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K-009

コーディ化は体内から取り出さずに出来る技術??


2006/3/11

何処までリアルに考えるのか、考えるべきなのか・・・現実の延長線上で考えるから矛盾が生じる・・・というのは、種世界のすべての事象に対して言えることですが。

特に、MSが活躍する世界観・・・「虚構は虚構でもそれなりに筋の通った説明があった」ファーストシリーズに比べると、設定面でちょっと分が悪いらしい。

私は最初にはまったのがWでしたし、ぶっちゃけあのMSは「戦隊ものと同じ」だと思ってたので、Wでの整合性なんて全く、最初から気にしてませんでした。Wって「何故MSが有用なのか」という設定をきちんと作ってなかったと思うし、作らなかったからといって・・・「子供向けの戦隊ものに、設定をつっこむ無粋な奴はいないだろうが・・・それと同じだろ?」という意識でしたから。

軍事系に興味がなかったから、というのも大きかったと思いますが、今でも私のWに対する認識は「子供向け戦隊もののアニメ版」という感じ、「現実の延長線上の未来として」じゃなくて、「剣と魔法の代わりにMS使ってみましたというファンタジー」として捕らえてます。だってあの世界、つっこんだらキリがないほどおかしいもの。

Wのつっこみたい例を挙げてみると・・・

ノインが五飛を見て「子供?!」と驚いていたが、彼女自身12歳で軍属だったとEWで判明・・・貴族の家柄なのに何故そんな若さで軍隊に入る? あと、トレーズ24歳で総大将な事自体が若すぎる。サリィが19歳(小説ではもっと年上だが)で軍医ってのも・・・。

設定だけで画面には出てきてないが・・・という部分として酷いのは、次のようなものかな。

ヒイロ達5人は100カ国以上の言語を喋れる。(見事な超人ぶりですねー。・・・だから、遺伝子操作+あらかじめ知識をすべてインプット済みに出来るトンでも技術があるはず、という存在としか思えないわけで)

カトルの29人の姉は全員母親が違って、それ程年上ではないが、全員と会ったことがない。(放映では「姉さん達」と言ってただけなので、「母親が違う何十人もの姉」の存在はわからない。イスラム教は一夫多妻制というキーワードだけで、こんな設定作るなよ・・・。そもそもイスラム教ですらないぞ、「妻は4人まで」というのに完全に反してるんだから。EW小説での後付は、さらにあきれ果てるフォローになってない設定だし・・・カトルの父は最低人間だということだけは確実だが。この設定、米国や欧州で公開されたんだろうか?・・・そもそも、金髪碧眼のカトルが「アラブ系」ってなってること自体、冒涜なわけだが)

まぁ、こんなとんでも設定を見れば、「戦隊ものと同列」って評価は妥当でしょう。
(あ、Wを貶める訳じゃないんですよ、好きなんです。ただ、リアルな世界だという擁護は絶対出来ないので・・・ファンタジーとして面白い、というのはW好きとして可笑しい意見なんだろうか?)


しかし、です。
種の場合は・・・・・・・21世紀のファーストガンダムにする!という意気込みの元、ファーストガンダムと同じ位大量の「つじつまの合う形の設定を考え出した世界」のはずなんです。

だったら、ファーストが好きな人々がやってるみたいに、設定に沿って・・・「現実世界の延長の未来として世界をとらえる」ということを、やってみたくなるじゃないですか。

.・・・っていうか、視聴者のつっこみに対して「ファンタジーです」と開き直る訳じゃなくて、なんかやたらと後付をせっせと考え出している「設定部」とやらの行動を見ると・・・「じゃぁ、とことん現実に即してつっこんでやるぜ!」「上手に嘘をついた初代に肩を並べようなど、片腹痛い!」と、視聴者もヒートアップすると思うのだが・・・。

下手に初代と張り合わなきゃねぇ・・・パクらなきゃねぇ・・・・・大人の鑑賞に堪える作品でなければならない、などという「間違ったガンダム像」を無視すればいいのにさ。

で、私も、思いっきり「設定に即してつっこみ」させて頂きたいと思ったわけです。
下手に事細かな年表なんて作るのが悪いのさ・・・年表がなかったら考察成り立たないという部分が、一番気にかかった奴なんで・・・・・・。


.・・・もしも、「ファンタジーとして処理しろ」と言うならば、いくらでもファンタジーとして解釈します。すでにコーディ技術がファンタジーですが、その大元すらもファンタジーして良いならば、話はすごく簡単なんですよ。

.・・・コーディネイター技術は、母親の腹から卵を取り出すという作業をすることなく出来る技術である。
「自然妊娠した瞬間を狙って、体内に受精卵を入れたまま、簡単な処置でコーディネイター化完了」・・・という技術にすれば、ね。

.・・・・・・・いや、こんなこと「現実には」あり得ませんよ?
何処をどう考えても、現実の延長線上から・・・・・受精、妊娠の仕組み、を考えてみれば、「絶対にあり得るわけがない」説です。

「受精卵」と言える期間はとても短い期間です。たとえ体外受精で受精卵を作ったとしても、分割し始めるのを止めたままコーディ化作業をするのはどういう技術使ってるんだ?とかつっこみたいけどそれは脇に置くとして・・・・・ええと、「受精卵」が出来て、着床する前に体外からわかる方法なんて、ありませんからね・・・着床した後は受精卵なんかじゃないですし。

ただ、困ったことに・・・・・・あの、キラとカガリの母親とかいう、何処をどう考えても妄言としか思えない言葉ばかりを吐いていた「ヴィア」の発言を、額面通りに受け取ってしまうと・・・・・そういう設定なのか?と思ってしまう人がいてもおかしくないんです。

.・・・・・何故かと言えば、「公式角川小説の種5巻」が、そんな設定を頭に描いたとしか思えない描写をして下さってますので! ・・・・・・・頼むよ、そんな馬鹿な描写しないでくれよ・・・仮にも公式が・・・・・orz (どの描写かと言えば、「受精卵を一つ胎内に残した〜」っていう一文です)


現実の延長線として、それでもなんとかつじつまが合うように考えてみましょうか・・・・・一つ、手がないわけではないです。体内に受精卵を入れたまま、コーディネイター化処理完了する技術・・・魔法とかファンタジーを持ち出さなくても出来る設定、それは・・・・・「ナノマシン」を体内に入れておき、受精した直後の卵を捕捉、そのマシンにあらかじめ組み込まれたプログラムによって受精卵を改変する・・・という超技術。この「ナノマシン」技術自体は、現在でも実用化出来ないか研究しているものですし・・・。

まぁ、そういう技術なら抵抗感なく出来そうだし、コーディをどんどん生産したのも理解出来るんですけどねぇ・・・ただ、人の遺伝子操作っていう複雑なことをやるナノマシンを、しかも一体一体カスタマイズした形で生産するよりは・・・・・・普通に、体外受精で受精させた卵を弄る方が楽じゃないでしょうか。というか、ナノマシン技術がそこまで発達してるなら、他にも色々なことに使えますから、もっと矛盾が広がりますけど・・・。

「生殖補助医療技術」のあれこれを知ると・・・・・とてもじゃないですが、「コーディネイター技術」というのには納得出来ないことばかりです。
(いや、自分も・・・当事者じゃなくて、興味があって調べていただけなので、真に理解しているという訳ではないのですが)

リアルを何処までと考えるべきか、難しい・・・・・・・。


2006/7/30 追記

竹書房から出版された、「パーフェクト・アーカイブシリーズ」というSEED資料集本を購入し、「その記述はあり得ない」ということが沢山あった為、追記します。

カガリがキラの双子と明記されてるのはともかくとして、
ヴィア・ヒビキの欄で「お腹にいた双子のうちのキラの遺伝子だけを人工子宮に移し、カガリを自然分娩で産んだ」
クルーゼの記述が「生まれつきテロメアが短く、老化現象が早く訪れるという宿命を負っていた」
テロメアの説明が「染色体の末端にあり、寿命の長さを決定する。老化の原因となる」

クルーゼの記述を「老化」と言ってるのは、今までは見たことなかったんだが……(小説版以外で)

あと「遺伝子を人工子宮に」って、何そのありえない意味不明の記述。
「受精卵」か「胚」を、っていうなら、まだいい。「遺伝子を」って何?
……あー、45話の解説では「胎児を使っての実験」ってなってるなぁ………えーと、一応コーディネイターの基本設定って「受精卵に施す」んじゃありませんでしたっけ? いくらなんでも、「妻のお腹にいる自分の子供にまで実験の手を延ばす…」という記述と整合性を取る為?とはいえ、そんな捏造はあまりにも酷いんじゃないか?

で、ひょっとして……と気になって、唯一手元にあるSEED本を確かめてみたら、こっちにも同じような記述があった。

学研の本(おそらく今は絶版)の、45話解説では……
「カガリの双子の兄弟として母の子宮に宿った胎児のキラは、不確定要素の多い生身の子宮から摘出され、人工子宮で発育した」

……どっちの本にも言えることですが、コーディ化って胎児の段階で行うという設定で書いてるんですか? 全身の細胞を全面的に書き換えなきゃいけないのに?
受精卵(〜神経が出来る前の胚時点)ならともかく……なんか、もう、何をどう言っていいやら。

理想的な作り方としては…
  • 体外に取り出した未受精卵子と精子を、顕微授精
  • 2分割期程度の時点で、人為的に2つに分割(作業失敗の予備として、2つとは限らないとも思うが)
  • 一方の卵の細胞を使って、遺伝子配列を解読(この卵は結果的に死滅)
  • (解読する間はそれ以上分裂が進まないように処置しておいた)もう一方の卵に、解読された結果に基づいて最適なコーディ化を施す
という感じになるはずだと思うんだけど。
遺伝子配列は一人一人違うので、こうでもしないと適切な処置が出来ないはずなんだよなぁ……

それと、現在の延長で考えた場合、着床率を高める為に複数個同時に戻すはず=多胎妊娠の可能性が高まる=かなり双子(三つ子もあり得るが)の出生率が高いはず……なのですが。
コーディ化をするのに手間暇がかかる以上、複数個の卵を用意するのは面倒なので……ひょっとすると、1つのコーディ化済み受精卵を分割培養して、2つ3つの胚にそれぞれ育てて、胎内に戻す……つまり、人為的一卵性双生児状態にしたかもしれません。コーディ化がごく簡単にできるなら、普通の体外受精の場合と同じく、二卵性双生児だと思いますが。

ただ、そんな描写は何処にも存在しませんね。
ということは、あり得ない位に着床率が高くなる方法がCE世界には存在しているので、複数個戻す必要が全くなくて1つしか戻さない、あるいは……あるいは…………複数個の卵が着床した場合、減数手術を行う……のでしょう。


あとは……今までは年表の記述をそんなに気に留めてなかったんですが、年表も変なんですよね……「ヒビキ博士、自分と妻の受精卵の一つに、コーディネイター処置を行う」になってる為。
ここで言う「受精卵」は、当然体外受精のものと理解して「構わないはず」なんですが、なんで「一つ」なんだ?
これでは「受精卵」とは「母親の中で受精したものに限る」と思ってる人々が、当然誤解しても仕方ない記述だ……コーディ化自体、「自然受精した卵を体外に取り出して弄ってから体内に戻す」と思ってる人々が大多数らしいし……orz
普通、当然実験の為には「複数個」作るはずだし、そもそも「実験失敗したきょうだいたち。あまたの犠牲のもとに生まれたキラ・ヤマト」って本編でなってたのに。
年表の通りだとすると、他の犠牲者(卵、成長途中の胎児)ってのは、ヒビキ夫妻とは関係なく、研究用に提供されたもので……それは全滅したのにも関わらず、ヒビキ夫妻の卵だけが、「全く予備もなく一つしか作らなかったが、奇跡的に最後まで成長した」ってことか? そんな事があり得るわけないのに……orz

「ヒビキ博士、自分と妻の受精卵にコーディネイター処置を行った上で、人工子宮実験に使用」というのが、一番ベターな書き方ではないか、と思います。


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2006年10月03日(火) 19:38:41 Modified by reyz




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