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義理チョコ狂詩曲-1

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502 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:00:51 ID:wcJKh7HC
 >>487 君に届けたい〜はいつも楽しみにさせていただいてます。今回も超期待です。
つなぎといってはなんですが、くだらない話を書いたので久々に投下します。
 なのフェイ前提のシグ姐さんの受難です。キャラがみんな壊れてます。
 無駄に長いです。規制に引っかかりそうだ……

503 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:02:06 ID:wcJKh7HC
一言で言えばシグナムは混乱していた。

 それは誰が見ても怪しい光景だった。
 ゴーグルと防護マスクをつけた小柄な少女が、キッチンでくつくつと不気味な笑いを漏らし
ながら鍋の中で湯煎されている茶色い液体をかき回していた。
 鍋の周りには大小様々な遮光瓶がずらりと並び、それがまた怪しい雰囲気を醸し出していた。
少女が並べられた瓶の内の一つを選ぶと、どぼどぼと盛大に注ぎ込む。たちまちにして白く怪
しい煙がもくもくと辺りに立ち込める。
 少女の蒼い瞳はそこはかとない狂気に揺らめき、普段は可愛らしいと言えるその顔は愉悦の
表情を浮かべている。笑いを漏らす可憐な唇から、まるで地獄の底から響いてくるかのような
低い不気味な声が発せられ、言葉を紡ぐ。それはまるで呪いの言葉のような禍々しさを帯びて
いた。
「うふふふ、これで野望に向かって一歩前進やよ!いざ進まん、我が理想のおっぱい部隊へ!」
 台所の片隅で八神はやてが(おっぱいへの)愛を叫んだ。

 
――ちょっとマテ、我が主は「ばれんたいん」用の「ちょこれえと」を作っていたのではなか
ったのか。
 はやての叫びに対してシグナムが心の中で突っこみを入れた。何故バレンタインのチョコ作
りに野望とかおっぱいとかが出てくるのだろう。バレンタインのチョコ作りといったら愛する
人のためにするものではなかったのか。
 今のはやての姿は恋する人のためにチョコを作る乙女のそれにはとうてい見えない。
(いや、そんな男が主にいたらなんと言われようとも私は斬る、伐る、KILL……それはともか
く、いまの主の姿は何なのだ?まるで海鳴にいた頃に見た絵本の中の怪しい魔女のようではな
いか。まさに怪しい薬を鍋で作っている魔女の姿にそっくりだ。いや、むしろ怪しい薬を作っ
ているマッドな科学者か?いや、魔法少女を略したら魔女だからこっちのほうが合っているの
か?) 
 敬愛する主の怪しい姿を目撃し、シグナムはだいぶ混乱していた。


504 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:03:56 ID:wcJKh7HC
 シグナムは混乱する思考で考える。
 はやてはおっぱいへの執着さえ除けば至って温厚な常識人であったはずだ。あの幼なじみの
 隊長達、辺り構わずいちゃつくあのバカップル二人組よりは常識人だ、遙かにずっと。
 少々お茶目な所もなくはないが、いや思えば結構お茶目な人ではあるが、少なくともこんな怪
 しい行動を取る人物ではなかったはずだ。一体はやてはどうしてしまったというのだろう。

――まさかおっぱい分が不足して暴走か

 はやてに対して結構失礼な印象をシグナムは抱いていた。

  考えても埒があかない、シグナムは心を決めるとはやてに呼びかけた。
「あの、主はやて?」
「なんやシグナム?私は見ての通りチョコ作りに忙しいんよ。なんか用あるん?」
――いや、だからそうは見えないから声をかけているのです、主はやて。
そんな心の叫びをあげつつも、シグナムはさらにはやてに問いかける。
「あの、主はやて。主が作られているチョコは、あまり一般的なバレンタインチョコには見え
ないのですが――」
 その間にも、はやてチョコらしき物体の制作を続けていた。溶かしたチョコの中に、どばど
ばと並べた瓶の中身を注いでいく。それらはどう見ても調味料には見えなかった。どう見たっ
て化学薬品にしか見えないものが並んでいる。
 それどころか瓶の中には不穏なものがちらほらと覗えた。白地に赤枠、赤字で「劇」と書か
れた瓶はまだ良しとしよう。しかし、黒地に白枠、白字をもって「毒」とかかれたその瓶は、
一体何のつもりであろうか。

――主はチョコに偽装して毒殺でもなさるおつもりなのか?

 それ以前にそんな物騒なものをどうやって入手したのだろうか。それを言うなら防護マスク
とか用意している時点でおかしすぎる。色々突っ込みどころ満載である。


505 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:05:04 ID:wcJKh7HC
「そうやよ、これは管理局のえらいさんたちに配るための特製チョコやもん」
 はやてがにこにこと笑いながら爆弾発言をしてきた。シグナムにとっては惑星爆弾を落とさ
れたかの破壊力であった。
 シグナムは焦った。このままでは自分の大切なはやてが人殺しになってしまう。騎士の名誉に
かけてそんなことはなんとしてでも止めなくては。八神家駄目親父担当の自分としては、長女
の非行はきちんと止めなくてはならない。
 シグナムは楽しそうにチョコを作るはやてを見ながら考える。
 はやてはそんなに今の上層部に不満があるのだろうか? 確かにはやては日頃から上への不満
は漏らしていた。でもだからといって毒殺に走るぐらい不満が溜まっていたとは思えない。
 では――アニメ三期で全然目立たなかったのが不満だったのか? もしかしてその事を根に持
って、自分を見せつけるためにテロ行為に走ろうとでもいうのだろうか。

――私などすっかりニート扱いになってしまったというのにそのぐらいで世を儚んでどうする
のですか主はやてよ

 シグナムは仮にも主であるはやてに対してかなり失礼なことを考えていた。

「あ、主はやてよ、人殺しだけは良くないかと――」
「失礼やなあ、まるでシャマルの料理みたいにいうなんて。」
 私の料理の腕は知っておるやろと、にこりと笑顔ではやてはシグナムに答えた。その笑顔は、
人殺しをしようと思っている人物のそれとは思えない、なんの罪悪感も感じられない無邪気な
ものであった。
「で、でも、そこにあるのはシアン化カリウムではありませんか! しかもその隣にあるのは
どう見たって水銀です!人殺しではないと言われるのでしたら主は錬金術でも始めるおつもり
ですか!」
「私はレシピに書かれているとおりに作っておるだけやよ?」
 そういってはやてが取り出したのは夜天の書。はやては444ページ目を開くとシグナムの目
の前に突きつけた。そこに書かれていたのは――

「意中の人を虜にする魔法のチョコレートのレシピ――煩い上司もこれで貴女の言いなりに 
byリインフォース」

506 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:06:20 ID:wcJKh7HC
――まてまてまて、色々まて

 何故魔導書にチョコのレシピが書いてあるのだろうか。魔法は魔法でも意味が違うではない
か。しかも、魔法のチョコというよりは呪いのチョコといった風情である、これは。
 シグナムは脱力した。一体リインフォースは何を考えてこんなものを残していったのか、小一
時間問い詰めたい気分であった。
「せっかくリインが残してくれたレシピやからなぁ、一度試してみよう思うて。」
 試さないでください、そんなもの。むしろ焼き捨てて抹消してください。シグナムははやて
にたいして切実に願っていた。
 そんな気持ちを知ってか知らずか、はやてが無造作に毒物を混入していく。レシピの注意書
きには「薬品の分量は正確に計ること」と赤字書きされているというのにだ。
「料理の味付けは大胆かつ繊細にがコツや」
 大胆ばっかりで、繊細さの欠片もないではないか、しかもそれもう料理じゃないだろうに。
主に突っ込みを入れるわけにもいかずにシグナムは心の中で煩悶していた。
「『2月14日にはお世話になっている方にチョコを贈るのが私の故郷のしきたりなんです』
ゆうてみんなに配るんや。これでお偉いさんのハートもイチコロやで」
 それはそうだ、止まってしまうさ、心臓が。
「これでお偉いさん達の心を掴んで機動六課に続く私の部隊設立の下準備をしておくんや。今
度の目標は『ドキッ、女だらけの陸士部隊。ぽろりもあるよ』やよ!」
 そんな部隊は激しくお断りしたい。勧誘されても行きたくない。「働かないで寝てるだけも
良いよ」といわれれば、それはそれで心揺らぐが。
 しかし、それ以前にそんな部隊設立なんて出来るのだろうか。そんな怪しい部隊では幼なじ
み二人は協力してくれないのではないか?
 しかしはやてはそんなシグナムの予想を斜め行く言葉を漏らした。
「なのはちゃんもフェイトちゃんも『また二人一緒の部屋にしてくれればいくらでも協力する
よ』ってゆうてくれたし」
――あの馬鹿ップルどもめが! 主をお止めせんか!
「私の情熱は誰にも止められへんで。乳揉んで揉んで揉みまくりの夢の部隊や!」
 出来ることならエターナルコフィンかアーテム・デス・アイセスあたりをぶち込んで、はやて
の無駄な情熱を冷ましたいとシグナムは心底思っていた。

507 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:07:52 ID:wcJKh7HC
 鼻歌を歌いながらチョコ作りにいそしむ八神はやてはご機嫌だった。

「バレンタインいえば、シグナムは女の子からようもてるのに、海鳴におった頃は私以外の誰
からもチョコを受け取ろうとしへんかったなぁ。なんでや?」
 はやてが危険極まるチョコレートを型に流し込みながらシグナムに尋ねた。あれだけ色々混
ぜてあるのに一見普通のチョコレートに見えているのは、さすがリインのレシピといったとこ
ろか。
 見た目もばっちり美味しそうな生チョコで、カカオの甘い良い香りが漂う。はやては満足そ
うに頷いた。
 さて、毒味は誰にさせるのが適当だろうか。家族はやっぱり大事だし、六課のメンバーも止
めておこう。そうなるとクロノかロッサか淫獣辺りか。

「バレンタインとは愛する者達がチョコを贈り合う日ではないのですか?  主は家族ですから
別としても、何故私が好きでもない女性からチョコを贈られないといけないのです?」
 シグナムの返答にはやては眉を顰めた。シグナムには義理チョコという概念はないのだろう
か?
 恋する乙女以外の大抵の女性にとって、バレンタインなんて本命にチョコを渡すより義理チョ
コや友チョコを渡す方に忙しい日なのだ。まるでお歳暮やお中元の如く。人によってはホワイト
デーの三倍返しに期待して渡すという何だかカオスな記念日だ。
 今時チョコは本命以外受け取らないなんて、お前は一体どこの祥子様かと問いたくなる。あ、
だから自分のチョコは受け取ってくれるのか? でもシグナムは中の人で言えば乃〇子ちゃんじ
ゃないのか? 

「いえ、実は古代ベルカでも2月14日は似たような記念日になっているのです。古代の聖王
にまつわる記念日で、決まった相手のいるカップル同士が贈り物をして愛を確かめ合う日なの
です。主の世界のバレンタインデーも贈り物がチョコであるだけでほとんど内容は変わらない
と聞きましたが?」

 微妙に自分の知っているヴァレンタインとは微妙に違う定義にはやては首をかしげる。これ
は日本のバレンタインと言うよりはむしろ――

508 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:09:27 ID:wcJKh7HC
「誰にや?」
「シャマルからですけど、何か間違っていましたか?」
「いや、間違ってはおらんで」

――日本のヴァレンタインとは違うておるけど

 多分シャマルがシグナムの事をからかって、ドイツあたりのバレンタイン事情を教え込んだ
のだろう。それをシグナムが真に受けたと。
 いや、彼女が好きなシャマルのことだから、自分のチョコを受け取ってくれないシグナムに
腹を立ててそんなことを教えたのかもしれない。そういえば今年もシャマルはシグナムに手作
りチョコを渡そうと料理の本を見ながら奮闘していたのを思い出す。

――既製品のチョコなら受け取ってもらえると思うんやけどなぁ

 しかし、無理やりにシャマル特製デッドリーチョコを食べさせられるシグナムの受難が面白
すぎて、はやてはその事実を告げたりはしないのであった。

509 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:10:20 ID:wcJKh7HC
 車を盛大にかっ飛ばしつつ、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは悩んでいた。

 何についてかというと、シグナムに渡すバレンタインのチョコについてである。当然義理チ
ョコである。フェイトには愛する妻なのはと娘ヴィヴィオがいるのだから、いやまだ結婚はし
ていないのだが、というか彼女の頭の80%はいつも二人に対する煩悩で一杯だ。
 そんなフェイトが何故シグナムへの義理チョコについて悩んでいるかというと、それにはた
いして深くもない事情があるのだ。

 出会ったばかりの10年前のヴァレンタインのあの日、フェイトは何時もお世話になってい
る好敵手にとチョコを渡そうとしたのだが、当の本人に
「気持ちはありがたいのだが、非常に嬉しいのだが……私はロリコンにはなりたくないのでな。
悪いが十年ぐらい待ってくれんか?」
 等と言われて受け取ってもらえなかったのだ。義理チョコとロリコンの相関性については当
時の幼い自分にはいまひとつ良く理解できなかったが、いや未だによく分からないのだが、
 だって義理チョコでもヴィヴィオからもらえたら自分はソニックフォームで空を駆けめぐっ
てしまうぐらい嬉しいし、まあとにかく十年後に出直してこいと言われたことだけは理解できた。

 そんなこんなでやってきました十年目、今年はシグナムとの因縁の年だ。
 やっぱ勝負には負けたくないよね、シグナムに今年こそは義理チョコを渡してぎゃふんと言
わせてやるんだと、何だか趣旨が微妙にずれたことを考えつつフェイトは蒼い顔をして助手席
に座っていたはやてに話しかけた。

「ねえ、はやて。シグナムってどんなチョコが好みなのかな」
 はやては怪訝そうな顔をしながらもフェイトに答える
「確か味はビターな方が好きやと思うたけど、フェイトちゃんシグナムにチョコあげる気や
の?」
「うん、今年こそはシグナムに義理チョコを受け取ってもらおうと思って」
「フェイトちゃんのチョコやったら何でも喜んで受け取る思うけど(むしろ義理と違うほうが
喜ぶやろうけど)シグナムはフェイトちゃんのチョコも受け取らんの?」
「シグナムったら、初めてのバレンタインで義理チョコを渡そうとしたら十年後に出直してこ
いって言ったんだよ? 何だかよく分からなかったけど十年たったから、今年こそはシグナム
に義理チョコ渡そうかと思って」

510 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:12:04 ID:wcJKh7HC
 はやての顔が何とも言えない微妙な表情を浮かべた。例えるならば不幸な人を呆れ哀れみつ
つも、心の何処かでその人の境遇を笑っている、そんな感じだ。
 そうか、シグナムはビターチョコが好きなのか。ビターチョコと言ったらやっぱりあれに決
定だろう。心の中でシグナムに渡すチョコを吟味しつつさらにフェイトははやてに質問を投げ
かける。

「せっかくだから今までの十年分の利子として、なにかプレゼントを付けようかと思うんだけ
ど、シグナムが欲しがりそうなものって何だろう?」

 シグナムにこの間「何か欲しいものはありますか?」と聞いたら「『御家〇残九郎』のDVDが
欲しい」などと言われたのを思いだした。確かにあの時代劇は結構面白かったけど、DVDになっ
ていないんだからそんなものプレゼント出来ないではないか。せめて「鬼平犯〇帳」ぐらいに
しておいて欲しいものだ。あれならDVDBOXも出ているし。
 フェイトがくだらない回想をしていると

「そうやなあ。花なんてどうやろか?」

 思ってもいなかった答えがはやてから返ってきた。

「シグナムがお花なんてもらって喜ぶのかなぁ?」
「それはシグナムに失礼やよ、ああ見えても意外に乙女チックなところもあるんやよ」

 それは意外だと思った。顔を合わせれば何かと「テスサロッサ、果たし愛をしよう!」と言
ってくるし(なんか漢字が違うといつも思うのだが)、シグナムは剣と騎士道と時代劇にしか
興味ないかと思っていたのだ。まあ、シグナムも武人とはいえ女性であるから花とかあげるの
も結構いいかもしれない。

「それじゃあ、シグナムはどんな花が好きなのかな?」
 その言葉にはやての目がきらりーんと怪しく輝いた。もちろんフェイトはそんなことには気づ
かない。

511 名前:義理チョコ狂詩曲[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 07:13:36 ID:wcJKh7HC
「シグナムはな、薔薇が好きなんや。真っ赤な薔薇や。」

意外だ、白薔薇かと思っていたのだ。だって〇梨子だし。ロサ・ギガンティア・アンブゥトゥ
ンだし。

「そうか、じゃあその線でいってみるよ。はやて、相談に乗ってくれてありがとうね」
「いやいや、うちの大事な家族のことやし、フェイトちゃんやったらこの位いつでも相談に乗
るよ」
 結局お人好しの執務官は最後まで悪戯好きの部隊長のにやにや笑いに気付かなかった。

 

 そんなこんなでやってきました二月十四日



 機動六課の司令室でグリフィス・ロウランは焦っていた。

 目の前に伝説のチョコレートがあるのだ。
 それは、時空管理局でまことしやかに囁かれる都市伝説。
 二月十四日にそのチョコレートを受け取ったものは、次の日に無惨な姿になって発見される
という。
 そして、犠牲者達は皆「ピンクの光が……ピンクの壁が……」とか「魔王が……魔王に頭冷
やされる……」などの共通の譫言を述べるのだという。
 人呼んで「魔王を招く恐怖の闇討ちチョコレート」
 その正体は、テスタロッサ・ハラオウン執務官のチョコレートだと囁かれている――
 シャーリーからその話を聞いたときはいつもの冗談かと思っていた。
 しかし――

 そのチョコレートが今自分の目の前にあるのだ


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2008年02月14日(木) 12:49:37 Modified by nanohayuri




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