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hellcat1144 2014年04月17日(木) 07:58:36履歴
919 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:25:27.01 ID:RABzQ52Q
ある日千早から相談を持ちかけられた。
「演技の練習?」
千早曰わくドラマの中で女の子同士のキスシーンがあるそうだ。千早自身、乗り気ではないものの一生懸命そのシーンを演じようとした。が、シチュエーションがシチュエーションのためなかなか上手くいかない。そこで私に白羽が立った、らしいのだが
「何で私なの?」
「律子、前に言ってくれたじゃない『千早のためなら私、体張るわよ』って」
……確かに言った、が、それはまだ千早がアイドルの仕事に対し消極的だった頃になんとかやる気を出してもらうために言ったことだったはずなのだが……
「………」
不安げに、ダメかしら?とでも言いたげな千早の顔を見ていると仕方ないと思えてしまった。
920 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:27:19.90 ID:RABzQ52Q
「そういえば千早はする方なの?それともされる方?」
問題のシーンを再現するためにソファに座った千早を見下ろしながら、ふと思ったことを聞いてみる。
「確か……される方だったはずよ」
「うーん…なるほどねぇ……」
確かにこの状況でキスをされる千早は画になるだろう、何故だか納得できてしまった。……て、ちょっと待って
「となると、私がしなきゃいけないのか……」
「?」
千早がキョトンとした顔でこちらを見ている。
一応アイドルの時に演技の経験はあるのだがやはり私なんかでは画にならないと思われたのかキスシーンには縁がなかった。
そのためこの練習がいろいろと、初めてになるのだ。そう思うと少し緊張してしまう。
「何でもないわ、じゃ始めましょう」
緊張していると思われないようそう言ってみる。
第一そこまで緊張することではないはずだ、ただキスをしたフリをする、それだけなのだ。
「じゃあ律子、ソファの背もたれと肘掛けに手を付いて」
千早から指導がでる。
「分かったわ……よいしょ、っと」
言われた通りにしてみると千早の顔が目の前にまで迫る。
921 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:29:15.21 ID:RABzQ52Q
「……で、ここからすればいいのね」
もうすることは分かってはいたが念の為確認をとる。
「ええ、お願い」
そう言って千早は目を閉じる。
唇を尖らせないのはいきなりされたように見せるためだそうだ。
……なら何故目を閉じるのだろうという疑問は置いておくことにした。
「……いよし」
意を決して顔近づけていく、見慣れた千早の顔も近づくに連れていつもより綺麗に見えて思わず顔が熱くなってしまう。
もう触れてしまいそうだあと少しで
あとほんの少しで
そして
「んっ」
唇の少し下、顎のあたりに触れたことを感じとり、顔を離した。
「………ふぅっ、まあこんな感じね」
フリだけだというのにとても大きな仕事をしたように思えた。
「どう?少しは感覚掴めた?」
と、自分の演技の出来も確認すべく千早の方を向くと
922 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:30:46.95 ID:RABzQ52Q
「………?」
何故だかとても不思議そうな顔をしていた。
「どうしたの千早?何かまずかった?」
そう聞くと千早は、顎を撫でながら
「その…今顎に……」
「へ?何言ってるのよ、キスシーンなんてそんなもんよ」
基本キスシーンというのは唇に近い位置に口付けるだけのはず、何もおかしなことはないはずだ。
「そう……」
というのに千早は少し俯き何故か残念そうに見える。
どうしたのだろう、そう思っていると。
「律子」
千早がぱっと顔を上げる。
「どうしたの?」
何事だろうと思い千早の方に顔を向ける。
「ごめんなさい。私、ちょっと勘違いしていたみたい」
「へ?」
「正確には私がする方だったわ」
「え?その体制から……ってうわっ!」
私の疑問を遮るように千早はスーツの襟に手を伸ばし引っ張ってきた。
「ちょ、ちょっと千早!?」
引っ張られた勢いのまま千早とぶつからないよう背もたれと肘掛けに手を付く。
「ふふ、さっきと同じね」
「何言って……んっ!?」
さらに襟を引かれ、思わず目を閉じると唇に温かく柔らかい感触がした。
「ん……ん〜っ!」
とっさに離れようとするが体制も悪くさらに千早は力を緩める様子がなく離れられない。
「んむぁ……」
そうして何秒か後、突然力が緩まり千早の唇から解放される。息をするのを忘れていたためか頭がクラクラして思わず千早にもたれかかる。
「お疲れ様、律子」
私の頭の上でとても嬉しそうな千早の声が聞こえた。
923 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:33:24.02 ID:RABzQ52Q
後日、千早の出演したドラマにはキスシーンはなかった。
それを問い詰めるようとした際また千早にキスをされて呆然としてしまったのはまた別のお話。
ある日千早から相談を持ちかけられた。
「演技の練習?」
千早曰わくドラマの中で女の子同士のキスシーンがあるそうだ。千早自身、乗り気ではないものの一生懸命そのシーンを演じようとした。が、シチュエーションがシチュエーションのためなかなか上手くいかない。そこで私に白羽が立った、らしいのだが
「何で私なの?」
「律子、前に言ってくれたじゃない『千早のためなら私、体張るわよ』って」
……確かに言った、が、それはまだ千早がアイドルの仕事に対し消極的だった頃になんとかやる気を出してもらうために言ったことだったはずなのだが……
「………」
不安げに、ダメかしら?とでも言いたげな千早の顔を見ていると仕方ないと思えてしまった。
920 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:27:19.90 ID:RABzQ52Q
「そういえば千早はする方なの?それともされる方?」
問題のシーンを再現するためにソファに座った千早を見下ろしながら、ふと思ったことを聞いてみる。
「確か……される方だったはずよ」
「うーん…なるほどねぇ……」
確かにこの状況でキスをされる千早は画になるだろう、何故だか納得できてしまった。……て、ちょっと待って
「となると、私がしなきゃいけないのか……」
「?」
千早がキョトンとした顔でこちらを見ている。
一応アイドルの時に演技の経験はあるのだがやはり私なんかでは画にならないと思われたのかキスシーンには縁がなかった。
そのためこの練習がいろいろと、初めてになるのだ。そう思うと少し緊張してしまう。
「何でもないわ、じゃ始めましょう」
緊張していると思われないようそう言ってみる。
第一そこまで緊張することではないはずだ、ただキスをしたフリをする、それだけなのだ。
「じゃあ律子、ソファの背もたれと肘掛けに手を付いて」
千早から指導がでる。
「分かったわ……よいしょ、っと」
言われた通りにしてみると千早の顔が目の前にまで迫る。
921 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:29:15.21 ID:RABzQ52Q
「……で、ここからすればいいのね」
もうすることは分かってはいたが念の為確認をとる。
「ええ、お願い」
そう言って千早は目を閉じる。
唇を尖らせないのはいきなりされたように見せるためだそうだ。
……なら何故目を閉じるのだろうという疑問は置いておくことにした。
「……いよし」
意を決して顔近づけていく、見慣れた千早の顔も近づくに連れていつもより綺麗に見えて思わず顔が熱くなってしまう。
もう触れてしまいそうだあと少しで
あとほんの少しで
そして
「んっ」
唇の少し下、顎のあたりに触れたことを感じとり、顔を離した。
「………ふぅっ、まあこんな感じね」
フリだけだというのにとても大きな仕事をしたように思えた。
「どう?少しは感覚掴めた?」
と、自分の演技の出来も確認すべく千早の方を向くと
922 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:30:46.95 ID:RABzQ52Q
「………?」
何故だかとても不思議そうな顔をしていた。
「どうしたの千早?何かまずかった?」
そう聞くと千早は、顎を撫でながら
「その…今顎に……」
「へ?何言ってるのよ、キスシーンなんてそんなもんよ」
基本キスシーンというのは唇に近い位置に口付けるだけのはず、何もおかしなことはないはずだ。
「そう……」
というのに千早は少し俯き何故か残念そうに見える。
どうしたのだろう、そう思っていると。
「律子」
千早がぱっと顔を上げる。
「どうしたの?」
何事だろうと思い千早の方に顔を向ける。
「ごめんなさい。私、ちょっと勘違いしていたみたい」
「へ?」
「正確には私がする方だったわ」
「え?その体制から……ってうわっ!」
私の疑問を遮るように千早はスーツの襟に手を伸ばし引っ張ってきた。
「ちょ、ちょっと千早!?」
引っ張られた勢いのまま千早とぶつからないよう背もたれと肘掛けに手を付く。
「ふふ、さっきと同じね」
「何言って……んっ!?」
さらに襟を引かれ、思わず目を閉じると唇に温かく柔らかい感触がした。
「ん……ん〜っ!」
とっさに離れようとするが体制も悪くさらに千早は力を緩める様子がなく離れられない。
「んむぁ……」
そうして何秒か後、突然力が緩まり千早の唇から解放される。息をするのを忘れていたためか頭がクラクラして思わず千早にもたれかかる。
「お疲れ様、律子」
私の頭の上でとても嬉しそうな千早の声が聞こえた。
923 名前:ちはりつ[sage] 投稿日:2014/03/16(日) 01:33:24.02 ID:RABzQ52Q
後日、千早の出演したドラマにはキスシーンはなかった。
それを問い詰めるようとした際また千早にキスをされて呆然としてしまったのはまた別のお話。
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