子育ての失敗を広く浅く、ゆるやかに追跡。

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『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する (光文社新書)

 


目次

はじめに 9

第1章 作者の死、残された小説 13
 1 残された手がかり 14
   文学の半分が掻き消えた/なぜ唐突にこんなシーンが?/ドストエフスキーの逸脱/残された手がかり/エピローグの手直しが意味するもの/エピローグはいつ書かれたのか
 2 空想のための九つの条件 30
   肝心なのは、二つ目の小説/急に挿入された序文/時代を背負う宿命/「空想」のための九つの条件/「わたしの主人公」の意味
 3 友人、妻……同時代人の証言 41
   革命家として処刑台にのぼる―スヴォーリンの証言/ロシアの社会主義者像について/「新しい登場人物に困惑」/アリョーシャとリーザの葛藤―アンナ夫人の証言/神の人アレクセイ/ソロヴィヨフとの出会いが暗示するもの

第2章 皇帝を殺すのは誰か 57
 4 序文にすべての秘密がある 58
   「無名」のアリョーシャ/アリョーシャは生きている?/序文は書き換えられる運命だったのか/テーマの本質的な統一/「変人」と「実践家」/「著者より」が書かれた時期/書かれなかった『偉大な罪人の生涯』
 5 「始まる物語」の主人公たち 79
   子どもたちが大活躍/「始まる物語」を発見する/コーリャにまつわるいくつかの謎/赤ん坊の父親は誰か/古都ノヴゴロドの位置/大砲のおもちゃと火薬/ペレズヴォンのしつけ方/年齢と誕生日の一致/三層構造として考える/個人的体験を露出させる「自伝層」
 6 思想の未来 105
   べリンスキーの手紙/師弟の友情が成立した瞬間/ガチョウ事件の真相/百姓が感じることを感じない―『悪霊』との落差/よみがえりの思想/「肉をまとった」天使ニーノチカ

第3章 託される自伝層 123
 7 年代設定とタイトル 124
   新しい世代の革命家たち/民衆とともに、民衆のなかに/テロが序文を書かせた?/ペテルソンというニコライ/序文の問題を解決する唯一の方法/「第二の小説」のタイトル/「第二の小説」の年代確定/第三の問題―検閲/処刑台のモチーフはない
 8 アリョーシャはどんな人間か 150
   アリョーシャの変貌/おだやかな人間が犯罪行為に走るとき/リーザのシンクロ現象/革命家と怒りを共有するアリョーシャの教えと十二人の子どもたち/作家の病気/「醜悪な自我」のとつぜんの発露
 9 テロルと『カラマーゾフの兄弟』と検閲 170
   秘密警察の監視とアリョーシャ/十字架にキスするテロリスト/テロリズムと執筆の相関関係/「皇帝暗殺」は書けたか/象徴層のドラマ

第4章 「第二の小説」における性と信仰 193
 10 リーザと異端派 194
   兄イワンへのラブレター/リーザの自傷行為/リーザと父殺し/もっともカラマーゾフ的な男、イワン/鞭を打ちあう人々/野火の広がりのように/アリョーシャが向かう異端派/鞭身派に?去勢派に?
 11 「第二の小説」のプロットを空想する 213
   「第二の小説」の構成、あるいは枠組み/『ドストエフスキー 父殺しの文学』のバージョン/プロとコントラ、または象徴層の哲学/性の否定とクローン人間/現実に肉をまとって復活する/アリョーシャとソロヴィヨフ哲学/全一性を復活せよ/コーリャの十三年間/ロシアの革命思想のふたつのタイプ/モスクワの大学にて
 12 影の主役、真の主役 243
   「第一の小説」の主人公たち ドミートリ―、イワン、カテリーナ、グルーシェニカ/「再審」でドミートリ―は救われるのか/『カラマーゾフの兄弟』のはるかな起源/グルーシェニカとカテリーナ/イワンのヨーロッパ行

おわりに もう一人のニコライ、ふたたび自伝層へ 261

参考文献一覧 271
余熱の書―あとがきに代えて 273

関連書籍

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