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小鳥「不穏な空気を感じます……」
Ｐ「はぁ」
小鳥「はぁ、じゃないですよ！　ちょっと見ない間に、どうなってるんですかこれは！」
Ｐ「どうなったんです？」
小鳥「なんか……こう、色々不穏なんです、まずいんですよ、色々」
Ｐ「口にするのも憚られるんですか」
小鳥「大体おかしいじゃないですか！　なんで今更になって男の子をこの世界に召喚するんですか！」
Ｐ「別にいいんじゃないですか？　こう、傍から見てるぶんには愉快ですし」
小鳥「なにを悠長なことを言っているんですか！　これは一大事、アイマス存亡の危機ですよ！」
Ｐ「はぁ……」
小鳥「……なんかプロデューサーさん、余裕ですね」
Ｐ「いえ、どうせパラレルワールド設定らしいので、気にしないことにしたんです」
小鳥「現実逃避してるだけじゃないですか！」
律子「……」
小鳥「律子さん！」
律子「不穏な空気を感じるわ……」
小鳥「声震えちゃってるじゃないですか」
Ｐ「可哀想に……」
律子「今更言わなくても分かっていると思うけど、これは一大事、アイマス存亡の危機よ！」
小鳥「それもうやりました」
Ｐ「別にそう目くじら立てなくても。別に誰かが死んでたとか、アイドル目指さないとかじゃないんだし。男も結構いい奴らかも知れないだろ？」
律子「理解は出来ても、納得できないこともあるんです。大切に愛でていた箱庭に害虫が湧いたら、誰だって嫌でしょう？」
小鳥「害虫呼ばわりとは」
Ｐ「不穏なのは律子の発言じゃないのか」
律子「大体なんで私がＮＰＣになるんですか！？　Ｐ志望設定は、プロデューサーとの後日談の二次創作に役立てるためのものでしょう！？」
小鳥「な、涙……」
Ｐ「律子、大丈夫だよ。多少小憎たらしくなっても、俺はずっと律子のことを大切に思っているから」
律子「もう、何もかもが遅いんですよ……！　全部変わってしまった！　ささやかな思い出に縋るしか、辛い現実に抗う術はないんです！」
小鳥「律子さん……」
Ｐ「そんなに追い詰められていたのか……」
律子「ううぅ……」
小鳥「……」
小鳥「……？」
小鳥「……！」
小鳥「あ、あの、プロデューサーさん」
Ｐ「どうしたんですか小鳥さん、なにか思いついたような顔をして」
律子「そういえば自分の立ち位置だけはちっとも変わってないなあ、とでも思ったんですか？」
Ｐ「自分なら、あの男性グループのメンバーとも関わりが無くて済むんじゃないか、なんて考えたんですか？」
律子「自分だけは変にメンバーとギスギスせず、一人だけ全員と仲良くできるなあ、と思い至ったんですか？」
Ｐ「新人Ｐが内部分裂や怨敵との立ち回りでくたびれたら、こっそり癒してあげられる美味しい立場だと気付いたんですか？」
律子「もしかしたら、自分にもＰと日々の関わりができて攻略対象になったりするんじゃあ、と夢想したんですか？」
Ｐ「年月の経過で後がない年齢になって、ゲーム中に「もうそろそろまずいかなあ」、なんて話題がふれる気がしたんですか？」
律子「自分だけは、プロデューサー側の立場でいられますもんね」
Ｐ「元々ＮＰＣでしたから、ファンの反動もすくなくて済みますもんね」
小鳥「…………」
律子「どうしたんです小鳥さん」
Ｐ「そんな言葉を無くしたような顔をして」
小鳥「……た、確かにちょっと、一人だけ甘い汁吸えたりするかなあ、とは思いましたけど！」
律子「はあ」
Ｐ「それで？」
小鳥「……でもやっぱり、私はみんなで仲良くしたいですよ。いがみ合って、悪い展望に気持ちを陰らせてしまうのは、嫌なことだと思います……」
小鳥「私が今まで事務員として頑張ってきたのは、みんなのことが大好きで、ずっと一緒にいたかったからなんです！　だから、こんなの……ううっ……」
Ｐ「……」
律子「……」
小鳥「しくしく……」ﾁﾗｯ
Ｐ「あざとい、流石事務員あざとい」
律子「同情票狙いとはやり口が汚いわね」
小鳥「あれー……？」

小鳥「２だか小町だか木星だか知りませんけど、嫌なことは全部薬で流しちゃえばいいんですよ、プロデューサーさん！」