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「うう……またクラスの女の子から告白されちゃった…… 。今回の娘（こ）は本気の告白だったみたいで、『入学してからずっと好きだったんです』って泣きながら言うから、断るのに心が痛かったよ…… 。ねぇ、春香。 どうして皆ボクばっかり好きになるのかな? ボクは女の子で男のコが好きなのに……」
「うーん、やっぱり周りの男子に比べて真の方が素敵だからじゃないかな? やっぱり高校生ともなると少なからず男のコに対する幻想とか崩れちゃうし」
「だからって、どうしてボクだけこんな目に…… 。正直、女の子からの告白ってされても辛いだけだよ。最初から断られるのが分かっているのに、どうして皆告白なんてするのかなぁ。 ……あ、あれ?雪歩なんで泣いてるの?」
「うーん、確かに告白する方は自己満足かもしれないけど、される側からするとヘビーだよね。昔、私も親友だと思ってた娘（こ）から急に手紙で告白されて困ったもの。結局、お互い一緒にいるのが辛くなっちゃって友達でいられなくなっちゃったもんなぁ。律子さんはどう思います? ……って千早ちゃん、急に走り出してどこ行くの?!」
「こらぁ千早、ちゃんとドア閉めて行きなさいって。もう、悪いけど美希閉めてきてくれる? うん、ありがと。 ……うーん、難しい問題ね。 よく思春期の女の子は友達や年上の先輩に対する憧れを恋愛感情と錯覚するって言うけど、セクシャルな意味で本気で相手のことを好きになる娘もいるからね。ファンの中にもいるでしょ? 明らかに他とは違うガチっぽいファンレターくれる娘とか。 そういうセクシャルマイノリティーがいることは私達も理解するべきなんじゃないかしら?」
「さすが律子さんは大人ですね」
「でも頭でそう思っていても、実際に接するとなると厳しいかも。 私もノンケだから女性をそう言った風に見ることは出来ないからね。 幸いなことに身近な娘で今まで私を好きになってくれた女の子はいなかったけど、もし告白されてたらドン引きして傷つけちゃったりしたかも。 特に年下の後輩からセクシャルな意味での告白とかされたらね」
「確かに、律子は押しに弱いからね。 泣き落としで付き合うことになって泥沼……とかありえるな」
「うわっ、それは最悪なパターンね。 願わくばこれからもそんなことにならないことを祈るしかないわ。 ……ちょ、ちょっと、この娘いきなり泣き出してどうしたのよ? ね、ねえ?美希?どうかした?」
「伊織はどう思う?」
「わ、私はその、ケースバイケースだと思うから何とも言えないわ。 相手や状況によって考えも180度変わることもあるしね。
ね、ねえあずさ?」
「そ、そうよね。 相手次第だって私も思うわ〜 。運命の人が同じ国の人かも分からないし、異性じゃないとも限らないですから……」
「たう〜。む、むずかしくて私にはまだわからないかもっ……」
「やよいっちは子供だなぁ。って言っても亜美にもよくわかんないけど。 ねえ真美?」
「真美は……真美はあずさお姉ちゃんの言うことよくわかるよ」
「え……?」