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「こ…これが雪歩さんのおうちですかー!?」
「う、うん…。」
「おっきいですー!雪歩さんちって何してるんですか?」
「あ、その…うまくは言えないんだけど…気にしないで、もらえる…かな?」
「うぅー…気になりますー…」


「ごめんねやよいちゃん…
 あ。あと今週はあまり人がいないの。ちょっとお父さん達、新年ってことで
 2日からうちにあまりいなくて…おじいちゃんの所に帰省してるんだ。
 私はお仕事だから家に残ってるけど、家には今はお弟子さん達が何人か家にいるくらいかな?」
「お弟子さん…?」
「あ、ごめん…気にしないで! さ、うちに入ろう?」
「はいっ!おじゃましまーす!」

私は新年早々、同じユニットを組んでいるやよいちゃんを家に呼んで見た。
きっかけは、番組でお雑煮の話になったこと。
収録の後にやよいちゃんがいっぱい御餅を食べてみたいって話してくれた。
うちには御餅が余るほどあるし、やよいちゃんに沢山食べて、喜んでもらえると嬉しいかな?
…もっとも、元から私がやよいちゃんと一緒に
お正月の一日でも過ごしたいっていうのが、一番大きかったけれど。

「…や、やよいちゃん、あまりあちこち行っちゃはぐれちゃうよ…?」
「うぅ…すみません…こんなに広いおうち、番組のお宅拝見のときくらいしか見たことなくて…」
「これで驚いてちゃダメだよ、伊織ちゃんちはもっともっと広いから、ひっくり返っちゃうんじゃないかな」

そんなことを言いながら、やよいちゃんの小さくて可愛らしい手を握る。
とても、暖かくて、やわらかい…
つい、手に全神経が集中してしまう。汗とかかいちゃったら恥ずかしい…。
私は、やよいちゃんにどんな風に思われてるんだろう。
たまにこんな風に手を握る以外にも、やよいちゃんを後ろから抱っこしたりもしているし…。

手を繋いでいるということは、すぐ隣にいるってこと。
私の左からやよいちゃんが至近距離で私を見てくれる。

「…雪歩さんって…」
「…えっ?」
「やっぱりいい匂いがしますね…」
「そ、そんなこと言われたら照れちゃうよぅ…」
「照れた雪歩さんも…」
「ふぇっ!?」

たまにやよいちゃんはどきっとするようなことを私に言う。
年下の子にびくついていちゃダメだ、私。
…でも、いつも私を励ましてくれるのも、やよいちゃんなんだよね。

「じゃあ、そこに座っててもらえるかな?
 今、御餅焼いてくるから」
「うっうー!私もおもち焼くところ見たいですー!」
「それじゃ、一緒に焼こう?」

「あ、あまり近づきすぎちゃだめだよ…?」
七輪を使って、御餅を焼く。
わくわくした表情でそれを見ているやよいちゃんはとっても可愛い。
つい、御餅よりもやよいちゃんの顔をうっとりと見つめてしまう。
千早ちゃんも伊織ちゃんも小鳥さんも、夢中になってしまう訳だ。

「うっうー…おいしそうですー…」
「や、やよいちゃん、あの…よだれ…」

おもちが焼けた。お湯に軽く入れて柔らかくして、きな粉をまぶして、
お皿に置く。

「いっただっきまーーーす!」
「いただきます」

「雪歩さん…あのっ!」
「な、何かな…?」
「…あーん、ってしてもらって…いいですか…?」
「!
 …あ。うん…いいよ?」

箸でつまみ、やよいちゃんの小さな口に運ぶ。
箸ごとぱくんと口の中に入れ、すぐに食べてしまった。

「おいしいですーーー!凄くやわらかくて甘いんですね!
「よかった…。」

「雪歩さんも!はい、あーーん♪」
「や、ややややよいちゃん!?私は……」

箸は同じものを使っているから…その、つまり…
「うぅ…そうですかぁ…」
「私はその、今あまりおなかすいてないから…
 沢山食べてね?10個でも20個でも用意してるから。
 そっちには砂糖醤油もバターも海苔もあるし。」
「はいっ!ありがとうございますー!」

あ…けど、やよいちゃんが喉を詰まらせてしまったら危ないし…
さっきから顔が緩みっぱなしの自分を見られるのもちょっと恥ずかしい。
臆病だな…私…

「やよいちゃん、お茶を煎れてくるね」
「雪歩さんのお茶ですか…?」
「うん。こっちは少し自信があるんだ♪」
やよいちゃんにはおいしいお茶を飲んでもらわないと。




「や、やよいちゃんっ!?」
「…う……ぅうう…ぅ………」
「しっかりして!?やよいちゃん!!」

じっくりとお茶を煎れて、喜んでもらえるといいけど…などと考えながら
戻ってみたら…なんとやよいちゃんが御餅を喉に詰まらせていた。
大分経っているのか、顔も青くなっている…どうしよう…!

「お嬢!どうなされたので!?」
「あ、あのっ、やよいちゃんが、やよいちゃんが…!
 救急車をお願いします!」


お茶を飲ませるしか!
…って、それは逆効果だし…そういう場合は…
そうだ!

「やよいちゃん、ごめん!」
やよいちゃんを抱き上げ、頭を下にして背中を叩く。
シンプルな方法だけど、結構有効な方法とされている。

「お願い、助かって…!」
やよいちゃんを助けたい。その思いで力いっぱい背中を叩く。
一回、二回、三回。
続けていると…

「うっうぅーーーー!
 けほっ…けほっ…!」

御餅が出てきた!
やよいちゃんは間一髪助かったようだ。

「…う…うぅ…」
「やよいちゃぁぁぁぁああああん!!」

壁を背に、力をなくしぺたんと座り込んだような体制のやよいちゃんを思い切り抱きしめる。
助かってよかった…よかった…!

「ゆ、雪歩さん…くる、苦しいです…」
「えっ!?」


「うぅう…ちっとも貧相なんかじゃないじゃないですー…」
腕を離した私を、頬を赤くして見つめてくる。

「あ、ご…ごめん…」
「ゆ、雪歩さんが謝ることないです!ほんっとうにごめんなさい…!」
「う、ううん…私こそ目を離しちゃったから…
 あ。はい…お茶。苦しかったよね…」
「ありがとうございますー!」

やよいちゃんはすっかり元気を取り戻し、お茶をごくごくと飲み干してくれた。
舌を焼けどしないか心配だったけど、大丈夫だったみたい。

「っぷはぁ…ごちそうさまでしたー!おいしかったですよ!」
「ありがとう…」

「雪歩さん…ちょっと…目を瞑っててもらえますか…?」
「ん?う…うん」

…その瞬間、小さくて柔らかい感触が唇に触れた。細い腕の感触も。

「……や…やよいちゃん」
「あ…あのっ…」


「雪歩さん…大好きです…。
 おまけに命まで助けてもらっちゃって…私、もう雪歩さんが…」
「え…え…!?」

頬を紅潮させ、ちょっぴりエッチな表情になったやよいちゃんの言葉に
しばらく私は硬直してしまった。けど、やよいちゃんは続ける。

「……驚いた雪歩さんもとってもかわいいなーって…」
「…あ…あ…あわわ…あの、やよいちゃ…
 んんぅっ…!」

その元気さで私に飛びついてきた、息の荒いやよいちゃんは、私の唇を覆うと同時に手を胸へと回し…
私も我慢をやめ、勇気を出して、やよいちゃんを抱き…
そうしてどれくらいか過ぎて…


「お嬢!救急車到着しやした!」


そして、お弟子さんに見つかり、服も乱れたまま、一緒に穴を掘って埋まった。



その日はそんな感じで終わったが、私はその日以来
やよいちゃんとそれまで以上に仲良くなれ、
ちょくちょく、誰もいない時に更衣室や楽屋でよく…。



「……仲がいいとは思っていたし、会う度会う度いちゃついてたような子達だけど
 まさかあの二人が同時に衣装が小さいって言ってくるなんて…。
 これは何かあるわ絶対!ああ、もうきっと二人で…!」
「…誰と誰ですか」

「雪歩ちゃんとやよいちゃんよ!
 あぁ、もう二人がどこかであちこちちゅっちゅしたり揉み揉みしたりしてる想像だけで…
 んはぁ…へへ…ピヨピーヨ…
 …あら、よだれが…」

「鼻血も出てますよ音無さん。
 そう…萩原さんが高槻さんを…」
「って………ち、千早ちゃん…?いや、その…」
「そうでしたか。まさか萩原さんに……」

「ちょっ…千早ちゃん?あの…どこに…?ちょっと待ってーーー!」

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