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「…あ、いちばんぼし」

レッスンが終わって家への帰り道。
独り言で小さく呟いたつもりが少し前を歩いてた亜美に聞こえたみたいでくるりと振り向いて首をかしげた。
別に何も悪い事を言った訳でもないのに「しまった」とちょっと思ってしまった。

「真美?なんか言ったー?」
「え、あー…。別に!何にもないよ〜」
「ふーん…?」

少し不思議そうにしていたけどあまり気にならなかったのかすぐにまた前を向いた。
今日の夕飯なんだろねー?とか明日は何するのかな〜?なんて言いながら。
それに適当に返事をしながらカバンの中の携帯を探す。

今日は事務所で見なかったから営業か、あるいはオフなはず。
まだ仕事だったら無理かもしれないけど…、なんて思いながら指は急いで文章を作っていた。

『いちばんぼしがすごくきれいに見えるよ!』

そして送信。
なんとなく亜美にはばれないようにすばやく携帯をまたカバンの中に隠した。
別にやましい事してるわけじゃないんだけど、なんか、なんだか秘密にしたいっていうか。

程なくして携帯が震える。
すぐにサイドボタンを押して震えをとめる。そしてまたこっそり確認。
メールの相手はもちろんさっきメールをした相手で。
思わず顔がにやけるけどそこは片手で隠したりなんかして。

『あわてて窓の外見たよー!本当に綺麗だね。教えてくれてありがとう真美ちゃん!』

えへへ。
慌てて窓の外を見た光景とか、その事をメールで送ってる所なんかが想像できて嬉しさがとまんない。
画面を見ながらニヤニヤして歩いていると何かにぶつかった。

「…いたっ」
「…真美…気持ち悪い…ニヤニヤして歩いてる…」
「え、えぇー!気持ち悪くなんかないよー!」
「変な真美…。…、あ。いちばんぼしが出てるよ!真美!明日晴れるかなぁ?」
「晴れるよ!絶対!…お腹すいた!亜美!競争しよ!買った方が冷凍庫の最後の一個のアイス食べれる権獲得〜!」
「あー!!ずるいー!!」

明日晴れるといいな。
もし晴れたらどこかに誘ってみようかな。
とりあえず今日はおやすみ、ゆきぴょん!

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