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「ごちそうさまでした!とってもおいしかったです」
「うふふ、お粗末様でした」

芸能界に身を置く一人の大人として、どうしても日々積もってしまう憂さが、
やよいの笑顔で綺麗に洗い流されていくのを、あずさは感じていた。

名実共にトップアイドルとなった後、活動を長期スパンでのアルバム制作中心にシフトし、
同時に後進の指導にも当たるようになって2年近く。
その間ずっと面倒を見てきたやよいが、先日とうとうAランクに昇格した。
そのささやかなお祝いとして、あずさは彼女を自分の部屋に招いて心づくしの料理をふるまったのだった。

「あの、あずささん」
「うん?」
「こんなにおいしいご飯をごちそうになって、その上にすごく図々しいんですけど……。
 もうひとつだけお願いをしても、いいですか?」
「あらあら、何かしら?
 やよいちゃんは今までとっても頑張ったのだから、私にできることなら何でも叶えてあげるわよ」
「ありがとうございます。あの……」

少しの間俯いた後、やよいは何かを決意したように顔を上げ、真っ直ぐにあずさの目を見て言った。

「私、今日は帰らないつもりで来ました」
「えっ……」
「抱いて、ください」
「で、でも、やよいちゃんはまだ」
「私、もう16歳になりました。好きな人に、どんなことをしてほしいかも、分かってます」
「やよいちゃん……」
「あずささんのこと、ずっと好きでした。
 最初はお姉さんみたいだなーって思ってて、私、家ではいつも弟や妹の面倒見てるから、
 あずささんが甘えさせてくれるのが、嬉しかったんです。
 でも、だんだんそれだけじゃイヤだっていう気持ちが出てきて、
 私、ワガママにになっちゃったのかなって、こんなこと考えちゃダメだって思ってました。
 それで、気づいたんです。これが好きってことなんだって。
 私は、あずささんのこと、恋愛の意味で好きなんだって」

あずさは戸惑っていた。
突然の告白だったせいもあるが、それよりもまだ子供だと思っていたやよいが、
いつの間にか一人の女性に成長していた事実を突きつけられたことに動揺していた。

「あずささんはすごく素敵だから、付き合ってる人がいるかもしれないし、
 もしそうだったら迷惑かもしれないですけど、私、初めてはあずささんにしてほしいんです。
 一度だけでいいんです。それで諦めますし、絶対に誰にも言いません。
 だから、今夜だけ、私を恋人にしてください」

やよいの瞳は熱を帯びて、普段の無垢な幼さはすっかり消え、
あずさの内にある情欲に火を点けるには十分な艶めかしい光を放っていた。

ごくり。
元気一杯で健気で可愛らしい後輩を前に喉を鳴らすなんて、私はなんていやらしいのかしら。
そう思いつつも、もはや既に背中を駆け上がって脳を痺れさせている麻薬物質に抗う気は失せていた。

「本当に、いいのね?」


*****

バスルームから寝室までゆっくり歩きながら、あずさは途中の廊下や部屋の明かりを消していった。
そして寝室のドアを開けると、中は照明が落とされ、ベッドサイドのテーブルに置かれた、
レトロ調のランプを模した電気スタンドだけが、一番弱い明るさに設定されてぼんやりと光っていた。

先にシャワーを浴びたやよいは、既にベッドの中にいた。
うつ伏せの体勢で、あずさが歩み寄ると、枕に埋めていた顔を少し動かして見上げる。
バスローブの下には何も着けてこなかった。
帯を解いてするりと脱ぎ捨てると、現れたあずさの裸身にやよいが目を見張るのがうっすらと見えた。
覆っていた毛布を足元まで剥ぐと、やよいの白い背中とそれに続く丘、そしてすんなりした脚が浮かび上がる。
少しのためらいの後、あずさに見せるように、やよいが仰向けに姿勢を変えて目を閉じる。

本当に、いつの間に。
見下ろすあずさは思う。
華奢なのは昔と変わらないが、胸から腰、そして太股へのラインは大人の女性の体へと成熟し始めていることを示していた。
ツインテールが解かれて髪を下ろしているのも、一層大人っぽく見せている。

「来て、ください」

その言葉を合図に、あずさはやよいに覆い被さり、体を重ねた。
微かにベッドが軋む音がした。

*****

あずささんが触ると、どこもかしこもみんな熱くなって、
うわーって叫んじゃいそうになるから、一生懸命あずささんの舌を捕まえて、
どうするのがいいかよく分からないけど、吸ったり口の中をなめたりして、
唾液があふれてこぼれたけど気にする余裕もなくて、やっぱり大きな声が出ちゃってるような気がする。

胸の先を指先でくすぐるみたいにこすられて、もう片方はちゅって吸ったり舌で転がされたりして、
なんかそうされると、あそこが胸とつながってるみたいにじんじん響いてきて、たまらなくて、
あずささんに脚を絡めて、こすりつけるみたいにしてしまう。

あずささんのことが好きなんだって自覚してから、私の体はどんどん変になって、
前はお布団に入ったらすぐにぐっすり熟睡してたのに、時々なかなか寝つけないことがあって、
そんな時はいつもあずささんのことを考えてしまって、それも裸になって、
あずささんとキスしたり、胸とかあそこを触られて、私もあずささんを触ったりしてるような、
すごくエッチなことで頭がいっぱいになって、気づいたら自分で自分の体を触っていた。

ずっとそうしてると、そのうちぎゅーんとなって、しばらくびくっびくってしてて、
最初はびっくりしたけど、それがイクってことだって知って、
好きな人とそういうことしたいと思うのが恋だってことも知った。

あずささん。
だから私、もう子供じゃないんです。いやらしいこと、いっぱい知ってるんです。
あずささんの裸が見たいとか、あずささんに触ってほしいとか、そんなことばっかり考えちゃうんです。

あずささん。
すごく、切ないです。ここ、触ってください。

*****

「ん、あっ……」

やよいちゃんが欲しがってるように感じたから、そこに指を這わせると、
予想以上に熱く蜜が溢れていて、また私は驚いてしまう。

今日は、驚くことばかりね。
でもやよいちゃんが真剣に私のことを想ってくれてるのが伝わってきて、精一杯愛してあげなくてはと思う。

「やよいちゃん。ここ、見るわね?」
「……はい……」

息が荒くて少し苦しそうだけど、一生懸命応えてくれるやよいちゃんが、たまらなく可愛い。
体を下にずらすと、少し脚を開いて受け入れてくれる。

でもね、やよいちゃん。
おねえさん、もう止まれそうにないの。
うんとエッチなこと、やよいちゃんにしちゃいたい。
例えば、こんなこととか。

「はわっ」

膝を抱えてもっと大きく開くと、さすがにびっくりしたような声が上がる。

「やよいちゃんのここ、とてもきれいで可愛いわよ」
「は、恥ずかしいです……」

それに、とてもいやらしい。
分かる?やよいちゃん。恥ずかしいのに、見られると感じてまた溢れてきちゃうのよね。
でも、おかしいことじゃないのよ。女性の体は、そうなっているものなのだから。

精一杯開いて私を誘っている、美しく愛しい花に口付けると、今日一番大きな声が響いた。

*****

「もう、大丈夫?」
「はい」
「痛くなかったかしら?」
「いえ、あの、ちょっとはありましたけど、あずささん、すごく優しくしてくれたから、大丈夫です」
「そう」

体型は年相応に女らしくなりつつあるものの、身長は中学生の頃とさほど変わらないやよいは、
あずさの腕の中にすっぽりと包まれて、息を整えながら情事の余韻に浸っていた。
髪や背中を撫でながら、その小さな体が少しずつ鎮まっていくのを、あずさは感じる。
そして、事が終わったとやよいが悟った時に言うであろう言葉を、予感していた。

「あの、あずささん……んっ……?」

言いかけたやよいの唇に、人差し指を当てて制する。

「まだ、言っては駄目よ」

私は、ずるい大人だから。
心の中で、あずさは呟く。

「やよいちゃんがしたければ、また来てもいいのよ?」
「ほ、本当ですか?」
「ええ。でも、それよりもまず今は。
 やよいちゃんが可愛すぎて私ももう我慢できそうにないから、今度はやよいちゃんがしてくれるかしら?」
「は、はい!」

小さな掌が探るように体を撫でると、あずさは目を細めた。


<了>











後書き:
あずささんの本心については、ご想像にお任せします。色々あり得るかと。
以前に教師あずささんと伊織のいけない関係なSSを投下したことがあるのですが、
ちょいワルあずささんと年少組(個人的にはプラス千早)の関係はマジヤバイ。
あと16歳やよいって、はるゆきまこの現16歳トリオの誰よりもエロい気がする。
マジヤバイ。

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