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「脱ぎなさい」
いきなり７６５プロに呼び出されたと思ったら、歌姫からこんなことを言われるとは誰が思おうか。
「ぎゃおおおん、何でですかいきなり」
律子お姉ちゃんがどうにか千早さんを宥めた後、パッドの話から『本当は』どちらが胸が大きいか気になったらしい。
で測り合いのために呼び出されたと。
って、律子お姉ちゃん止めてよ、バレるとしか思えないんだけど。
「脱いだわ」
早っ。早すぎるよ千早さん！
「諦めなさい、涼。止められないから。無理矢理脱がされるのが趣味なら止めないけど」
ちょっ、律子お姉ちゃんも変なこと言わないで……
「あら、それなら脱がしましょうか」
「じ、自分で脱ぎます！」
気づいたら目の前に胸があるとか、どんな試練ですか。
「じゃあまずは私が測るわ」
いや、半裸の女性に胸を測られるってどんな状況ですか！
「涼、73のAAAカップ」
（涼、何でトップとアンダーの差があるのよ？）
（いや、真さんに少しは鍛えた方がダンスやボーカルに有利だからって最近、ジムに）
（ギッリギリAAAとはいえマズいわね）
「……測りなさい」
って、何で黒いオーラが！？
「わ、分かりました」
（涼、わかりにくいけど胸の真下がアンダー、一番大きいところがトップね）
（あ、ありがとう律子お姉ちゃん）
「えっと、71のAAAカップです……」
（って、ええ何で？　見た感じそこまで小さくは）
（千早の場合、トップとアンダーをきっちり合わせないとAAに乗らないのよ……）
（じゃあ普段は寄せて、）
（贅肉もないから無理）
「くっ」
呟いた後、僕の方を見て固まる千早さん。
……そりゃそうですよね。興奮しますよね、もう一人の僕。
「あ〜あ」
いや、ため息以前に止めてよ、律子お姉ちゃん！
「ぎゃおおおん！」


「落ち着いた？　千早？」
僕より復帰が遅かった。
「事情は端折るけど、涼は男よ。一応、黙っててね」
「いいわ、その代わり」
ガシッと僕の肩を掴む千早さん。
「胸の大きく仕方知ってそうだから教えなさい！」
ぎゃおおおん！　なんで？
「僕のは大胸筋です千早さん！　ムキムキな胸を作ってそれで満足なんですか？」
少し沈黙した後、静かに答えた。
「Aカップになれるなら構わないわ」
（５センチも大胸筋付けられたら、体型変わるか。仕方ない）
「男の子に揉まれると女性ホルモンが出て大きくなるわよ、実例」
何で自分を指差すの！？
「よろしく」
「ぎゃおおおん！」

続く