日本の周辺国が装備する兵器のデータベース





▼「工蜂6型」は移動時には、通常のトラックの様な外観に偽装する事ができる。


性能緒元(注:車両諸元はM52A1の物)
重量 
全長6.93m
全幅2.46m
全高2.59m
搭載エンジン 
最高速度 
武装117mm45連装ロケット発射機×1
左右旋回左右各90度
発射速度45発/22.5秒
再装填時間15分
乗員6名

性能緒元(「工蜂6型」117mmロケット弾)
重量42.64kg
全長2.166m
直径117mm
射程最大20km、有効15km

117mm45連装自走ロケット砲「工蜂6型」(中国語では工蜂六型多管火箭系統)は、中山科学研究院において1978年に開発が始まり1982年に制式化された台湾国産の自走ロケット砲。工蜂6型は台湾陸軍の軍団直轄砲兵部隊に配備されている。

中国軍の着上陸作戦に備える必要のある台湾軍にとって、瞬間投射能力に秀でた多連装ロケットは対上陸作戦にとって極めて有効な装備と認識されていた。台湾では1960年代から多連装ロケットシステムの自主開発に着手した。最初に配備された多連装ロケットは、1976年に実用化された126mm40連装ロケット砲「工蜂4型」である。工蜂4型は、牽引型と車載型(M113装甲兵員輸送車CM21装甲兵員輸送車、海軍陸戦隊所属の LVT-P5水陸両用装甲兵員輸送車に40連装発射機を搭載して自走化)が開発された。工蜂4型は台湾陸軍では既に現役を退いており、海兵隊でのみ使用されている。台湾軍では、工蜂4型は最大射程が10,500mと口径に比べてやや短いこと、弾頭の種類がHE弾と黄燐弾の2種類しかないことに不満を持っており、この点を改善した改良型を開発することを決定し、これによって開発されたのが工蜂6型であった。

工蜂6型は、Kaiser/Jeep M52A1 5tトラックの荷台に117mm45連装ロケット発射機を搭載している。車体後部とキャビン下部に油圧ジャッキが装備されており、射撃時には車体を持ち上げて射撃プラットホームとしての安定性を確保する。射撃モードは単射と連射があり、連射の場合0.5秒ごとに一発が発射され全弾発射に要する時間は22.5秒。工蜂6型用のロケット弾には、工蜂6A型と工蜂6B型の2種類が用意されている。最大射程は20km、有効射程は15km。工蜂六A型の弾頭にはHE弾と黄燐弾が、工蜂六B型はクラスター弾が用意された。クラスター弾の子爆弾の弾頭は近接信管が搭載されており、着発信管に比べ着弾時の制圧範囲や威力が向上している。全弾発射時の殺傷範囲は800m×600mとされている。ロケットの再装填は人力で行われ、再装填には15分を要する。そのため、一つの地域への射撃は実質的に一回に限られている上、発射後は速やかに退避して安全な後方で再装填作業を行う必要があり、これは工蜂6型の欠点とされている。

工蜂6型は機動力、射程、威力、命中精度などの各分野において工蜂4型を上回る事に成功し、工蜂4型を代替する多連装ロケットとして配備が行われた。工蜂6型は現在も台湾軍の多連装ロケット砲の主力を占めている。しかし、既に後継車両であるRT2000自走ロケット砲「雷霆」の配備が開始されており、今後は次第にRT2000に代替されていくものと思われる。

【参考資料】
Republic of China Army
軍事沙龍
維基百科 「工蜂六型多管火箭」
華夏経緯 「台湾研発遠程武器掲密」
中華民国国防部公式サイト
金誠連ブログ

台湾陸軍

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