日本の周辺国が装備する兵器のデータベース



▼M110A2(左)とCM24弾薬運搬車(右)


性能緒元
重量28.35トン
全長10.732m
全幅3.15m
全高3.145m
エンジン8V-71T 液冷スーパーチャージド・ディーゼル 405hp
最高速度54.72km/h
航続距離523km
武装37口径203mm榴弾砲M201A1×1(2発)
装甲12.7mm
乗員5名

M110は175mm砲を装備するM107と並行して開発が進められた自走榴弾砲で、車体を共通化したのに加え、機関系はM108/M109のものを流用し、サスペンションはM113装甲兵員輸送車のものを用いる等、他車のコンポーネントを採用する事でコストの低減も図っているのが特徴である。空輸を前提として小型軽量化が図られているため、砲塔は採用せず車体に直接203mm砲を背負い式に搭載しているのが特徴。

開発はM107と同じくパシフィック&ファウンドリー社が担当し、T236と名づけられた試作車はT235(M107の試作車)ともども1958年半ばに完成を見た。翌1959年、アメリカ陸軍が戦闘車両のエンジンをガソリンからディーゼルに変更する方針を決めたため、完成したT236はエンジンをディーゼルに換装して、呼称もT236E1と改められた。そして1961年3月にM110として制式化され6月からM107とともに生産に入り、1960年代末までに約750輌が完成した。M110はその派生型も含め、10ヶ国以上の軍隊で採用された。

M110は同じ自走榴弾砲でも155mm砲を装備するM109が師団レベルでの運用を前提に開発されたのに対し、その上位部隊である軍団レベルでの運用を考えて開発された車輌で、このため203mmという大口径砲が採用された。この砲の最大射程は16.8kmとM109とさほど差がないが、100kg近くもあるM106榴弾の威力は絶大で、目標に大きな損害を与える事が可能だった。またこの砲は通常の砲弾の他に、核砲弾を発射する事が出来た。砲弾の装填は半機械式で、砲尾トレイ上からは人力で装填しなければならない。発射速度は速射時で1分に2発を撃てるが、通常の持続射撃の場合は2分に1発程度である。照準はM115パノラマ間接照準器、若しくはM116C直接照準器で行われる。車体上部には牽引式203mm榴弾砲M115を車載化したM2A2を搭載しており、車体前部左側に機関室を配し、その右側に操縦室、車体後部の戦闘区画に車長と砲要員3名を収めるレイアウトはM107と変わらない。車体後部には射撃時に車体を安定させる油圧駆動の大型スペードが装備されている。

台湾では、主砲を37口径203mm榴弾砲M201A1に換装したM110A2が1980年代に合計60両引き渡されている。M110A2では、砲身を延長しより強装薬での発射が可能となったことで射程を延伸することに成功している。最大射程は、RAP(Rocket Assisted Projectile:ロケット補助推進砲弾)の場合で、29kmに達する。

台湾陸軍では、機械化歩兵旅団や独立装甲旅団で運用されている。M110は、車体が小型のため予備弾薬は2発しか搭載できず弾薬の供給は外部に依存せざるを得ない。台湾ではCM21装甲兵員輸送車をベースにCM24履帯式装甲弾薬輸送車を開発してM110A2とセットで運用している。CM42は、車内に42発の弾薬を搭載する。

【参考資料】
戦車名鑑-現用編-(後藤仁、伊吹竜太郎、真出好一/株式会社コーエー)
『台湾百種主戦装備大観』 2000年 (杜文龍:編著/軍事科学出版社)

戦車研究室
Grobal Security
SIPRI Arms Transfers Database

台湾陸軍

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