呟き尾形の個人的な資料です。

飛行船の日

 1916年(大正5年)の1月22日。
 国産初の陸軍の飛行船「雄飛号」が大阪と所沢間の実験飛行が行われました。
 雄飛号は、ドイツから購入したパルセヴァル式飛行船を改修したもので、臨時
軍用気球研究会が開発した飛行船です。
 所沢〜豊橋間を4時間、豊橋〜大阪間を5時間10分で飛んだがそうです。
 しかし、復航はエンジン不調のため分解して陸送されたそうです。
 ちなみに、その前年、モーリス・ファルマン複葉機による東京〜大阪間飛行で
は、往航に5日、復航に3日という時間が必要だった事を考えれば、当時は、実
用の航空機として飛行機よりは飛行船の方がすぐれていたことをしめしています。

 飛行船は、空気より比重の軽いガスをつめた袋によって機体を浮揚させ、こ
れに推進用の動力をつけて操縦可能にした航空機ですが、20世紀前半には、
大西洋横断航路などに就航していたそうです。
 しかし、1937年に発生した「ヒンデンブルグ号」の墜落事故を契機に飛行船
の信頼性は失墜てしまいます。
 それ以来、飛行船は、航空輸送の担い手としての役割を終えることになりま
す。
 その後、飛行船は広告宣伝用や大気圏の観測用等として、不燃性のヘリウ
ムガスを利用した飛行船が小規模に使われています。
 ところが、最近になると、飛行船が見直されてきています。
 地上局、人工衛星、と並ぶ第三の情報通信網として「成層圏プラットフォー
ム」での飛行船の利用が考えられているからです。
 その仕組みは、地上20kmの成層圏に大型の無人飛行船を停留させ、無線
通信の基地局として用いるというものです。
 基地局として必要な電力は飛行船上面に取り付けられた太陽電池でまかな
うことができ、地上局に比べ広範囲をカバーでき、人工衛星に比べ遅延時間が
短く、運用コストが低いという利点があります。
 現在、上記のような、「成層圏プラットフォーム」実用化に向けた取り組みは世
界各国でなされています。
 日本でも、政府による「ミレニアムプロジェクト」の一つとして、成層圏滞空飛
行船を利用した通信・放送サービスが計画されているそうです。

 ところで、この飛行船という呼び名、雄飛号いらい「航空船」というのが正しく、
実は、昭和3年3月29日に、あらためて制式名を「飛行船」と改称したそうです。
 そこで、世間一般では、飛行船の日の由来になった、航空船、雄飛号も「飛
行船」と呼ばれています。






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