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【定義】

文殊菩薩?のこと。サンスクリット語 Mañjuśrīの音写が文殊師利で、意訳すれば妙吉祥や妙徳となる。大乗仏教における菩薩の1つで、智慧を司る。釈尊入滅後に生まれた実在の人物とも伝わり、『文殊師利所説摩訶般若波羅蜜経』や『文殊師利問経』などの経典があり、入滅する様子を説いた『仏説文殊師利般涅槃経』も残るなど、大乗仏教に於ける他の菩薩と扱いが異なっている。なお、尊像としては、獅子に乗り剣を持つ姿で描かれる場合や、僧形・童子形などがある。

【内容】

文殊菩薩について日本曹洞宗でも受容され、釈迦牟尼仏の脇士として普賢菩薩と対に祀られることもあり、「十仏名」でも「大聖文殊師利菩薩」と呼称する。或いは、「聖僧」の1つとして僧形の文殊菩薩が僧堂に祀られる。ただし、それは江戸時代の面山瑞方禅師の議論以降に確定したことでもあり、両祖の時代の「聖僧(或いは聖像)」の実際は不明。

なお、曹洞宗では、大乗経典は文殊菩薩によって編集されたものとする伝承も受容している。
拝問す、仏法元より文殊の結集?・阿難の結集の両途有り。謂わく、大乗諸経、則ち文殊の結集、小乗諸経、則ち阿難の結集なり、と。 『宝慶記』第20問答

これは、道元禅師が『大智度論』などの説を受けつつ本師天童如浄禅師に質問したものである。ただし、如浄禅師は以下のようにも示している。
又た言わく、文殊の結集は一意なり、常途の説に非ず。況んや文殊、豈に小乗の教行人の理を知らざらんや。阿難、已に大小の二乗を結集す。 同上

そして、如浄禅師は文殊菩薩は釈迦仏など諸仏の師であるとも示した(同上)。そのため、道元禅師は文殊を仏陀としても扱っている。
あるいは、これ文殊師利仏として、大海仏土なる唯仏与仏の如是相あり、あるいは、これ釈迦牟尼仏として、唯我知是相、十方仏亦然なる出現於世あり。 『正法眼蔵』「法華転法華」巻

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