土井敏邦さん講演会５
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p_semi2009 2009年08月09日(日) 01:01:20履歴
5回目です。今回はイスラエル側へ焦点を当てた部分の報告です。これはイスラエルが特殊な社会という事ではなく、むしろ私たちの社会が戦争責任問題や戦後補償問題に対する時に表れる被害者の方々の｢生｣のありように対する想像力のなさと共通するものがあるように感じます。イスラエルの｢想像力の欠如｣を批判すると共に、私たちの社会では｢想像力の欠如｣が何に対してなされているのかを考える必要があります。(twin)
イスラエル軍
イスラエル世論
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ガザ攻撃に対し9割もの人が支持するというイスラエル国民はガザ攻撃をどの程度知っているのだろうか、またどのように考えているのだろうか。土井氏のインタビューによると一般的なイスラエル人の意見としてはたくさんのパレスチナ人が犠牲になっているのは知っているが、イスラエルのセキュリティーの為にはやむなし、というものだった。イスラエルは常々アラブ人のテロリストに脅かされてきたし、犠牲にもなってきたのだから国民を守るため空爆も致し方なしとして正当化されている。具体的には「(インティファーダについて)我々は全て与えようとしたのにパレスチナ人は拒んだ」「警告はした」「アラブ人以上にテロでイスラエル人が殺された」、市民が犠牲になることについて罪悪感はないのかという問いに対し、「2,3人殺して済むならそうするが何千人ものテロリストがいる」、また女性や子供が犠牲になっていることについて「ハマスを選んだのは女性も同じだ」とする意見があった。こうした攻撃の正当化に関してはレバノン戦争時に失った強いイスラエルという自己イメージを回復するとした見方もある。
｢沈黙を破る｣のユダ・シャウールによれば、ガザ攻撃をハマスとの｢戦争｣と呼ぶから通常許されないようなことも支持されてしまうという。そうした状態に慣れて道徳心が薄れているのだと彼は述べる。
また戦前イスラエルメディアによる戦争化への圧力があったという指摘もなされている。イスラエル南部のカッサムロケット攻撃を受けた家を何度も取材し、政府に圧力を掛けたのだとされる。しかしながらそうして執拗にカッサムロケットの被害者を報道する一方で虐殺されたパレスチナ人には名前がない、パレスチナ人という総体でしか語られないことを土井氏は指摘している。
�∩杼�力の必要性
土井氏は｢想像力｣の必要性を訴える。民族や肌の色を超えて相手の事を自分の事のように考える、相手を同じ人間と感じ取る感性と想像力が必要とされている。そして総体としてのパレスチナ人ではなく一人ひとりを描くこと、それによって人間性を奪われた人を人間として、その痛みを感じることで、人が生きていけないような状況にあるガザの現状を把握しなければならない。マクロの視点から勉強するのではなく、人に寄り添ったミクロの視点から感じることを実践する必要がある。しかしながらイスラエルではガザも状況を知っていながらも9割支持という現状があり想像力の欠如が指摘されている。
��ハマス
イスラエル世論は上記で見たようにアラブ人を心底嫌っているという印象がある。イスラエルでは現在”リベラル“な人であってもハマスをよく言うことは難しくなっており、ハマスはイスラエル人を嫌っていると語られる。ハマスのイメージを悪魔化することで今回の攻撃を可能とした部分があるとも指摘された。イスラエル街頭での土井氏の「パレスチナ人も同じ人間ではないか」という趣旨の問いに対し、イスラエル人の若者が「同じではない。アラブ人は自分の子どもを｢人間の盾｣とするが私達はしない」と答えたことからもそれは伺える。
ガザにおいてはイスラエルの主張する「ハマスがロケットを撃つことをやめないから攻撃が行われた」のだからハマスの責任だとする論理は受け入れられていない。攻撃はイスラエルによるもので、しかもハマスを狙ったのではなく住民を攻撃するものだという意識である。しかし、こうした意識は必ずしもハマスへの支持から生じるのではない。すなわち、ハマスの支配とイスラエルの攻撃は別問題で、ハマスのカッサムロケットを免罪符にしてイスラエルによる攻撃や住民虐殺を正当化することは出来ないということである。
イスラエル軍 
イスラエル軍は｢世界で最も道徳的な軍隊｣を自称しているが、今回の攻撃で実際には、相手が武装していなくとも警告で効果がなければ射殺してよいといった指示や、まずは発砲という方針だった、戦争犯罪に当たる行為があったといった兵士達の証言が相次いでいる。侵略・戦争になれば、そうした明らかに戦争犯罪であるような行為も常態と化し、特別なケースではなくなってしまう。しかしながら、イスラエル軍は｢国民の軍｣である為に批判されにくいと指摘されている。
イスラエル世論
�．ぅ好薀┘襪力斥�
ガザ攻撃に対し9割もの人が支持するというイスラエル国民はガザ攻撃をどの程度知っているのだろうか、またどのように考えているのだろうか。土井氏のインタビューによると一般的なイスラエル人の意見としてはたくさんのパレスチナ人が犠牲になっているのは知っているが、イスラエルのセキュリティーの為にはやむなし、というものだった。イスラエルは常々アラブ人のテロリストに脅かされてきたし、犠牲にもなってきたのだから国民を守るため空爆も致し方なしとして正当化されている。具体的には「(インティファーダについて)我々は全て与えようとしたのにパレスチナ人は拒んだ」「警告はした」「アラブ人以上にテロでイスラエル人が殺された」、市民が犠牲になることについて罪悪感はないのかという問いに対し、「2,3人殺して済むならそうするが何千人ものテロリストがいる」、また女性や子供が犠牲になっていることについて「ハマスを選んだのは女性も同じだ」とする意見があった。こうした攻撃の正当化に関してはレバノン戦争時に失った強いイスラエルという自己イメージを回復するとした見方もある。
｢沈黙を破る｣のユダ・シャウールによれば、ガザ攻撃をハマスとの｢戦争｣と呼ぶから通常許されないようなことも支持されてしまうという。そうした状態に慣れて道徳心が薄れているのだと彼は述べる。
また戦前イスラエルメディアによる戦争化への圧力があったという指摘もなされている。イスラエル南部のカッサムロケット攻撃を受けた家を何度も取材し、政府に圧力を掛けたのだとされる。しかしながらそうして執拗にカッサムロケットの被害者を報道する一方で虐殺されたパレスチナ人には名前がない、パレスチナ人という総体でしか語られないことを土井氏は指摘している。
�∩杼�力の必要性
土井氏は｢想像力｣の必要性を訴える。民族や肌の色を超えて相手の事を自分の事のように考える、相手を同じ人間と感じ取る感性と想像力が必要とされている。そして総体としてのパレスチナ人ではなく一人ひとりを描くこと、それによって人間性を奪われた人を人間として、その痛みを感じることで、人が生きていけないような状況にあるガザの現状を把握しなければならない。マクロの視点から勉強するのではなく、人に寄り添ったミクロの視点から感じることを実践する必要がある。しかしながらイスラエルではガザも状況を知っていながらも9割支持という現状があり想像力の欠如が指摘されている。
��ハマス
イスラエル世論は上記で見たようにアラブ人を心底嫌っているという印象がある。イスラエルでは現在”リベラル“な人であってもハマスをよく言うことは難しくなっており、ハマスはイスラエル人を嫌っていると語られる。ハマスのイメージを悪魔化することで今回の攻撃を可能とした部分があるとも指摘された。イスラエル街頭での土井氏の「パレスチナ人も同じ人間ではないか」という趣旨の問いに対し、イスラエル人の若者が「同じではない。アラブ人は自分の子どもを｢人間の盾｣とするが私達はしない」と答えたことからもそれは伺える。
ガザにおいてはイスラエルの主張する「ハマスがロケットを撃つことをやめないから攻撃が行われた」のだからハマスの責任だとする論理は受け入れられていない。攻撃はイスラエルによるもので、しかもハマスを狙ったのではなく住民を攻撃するものだという意識である。しかし、こうした意識は必ずしもハマスへの支持から生じるのではない。すなわち、ハマスの支配とイスラエルの攻撃は別問題で、ハマスのカッサムロケットを免罪符にしてイスラエルによる攻撃や住民虐殺を正当化することは出来ないということである。
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