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無題(春香×律子 百合19スレ770)の後日談

肩に寒さを感じて、目が覚めた。起きる時間にはまだ早いはず。
薄明るい朝日を映しているカーテンをぼーっと眺めているうちに、
ここが自分の部屋でないことを思い出した。
同時に、寒かった理由にも気づく。……裸でした。

そうだ。だんだん頭がはっきりしてきて、胸の辺りに手をやると、金属が触れる感触。
たぐり寄せると、それはシルバーの小さな三日月のペンダント。

昨夜、この誕生日プレゼントをつけてもらって、キスしている間に私は17才になった。
そして、初めての夜を過ごした。隣に眠っている律子さんと。

最近律子さんは一人暮らしを始めて、私としてはすぐにもお泊まりしたかったんだけど、
恋人の部屋に泊まるってことはやっぱり、そういうことなわけで。
そう考えるとなんだか恥ずかしくて言い出せずにいたら、律子さんが、

「あの、良かったら、4月2日の夜、うちでお祝いしない……?」

と、真っ赤になりながら誘ってくれた。

それにしても。あんなことしちゃった……。
思い出すと恥ずかしいけど、やっぱり嬉しい。

まるでこわれものを扱うように、優しくベッドに寝かされて、何度もキスして。
それからはもう夢中で、二人の熱も匂いも溶けて混ざり合って、体中で律子さんを感じた。
何度も私の名前を呼んで、「好き」と言ってくれた律子さん。
今まで見たことなかった、私だけが知ってる律子さんなんだよね。
そう思うと、胸がじわーんとして、幸せな気持ちに満たされる。

その律子さんの方を見ると、私と同じく裸の肩が少し出ていたので、お布団をかけ直してあげる。
大切な私のプロデューサーさんが風邪を引いちゃったら困りますからね。

ついでにと言ってはなんだけど、じっくり見つめちゃおう。
そう言えば付き合うことになった日も、こんな風に律子さんの寝顔を見てたなあ。
顔を近づけると、規則正しい寝息が聞こえる。
あの時はこっそりキスしようとして失敗したけど、今や何もためらう必要がないから、
堂々としちゃうもんね。

すやすや寝ている律子さんの頬に、額に、鼻の先に。好き好き。
なんか止まらなくなってきた。唇にもしちゃおう。ちゅっ。

「んー……」

あ、しまった。起こしちゃったかな。

「春香……?」

はいはい。あなたの恋人春香さんですよ。おはようございます。

「んー……」

あれ。寝ぼけてるのかな。
まあまだ起きる時間じゃないし、と思ったらいきなり律子さんの腕が伸びてきて、抱き寄せられた。

「おわ!?」

抱き枕みたいに抱きしめられて、胸もお腹もぴったりくっついて、足なんか絡められちゃって、
滑らかな肌の感触と体温を直に感じる。

「しあわせ……」

呟く声の後、またすうすうと寝息が聞こえてきた。
やっぱり寝ぼけてたのかな。たぶん、起きたらすごく恥ずかしがるんだろうな。
でもあんまり言うと嫌がられるけど、照れる律子さんはすごく可愛いからちょっと楽しみだったり。
じゃあそれまでもう少し、眠るとしますか。

「私も、幸せです」

そっと囁いて、目を閉じた。

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