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静かな夜の765プロ。その静寂は

「春香、いたら出てこい!」

という声とバァンとドアを開ける音に打ち破られた。
入り口に立っているのは我那覇響、961プロの人気アイドルだ。
「春香ちゃんに何か用ですか?」
事務所に残っていた小鳥さんが響に近寄っていく。
「お前、変態事務所の変態事務員か!」
「ええっ、いきなり何言うんですか!?」
妙に小鳥さんがうろたえる。
「何かって…何なんだよ、最近の春香は!」
関係ない、という様子で響は凄まじい剣幕でまくし立てている、相当な不満があるようだ。
「最近の春香ちゃん?ああ、もしかしてステージのこと?」
「そうだぞ!衣装と歌、自分と全く同じじゃないか!どういうことなんだよ!」

二人はもうすぐBランクに届くか、という期待度の高いアイドルとしての地位にあった。
直接対決をすることもあり、良きライバルとして注目度も高かった、のだが…
そんなある日、春香は響と同じ衣装、同じ歌でTVに出演したのだ。
更にその事について取材を受けた春香が
「私、響ちゃんには運命を感じているんです!」
などと発言したせいで翌日の芸能ニュースは大きな盛り上がりを見せた。
しかし、響と961プロからすればこれは大迷惑な話であり直接乗り込んできた、というわけだ。

「どうせ変態765プロのことだから、また卑怯なことして衣装と歌を盗んだろ!」
「えーとですね…」
事務所の奥に消えていく小鳥さん。少しして戻ってくると
「衣装は事務所にいつの間にかあったんです、しかも採寸済みの全員分」
両手いっぱいに衣装を持っていた。それは間違いなくプロジェクトフェアリーの衣装と同じデザインだが
身長や3サイズが異なっており、明らかに765のアイドル向けに作られたものであった。
「な、なんだこれ!?」
「美希ちゃんと貴音ちゃんのも一緒に」
しかも、三人分の衣装が揃っている。
「ええっ!」
さすがの事態に響は動揺した。まさか黒井社長が?いやそんなはずはない
なら一体誰が?何故?全く訳がわからず響はうろたえた。
「あと曲の方は150円で買えちゃいました」
「安っ!」
追い打ちをかけるような一言に響は思わず叫んでしまった。
「もっともそれは春香ちゃんの分だけですが…9人分でも1350円」
「それでも安っ!」
1350円では、家の動物たちの何日分の食費だろうか…恐らく一日分も満たない気がする。
「ううう…あの曲気に入ってたのに…」
がっくりと肩を落とす響。
「そ、そそれだけじゃないぞ…何なんだよあの頭に載ってる変な人形は!自分そっくりじゃないか!」
書き忘れていたことが一つ、春香は頭アクセサリーにぷちびきを載せていたのだ。
響の衣装に響の歌、そして響をディフォルメした人形を頭に載せた春香、それがここ最近の春香の衣装なのだ。
「あぁ…あれは」
「あの衣装のおまけだったんです」
パンキッシュゴシック一式を指さす。
「おまけ…」
「他の娘のもありますよ、可愛いですよね」
春香そっくりの人形を掴むと、ほっぺたをむにむにと触る小鳥さん。
「も、もういい…」
勇んで乗り込んできたものの、響はすっかり気分が萎えてしまったらしい。

そんな時、二人の後ろでドアの開く音がした。
「ひ、響ちゃん…」
レッスンから帰ってきた春香がちょうど事務所のドアを開けた。疲れ気味だった表情が一気に満面の笑みに変化する。
「春香…」
「私に会いに来てくれたんだね、嬉しい!」
「な、何言ってるんだ…?」
「響ちゃん、ちゅー、ちゅー!」
躍りかかる春香、逃げ出す響。しかし春香が部屋に入ったとき鍵をかけたらしく、あっさり春香に捕まってしまった。
「うぎゃぁ!やめろ春香ぁ!そこの変態事務員!助けてぇ!」
後ろから春香に抱きつかれ、小鳥さんに助けを求める。
「私は一向に構わないので」
妙に嬉しそうに二人を眺めている小鳥さん。
「じゃあ、これから二人で夜のお出かけにいこっか」
「や、やだよ!自分もう帰らないと…動物たちの世話もあるし」
「スキャンダルを気にしてくれるんだね、でも大丈夫。きっと皆私達の関係を認めてくれるよ」
「ちがっ、そんな事言ってないぞ、ほんとに離せよぉ!」
ずるずると春香に引きずられる響、二人はどこかへ行ってしまった。
「あー、行っちゃった…」

結局、スキャンダル記事にはならなかったのだが、これ以降春香の響大好き発言は更にエスカレートした。
響の心労は日に日に増してゆき、結局IUでは春香が優勝を獲得した。
「響ちゃん、これで一緒の事務所だね!」
やつれ気味の響に抱きつく春香。もう響には逃げる気力もないらしい。
しかも、春香は響を765プロに引き入れる気満々のようだ。
「いやだ…もう沖縄帰る…芸能界怖い…」
「大丈夫だよ響ちゃん、私が手取り足取り、その他諸々教えてあげるからね」
遠くをうつろな目で見つめる響と、そんな響に頬ずりする春香。
二人の物語はここから再び始まる   のか?

「そんなわけないだろ!」
「響ちゃんだーいすき!」

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