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ちははる―Side Sweet




「手伝って欲しい……?」

「ええ」


765プロ所属アイドル・如月千早は、同事務所のアイドル・菊地真に相談を持ち掛けていた。


「何でボクなの? 春香に相談すれば……」

「その春香にあげようと思っているから困っているのよ!!」

「でも、ボクはお門違いだと思うよ。お菓子作りだなんて……」


そう、千早が真にお願いしていたのは、プレゼントとしてお菓子を作ることだった。

千早のあげたい相手、天海春香は千早とデュオを組んでいるアイドルであり、お菓子作りの腕は抜群だった。

そんな彼女にいつも作ってもらってばかりでは悪いからと、作ろうと思っていたのだ。


「ボクを巻き込まないでよ。もし見つかったらどう言い訳すればいいのさ?」

「そんなに困るの? 萩原さんに見つかると」

「!?」


千早の胸倉を引っつかみ、真は言う。


「……ボク達を脅そうって言うのかい、千早」

「いいえ。ただ、萩原さんの誕生日に真から手作りのお菓子をあげたら喜ぶと思っただけよ」

「でも、ボク達の関係は知ってるって事だろ!?」

「お互い様よ」


とりあえず手を離す真。


「千早。春香の影響で性格悪くなったね」

「暗くて笑顔を見せないよりは、良いと思うわ」



その後、お菓子作りに励む二人であったが、成功までかなりの失敗を繰り返し、

何とか食べられるような物が出来るまでの惨状はあまりに酷いので、

本人達の名誉の為に割愛させていただく。



数日後……


やっと形に出来たショートケーキを持って、事務所へと向う千早。


「おはようございます」

「おはよう、千早ちゃん……ちょっと話があるんだけれど」


いきなり、春香に話し掛けられる千早。

ただ、その雰囲気はかなり悪い……。


「な、何?」

「真と何をしてたの?」

「え!?」


―まさか、見られてた……!?


「答えてよ、千早ちゃん!!」

「きゃっ!」


春香のあまりの雰囲気に、足が縺れてこける千早。

その瞬間……




ぐしゃっ…………




「あ……」

「え……?」


千早の持っていたショートケーキの箱が宙をとび、横になって落ちた……。


「千早ちゃん……これ……」


春香が蓋を開けると、崩れたショートケーキが姿を現した。


「やっと……」

「え?」

「やっと……うまくいったのに……」


人前で涙を見せない千早が、泣きながら走ってオフィスを出て行ってしまった。




―会議室


「真は……これを危険視していたんだ……」


『ボクを巻き込まないでよ。もし見つかったらどう言い訳すればいいのさ?』


「私は……春香に喜んでもらえると思ったのに……」


『真と何をしてたの?』


「疑われるようなことをして……」


―私は馬鹿だ……


「千早ちゃん、おいしいよ」

「!?」


千早が声のしたほうを振り向くと、春香が千早のケーキを食べていた。


「あの後真と雪歩も来て、私が誤解していたってわかってさ……ごめんね、千早ちゃん」

「春香……」

「すごく頑張ったのが分かるよ。千早ちゃん、ありがとうね」

「春香……うう……」

「泣いちゃダメだよ、千早ちゃん。だって……」



―お菓子を食べている時は、幸せな気分になるんだから……





作者:百合13スレ448

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