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【定義】

歯を磨くための楊枝、現代でいうところの歯ブラシに相当。十八種物の一。昔は楊(柳)の枝を取り、その端を噛んで歯を磨き、その汁を使って口を洗った。
十八種のうち、楊枝すでに第一に居せり、最初に具足すべきなり。この楊枝の用不をあきらめんともがら、すなはち仏法をあきらむる菩提薩埵?なるべし。 『正法眼蔵』「洗面」巻

【内容】

道元禅師は、自ら中国留学の経験から、中国の僧俗が歯を磨いていないことを不満に思っており、十八種物の1つである楊枝を正しく使う「嚼楊枝?」の法は、仏法に契う行いであるとしている。
つぎに、楊枝をつかふべし。今大宋国諸山には、嚼楊枝の法、ひさしくすたれてつたはれざれば、嚼揚枝のところなしといへども、今吉祥山永平寺、嚼揚枝のところあり。すなはち今案なり。 「洗面」巻

作法の詳細は『正法眼蔵』「洗面」巻にて説かれ、更に叢林の日分行持(後夜の坐禅中に行う)にも組み込まれた(『弁道法』)。『華厳経』「浄行品」から、楊枝を使う際の頌を引用し、作り方は『摩訶僧儀律』『三千威儀経』などから引き、歯磨きの仕方は和語にて詳細に示されている。
よくかみて、はのうへ、はのうら、みがくがごとくとぎあらふべし。たびたびとぎみがき、あらひすすぐべし。はのもとのししのうへ、よくみがきあらふべし。はのあひだ、よくかきそろえ、きよくあらふべし。漱口たびたびすれば、すすぎきよめらる。しかうしてのち、したをこそぐべし。 「洗面」巻

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