スローライフ12



「ど、どこ、行くの?」
思えばあいつ以外の男の人とならんで歩いたことなんかなかった
びっくりするくらい緊張
「はは、そんな緊張しないでさ、楽にしてって」
…それは無理だと思う
「……実はさ…君に聞きたい事があって…彼の事…なんだけど」
…ぴくりと体が反応する
「へー…ふーん…その反応だと、やっぱり付き合っちゃったりしてる?」
「え!?そ、そそ、そんなんじゃないですよ?」
我ながら呆れる程の慌てっぷりだ
「か、彼とは…ただ…友達…」
…友達…でしかない
「友達なんだ?見た感じだけだと凄く仲良さそうだったけど、隠してたり……」
「違う!」
違う…
「本当にただの……友達……だから…」
「………はっ…ンだよ使えねぇ女」
「え……?」
突然の言葉に耳を疑った
「あっ!?うぁ…は…」
首を捕まれ、壁に押し付けられる
「ったく…てっきりあの野郎の女かと思ったら…まぁいい、携帯携帯っと…」
ゴソゴソと私の服のポケットを漁る
「あーっ…包帯…痛ぇ…」
首を締める手に力が入った
「…けほっ……ぅ…」
苦しい…なんでこの人はこんな事をするんだろう?
「ん〜…お、あったあった、ま、来てくれるといいな」







……
…………
「……誰だ」
寝ぼけた頭が急速に冴えてくる
「っとねー、今、代わるから待ってろ」
…代わる…嫌な予感しかしなかった。出来れば、あって欲しく無い事


「……うくっ…けほっ…う」
…思考が停止する
一番聞きたくなかった声…
一体何があった。無事なのか…今、何をされているのか…
「聞こえた?」
男の声で呼び戻される
「お前っ!!何をした…っ!」
頭が熱い、平常な思考が出来ていない
「何をしたって……これからしてやろうか?仲間呼んでさ?ん〜…4Pとか?」
ギリリと唇を噛む
熱くてショートしそうな頭が更に熱くなった
「ふざけるなっ!そんな事やってみろ…殺してやる」
「おーおー、おっかねぇ…んじゃ、是非とも助けたいんなら、今から言う場所まで来い」



……
何があったか…いや、重要なのは、今あいつが危険だってこと


「…必ず、必ず守ってやるからな…!」



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2008年02月04日(月) 23:24:17 Modified by katzenveit_c0162




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