にも、資料性の高いPDF文書の信頼性を評価する方法など10)、数多くの評価方法が開発されておりビジネスモデルとなりつつある11)。
一方、医療情報に関しても、DISCERN15,16)に代表される患者向け医療情報の信頼性の評価方法の研究12,13)やアイデア14)ならびに情報提供者への提言が数多くされてきた。しかし、これら患者のための評価方法は、私たち予防歯科のプロとして勉強を行っている者に役立つとはいえない。
 
2−2:医療従事者のための医療情報の評価

 医療従事者のための医療情報の評価で、もっとも有名な者が、いわゆる診療ガイドラインそのものを評価する、Appraisal of Guidelines for Research & Evaluation (AGREE) instrument(http://www.agreecollaboration.org/:2006年3月16日アクセス)である17)。実際に、この評価法でSIGNの評価を行った結果が、インタネット上に公開されている18)。しかし、この評価法を使いこなすには若干の訓練が必要である19)。
 ところが、本邦の歯科関連のガイドラインを初めとして、歯科関連ガイドラインの多くが、AGREEで評価することすら不可能な型式で記載されている。ガイドラインの作成の手引き20)などに従わず、いわゆる有識者(学会の重鎮)のコンセンサスレポートをガイドラインと表している。以上のことより著者は、検索された医療情報が原著論文でない場合、「その情報をまとめるために利用した臨床研究(原著論文)がどのようなものであり、どのように集めたかが再現性のある方法で記載されているかどうか」だけを評価することを提案したい。なぜなら、予防歯科に関連したガイドラインやレコメンデーションなどが、毎月数多く報告されるとは考えられない。そのため、この評価方法で簡便に振り分けた後、必要な医療情報をゆっくりと吟味しても負担にならないはずである。そのためには、システィマテックレビューの論文の批判的吟味の訓練を積む必要がある21)。


E:参考文献


1) Editorial. How Google is changing medicine. BMJ 2005;331:1487-1488 (24 December), doi:10.1136/bmj.331.7531.1487
2) Robert Steinbrook, M.D. Searching for the right search--reaching the medical literature. NEJM 2006 Jan 5;354(1):4-7.
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4)札幌医科大学 地域医療総合医学講座.文献検索の方法 (http://web.sapmed.ac.jp/chiiki/special/ebm/ :2006年3月16日アクセス)
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2010年09月18日(土) 19:46:46 Modified by mxe05064




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