最終更新:ID:stCCQJkZKQ 2013年10月15日(火) 22:43:16履歴
デビューを果たして数週間が経った。
しかし雪歩をメインに、千早をサポートに回したデュオは未だに一切名が売れてなかった。
プロデューサーから見ても実力がないわけではない。
原因は二人にあった。
上り症なうえに自信という言葉が一切抜け落ちている雪歩。
それが気に入らず雪歩に辛く当たりすぎてしまう千早。
このままではトップアイドルどころかテレビに顔を出すことすら危うい。
そこでプロデューサーは二人を呼び出すと考えていたことを切り出した。
「あー二人とも。今日の仕事はない。休みだ」
プロデューサーにそう告げられた二人はとたんに不機嫌な顔になる。
その顔にプロデューサーは希望を持ってさらに言葉を続ける。
「ただし、今日は二人にじっくり話し合ってもらいたい。これからのこととか、今までのこととか。
このままじゃダメってことは、二人ともわかってるよな?」
雪歩が大きく頷く。
その隣で千早は少しイラついたように「わかりました」と小さく呟いた。
まだ弱小のプロダクションが無理して借りてくれたホテル内で話し合いは行われていた。
ただ話し合いというよりは雪歩が一方的にしゃべっているだけだったが。
千早はひたすら聞き手に回っている。
「わ、私、ぐずでドジだけど…そのあの、だから千早ちゃんももう少し私に合わせてくれたら…」
雪歩は始終この感じで話続けていた。
確かに千早は雪歩のサポート役として抜擢されている。
だが話を聞けば聞くほど彼女の納得はいかなかった。
雪歩は彼女にひたすら裏方を務めてくれといっているようなものだと受け取っていた。
いくらデュオでのデビューとはいえ、千早もアイドルのプライドがある。
そんな提案を聞き入れるわけにはいかない。
そしてもう一時間も同じような話を聞いていて我慢の限界にも来ていた。
千早はしびれを切らしたようにバンッと大きい音を立てて安っぽい机を叩いて立ち上がる。
「さっきからぐちぐちと、萩原さん。貴女がそんなだから私達は売れないんですよ。
ステージに立ったら上がってトチる。営業に出たら恥ずかしがって何もいえない。
貴女はアイドルを舐めているんですか? そうでなければアイドルを目指すこと自体、間違いだったかもしれませんね。
このままでは私は萩原さんとはやっていけません」
彼女は一気に早口でまくし立てると肩で息をしながら「しまった」と思った。
ここまで言うつもりはなかった。例え本当のことと思っても、言いすぎだった。
しかし謝ろうとしても彼女の口は動かない。
机に手をついて、ぎゅっと目を閉じて、怒っているようにしか見えない。
少しの間、一切の音が部屋からは消えていた。
千早がやっと目を少しづつ開けると、そこには笑いながら泣いている、そんな雪歩の顔があった。
これには彼女も罪悪感を覚えなくなかった。
禁句を口にしてしまったことか、泣かせてしまったことかはわからないが。
千早にとってこの反応は予想外だった。
普段の雪歩なら苦笑しながら「そうですよねぇ」とかいって自分の頭を小突いて終わりだったはずだ。
だが今千早の目の前にいる少女はそれが一切なかった。
言葉もない。笑い声もない。しかし顔は笑っていて、それでいて涙が流れていた。
「そうだよ…どーせ私はアイドルなんてならないほうが…よかったんですよね…」
ぽつぽつと雪歩が呟きだす。
感情が消えたような、抑揚のない声だ。
「ぐずだしドジだしノロマだし、千早ちゃんみたいに凄い歌歌えるわけでもないし。
そーだよね…私なんかアイドルにならないほうがいいかもしれないよね。
それでも私も今はアイドルなんですよ…まだアイドルなんですよ!」
彼女は涙を流し続けながら呟く。
そして立ち上がる。
立ち上がった瞬間椅子が音を立てるが、その音がやけに大きく部屋の中に響いた。
雪歩はふらふらとした足取りで千早に近づく。
その間も聞き取れないような声でぶつぶつと何かを呟いていた。
「ちょっ、萩原さん? どうしたの…わ、私も言いすぎたわ。ごめんなさい」
千早は雪歩から逃げるように後ずさっていく。
しかしそう広くないホテルの部屋。すぐに千早は壁際まで追い込まれてしまった。
「いいんだ…わかってるんです。どーせダメダメですから…」
雪歩は夢遊病者のような足取りで千早を追い詰める。
対する千早は雪歩の変わりように驚き、何も言えなくなってしまっていた。
バンッ。一際大きい音がする。
千早が目を閉じて身をきゅっと強張らせる。
殴られる、そう思ったのだろう。
しかし衝撃は一切こなかった。
彼女が少し目を開くと、本当に目の前に雪歩の笑った顔があった。
さっきの音は雪歩が思いっきり壁に手をついたようだ。
彼女の両手は千早を逃がさないように、しっかり頭の両側にあった。
後数センチずれていれば、雪歩の手で千早の頭は潰される、とはいかないまでも思いっきり殴られていただろう。
雪歩はそのまま、もう数cmもない距離をじりじり詰める。
そして唐突に千早の唇に襲い掛かった。
強張っていた彼女の身体が一瞬びくっと跳ねる。
驚きのあまり少し開いていた目を思いっきり開く。
そこには目を閉じて自分とキスしている雪歩。
千早は思考が一気に飛んだ気がした。
何故ここでキスなのか、何故雪歩が、とにかく千早の頭の中は「何故」だけで一杯だった。
その間も雪歩の舌と唇は千早を本当に食べるように舐めまわし、甘噛みしていた。
それが三分も続けられると、さすがに千早も息が続かなくなってきた。
息をしようと少しだけ唇を開く。
その一瞬を雪歩は見逃さなかった。
唇を舐めまわしていた彼女の舌が千早の口の中に一気に侵入してきた。
「んっ、んむ…!」
千早はその俊敏さと、わけのわからない仕打ちに見開いていた目をさらに広げる。
瞳が乾いてきて少しだけ涙が零れてくる。
「あ…んっ、ちゅ…っ、んん」
雪歩が涙の感触に気づくと、嬉しそうに千早の舌を吸い上げる。
痛いほどのキスだった。
もちろん千早が今まで体験したことのないキスだ。
それどころか彼女のファーストキスは雪歩だった。
そこまで考える余裕が出てきて、千早はさらに無意識に涙を流していた。
いつか好きな人に、いやもっというとプロデューサーにとまで考えていたファーストキスだ。
それを雪歩がやってのけた。
驚きと悲しみの表現はただ涙が流れるのに任せるのに他なかった。
「ぇっぅ…ぅっ…」
千早の小さな嗚咽が雪歩の舌をさらに導くように絡まる。
雪歩は口の中で笑うとやっと唇を離した。
つーっと二人の間で唾液が糸を引く。
「ど…うして、こんな…」
やっとの思いで千早が言葉を発する。
だが雪歩はそれを無視すると、千早より少しだけ太めの腕で彼女の身体を抱き寄せた。
抱き寄せたとき、千早のバランスが崩れる。
「きゃっ!」
彼女の短い悲鳴が響いた。
ホテルとはいえ、ビジネスホテルに毛が生えたような場所だ。
絨毯なんてもちろん引いていない。
千早と雪歩はもつれるように床に倒れる。
倒れた衝撃は大きい。特に、千早のほうが。
そして雪歩は図らずとも千早を押し倒す体勢になっていた。
「あーあ…転んじゃいましたね。ダメだなぁ、もっとしっかりしてくださいよ」
雪歩はクスクスと笑うように言う。
どことなく色気がありそれでいて鈴の鳴るような。
この場に男がいたら少なくとも息を飲んでしまうような、そんな声だった。
だが千早からすればそれもただ怖いという感情が先に立つ。
「やめてください。お願い、正気に戻って」
彼女は雪歩をなんとか宥めようとしつつ、身を捩じらせる。
もちろん、かはわからないが今の雪歩がそんなささやかな抵抗に応じるわけがなかった。
「私は正気ですよ〜。千早ちゃん酷いなぁ」
雪歩はなお笑うと、もう一度千早の唇を奪った。
それからどれだけの時間が経っただろうか。
もはや千早に判断能力はなくなっていた。
その間雪歩はずっとキスを続けていた。
少し乾いた室内でキスし続けていたためか、唇がぴりぴりと痛い。
しかし千早も雪歩もそんなことを気にすることはできなかった。
雪歩はぐってりとして力が抜けた千早を満足そうに見下ろす。
未だ床に組み伏したままのパートナーは、今や雪歩の思いのままだ。
「ふふふ、やっと静かになりましたね〜」
雪歩は嬉しそうに呟くと、千早の長い髪を梳くように撫でる。
抵抗もできない千早はただされるがままになっているだけだ。
「キスだけで動けなくなっちゃいました? でも、まだまだこれからですよ」
精気がない千早に言い放つ雪歩。
彼女はゆっくりとした手つきで千早の服を脱がせにかかった。
春先の暖かくなってきた時分も災いだった。
彼女の服はものの数分もせず剥ぎ取られてしまい、青でまとめた清楚な下着だけの姿になってしまう。
今時珍しくなったフロントホックのブラジャーにお揃いのショーツはそれだけで欲情を誘うものがある。
「へぇ、レースまでついてる。千早ちゃんってもっとシックなのつけてるかと思った」
雪歩は言いながら千早のブラジャーを指で弾く。
薄いパットを通してその衝撃が彼女の胸に伝わる。
「んー…じゃ、これもとっちゃいましょうね〜」
そういって雪歩は無慈悲にブラジャーを外す。
千早がいやいやするように顔を横に何度も振ったが一切を無視して。
ホックを外すと日焼けもない白い小さい胸が顔を出す。
標準よりも小さい千早の胸は、それでいてどのグラビアアイドルのより綺麗な形をしていた。
「やめ…て。お願い…こんなの、おかしい…」
千早は弱弱しく胸を隠そうと腕を動かす。
が、それもすぐ雪歩に阻まれてしまった。
「隠しちゃだめだめ。ふふっ、綺麗な胸ですね〜食べちゃいたくなりますよ〜
このまま写真とってえっちな雑誌に送ったらどーなっちゃいますかね〜」
雪歩が笑う。
対照的に千早の顔は真っ青になり、もう流れ尽くしたはずの涙が瞳に溢れる。
今の雪歩はそれくらいやりかねない、千早はそう感じた。
実際手元にカメラがあれば雪歩は本気で撮るつもりでいた。
「でも残念です。デジカメ持ってきてないですよ」
その言葉に千早は少しほっとしたような表情になる。
しかしそれもほんの少しの間のことだった。
雪歩がニヤっと笑う。
「しかたないので〜食べちゃいます」
彼女はそう宣言すると同時に千早の胸にむしゃぶりついた。
舌先に唾を溜め、滑るように舐めていく。
そして乳首に到達しそうになるとまた離れる。
じらすよう、じらすように舐めまわす。
「やっ…は、んっ…ぁ…だめ、です…ぅんん」
ほどなくして千早の口から小さい声が漏れ始めた。
さっきまで真っ青だった顔は少しだけ赤くなり始めていた。
腕を押さえられ、上に乗られた状態でできる抵抗は千早にはなかった。
いいように胸を弄ばれ続ける。
そしてその度に自分の声でないような声が漏れる。
千早の人一倍よく聞こえる耳は、その声を彼女の脳に伝えた。
千早は自分のようで自分でない声に酔い始めていた。
じらされ、弄られ、身体は芯のほうから熱くなってきている。
声と身体が千早とは別の生き物のように反応し、雪歩を喜ばせる。
千早の身体を雪歩の口や手が滑るたびにピクン、ピクン跳ねる。
「ひゃっ…んっ、だ、めっんぁあっ…いやぁ」
言っていることとは違う甘い声が漏れ出てくる。
そしてその声で彼女自身が熱くなる。
彼女にとってすれば最悪でそれでいて心地のいい時間だった。
「あらら〜気持ちよさそうですねぇ。いい声ですよ〜」
雪歩は千早の耳元で囁き抑えていた腕を放すと、指を這わせながら下へ下へと移動させていった。
へそに到達した指がくすぐるように撫でるが、それすらくすぐったさを通り越していた。
千早が甘い声をあげる。
普段の彼女らしくない声だ。
甲高く悲鳴にも聞こえなくない。
「ふふふ、可愛いですねぇ」
千早の声が甲高くなると、逆に雪歩の声はどんどんトーンが下がっていく。
「やめっ…ぁっ…おね、がっんんん!」
「聞こえませーん。っていうか、何いってるかよくわかりませんね〜」
雪歩は完全に脱力している千早の身体をゆっくりと転がす。
後ろ姿も雪のようだ。
何の曇りもない白い肌は少し紅潮し熱を帯びている。
そして雪歩は狙いを定めると、いつも通りにっこり笑った。
「次はオシオキですよ〜。千早ちゃんってばこーでもしないと言う事聞きそうにないから〜」
まったく普段通りの雪歩の口調に千早の身体が強張る。
千早はその異様さを察知したかのように身をくねらせるが、それすら男を、いや人間全てを誘うような仕草にしかならない。
「あはははっ。オシオキしてほしいんですね。おねだりなんてはしたいアイドルです」
雪歩は笑いながら思いっきり右腕を振り上げる。
左腕はしっかりと千早の身体を固定して離さない。
そして振り上げた腕を思いっきり千早の尻めがけて振り下ろす。
「きゃぅっ!」
突然のことに千早の口から一層高い悲鳴が上がった。
彼女からは見えないが、雪歩はその悲鳴と丸みを帯びた白い尻についた赤い手形を見て悦に入っていた。
「……ん〜いい声ですね〜。さすがは千早ちゃん、発声が凄いです」
彼女はにやにや笑い出す。
普段の大人しい彼女はもうどこにも見当たらなかった。
口調も、どこか人を威圧するようなものに変わっている。
「もーっと聞かせてくださいねぇ」
雪歩は千早に耳元に顔を近づけて告げる。
千早は抗議を示すように顔を横にブンブン振るが、それは逆効果だった。
「はいはい、もっともっとしてあげますよ〜」
声と共にバシィと少し鈍い音が響く。
完全に痛みを目的とした叩き方だ。
「ぁぅ! きゃあ! いたっ、やめっ!」
雪歩の手はほぼ完全に同じスピード同じ角度から千早を叩き続ける。
そのたびに抗議と痛みの悲鳴が上がるが、その声は雪歩を喜ばせるだけだった。
証拠に雪歩の下着はしっとしと湿っていた。
彼女自身それがわかる。
そして手を動かし続けた。
「もっともっとです。いっぱい鳴いて、いっぱい泣いてください」
壊れた人形のように行為を続ける雪歩。
すでに千早の白い肌は真っ赤に変わっていた。
「うっ…ぅぅ…何故、なんでこんな…」
千早の目からはいつの間にか涙が溢れていた。
出すまいと我慢していたのは最初の数発だけだった。
それからは涙が意思とは別に勝手に流れ出していた。
嗚咽交じりで呟く千早を眺めていた雪歩は不意に手を止める。
「あらら? ねえねえ千早ちゃん、千早ちゃんは痛かったんですよね?」
雪歩が耳元で確認するように聞く。
千早は無視を決め込もうとしたが、
「お尻叩かれて、泣いちゃうくらいとーっても痛かったんですよね?」
雪歩は何度も何度も執拗に質問を繰り返した。
しかたなく、千早はぼーっとした頭を一回縦に振る。
そうすると雪歩は満足したように頷くと、真っ赤になった尻をさすった。
「痛いですよねぇ。だって思いっきり叩きましたから。でも…なんででしょうね〜」
彼女はにやにやとした笑みは絶やさず、指を尻の割れ目からゆっくり移動させる。
菊門を一周くるっとなでた後、さらに下へ目指す。
千早の身体がびくっと跳ね、さらに力が入るが、それに気づいた雪歩は開いていた左手で思いっきり尻をひっぱたく。
「ぅぁぁ!」
右手程の威力はないものの、叩かれ続けた尻はその痛覚を何倍にも高めていた。
千早がうめき声を上げ、力が抜ける。
その隙に雪歩の指は千早の秘所にたどり着いていた。
くちゅっ。小さい水音が漏れる。
「うわぁ、いっぱい濡れてます。痛かったのに、どーしてなんでしょうねぇ」
そういいながら雪歩は秘所を広げるように人差し指と薬指をVの字にさせた。
「痛いのに濡れちゃって、しかもこーんなに。千早ちゃんってマゾ?」
くすくす笑いながら中指を秘所へ入れる。
雪歩の細い指が導かれるように、それでいて拒まれるように千早の膣へ入っていった。
「いやぁぁぁ! やめてっお願い、やめて、萩原さん…お願い言うこと聞きます…だからやめてください!」
千早の悲痛な叫びがあがる。
指だけだがその感触は彼女にとって怖いだけだった。
流れる涙を気にする余裕もなく頭を振り嫌がる。
雪歩はそんな姿を見ると、やはり笑った。
「もちろん、やめてあげますよ〜。千早ちゃんには指なんかよりもーっといい物あげるんですから」
しかし雪歩をメインに、千早をサポートに回したデュオは未だに一切名が売れてなかった。
プロデューサーから見ても実力がないわけではない。
原因は二人にあった。
上り症なうえに自信という言葉が一切抜け落ちている雪歩。
それが気に入らず雪歩に辛く当たりすぎてしまう千早。
このままではトップアイドルどころかテレビに顔を出すことすら危うい。
そこでプロデューサーは二人を呼び出すと考えていたことを切り出した。
「あー二人とも。今日の仕事はない。休みだ」
プロデューサーにそう告げられた二人はとたんに不機嫌な顔になる。
その顔にプロデューサーは希望を持ってさらに言葉を続ける。
「ただし、今日は二人にじっくり話し合ってもらいたい。これからのこととか、今までのこととか。
このままじゃダメってことは、二人ともわかってるよな?」
雪歩が大きく頷く。
その隣で千早は少しイラついたように「わかりました」と小さく呟いた。
まだ弱小のプロダクションが無理して借りてくれたホテル内で話し合いは行われていた。
ただ話し合いというよりは雪歩が一方的にしゃべっているだけだったが。
千早はひたすら聞き手に回っている。
「わ、私、ぐずでドジだけど…そのあの、だから千早ちゃんももう少し私に合わせてくれたら…」
雪歩は始終この感じで話続けていた。
確かに千早は雪歩のサポート役として抜擢されている。
だが話を聞けば聞くほど彼女の納得はいかなかった。
雪歩は彼女にひたすら裏方を務めてくれといっているようなものだと受け取っていた。
いくらデュオでのデビューとはいえ、千早もアイドルのプライドがある。
そんな提案を聞き入れるわけにはいかない。
そしてもう一時間も同じような話を聞いていて我慢の限界にも来ていた。
千早はしびれを切らしたようにバンッと大きい音を立てて安っぽい机を叩いて立ち上がる。
「さっきからぐちぐちと、萩原さん。貴女がそんなだから私達は売れないんですよ。
ステージに立ったら上がってトチる。営業に出たら恥ずかしがって何もいえない。
貴女はアイドルを舐めているんですか? そうでなければアイドルを目指すこと自体、間違いだったかもしれませんね。
このままでは私は萩原さんとはやっていけません」
彼女は一気に早口でまくし立てると肩で息をしながら「しまった」と思った。
ここまで言うつもりはなかった。例え本当のことと思っても、言いすぎだった。
しかし謝ろうとしても彼女の口は動かない。
机に手をついて、ぎゅっと目を閉じて、怒っているようにしか見えない。
少しの間、一切の音が部屋からは消えていた。
千早がやっと目を少しづつ開けると、そこには笑いながら泣いている、そんな雪歩の顔があった。
これには彼女も罪悪感を覚えなくなかった。
禁句を口にしてしまったことか、泣かせてしまったことかはわからないが。
千早にとってこの反応は予想外だった。
普段の雪歩なら苦笑しながら「そうですよねぇ」とかいって自分の頭を小突いて終わりだったはずだ。
だが今千早の目の前にいる少女はそれが一切なかった。
言葉もない。笑い声もない。しかし顔は笑っていて、それでいて涙が流れていた。
「そうだよ…どーせ私はアイドルなんてならないほうが…よかったんですよね…」
ぽつぽつと雪歩が呟きだす。
感情が消えたような、抑揚のない声だ。
「ぐずだしドジだしノロマだし、千早ちゃんみたいに凄い歌歌えるわけでもないし。
そーだよね…私なんかアイドルにならないほうがいいかもしれないよね。
それでも私も今はアイドルなんですよ…まだアイドルなんですよ!」
彼女は涙を流し続けながら呟く。
そして立ち上がる。
立ち上がった瞬間椅子が音を立てるが、その音がやけに大きく部屋の中に響いた。
雪歩はふらふらとした足取りで千早に近づく。
その間も聞き取れないような声でぶつぶつと何かを呟いていた。
「ちょっ、萩原さん? どうしたの…わ、私も言いすぎたわ。ごめんなさい」
千早は雪歩から逃げるように後ずさっていく。
しかしそう広くないホテルの部屋。すぐに千早は壁際まで追い込まれてしまった。
「いいんだ…わかってるんです。どーせダメダメですから…」
雪歩は夢遊病者のような足取りで千早を追い詰める。
対する千早は雪歩の変わりように驚き、何も言えなくなってしまっていた。
バンッ。一際大きい音がする。
千早が目を閉じて身をきゅっと強張らせる。
殴られる、そう思ったのだろう。
しかし衝撃は一切こなかった。
彼女が少し目を開くと、本当に目の前に雪歩の笑った顔があった。
さっきの音は雪歩が思いっきり壁に手をついたようだ。
彼女の両手は千早を逃がさないように、しっかり頭の両側にあった。
後数センチずれていれば、雪歩の手で千早の頭は潰される、とはいかないまでも思いっきり殴られていただろう。
雪歩はそのまま、もう数cmもない距離をじりじり詰める。
そして唐突に千早の唇に襲い掛かった。
強張っていた彼女の身体が一瞬びくっと跳ねる。
驚きのあまり少し開いていた目を思いっきり開く。
そこには目を閉じて自分とキスしている雪歩。
千早は思考が一気に飛んだ気がした。
何故ここでキスなのか、何故雪歩が、とにかく千早の頭の中は「何故」だけで一杯だった。
その間も雪歩の舌と唇は千早を本当に食べるように舐めまわし、甘噛みしていた。
それが三分も続けられると、さすがに千早も息が続かなくなってきた。
息をしようと少しだけ唇を開く。
その一瞬を雪歩は見逃さなかった。
唇を舐めまわしていた彼女の舌が千早の口の中に一気に侵入してきた。
「んっ、んむ…!」
千早はその俊敏さと、わけのわからない仕打ちに見開いていた目をさらに広げる。
瞳が乾いてきて少しだけ涙が零れてくる。
「あ…んっ、ちゅ…っ、んん」
雪歩が涙の感触に気づくと、嬉しそうに千早の舌を吸い上げる。
痛いほどのキスだった。
もちろん千早が今まで体験したことのないキスだ。
それどころか彼女のファーストキスは雪歩だった。
そこまで考える余裕が出てきて、千早はさらに無意識に涙を流していた。
いつか好きな人に、いやもっというとプロデューサーにとまで考えていたファーストキスだ。
それを雪歩がやってのけた。
驚きと悲しみの表現はただ涙が流れるのに任せるのに他なかった。
「ぇっぅ…ぅっ…」
千早の小さな嗚咽が雪歩の舌をさらに導くように絡まる。
雪歩は口の中で笑うとやっと唇を離した。
つーっと二人の間で唾液が糸を引く。
「ど…うして、こんな…」
やっとの思いで千早が言葉を発する。
だが雪歩はそれを無視すると、千早より少しだけ太めの腕で彼女の身体を抱き寄せた。
抱き寄せたとき、千早のバランスが崩れる。
「きゃっ!」
彼女の短い悲鳴が響いた。
ホテルとはいえ、ビジネスホテルに毛が生えたような場所だ。
絨毯なんてもちろん引いていない。
千早と雪歩はもつれるように床に倒れる。
倒れた衝撃は大きい。特に、千早のほうが。
そして雪歩は図らずとも千早を押し倒す体勢になっていた。
「あーあ…転んじゃいましたね。ダメだなぁ、もっとしっかりしてくださいよ」
雪歩はクスクスと笑うように言う。
どことなく色気がありそれでいて鈴の鳴るような。
この場に男がいたら少なくとも息を飲んでしまうような、そんな声だった。
だが千早からすればそれもただ怖いという感情が先に立つ。
「やめてください。お願い、正気に戻って」
彼女は雪歩をなんとか宥めようとしつつ、身を捩じらせる。
もちろん、かはわからないが今の雪歩がそんなささやかな抵抗に応じるわけがなかった。
「私は正気ですよ〜。千早ちゃん酷いなぁ」
雪歩はなお笑うと、もう一度千早の唇を奪った。
それからどれだけの時間が経っただろうか。
もはや千早に判断能力はなくなっていた。
その間雪歩はずっとキスを続けていた。
少し乾いた室内でキスし続けていたためか、唇がぴりぴりと痛い。
しかし千早も雪歩もそんなことを気にすることはできなかった。
雪歩はぐってりとして力が抜けた千早を満足そうに見下ろす。
未だ床に組み伏したままのパートナーは、今や雪歩の思いのままだ。
「ふふふ、やっと静かになりましたね〜」
雪歩は嬉しそうに呟くと、千早の長い髪を梳くように撫でる。
抵抗もできない千早はただされるがままになっているだけだ。
「キスだけで動けなくなっちゃいました? でも、まだまだこれからですよ」
精気がない千早に言い放つ雪歩。
彼女はゆっくりとした手つきで千早の服を脱がせにかかった。
春先の暖かくなってきた時分も災いだった。
彼女の服はものの数分もせず剥ぎ取られてしまい、青でまとめた清楚な下着だけの姿になってしまう。
今時珍しくなったフロントホックのブラジャーにお揃いのショーツはそれだけで欲情を誘うものがある。
「へぇ、レースまでついてる。千早ちゃんってもっとシックなのつけてるかと思った」
雪歩は言いながら千早のブラジャーを指で弾く。
薄いパットを通してその衝撃が彼女の胸に伝わる。
「んー…じゃ、これもとっちゃいましょうね〜」
そういって雪歩は無慈悲にブラジャーを外す。
千早がいやいやするように顔を横に何度も振ったが一切を無視して。
ホックを外すと日焼けもない白い小さい胸が顔を出す。
標準よりも小さい千早の胸は、それでいてどのグラビアアイドルのより綺麗な形をしていた。
「やめ…て。お願い…こんなの、おかしい…」
千早は弱弱しく胸を隠そうと腕を動かす。
が、それもすぐ雪歩に阻まれてしまった。
「隠しちゃだめだめ。ふふっ、綺麗な胸ですね〜食べちゃいたくなりますよ〜
このまま写真とってえっちな雑誌に送ったらどーなっちゃいますかね〜」
雪歩が笑う。
対照的に千早の顔は真っ青になり、もう流れ尽くしたはずの涙が瞳に溢れる。
今の雪歩はそれくらいやりかねない、千早はそう感じた。
実際手元にカメラがあれば雪歩は本気で撮るつもりでいた。
「でも残念です。デジカメ持ってきてないですよ」
その言葉に千早は少しほっとしたような表情になる。
しかしそれもほんの少しの間のことだった。
雪歩がニヤっと笑う。
「しかたないので〜食べちゃいます」
彼女はそう宣言すると同時に千早の胸にむしゃぶりついた。
舌先に唾を溜め、滑るように舐めていく。
そして乳首に到達しそうになるとまた離れる。
じらすよう、じらすように舐めまわす。
「やっ…は、んっ…ぁ…だめ、です…ぅんん」
ほどなくして千早の口から小さい声が漏れ始めた。
さっきまで真っ青だった顔は少しだけ赤くなり始めていた。
腕を押さえられ、上に乗られた状態でできる抵抗は千早にはなかった。
いいように胸を弄ばれ続ける。
そしてその度に自分の声でないような声が漏れる。
千早の人一倍よく聞こえる耳は、その声を彼女の脳に伝えた。
千早は自分のようで自分でない声に酔い始めていた。
じらされ、弄られ、身体は芯のほうから熱くなってきている。
声と身体が千早とは別の生き物のように反応し、雪歩を喜ばせる。
千早の身体を雪歩の口や手が滑るたびにピクン、ピクン跳ねる。
「ひゃっ…んっ、だ、めっんぁあっ…いやぁ」
言っていることとは違う甘い声が漏れ出てくる。
そしてその声で彼女自身が熱くなる。
彼女にとってすれば最悪でそれでいて心地のいい時間だった。
「あらら〜気持ちよさそうですねぇ。いい声ですよ〜」
雪歩は千早の耳元で囁き抑えていた腕を放すと、指を這わせながら下へ下へと移動させていった。
へそに到達した指がくすぐるように撫でるが、それすらくすぐったさを通り越していた。
千早が甘い声をあげる。
普段の彼女らしくない声だ。
甲高く悲鳴にも聞こえなくない。
「ふふふ、可愛いですねぇ」
千早の声が甲高くなると、逆に雪歩の声はどんどんトーンが下がっていく。
「やめっ…ぁっ…おね、がっんんん!」
「聞こえませーん。っていうか、何いってるかよくわかりませんね〜」
雪歩は完全に脱力している千早の身体をゆっくりと転がす。
後ろ姿も雪のようだ。
何の曇りもない白い肌は少し紅潮し熱を帯びている。
そして雪歩は狙いを定めると、いつも通りにっこり笑った。
「次はオシオキですよ〜。千早ちゃんってばこーでもしないと言う事聞きそうにないから〜」
まったく普段通りの雪歩の口調に千早の身体が強張る。
千早はその異様さを察知したかのように身をくねらせるが、それすら男を、いや人間全てを誘うような仕草にしかならない。
「あはははっ。オシオキしてほしいんですね。おねだりなんてはしたいアイドルです」
雪歩は笑いながら思いっきり右腕を振り上げる。
左腕はしっかりと千早の身体を固定して離さない。
そして振り上げた腕を思いっきり千早の尻めがけて振り下ろす。
「きゃぅっ!」
突然のことに千早の口から一層高い悲鳴が上がった。
彼女からは見えないが、雪歩はその悲鳴と丸みを帯びた白い尻についた赤い手形を見て悦に入っていた。
「……ん〜いい声ですね〜。さすがは千早ちゃん、発声が凄いです」
彼女はにやにや笑い出す。
普段の大人しい彼女はもうどこにも見当たらなかった。
口調も、どこか人を威圧するようなものに変わっている。
「もーっと聞かせてくださいねぇ」
雪歩は千早に耳元に顔を近づけて告げる。
千早は抗議を示すように顔を横にブンブン振るが、それは逆効果だった。
「はいはい、もっともっとしてあげますよ〜」
声と共にバシィと少し鈍い音が響く。
完全に痛みを目的とした叩き方だ。
「ぁぅ! きゃあ! いたっ、やめっ!」
雪歩の手はほぼ完全に同じスピード同じ角度から千早を叩き続ける。
そのたびに抗議と痛みの悲鳴が上がるが、その声は雪歩を喜ばせるだけだった。
証拠に雪歩の下着はしっとしと湿っていた。
彼女自身それがわかる。
そして手を動かし続けた。
「もっともっとです。いっぱい鳴いて、いっぱい泣いてください」
壊れた人形のように行為を続ける雪歩。
すでに千早の白い肌は真っ赤に変わっていた。
「うっ…ぅぅ…何故、なんでこんな…」
千早の目からはいつの間にか涙が溢れていた。
出すまいと我慢していたのは最初の数発だけだった。
それからは涙が意思とは別に勝手に流れ出していた。
嗚咽交じりで呟く千早を眺めていた雪歩は不意に手を止める。
「あらら? ねえねえ千早ちゃん、千早ちゃんは痛かったんですよね?」
雪歩が耳元で確認するように聞く。
千早は無視を決め込もうとしたが、
「お尻叩かれて、泣いちゃうくらいとーっても痛かったんですよね?」
雪歩は何度も何度も執拗に質問を繰り返した。
しかたなく、千早はぼーっとした頭を一回縦に振る。
そうすると雪歩は満足したように頷くと、真っ赤になった尻をさすった。
「痛いですよねぇ。だって思いっきり叩きましたから。でも…なんででしょうね〜」
彼女はにやにやとした笑みは絶やさず、指を尻の割れ目からゆっくり移動させる。
菊門を一周くるっとなでた後、さらに下へ目指す。
千早の身体がびくっと跳ね、さらに力が入るが、それに気づいた雪歩は開いていた左手で思いっきり尻をひっぱたく。
「ぅぁぁ!」
右手程の威力はないものの、叩かれ続けた尻はその痛覚を何倍にも高めていた。
千早がうめき声を上げ、力が抜ける。
その隙に雪歩の指は千早の秘所にたどり着いていた。
くちゅっ。小さい水音が漏れる。
「うわぁ、いっぱい濡れてます。痛かったのに、どーしてなんでしょうねぇ」
そういいながら雪歩は秘所を広げるように人差し指と薬指をVの字にさせた。
「痛いのに濡れちゃって、しかもこーんなに。千早ちゃんってマゾ?」
くすくす笑いながら中指を秘所へ入れる。
雪歩の細い指が導かれるように、それでいて拒まれるように千早の膣へ入っていった。
「いやぁぁぁ! やめてっお願い、やめて、萩原さん…お願い言うこと聞きます…だからやめてください!」
千早の悲痛な叫びがあがる。
指だけだがその感触は彼女にとって怖いだけだった。
流れる涙を気にする余裕もなく頭を振り嫌がる。
雪歩はそんな姿を見ると、やはり笑った。
「もちろん、やめてあげますよ〜。千早ちゃんには指なんかよりもーっといい物あげるんですから」
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