日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


台湾の「自由時報」の2008年1月28日付けの報道によると、台湾陸軍は、現在保有しているM60A3戦車CM12戦車(M48A3改)CM11戦車「勇虎」(M48H)を代替する次期主力戦車の調達に関する調査・検討を行っていることが明らかになった[1]。

台湾陸軍の見通しでは、今年度中に計画案を策定、2009年には予算請求を行い、2010年に調達を開始したいとしている。ただし、高額な第三世代戦車で現有戦車を全て代替することは財源の制約から困難なため、既存の戦車は今後もかなりの台数が新戦車と併用されることになる、

台湾をめぐる国際的環境の中では、第三世代戦車を提供できる国は実質的にアメリカ1国しか無いため、次期主力戦車にはアメリカのM1A2エイブラムズ戦車が選択される可能性が極めて高いと思われる。ただし、M1A2の60トンを超える重量は、台湾の交通インフラの制限を超えており、台湾軍内部でも運用に際して問題が生じる可能性が指摘されている。

【2009年7月18日追記】
「自由時報」(オンライン版)2009年7月14日の報道によると、台湾陸軍の次期主力戦車の導入は延期されたとの事[2]。台湾軍関係者の伝えた情報によると、昨年決定したアメリカからのAH-64D攻撃ヘリコプター調達に多額の費用が必要な事が、戦車導入の予算を圧迫した形となったとされる。また、現在進行中の台湾軍の徴兵制から志願兵制への移行により人件費が高騰する見通しがあるのも、軍の新規装備導入を抑える要因となっている。

【2009年10月10日追記】
自由時報(オンライン版)2009年9月11日の報道によると、8月8日に台湾を襲った大型台風「morakot」により台湾各地の道路インフラが大きな被害を受けた事から、台湾陸軍では60トンを越える重量を持つM1A2の導入に対して再検討を行う事になった[3]。

台湾の道路や橋梁は最大70トンの負荷に耐えうるように設計されており、M1A2の導入に関する初期の検討では運用には問題ないとの検討結果が出ていた、しかし、今回の台風により100箇所以上の橋梁が寸断され、その脆弱性と実際の強度に対する不安が明るみになった。これにより、台湾の交通インフラの制限を超える大重量のM1A2が、実際の運用において支障を来たす懸念が再び指摘されるようになった。戦時において主要な交通・道路インフラが攻撃を受けて破壊された場合は、さらに深刻な問題を生じる危険性が高い事も指摘されている。

軍内部では、M1A2は台湾の地形に適合した戦車では無いとの意見が改めて主張される様になっている。幹部の中には、M1A2よりも軽量な40〜50トンクラスの戦車が必要であると主張する者や、韓国がアメリカからの技術移転でK-1主力戦車を入手した事例に倣って、台湾に適した戦車を探すべきであるとする者もいるとの事。

【参考資料】
[1]yam天空「第三代主戦車、預計後年採購」
[2]自由時報(オンライン版)「預算排擠 陸軍戰車10年内難汰換」(2009年7月14日)
[3]自由時報(オンライン版)「風災断橋效応/陸軍戦車夢 「重量級」幻滅 」(許紹軒/2009年9月21日)

台湾陸軍

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