日本の周辺国が装備する兵器のデータベース



▼台湾軍のM72

▼CM32装輪装甲車「雲豹」に乗車する歩兵。後方の2名がM72を携行している


性能緒元(M72A2)
発射機全長(携行時)655
発射機全長(射撃状態)895
全備重量2.3kg
弾頭部直径66mm
弾頭部全長50.8cm
弾頭部重量1.8kg
初速144.8m/s
最小射程10m
最大射程1,000m
有効射程150m(移動目標)、200m(固定目標)
貫徹力約300

M72はアメリカが1961年に採用した、歩兵携行用の使い捨て対戦車ロケットランチャーである。制式名称はM72 LAW(Light Anti-Tank Weapon:軽対戦車兵器)。台湾軍では推進薬を改良したM72A1、M72A2、安全装置を改良したM72A3などが使用されている。アメリカからの輸入のほか、台湾での国産化も行われており、陸軍歩兵分隊の主要な対戦車・対陣地用火器として運用されている。

M72は朝鮮戦争で使用されたM20/28 3.5インチ対戦車ロケット発射器の後継として1950年代に開発が行われた。開発において重視されたのは低コストで簡便な運用が可能、そして効果的な威力を有するという点であった。この要求に応じてHesse Eastern社が提案した設計案が採用され、開発が行われた。そして1961年3月にM72としてアメリカ軍に制式採用された。

M72はランチャーが弾薬ケースを兼用する方式を採用した。全備重量は2.3kg(M72A1)とM28の4.1kgの半分に抑えられた。これにより1名の歩兵が2〜3発のM72を携行することが可能となり、歩兵部隊の火力強化につながった。ランチャーは2つの筒で構成されており、外筒がグラスファイバー製(直径68mm)、内筒がアルミニウム製(直径66mm)である。携行時は防水性のあるグラスファイバー製の外筒の中に、内筒とロケット弾が収められている。この状態では暴発防止用に弾薬の点火装置が遮断されており、安全に運搬できる。グラスファイバー製外筒の上部には引き金と照星及び照門が、下部には後部ガス噴射口用カバーが装着されている。内筒には点火装置が設置されている。射撃時にはカバーを外し、内筒を後部に引き出すことで点火装置が接続され射撃が可能となる。この際外筒上部の照星、照門が同時に立ち上がる。内筒を再収納して携行状態に戻すことは可能だが、防水性能は失われる。M72はロケット弾が発射まで発射筒内で保護されるためメンテナンスフリーとなり、弾体破損の危険性も減少した。また弾体と発射筒が一体になっていることから輸送時の省力化にも成功した。ロケット弾のサイズは直径66mm、全長50.8cm、重量1.8kg。弾頭部は成型炸薬弾で弾頭底部に信管があり、その後部にロケット・モーターが置かれ、最後部には6枚の折畳み式安定翼がある。初速は144.8m/s。発射後10〜15m飛翔すると信管の安全装置が解除される。これは発射直後のロケットが爆発して射手に被害が及ぶのを防ぐためである。射撃時にはバックブラストにより後方40m、底辺25mが危険地帯となるため、M72を建物や陣地内で発射することは禁じられている。M72の最小射程は10m、最大射程は1,000mだが、有効射程は移動目標150m、固定目標200m程度に限られる(M72A1)。成型炸薬弾の装甲貫徹力は約300mm。ランチャーへの再装填は出来ず、使用後は廃棄される。

M72の訓練用に開発されたのがM109である。M109はM73 35mm訓練用ロケットを発射する。これは66mm成型炸薬弾の弾道や特徴的な噴射煙を模している。弾頭は成型炸薬弾ではない1.5kgの爆薬が装着されており、命中時の爆発を再現できる。なお、この弾頭は0.3mmの鋼板や約20cmの木材を貫通可能。ロケット・モーターが小型になったことから、発射時の騒音やバックブラストが減少している。M109は射撃済みのM72発射筒を改造して製作されたものであり、通常のM72からはM73 35mm訓練用ロケットは発射できない。

M72は1963年から米陸軍の各部隊へ配備が開始された。当初はロケット・モーターの推力や命中精度の低さが指摘されたが、モーターの強化と照準装置の改良により解決された。M72はベトナム戦争で実戦に投入された。本来の任務は防御戦闘での対戦車兵器であったが、軽量で歩兵一名でも複数の携行が可能なことから、歩兵部隊の簡便な火力支援用火器として陣地攻撃や歩兵攻撃などにも数多く使用され、兵器としての有効性を証明した。M72は現代の水準では射程、装甲貫通力とも十分ではなく、アメリカ陸軍ではより対戦車能力の高いSMAW ロケットランチャーやM136 AT-4をM72の後継として導入した。しかし、軽量で運用が容易、かつ低コストなM72はその後も運用が継続され改良型の開発が続いている。現在、M72のメーカーはTalley Defense Systems社で、ノルウェーのNammo Raufoss ASでもライセンス生産が行われている。

【参考資料】
Designation-Systems.Net
FAS
Gary's Place
GlobalSecurity
青葉山軍事図書館)

台湾陸軍

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