日本周辺国の軍事兵器

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▼陸軍航空隊所属のHC120。スキッドに付いている車輪は地上移動時に装着するもので、飛行の際には撤去される

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■性能緒元

重量	994kg（空虚重量）/1,715kg（最大離陸重量)
ローター直径	10m
全長	9.6m
全幅
全高	3.08m
エンジン	チュルボメカ ARRIUS 2Fターボシャフトエンジン(376kW/504shp)×1
機内搭載燃料	321リットル
最大速度	278km/h
最大巡航速度	236km/h
航続距離	744km（機内燃料のみ）
実用上昇限度	5,182m
ホバリング高度	2,350m（地面効果無し）/2,960m（地面効果有り）
ペイロード	721kg（機内）/700kg（機外吊り下げ）
乗員	操縦手1名+乗客4名（訓練任務では操縦手2名＋乗員2名）

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EC120/HC120「コリブリ」は、欧州のユーロコプター社、中国の哈爾濱航空工業公司（HAMC）と中国航空技術進出口総公司（CATIC）、シンガポールのシンガポール・エアロスペース社による国際共同開発により実用化された小型多用途ヘリコプター[1][2]。ユーロコプター製の機体をEC120、哈爾濱で製造されたものをHC120と呼称する[1][2]。愛称のコリブリ（Colibri）とはハチドリを表すフランス語で[3]、中国では「蜂鳥fēng niǎo」と呼ばれる。

EC120/HC120の共同開発は1993年に開始され、1996年にはEC120試作機が初飛行に成功、1997年から小規模量産段階に移行[2]。哈爾濱でのHC120の量産は2004年に開始された[1]。

参加企業のワークシェアは下記の通り[2]。

企業名	費用負担割合	作業分担
ユーロコプター	61%	全体設計、仕様確定、地上試験、生産ラインの設計、アビオニクス・電気系統、全般的なインテグレーション
HAMC/CATIC	24%	燃料系統を含む胴体部分の設計
シンガポール・エアロスペース	15%	ドア・テイルブームと複合材製フェネストロンの設計

EC120/HC120は、これまでに55カ国でに660機以上が販売されており、中国が参加した航空機の国際共同開発では最も成功したケースとなっている[4]。

【性能】
EC120/HC120は、旅客、輸送、訓練、空撮など各種任務に従事する小型多用途ヘリコプターとして開発され、安全性、信頼性、低い維持・整備コストを兼ね備えている[3][4]。機体構造には広範に渡って複合材が使用されている[1]。コクピットは並列式で広い視野を確保。人間工学に基づいて設計されたコクピットはグラス化されており、機体の各種情報や飛行速度などを表示する多機能ディスプレイ（VEMD）を備えている[5]。乗員は、パイロット1名のほかに4名までの搭乗が可能で、訓練タイプの場合はパイロット2名と乗客2名という配置になる[5]。

エンジンはチュルボメカ ARRIUS 2Fターボシャフトエンジン（離陸出力376kW/504shp）一基をキャビン上部に搭載[1][2]。メインローターは複合材製3枚ブレードでヒンジレス、テイルローターはダグデッドファン形式のフェネストロンを採用している[1][2][5]。フェネストロンは、ローターブレードを垂直安定板内に押し込んだ形式になっているので、テイルローターの接触による事故の危険性を低減するだけでなく、発生する騒音を抑える効果がある。各種の騒音低減策を取り入れた結果、EC120/HC120は同クラスの小型ヘリコプターの中では最も低騒音な機体になったとされる[5]。降着装置としては胴体下部にスキッドを装着している。

中国陸軍では1960年代にフランスから輸入したSA319「アルエットIII」を陸軍航空隊のパイロット養成に使用していたが、老朽化が進んでいたため後継機としてHC120の採用を決定[1]。8機を発注して2005年から運用を開始[1]。その後、追加発注を行い現在の保有機数は34機となっている[5]。

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【参考資料】
[1]『航空知識2006年増刊 旋翼雄風—中国人民解放軍陸軍航空兵装備発展20年』（航空世界雑誌社/2006年）12ページ
[2]Global Security「HC120 [EC-120] Helicopter」
[3]ユーロコプター・ジャパン公式サイト「EC120 B」
[4]ユーロコプター公式サイト「EC120B」
[5]ユーロコプター・チャイナ公式サイト「EC120」
[6]Chinese Military Aviation「HC120」

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中国陸軍

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