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K-012

異界の生物と戦う物語、人間と戦う物語


蒼穹のファフナーの紹介を見る機会がありまして、ちょっとだけ世界観設定などを知りました。

総士というキャラクターの設定というか役割というか運命というか・・・は、レイと似たような立場なんですよね。

だがしかし、味方メインキャラとして徹底的にそのキャラクター性が描かれていた(と思われる)総士さんに対し、レイは前半背景、後半悪役・・・悪役でも普通の物語なら、悲劇的要素があれば感情移入出来るような話を作って、考えさせる話にするんですが、種死はあの通りだったので・・・。

どちらが印象に残るキャラかと言われれば、両方見た人はほぼ間違いなく総士さんなんだろうなぁ・・・見た目の好みはともかくとしてね、内面の苦悩とかそういうのがダイレクトに伝わってくる作品だったらしいし。

.・・・・・つくづく、本当につくづく、レイに同じ位の出番と描写があったら・・・・・主人公の親友というポジション、指揮官という設定(あのザクファントムはそういう機体)、言葉足らずで時に冷徹と思えることを平気で言うが、本当は仲間を心配している・・・・・そして、死すべき運命・・・・・・・・・・・なんでこれほど似通った感じなのに、違うんだろうなぁ・・・・・。

ちなみに、私がファフナーを見ていたら・・・萌え感想をブログに書き殴るまではしたかもしれないけど、考察とかそれ使って話を書こうとかは思わなかったことでしょう。

.・・・・・なんだかんだ言って、種から今まで見続けたのは、コーディネイターという存在をどういう風にまとめる気なのか、ってのが気になったからだったので・・・あ、キャラ萌えしたのが前提ですが。
投げっぱなしジャーマンにされたから、自分で補完したくなった、ってことなんだよなぁ・・・・・興味のある分野に深く関わりがあって、しかもそれが世間に多大な誤解を生むような話になっていたことから・・・もし、完成された(理想的な)作品になっていたら、そんなことしようと思わなかっただろうけれども。


ところで、この世界観設定見ると「・・・えーと・・・・・・・エヴァ?」って思ったのですが・・・私はエヴァを実はまともに見てない(放映時にちょこっと見てただけ)んで、「全然違う所がいっぱいあるよ」という話でしたらすみません。
でも、ああいう設定って感情移入がかなりしやすい話だよなー・・・「半現代のファンタジーメカ」が「異界の生物」と戦う話ってのは。

自分たちが生き残る為に何をしなければならないか、そのために様々な犠牲があるとしても、自分たち仲間のことだけを考えればよい・・・・・「戦って倒して殺すのは同じ人間だ」という葛藤を抱えなくて良い、というのは・・・感情移入するのにすごく楽。
好きなキャラが大切に思っている者達が次々命を落としていく(かもしれない)のを、好きなキャラと同じ目線で嘆き悲しむことが出来る。打ち倒した時にはカタルシスを得られる。そう、ファンタジーRPG(DQやFF)のモンスターは、ためらいもなく打ち倒せるのと同じく。

でも、戦争物だと、そうはいかないんですよね・・・・・相手は、同じように大切な仲間を守りたいと思って戦っている、同じ人間だから。
もしくは、相手にも同じような感情があると感じられる敵(DQ4のピサロとか)だと、倒すのに葛藤があるんですが・・・まぁ、DQ4の場合はその時点で「同じ」といえない状態に墜ちてたので、死によってしか救われないだろうと納得しましたけど・・・。

だけど、だからこそ、きちんとした戦争物をとっつきやすいアニメで行う意義って、あるはずなんですよ・・・自分、味方の立場だけじゃないことがわかるから。

で、戦争否定、戦争をする為の兵器を否定したガンダムWは、いくらファンタジーだと言われようが、あれはあれで「物語としては美しい」から良いんです。
リリーナというヒロインが、自分の出生(滅亡したサンクキングダムの王女)を知って、その国の理念を学び、共感し、話し合いによってなんとかその主義・・・「完全平和主義」を世界に広め、争いをやめようと努力する話。
.・・・現実に考えたら、そんなことを出来るわけありません。全世界の人々が武器を持たなければ戦争は起こらない・・・それは理想だけど現実的じゃない。でも、物語としては面白かった。それが理想に過ぎないとわかる年ならば、ならば現実ではどうすればいいのか・・・と考えるきっかけの一つにはなったんじゃないかな?
(主人公達はガンダム乗りなので戦っていますが、戦いが好きな訳じゃない。最後はリリーナの理想実現をサポートするような立場になります)


困るのは、「戦争やめよう」と言いつつ自分たちの為だけに超強力兵器を隠し持ってたり、「全世界を平和にする為」とかいって、話し合いの前に有無を言わさず武力行使(殺したくないと言いつつ、画面に映ってないだけで、何十人以上犠牲になってますが)したり、傷ついた人々が多すぎて、憎むよりも平穏な生活を望むようになる人が多くなってきたはずの時期に、それを保証しようとする政策を対案も無しに否定して、「武力を持って打ち倒す」話・・・・・・それって、物語としても破綻してますよね?

メインには話し合い出来る立場のキャラがいないって言うなら別ですが(ガンダムWならリリーナ様抜き)・・・平和の象徴のカリスマ、中立国の代表姫様、2人も揃ってるのに!・・・話し合いよりまず武力、って・・・(プロデューサーが嫌いらしい)アメリカよりも、さらに悪いだろうに。アメリカだっていきなり武力行使はしてない。
少なくともラクスは、種の後半話し合いによる解決に奔走していた自分の父親シーゲル・クラインの努力を完全に無にしたんですよ・・・あれが何故許されることなのか。あれが何故、作中で正義とされるのか。

種は戦争物じゃない!・・・と切り捨てるのは簡単なんですが、それだと「じゃあガンダムという肩書きを崩せよ。最後は羽クジラの外宇宙からの襲来を迎え撃つ、普通のヒーローもの・・・何の躊躇もなく撃退出来るから、最高のカタルシスを得られる物語にしてくれよ!」と叫びたくなります、はい。
「ガンダムは戦争物」という前提があるから、「人と人の戦争」だという前提があるから、それが出来なかった・・・他の部分ではすべてお約束を破壊し尽くしたようなものなのに、そこだけ守っても意味ないと思うんだけど。悪役にも自分の正義がある(とわかるような)描き方だったならともかく、「ラクス達は正義!万歳!」という馬鹿な本編では・・・・・勝てば官軍ってのは真実だけど、それにしてもむごい。


ともかく、何も考えないで楽しめる(キャラに同化出来る)作品だったら、こんな葛藤なかったなぁ・・・・・ってことです。

(2006/1/24)

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2006年04月28日(金) 23:07:03 Modified by reyz




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