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「『私、天海春香は、本日2010年4月1日を持ちまして如月千早さんと入籍いたしました。
これから二人で、二人三脚で頑張っていこうと思います。』っと…」

そう、今日はエイプリルフール。
アイドル活動の一環(?)としてやっているTwitterに、半ば願望の「嘘」を書きながらため息をつく。
私と千早ちゃんがデュオを組んで2年、お互いの家に泊まったりはするけれど家は別々で。
千早ちゃんの家に転がり込もうにも、狭すぎて同棲できないのが現状なのだ。

「本当になればいいのに…」
「なにが本当になればいいって?」
「ひゃあ!い、いやなんでもないよ、千早ちゃん!」

後ろから聴き慣れた声がして飛び上がった。
さすがにこんな文章を見られるのは恥ずかしいので慌ててパソコンの画面を隠す。

「そ、そんなことよりどうかした?」
「もう春香ったら、今日は新年度のミーティングのために集まったようなものじゃない。
 もうすぐ始まるから呼びに来たのよ。もうみんな揃ってるわ」
「あっ、そうでした…ありがとう千早ちゃん、ちょっと待ってね」

765プロでは新年度にミーティングがあって、新しく入社した人やユニット組み替えの顔合わせがある。
会議室まで歩きながら自然と話題はユニットのことになった。

「今年もデュオを組めることになってよかったね、千早ちゃん!」
「そうね、今年は今まで以上に忙しくなりそうだか、ら」

途中で言い淀んだ千早ちゃんのほうを見ると、ちょっぴり戸惑ったような、照れたような顔をしている。

「? どうしたの?」
「えっとね、春香、急な話なんだけど、今週いっぱいで今住んでる部屋から引っ越すことにしたの」

今週とは確かに急な話だけど、以前と比べてお給料も大分良くなったし、駅から遠くて狭い部屋から引っ越す事にはなんの不思議も無い。
なぜそんな思い詰めたような顔をするんだろうと思っていたら、瓢簞から駒が出た。

「それでね、今よりも広くて駅からも近い家に住むから、良かったら春香も一緒に住まないかな、って。
 ほ、ほら、忙しくなるし、2人で住んでたほうが色々と便利でしょ、だから…」
「……」

慌てて捲し立てる千早ちゃんの顔は真っ赤だ。そしてたぶん私の顔も。

「春香?」
「千早ちゃん大好きーっ!」

がばあ、と飛びついて思い切り抱きしめた。

「本当に?嘘じゃなくって?」
「そんな嘘をついてどうするの……あっ」

どうやら今日がなんの日か思い出したようで、千早ちゃんはふふっと笑みをこぼした。
新年度早々に願い事は叶うし、今年も良い年になりそうだ。

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