[26] 漢たちの挽歌その11(1/10) sage 2008/01/14(月) 14:58:32 ID:2EGhg1J2
[27] 漢たちの挽歌その11(2/10) sage 2008/01/14(月) 14:59:24 ID:2EGhg1J2
[28] 漢たちの挽歌その11(3/10) sage 2008/01/14(月) 14:59:54 ID:2EGhg1J2
[29] 漢たちの挽歌その11(4/10) sage 2008/01/14(月) 15:00:21 ID:2EGhg1J2
[30] 漢たちの挽歌その11(4/10) sage 2008/01/14(月) 15:00:49 ID:2EGhg1J2
[31] 漢たちの挽歌その11(4/10) sage 2008/01/14(月) 15:01:36 ID:2EGhg1J2
[32] 漢たちの挽歌その11(7/10) sage 2008/01/14(月) 15:02:16 ID:2EGhg1J2
[33] 漢たちの挽歌その11(8/10) sage 2008/01/14(月) 15:02:41 ID:2EGhg1J2
[34] 漢たちの挽歌その11(9/10) sage 2008/01/14(月) 15:03:18 ID:2EGhg1J2
[35] 漢たちの挽歌その11(9/10) sage 2008/01/14(月) 15:04:04 ID:2EGhg1J2

新暦075年12月某日1300時   機動6課演習場


そうして、彼らは無事に6課の視察を終えた。グリフィスやヴァイス、エリオがいないのが気に
かかったが話を聞くと今日はOFFらしいので納得した。

「いや、済まないな。昼食までご馳走になってしまって」
「ええよええよ。いつもお世話になってるからちょっとしたお礼や」
「ねえ、はやて?ここがなのはの監修した演習場?」
「そうや、ちょっと見ていくか?」
「うんお願いするよ」

はやては嗤った。どうやって誘い込もうか迷っていたところにターゲットが自ら罠に突っ込んで
いってくれたのだから。

彼らが演習場の中心にたどり着いたとき、異変は起こった。
突如周囲の風景が変化し異界となる。
瓦解したビル。あちこちで上がる火の手。あまりに唐突な変化。
しかし、彼らはこれでもそれなりに修羅場をくぐってきた人間だ。この程度で恐慌状態に陥るほ
どにやわではない。まず冷静に状況を確認する。しかる後にはやてを問いただそうとして
「おい、はやて。これは一体・・・・・・・はやて?」
「姉さんもシャッハもいない。これは・・・・」
はやて達女性3人の姿が掻き消えていたのだ。


そして何より彼らが驚くことが待っていた。
「ユーノ君久しぶりなの」
なのはが『闇の衣を纏いし大魔王』として降臨していた。
「ふふふふふ。クロノ?今日も遅いんだって?」
フェイトがザンバーを構えている。その姿はまさしく『金色夜叉』!
「なぁ、3人で今日はどこへ行くつもりやったん?」
はやては背なの羽を大きく開き男達を睥睨する。それは神々しくも恐怖をまとうオーラ。『堕天使』
の如き姿!

漢たちは悟った。
『ば、ばれてるーーーーー!!!!』
ここで、なのはが提出したレポートに書かれていた内容について述べよう。
まずは、ユーノ・クロノ・ヴェロッサのランパブ通いの頻度。一度に使う金額。行っていた行為。
そのほかにもこの店を設立する承認を出した人物までも明記してあった。
そしてなによりも、次回の彼らの予約がこの日の夜だという事までも記載してあった。

クロノは家族にこう説明していた。
『ああ、今度の事後処理に関する会議の後は局の友人と少し出かけてくる。何?浮気?そんな
事するわけが無いじゃないか。僕にとっての女性はエイミィ。君だけだよ』


ユーノはこの日のなのはの誘いにこう答えた。
『いや、今度局の偉い人と会合があってね。無限書庫の運営にもかかわることだからちょっとは
ずせないんだ。ゴメンゴメン、今度は予定空けとくよ。・・・・うん、ヴィヴィオの学校のことだね。
僕でよければ保護者の一人にしてもらっても大丈夫だよ』
などと

そしてヴェロッサは・・・・・・
『ん、ちょっと仕事で帰れないかもしれないなぁ。いや、上層部のある人物の経費のほうに少し
不正が見られるって報告を受けたからその調査にね。いや忙しいかぎりだ』
と、家族に言っていた。
微妙にヴェロッサ君が寂しいとかは突っ込んではいけない。
まあ、3人ともいいわけとしてはそこまで苦しくはない。確かにユーノ・ヴェロッサは友人だし、ク
ロノは局の偉いさん、クロノもユーノも確かに上層部と言っていいと思われる。しかし

『僕にとっての女性はエイミィ。君だけだよ』
とか
『無限書庫の運営にもかかわることだから』
とか
『忙しいかぎりだ』
のあたりは明らかにごまかしだろ?


そうして地獄の釜の蓋が開いた。


「クロノ。私はあなたを自分の奥さんを傷付けるような子に育てた覚えはないわよ?」
と、プレシア・テスタロッサが起こした次元震をも食い止めるほどの処理能力を誇るリンディ・ハラ
オウンの攻撃が走り、
「ふふふ、クロノ君ストレスが溜まるのは解らなくは無いけど嘘はいけないなぁ」
と、『魔王印のトラップ教導隊仕立て2〜そして伝説へ〜』を起動させるエイミィ・ハラオウンが言う。
「いや、嘘なんて・・・・」
クロノが弁解しようとすると轟音が響き渡り再びトラップが発動する。ああ、なるほど。これは伝説に
なりそうなくらいえげつない。下手に動くと周りのビルの残骸が頭上に落下し、動かなければ押収
したガジェットが動かざる得ないように近づいてくる。
「それがもう嘘でしょ!私だけを見てくれるって言ったのによりにもよってランパブ!?ふざけてる
の!!?」
「い、いや。ランパブくらい・・・・」
「くらいって!知らないと思ってるの!?クロノ君が楽しそうに女の子の肩に手を回してたのは知っ
てるんだからね!!」
「なぜそれを・・・・」
クロノが驚愕に顔を染め上げるのと、黄金に輝く刀身が彼の前髪を軽く掠めるのは同時だった。
「クロノ・・・・。私はエイミィ見たくは言わない。おにいちゃんがどんな性癖を持っていても気にしない。
だけど、自分の行為を隠すために他人を巻き込むのは感心しないし、何よりも『私の』(←いや、だか
らフェイトさんにとってはここが一番重要なんですって)エリオに夜遊びを教えるなんて許すわけには
いかない!!!」
フェイトが再びザンバーを振りかぶる!クロノは愛機を起動させようと待機状態のカードを取り出す
が、
「くっ!デ、デュランダル!!」
『(デバイスの発言につき英語だと思ってください)大変申し訳ありませんが、本機は現在リンディ・ハ
ラオウン女史により使用制限がなされています』
リンディ総務統括官いつの間にやら制御を奪ってたようです。
「か、母さん!!」
「クロノ?いつの間にそんな遊びを覚えたのかしら?息抜きも大切とは思うけど家族を泣かせてまで
やることじゃないわよねぇ」

このときのエイミィとフェイトの見解は
『義母さんこわっ!!』
だったりする。


この後5時間に渡り生かさず殺さずの責め苦が彼を襲い続けた。
「いっそ楽にしてくれ!」
と叫ぶクロノに3人の女性はそろって
『駄目』
と答えたという。

「ねえ、ユーノ君。私が今日ユーノ君を誘った時なんていったか覚えてる?」
「え、あ、その」
「覚えてないなら教えてあげるの
『いや、今度局の偉い人と会合があってね。無限書庫の運営にもかかわることだからちょっとは
ずせないんだ』
そういってたの。でもね、それだと嘘なの。普通ランパブでそんな会議はやらないの。ねえ、なんで
なのかな?何でうそついたのかな?」
アクセルシューターの雨の中、ユーノに問いかけるなのは。必死に回避と防御を繰り返しながらユ
ーノは答える。
「いや、その会議の二次会で・・・・うわっ」
ごまかそうとしたユーノの眼前にくすんだ桃色の魔力光の束が突き刺さる。なのはの主砲ディバイ
ンバスターだった。
「やっぱり嘘なの。アルフさんに聞いたら今日はユーノ君一日中オフで。そんな会議も入ってないっ
て言ってたの」
「ア、アルフーーーー!!」
意外な伏兵(密告者)に驚愕するユーノ。叫んだところで
「チェーンバインド!」
脇から飛んできた鎖に飛びのくそこにいたのは最近見慣れた子供形態から大人形態に戻っている
アルフだった。
「アルフ。何で?ここに?」
「ユーノ。あんたはやっちゃいけない事をしたんだよ。よりにもよってなのはを怒らせるなんて」
「え゛?」
「あと、なんだって?お店の女の子の胸にチップを挟んだ?まんまエロ親父だね。この淫獣!」
「なぜそれを・・・・」
「それは、ひみつさ。さて、どう弁解するんだい?」
「あ、あっと・・えーっと」

何かがひしゃげる音がした。
ユーノの背後のビルが倒壊し瓦礫が降り注ぐ。
「ぐっ」
即座にスフィアプロテクションを発動し瓦礫の流れを食い止める。この処理能力に関しては膨大な
情報を処理し続ける無限書庫司書長ならではといったところか。しかしながら
「ハァッ!!」
瓦礫の落下がとまったところでアルフのバリアブレイクにあっさり貫通されそこに
「レストリクトロック」
なのはのバインドが決まる。

ユーノは見た。いつもは青空を舞う白い衣の彼女の姿が、立ち上るオーラで黒く染まっている。
そして、
「スターライトォ!ブレイカーーーー!!!!」
極大の魔力の奔流がユーノの姿を包み込む。


結論から言おう。彼は生きていた。SLBが直撃する瞬間あの、フェレットモードに変身して逃げたの
だ。
しかし、それはあくまで苦しみを引き伸ばすだけだったのだから。
その後、やはり5時間にわたり地獄をさまよい続けることとなる。

ヴェロッサ・アコースは走っていた。ただもう怒れる姉とかシスターとかあと堕天使とかがひたすらに
こわかった。査察官として、それなりに修羅場は抜けてきた。しかし、これほどの恐怖があったろう
か?いや、無い!
無限の猟犬も意味を成さずシスターによって破壊され、姉が発動させるトラップは一瞬の油断も許
さない。
さすがは『教導官は違うなあ』とか考えていると氷結の息吹で身動きを封じられ、壁を抜けた
シスターの一撃が襲い掛かる。そのまま反対の壁に押さえつけられてしまった。
「いや、ちょっとまって。なんでこんなことに・・・・」
「ロッサ。あなたの部屋から多数の領収書が発見されました。ええ、如何わしいお店の。で、あの領
収書は経費として落とす気でいました?」
「あ、ああ。仕事で行ったんだよ。僕としては仕事はしっかりしないといけないと真面目に・・・・」
ドスッ!という音と共にロッサの首の脇を通りシュベルトクロイツが突き刺さる。
「へぇ。ロッサの仕事言うんは女の子を膝の上に座らせてお酌してもらうことなんかぁ。なんや、えら
い楽しそうなお仕事やなぁ。ん?」
「なぜそれを・・・・」
やっぱりこの台詞。そこにカリムがやってきてその他の罪状を挙げていく
「ほかにも色々ありますね。まず、挨拶と称して女性の胸を揉みしだき、王さまゲームでイカサマし
女性に淫らな指示をだす。ほかにも色々ありますよ」
「あ、あ、ああ・・・・」
「ロッサ。あんたはそれだけや無くウチの部隊のグリフィスをその道に引っ張り込んだ。調べは付い
てるんや。クロノ君を止めるどころか煽ったそうやないか」
「ロッサ。仕事と偽って遊ぶだけならまだしも、その支出を経費で何とかしようなどとは言語道断」
「では、お仕置きと行きましょうか。覚悟はよろしいですか?」


彼はこの後、五時間に渡る逃走劇を繰り広げる。それはまるで御伽噺の・・・・・違った。戦術の教本
の如き逃げ方だったという。しかし、それも意味を成さず、結局彼はボロボロのズタボロになった。


さて、ここで全員の逃走が5時間で統一されていることに気づいた方は多いのではなかろうか?
そう、『お仕置き』というには少々苛烈なこの時間。終焉は3人の元魔法少・・・・(ジャキン)・・・・失礼
3人の魔法少女によって引き起こされた。

「さて、じゃあそろそろいこうか。なのは、はやて準備はいい?」
ソニックフォームのフェイトの呼びかけに
「こっちはいいよフェイトちゃん。はやてちゃんは?」
いつのまにやら『白い大魔王』にまで戻ったなのはと
「こっちももんだいなしやいけるでぇ」
気合入りまくりのはやてが答えた。

「じゃあ行こう! 雷光一閃!!プラズマザンバァァァァァァァ!!!」
「全力全壊(←やっぱりまだ大魔王ではある)!!スタァライトォォォォ!!!」
「響け終焉の笛!!ラグナロクッッ!!!」

「あ、ああ」
「僕たちは一体どうしてこんなところ・・・・・」
「ユーノ、それ以上はストップだ。色々危ない」

『ブレイカァァァァァァァァ!!!!!』

『うぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!』


かくして、漢たちの最後の咆哮が轟き、地上に顕現せし地獄は終焉を迎えるのであった。



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目次:漢たちの挽歌
著者:43-154

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