最終更新:ID:OqHhyNoAkQ 2009年12月05日(土) 11:32:49履歴
目の前が徐々に明るくなった。
カーテンの隙間から漏れる光で、まどろんだ意識がはっきりしてくる。
「ん…」
視界に綺麗な長髪が見えた。
「千早」
寝たままその名をぽつりと呟くと、聞こえたのか彼女が振り向く。
「おはよう、真。起きたのね」
小さな笑みを湛えて。
それが少し嬉しい。
「ちょっと待って。今飲み物持ってくるわ」
そう言って奥に消えて行った。
ぼうっとしていると、昨晩のことが思い出されて顔が熱くなる。
あの時は嬉しすぎてつい勢いでああなってしまったが、後悔はしていない。
今冷静に考えると凄く恥ずかしいのだが…。
ふと、真は自分がジャージを着ていることに気づいた。
千早が着せてくれたのだろうか。
言葉に出さないさり気なさが千早らしい。
そんなことを考えていたら、千早がグラスを持って戻ってきた。
「はい、牛乳でいい?」
「うん。ありがとう」
真は上半身を起こしてグラスを受け取る。
わざわざ牛乳をチョイスするとは…いや、考えすぎか。
「真。身体大丈夫?」
すぐに昨夜のことだと気づいた。
確かに少しだるい気もするが、午後からのコンサートまでには治るだろう。
「平気平気。鍛えてるからさ」
「…ごめんなさい、その…コンサート前なのに、あ…あんなこと」
そう言って千早は俯いてしまった。
良く見えないがきっと顔は赤くなってる。
千早もそれなりに恥ずかしいんだ、と真は思った。
「ホントに平気だって。まあちょっとはだるいけど…でも、それの何倍も嬉しいんだ」
真の言葉に千早が驚いて顔を上げる。
「千早がこんなにボクを想ってくれてるんだって伝わってきて…ああ、凄く幸せだなあって」
「真…」
千早の頬が緩んだ。
以前の彼女の作り笑いとは違う、心からの笑み。
それを見て、真も笑顔になる。
すると突然、真の体が下に引っ張られ、ベッドに倒れた。
目の前には千早の顔と、背景に天井。
そこで初めて千早に押し倒されたのだと理解した。
「ちょっと…いくらボクが体力あるからって、今されたらコンサートで体持たないよ」
「安心して。最後までいく気はないから」
「ホントかなあ…」
疑いの目を千早に向ける。
それが千早には可笑しかったみたいで、クスッと笑い声が聞こえた。
「真、可愛い」
「なっ…」
また顔が熱くなった。
でも、悪い気はしない。
むしろ千早に言われているのだと思うと心が温かくなる。
(ああ…ボク千早のこと好きなんだなあ…)
唇に添えられたぬくもりを感じて、真はそっと目を閉じた。
カーテンの隙間から漏れる光で、まどろんだ意識がはっきりしてくる。
「ん…」
視界に綺麗な長髪が見えた。
「千早」
寝たままその名をぽつりと呟くと、聞こえたのか彼女が振り向く。
「おはよう、真。起きたのね」
小さな笑みを湛えて。
それが少し嬉しい。
「ちょっと待って。今飲み物持ってくるわ」
そう言って奥に消えて行った。
ぼうっとしていると、昨晩のことが思い出されて顔が熱くなる。
あの時は嬉しすぎてつい勢いでああなってしまったが、後悔はしていない。
今冷静に考えると凄く恥ずかしいのだが…。
ふと、真は自分がジャージを着ていることに気づいた。
千早が着せてくれたのだろうか。
言葉に出さないさり気なさが千早らしい。
そんなことを考えていたら、千早がグラスを持って戻ってきた。
「はい、牛乳でいい?」
「うん。ありがとう」
真は上半身を起こしてグラスを受け取る。
わざわざ牛乳をチョイスするとは…いや、考えすぎか。
「真。身体大丈夫?」
すぐに昨夜のことだと気づいた。
確かに少しだるい気もするが、午後からのコンサートまでには治るだろう。
「平気平気。鍛えてるからさ」
「…ごめんなさい、その…コンサート前なのに、あ…あんなこと」
そう言って千早は俯いてしまった。
良く見えないがきっと顔は赤くなってる。
千早もそれなりに恥ずかしいんだ、と真は思った。
「ホントに平気だって。まあちょっとはだるいけど…でも、それの何倍も嬉しいんだ」
真の言葉に千早が驚いて顔を上げる。
「千早がこんなにボクを想ってくれてるんだって伝わってきて…ああ、凄く幸せだなあって」
「真…」
千早の頬が緩んだ。
以前の彼女の作り笑いとは違う、心からの笑み。
それを見て、真も笑顔になる。
すると突然、真の体が下に引っ張られ、ベッドに倒れた。
目の前には千早の顔と、背景に天井。
そこで初めて千早に押し倒されたのだと理解した。
「ちょっと…いくらボクが体力あるからって、今されたらコンサートで体持たないよ」
「安心して。最後までいく気はないから」
「ホントかなあ…」
疑いの目を千早に向ける。
それが千早には可笑しかったみたいで、クスッと笑い声が聞こえた。
「真、可愛い」
「なっ…」
また顔が熱くなった。
でも、悪い気はしない。
むしろ千早に言われているのだと思うと心が温かくなる。
(ああ…ボク千早のこと好きなんだなあ…)
唇に添えられたぬくもりを感じて、真はそっと目を閉じた。
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